陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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聖域へと入っていったアルファたちに場を任されたイプシロン。

そんなイプシロンの活躍とシドたち方面の話になります。

それではごゆっくりどうぞ!


第五席は油断なく戦況を見据え王女たちは聖域へと突入し陰の盟主は悪友と共に我が道を往かん!

シャドウとアウロラの戦いに決着が着いた刹那、聖域へと続く道が開かれた。

 

そこへ先陣としてアルファ、デルタたちが飛び込み、残ったイプシロンはハゲ親父ことネルソンを睨み付けながらアイリスたちを監視する。

 

(王都での戦闘を見てアルファの強さは分かっています…この場に残ったのは彼女程ではないけど…それでも今の私では5分と持たない…それに非戦闘員であるナツメ先生もいる分此方が不利…幸い彼女らは無闇に傷付けようとすることはないはず…ここは様子見がいいわね。)

 

とアイリスは結論付ける。

 

「聖域でいったい何をするつもりなの?」

 

とアレクシアはイプシロンへと訪ねる。

 

イプシロンとしては主であるシャドウと一時的とはいえ恋仲になった面白くない相手ではあるが努力家な面は評価している。そして報告よりも実力を上げているのもやはりイナリやイータたちとの鍛練の賜物といったところだろう。

 

「何をする…というよりも何があるかといった方が正しいわね。大人しくしていれば危害は加えないわ。」

 

とイプシロンは言う。

 

(シャドウやミストのことしか知らないけど姉様が強いと認めるアルファ…その人と対等に話せるということは彼女も相当な使い手…聖域…もしかしたら教団を知ることの出来る千載一遇のチャンスなんじゃ…隙を見て突入を)

 

「動くとこの女がどうなっても知らないぞ」

 

ローズと、そしてアレクシアの動きを読み取ったかのようにイプシロンが言った。

 

彼女の視線の先には、黒ずくめの女に捕らわれたナツメの姿があった。

 

「ナツメ先生!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

申し訳なさそうに目を伏せるナツメ。

 

まぁ身内同士の茶番なのでジト目になりつつも目的を達そうとするイプシロン。

 

涙をこらえるナツメの姿に、ローズは胸が締め付けられるような思いだった。

 

反撃の芽は摘み取られた……かに思えたが。

 

「胡散臭いわね。見捨てても良いような気がするわ。」

 

「アレクシア!?」

 

「駄目ですッ!!」

 

(分かるわ…胡散臭いというか演技が下手というか…仕方ない…ここは友好関係を築いているあの娘の出番ね。)

 

と小声で言っているのだが波紋で身体能力を上げている関係でその会話もイプシロンには丸聞こえでありあまり人質としての役割に適していなさそうなのでイプシロンは

 

「会って数時間の相手では感情も動かない…では此方はどうかな?」

 

と指した先には

 

「アレクシア様~アイリス様~助けてくださ~い~」

 

「イナリ!?あんたたちイナリに何かしたらタダじゃ!」

 

「あまり動かないことだ…でなければ…」

 

「な、何をするというのです!」

 

「この娘の尻尾を毛繕いして尻尾の毛をふかふかの枕にし、肌を綺麗にして主人の所へ帰すだけだ。」

 

「な、何てことを!」

 

とローズには尻尾の毛をふかふかの枕にしての部分しか聞こえていなかったようであるがアイリス、アレクシアの二人にはバッチリ聞こえていたので

 

(…いやそれはむしろ良いことでは?)

 

(ちゃんとあいつの元に帰すっていってる時点で悪い奴らじゃないことは分かるのよね。)

 

とイプシロンたちと事を構えるのはよそうと構えを解く。

 

それにナツメの方は首筋に剣を当てられているのに対してイナリには何もしておらずむしろ落ち着かせようとしているように思える。

 

因みにイナリがいるのはイータから取り敢えず合流してほしいと言われ向かったところで丁度良いから人質役をとアルファから頼まれたためである。

 

そんなやり取りをしている間に聖域の扉の光は明々としていたのが段々と輝きを失っていく。

 

ゆっくりと、ゆっくりと。

 

