陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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いよいよ始まる女神の試練。

なのですがある意味嵐の前の静けさとばかりなほのぼの回となります。

それではどうぞごゆっくり!


女神の試練開始なのだがミドガル第一王女は心労からうっかり狐娘の尻尾で癒されようとし妹王女とメガネっ娘小説家ももふる。そして武神は弟子と金豹の娘と共に聖域を目指す

女神の試練当日…

 

集まった観客は今か今かと祭典に心踊ろさせていた。

 

聖域の扉が開かれる日に行われる戦い。

 

それは聖域から古代の戦士の記憶を呼び覚まし、挑戦者はその記憶の戦士と戦うの。事前に申請すれば魔剣士なら誰でも参加できる

 

しかし古代の戦士がそれに応えるとは限らず毎年数百人の魔剣士が参加するが実際に戦えるのは十人程度。

 

古代の戦士はどれも手強く勝てばメダルを授与され何処の騎士団でも実力を認められるだろう。

 

そんな中でアイリス、アレクシアは貴賓席へと招かれていた。

 

彼女らは聖教を監査する筈であった教会で事件が起こった。

 

そう大司教が何者かに殺されたという。

 

そして監査対象が死亡したのだからこの話は終わりだと、大司教代理ネルソンが寝ぼけたことをぬかしたのが事の始まりだ。

 

普通対象が死亡したからこそさらに調査の必要性が増すだろボケ、とアレクシアはオブラートに包んで言ったのだが、ネルソンは調査するなら再度許可を取れの一点張りだった。

 

アイリスもまるでこちらが監査しては不都合なことばかりで口封じされたのではと疑うが聖教と事を構えるのは良くないと引き下がるしかなかった。

 

再度監査するにしても急いで戻って王都まで三日、それから許可をとるのに早くて一週間、リンドブルムに戻るのに三日、そして許可証をネルソンが受理するのに何日かかかる。

 

そこは彼の気分次第だが一週間は待たされるだろうとアイリスは見ている。当然そんな時間をかけていては重要な証拠は闇の中だ。

 

(このままではお父様が送り出してくれた意味がない…何とかならないものか…ならばもう一つのことは達成しないと)

 

とアイリスは横目でアレクシアの隣に立つ少女へ目を向ける。

 

もふもふ

 

(ナツメ・カフカ…彼女から武神様への連絡手段を聞く。そうすれば何かしらの突破口を開くことが出来るかもしれない…問題なのは…アレクシアとあまり相性が良くないということ…上手く行けば良いのだけれど。)

 

とアイリスは会場で挨拶をするネルソン大司教代理を見やる。

 

(やはり聖教は何かを隠しているそれを暴かない限り悲劇を止められない…そんな気がしてならないわ…)

 

もふもふもふもふ…

 

(ミドガルだけではなく…オリアナ王国も最近はキナ臭い動きが見て取れる。)

 

とアイリスは左に座るローズを見る。

 

(彼女の留学は異例だった…お父様から聞いたけれどもラファエロ王からの直々の頼みだった…そして彼女の婚約者には黒いうわさが絶えない…)

 

もふもふもふもふもふもふ

 

「考えなければならないことが多いものね。」

 

隣り合って火花を散らしていたアレクシアとナツメは流石に気になったので問いかける。

 

「…あの姉様…」

 

「アレクシア。いろんな方が見てらっしゃるのだからだらしない格好は駄目ですよ。」

 

「いやアイリス王女?その膝に乗せてる…」

 

「はい?何か問題でも?」

 

「コ~ン♪アイリスさま~」

 

「いや姉様こそ自重してください!?イナリの尻尾や耳を撫でまくってるじゃないの!」

 

先程から椅子に座りながらアイリスはイナリの尻尾をもふっていた。

 

「…仕方ないでしょう…張り切った査察が空振りに終わり大見栄きって来たのになにも出来ずに終わりそうで……イナリさんの尻尾で癒されないとやってられないんです!」

 

アイリスの膝に座るイナリは最初ラムネの差し入れをしようと四人のところへと出向き

 

ミツゴシで売り始めたイータ作のラムネを観客席で売ろうと立ち上がったのだがそのままアイリスの膝に乗せられ尻尾を撫で気持ちを落ちつかせようと触っていたアイリス。

 

(これは流石に予定外でした…まさかイナリちゃんがアイリス王女にこんなに懐かれるとは!?)

 

「姉様、イナリを離して一度落ち着いてください。」

 

と言いつつアレクシアはヒョイとイナリをアイリスの膝から自分の上に乗せ変え自身もモフリだした。

 

周りの観客からも見えているがそんなことは関係ないとばかりに撫でているアレクシア。

 

「ズルいですよアレクシア王女!次は私ですよ!」

(何をなされてるのですか!アレクシア王女も周りを気にしてください!)

 

と本音と建前が逆転しているナツメ。

 

これまたイナリを抱えるナツメ。

 

イナリの尻尾を巡り火花が散るが

 

「…イナリが帰ってこないと思ったら…何してるのよ…」

 

ヒョイとイナリはナツメの膝から浮いたと思えばいつまでも帰ってこないと心配したイータに後ろから抱きしめられていた。

 

「ご主人様!」

 

「あんたたち……仮にも王女と……巷を騒がす人気小説家…なんだから…もっと自覚を持ちなさい…それとこの娘は私の家族よ…ぞんざいな扱いは…許さない…」

 

とイータの迫力の前に流石に自身が悪いと三人は反省するのであった。

 

とイータが姿を現した途端アレクシア、ナツメ、アイリスの時の歓声を遥かに越える歓声が響き渡る。

 

「って私たちの時より大きい歓声ね。」

 

とアレクシアはいきなり歓声がはね上がったことを不思議に思いナツメが補足する。

 

「それは当然のことですよアレクシア王女。イータの作り出したものは人々の生活のこれまでをガラリと変えたんです。

 

今まで手間だったものがとても楽になり他のことに時間を使えるようになった。

 

だから彼女は天才発明家として民衆からとても人気なのですよ。

 

それは私や王女様方よりも」

 

「私はただ発明しただけ…それを売れるようにしたのは…ルーナたちミツゴシの努力の賜物…どんなに良い発明でも……使うものが悪ならそれは悪いものになる…」

 

イータの実感のこもった言葉にアイリスたちは息を飲む。

 

(イータのお陰で主導権を握れそうですね。これならば)

 

「それじゃ…私は観客席に…目立つのは面倒……」

 

と踵を返すイータの後をイナリは付いていく。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方のクレアは女神の試練の開催される場所から程近い場所へ来ていた。

 

「確かここよね。」

 

と彼女は喫茶店の屋外テラスの席へと付いていた。

 

ベアトリクスから指定された場所だが人もまばらにいるのでこんな場所で話をするのかと疑問に思うクレア。

 

そんな時に

 

「闇に葬られ深く深く沈み込んだ絶望に浸る者たちに与えるものは?」

 

と後ろから問い掛けられたクレアはベアトリクスから伝えられた合言葉を言う。

 

「光よ。」

 

「久し振りかなクレア。また一段と綺麗になったね。」

 

と振り向いた先にはサングラスを頭にかけラフな格好をしたゼータことリリムの姿があった。

 

「リリムさん!?どうしてここに?」

 

「今回の件の手伝いだよ。最初はベア様だけでしようとしてたから流石に何かあった時のことを考えてね。まぁそうそうないと思うけど。」

 

「よく来てくれたわクレア。」

 

「師匠!?い、いつの間に…?」

 

「まだまだね。気配察知をもう少し鍛えないといけないわ。」

 

「いやベア様の気配は自然すぎて私たちも分からないときあるよ?」

 

と気配を消しながらクレアの目の前に座っていたベアトリクスに、七陰メンバーでもベアトリクスの隠密を簡単に見破れるものはそういない。

 

例外はアルファ、イータだけでいつも先に気付いている。

 

「それで師匠…話してくれるんでしょ?」

 

「えぇそのつもりよ。でもその前に」

 

とベアトリクスは喫茶店のメニューを開き

 

「まずはコーヒーとサンドイッチを食べましょう。」

 

と何時ものマイペースっぷりにクレアも肩の力を抜きリリムもそれに同席する。

 

 

~武神コーヒーブレイク中~

 

「そういえばこの間はお手柄だったわねクレア。乗客を救い列車事件解決の功労者といっても過言ではない功績ね。」

 

「いやあれはシドも手伝ってくれたし最終的にはイータが解決してくれて」

 

「イータとも仲良くなってたの?」

 

とリリムはイータと接点があったことを不思議に思い尋ねる。

 

「列車事件の夜に温泉で語り合って…あ!そのすいません師匠!イータは師匠の娘なのにシドが傷付けてしまって」

 

「いやあれは二人も納得してるから良いのよ。」

 

一応シドから話を聞いて納得はしたもののやはり気にするクレア。

 

「それでも女の子に消えない傷を残したんです!シドには責任を取らせないと!」

 

と白熱しているのだが実は二年前のシドとイータの決闘は当事者であったベアトリクスのみが知っている出来事な訳で寝耳に水なことにリリムは尋ね返すこととなる。

 

「シド様は何をやったの?」

 

「イータと喧嘩して斬り合いになるぐらいの騒動になったって聞いたのよ。」

 

(えっ!?なにそれ私聞いてない…マザー?)