シャドウガーデンの構成員たちは続々と扉の中へと入ってゆき、捕らえられたナツメとイナリそしてネルソン大司教代理も扉の方へ歩かされる。

 

アイリス、ローズ、アレクシアはそれをただ見ているだけしかできなかった。

 

一人一人の隙がない。

 

黒ずくめの集団は一人一人が強く、そして統率が取れていた。彼女たちは三人一組のチームで互いをフォローしていた。 ほんの僅かな隙を突いても、即座にカバーされることが容易に予想できる。極めて洗練された集団行動だった。

 

光がどんどん弱くなっていく。

 

「やめて、乱暴しないで!」

 

強引に扉へと押し込まれるナツメ先生が悲痛な声で抵抗する。

 

「ナツメ先生ッ!!」

 

「わ、私は大丈夫です、だから心配しないでください!」

 

ナツメは震える声で健気に叫び、扉の中へ連れ去られた。

 

「ほわわわわ何処へ行くのですか~」

 

「大丈夫。我々が守るので大人しくしていてください。」

 

と反対にイナリは丁寧に連れられて扉の先へと連れてかれた。

 

そして残りはイプシロンとハゲ親父ことネルソンだけとなる。

 

「一緒にきてもらう。」

 

「そんなに行きたければ行くといい…あの世へな!処刑人!」

 

とネルソンの、言葉を皮切りに部下である処刑人ヴェノムの大剣がイプシロンへと横凪に振り下ろされる。

 

(殺った…最高のタイミング…かわすことなど出来まい!)

 

とネルソンも処刑人も完璧なタイミングでの奇襲に手応えを感じていた。

 

それを見ていたアイリスたちも斬られると思った。

 

 

しかしガキンと金属音が響き渡る。

 

それは

 

「まさか油断している…とでも思っていたか?」

 

イプシロンは胸元から小刀取り出していてそれにスライムボディスーツを纏わせ受け止めていた。

 

色も本物のナイフのように偽装をすることでスライムボディスーツのことを隠すことに成功していた。

 

「あんな小さな剣で受け止めた!?」

 

「奇襲があるなんて分からないというのにそれすらも警戒していた…なんて腕前…!」

 

「剛の剣…それをあんな小さな剣で受け止めた…言うなれば柔の剣…力だけでなく技もある…!」

 

各々が戦慄している中で

 

「処刑人ヴェノム…昔に女神の試練でオリヴィエを呼び出した戦士…それが今では教団の傀儡…今まで望まぬ殺人をしてきたのでしょう…その呪縛を解き放ちましょう…」

 

そう言いながらイプシロンの持つ小刀から銀色の波紋が溢れそして

 

銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)!!」

 

と銀色の波紋がナイフから放たれ斬撃となり処刑人ヴェノムを一刀両断した。

 

ヴェノムは最後に小さくありがとうと言葉を残し逝った。

 

「ば、バカな!?処刑人が殺られただと!」

 

ネルソンからしてみればいきなりヴェノムが血を吹き出し倒れたようにしか見えなかった。

 

しかしアイリスたちにはしっかりと見えていた。その神業のような魔力操作を

 

(魔力とは本来自分から離れれば霧散してしまう…だから身体強化といったことに使われたり魔力を流して怪我を早く治すというのが普通…女神の試練で呼び出されたアウロラという人物の魔力の操り方は異常だった。古代の力だからとそう納得出来るでも…違う!)

 

(見たところ私たちと変わらないぐらいの年齢…でも分かる…どれだけの鍛練を…努力をしてきたのか…!)

 

アレクシアと、ローズはそう思いながらアルファとは違う強さを持つイプシロンに興味を持つ。

 

「魔力を切り離した斬撃…!それに…あれだけの魔力なら剣が自壊しても可笑しくないのに…そんな様子もない…あれだけの伝導率はいったい?」

 

とアイリスは自身の魔力を込めた剣は魔力に耐えきれず自壊してしまうことが度々あった。ミスリル製であってもその伝導率はシド曰く5割ほどだ。

 

それを無駄なく伝えているイプシロンの技量に戦慄する三人を他所にイプシロンはネルソンの首根っこを掴み扉へと消える。

 

閉じ掛ける扉を見据えてアレクシアは決意したかのように飛び出しそれを追ってアイリス、ローズも共に飛び込みそして扉は消失するのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方の会場を本気ダッシュで抜け出したシドはリンドブルムを見渡せるところまで来ていた。

 

「さて今頃会場はシャドウの話で持ちきりだろうし後はアルファたちがやるだろうから僕は温泉でも入りながら結果を待つかな。」

 

「全く…あんたって奴は……それでも…組織の長?」

 

とシドを追いかけてきたイータも合流した。

 

「やぁイータ!登場前の凄い良い実況だったよ。」

 

「…忘れなさい…」

 

「いやでもいつもとのギャップが」

 

「…忘れろ…!」

 

とイータは恥ずかしいのでシドへタイキックをお見舞いするがシドは軽々とかわす。

 

「分かったよ。それとイータ。」

 

「なに…?」

 

「ありがとう。」

 

と素直に感謝したシドにイータはため息を吐きながらもどういたしましてと返した。

 

「取り敢えず離れ……これは…?」

 

「ん?」

 

と二人の前に現れたのは赤い紋章の扉のようなもの。

 

「……イータさんや、聞いてた聖域の扉の特徴にそっくりじゃないか?」

 

「…まさにミラクル…流石シド…トラブルに愛されてるわね…」

 

「まぁでも僕がそんな簡単に入るとでも…」

 

と全力で移動して振り切ろうと移動しイータも涼しい顔でそれに付いていく。

 

しかし何度やっても振り切れず扉はシドから離れない。

 

「これは…入るしかない…」

 

「まぁ仕方ないか。アルファたちと会えるかな?」

 

と呑気に言いながらもシドとイータの二人はその扉を潜るのであった。

 

三ヶ所で開いた扉に各々が飛び込み聖域へと向かうこととなった。

 

聖域での真実が暴かれるときが来たのであった。




今回はここまでになります。

イプシロンは原作、漫画、アニメでは胸元を斬り裂かれスライムで盛った胸が露出してしまいかけましたがイータからの忠告もありしっかりと防御してディアボロス教団に操られた処刑人ヴェノムを慈悲の元に倒しました。

イプシロンはスライムの操作での色彩もコントロールできるのでアイリスたちからしたらただのナイフで魔力を飛ばした相当な技量の持ち主だと感じさせました。

その際の魔力の伝導率、操作性をアイリスたちは目の当たりにし驚愕と共にアレクシアは聖域の秘密をアイリス、ローズはアレクシアを心配し飛び込みました。

アイリスからしたら魔力を飛ばすほどに注ぎ込まれた剣が自壊しないことはある意味彼女の目標とするところでもあるからかそれも突入に躊躇いがなかった理由になりますかね。

原作と違いアイリスもいるのでディアボロス教団の所業を知ることになるので闇落ちフラグはぼっきり折れていますね。

シドは会場から離れてイータもそれに付いていきました。

シドはイータの実況を絶賛したものの恥ずかしいのでイータは照れ隠しにタイキックするものの避けるシド。

そんなシドも素直にイータへ感謝を述べていた時にまさかの二人の前に聖域へと続く扉が現れました。

シドは面倒ごとと思い振り切ろうとするものの全力で付いてくるので仕方なくイータと共に入ることにしました。

これで三つの扉に三組が分かれて入ることとなりました。

次回はシド、イータの方の話になるかと思います。

二期もいよいよ第六話まできてジョンスミスもといシャドウのデルタ、アルファとの戦闘シーンはとても楽しみですね!こちら予約投稿なのでその勇姿をしっかり見て次の話を書きます!

そしてマスターオブガーデンでは一周年を迎えてリカバリーアトミックのシャドウやアニバーサリーキャンペーンなど目白押しです!

感想、評価、お気に入りいつもありがとうございます!

11月は少し不定期になると思いますが投稿していけるようにします!

今回も読んで頂きありがとうございました!

異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

  • アルファ
  • ベータ
  • ガンマ
  • デルタ
  • イプシロン
  • ゼータ
  • クレア
  • シェリー
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