 

(色々と彼も溜まっていてそれが少し爆発したの。それで二人は激しい剣戟を繰り広げたの。)

 

とアイコンタクトで会話するベアトリクスとリリム。

 

「それでどっちが勝ったの?シド様?」

 

「う~んそれがシドはイータが勝ったって言うしイータはあれは引き分けに近い自分の負けって言ってるのよね。」

 

「そ、そうなんだね。」

 

(当時の主は私たち程度の実力なら簡単にあしらえた…でもイータは食らい付いてしかも主が負けを認めてるって…それにしてもどうしてそんなことになったのか…

 

マザーは知ってるみたいだけど二人だけの問題とかで話さないだろうし…まぁそれは後でそれとなく聞いてみよう。)

 

「それで師匠…二年前のあれのこと」

 

「そうね。まだ時間もあることだし少し散歩して目的地に向かいましょう。」

 

とベアトリクスは立ち上がり会計を済ませ歩き出す。

 

人混みの入り組む中でベアトリクスは話し出す。

 

「あなたにとっては二年前…リリムたちにとっては4年以上前のことが転機になった。」

 

「そうだね。」

 

「あの時のことは衝撃的だったもの、忘れるわけないわ」

 

「…一族の運命も転機だった……」

 

歩くうちにどんどん人がいなくなっていく。

 

「そして共通するのは…悪魔憑きという不治の病とされた現象…そして魔人ディアボロス。」

 

人がいなくなり暗い道へと差し掛かる。

 

「その真実への手懸かりが聖地にある。まだ引き返せるわクレア。本当に良いのね?」

 

「私は…師匠に助けられたわ。だから今度は師匠の力になりたいの!何も知らないでいられるのも幸せなことなんだと思う。それでも私は知りたい…ルーナ、マナ、リリムさん、それにイータの力になりたい!私は私のためにあの日のことを知りたい!」

 

「…分かったわ。それなら行きましょう。オリヴィエがディアボロスの左腕を斬り落とした地へ続く道へ」

 

そうしてベアトリクス、リリム、クレアは聖地へと続く扉の出現する場所へと向かうのであった。




今回はここまでになります。

何とかクレアには女神の試練が終わった後の番外編でクレア他何名かの異世界食堂編を出すことで許してもらいました月光です。

女神の試練が開幕し来賓として原作ではいなかったアイリスも招かれました。

監査の日に大司教は殺され証拠隠滅に図るネルソン。

アイリスは何としてもナツメとの接点を作りベアトリクスとコンタクトをしようとするも色々なこともあり内心は荒れており偶々差し入れに来たイナリが来たのでアニマルセラピーとイナリをもふる展開となりました。

注意するアレクシアでしたが自分もイナリをもふり隣のベータことナツメも本音と建前が逆転していることに気付かずイナリをもふりイータが止めには入りました。

イータの姿を見れた観客は熱狂に包まれました。

民衆の生活を良くし鉄道で遠くへと赴け働ける場所の選択肢も広がったこともありそれだけ注目を浴びるイータはアイリスたちに忠告のようなことを残し観客席へ

行くと見せかけ参加者名簿を見に行くことに。

そして何故か名前のある悪友をどうするか考えることになるのでした。

クレアの方は待ち合わせの場所へと行き本物かどうかの確認をされそこにいたのはゼータことリリムでした。

ベアトリクスは気配を消し既に椅子に座っており気配察知がまだまだというものの七陰でも本気のベアトリクスの隠密を破れるかと言われれば難しいことであります。

例外はアルファ、イータの二人ですかね。

アルファは姪故の察知能力、イータは好きな人だから当然とのこと。

そしてイータのことを話すクレアなのですが二年前のあれは七陰たちは誰も知らないのでまさに寝耳に水。

どうしてそうなったかは聞けば答えるだろうイータに尋ねようとゼータは思考を切り替えました。

そしてクレアにとっては二年前…リリムたち金豹族にとっては4年以上前に訪れた転機…

その発端になった悪魔憑きという症状とディアボロス細胞、魔人ディアボロスから連なる連鎖。

聖地で眠るそれを求めて歩きだしクレアも決意と共に向かいます。

果たしてどうなるか…?

次回は一方のシドサイドからになると思います。

そして本日は陰実、無法都市三話。

エリザベートとの決戦とクレアがアウロラと…

そしてシャドウと対峙するエリザベートの戦闘が気になるところです。

こちらでもそろそろアウロラが出るので早めに投稿できるようにしていきます。

お気に入り登録、感想、評価いつもありがとうございます!

感想がとても励みになります。

これからも宜しくお願いします!

今回も読んで頂きありがとうございました!

次回も読んで頂けると幸いです。



異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

  • アルファ
  • ベータ
  • ガンマ
  • デルタ
  • イプシロン
  • ゼータ
  • クレア
  • シェリー
  • ローズ
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