陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。 作:生徒会長月光
ハゲの粛清される理由はある人を実験動物扱いしたことによるもの。
それではどうぞごゆっくり!
聖域を光が照らしそれが晴れると先程まで居た場所とは違う風景が映し出された。
アレクシアたちは白い廊下のような場所に立っていた。
そこかしこに牢屋があり覗き込むと左右の牢にはいつの間にか小さな子供たちが入っていた。男の子、女の子、人間、エルフ、獣人、幼いという以外に共通点はなかった。
「子供たちはここである実験の被験者となった。」
アルファの足が一つの牢で止まった。
牢の中に女の子がいた。
女の子は正気を失くした様子で、牢の中で暴れていた。
それは苦痛から逃れているように見えた。
頭を打ち付け、壁をひっかき、床を転がる。
「惨い…どうしてこんなことが…!」
アイリスはその惨状に憤りを隠せずにいた。
それはアレクシアもアイリスもそうでありアルファたちも何度も見てきた光景だ。
そこでイプシロンはあることに気付く。それはアイリス、アレクシア、ローズ、ベータより後ろにいたイナリの様子だ。
目を凝らして良く見ると震えているのだ…
その様子を見てイプシロンはイータから聞いたイナリがベアトリクスとイータに拾われた時の状況が似ていてそれを思い出しているのではと他の者たちに気付かれないようイナリの手を握る。
(イプシロン様…?)
(大丈夫よイナリ。貴女はもう一人ではないもの。辛かったら手を握ってなさい。イータ程安心させてあげられないだろうけどね。)
(…イプシロン様…ありがとうございます…)
とイナリはさっきまでの不安な気持ちが少し和らぎイプシロンに感謝を述べる。
それを見ていたが立場上今自分が心配するのはイナリがシャドウガーデンとの繋がりを疑われてしまうと思っていたアルファはイプシロンがフォローしてくれていたことに安堵し歩き出す。
次の牢には血濡れの女の子がいた。しかしその血は自傷によるものだけでなかった。肉体の異様な変異によって裂けた肌から血が滴り落ちていた。
その黒く腐り落ちるような様に、アレクシアは見覚えがあった。
「これって…悪魔憑き…?」
「そうよ。適合出来なければ死に生き残っても教団の尖兵になるしかない。でもそれに適合出来たのはほんの一握り…」
牢で息絶えまた牢に入れられ息絶える。その繰り返しが続く。共通するのは男の子はそのままの姿で息絶え、女の子は悪魔憑きとなり醜い姿で息絶えることだ。
それを小さいオリヴィエはじっと見続けていた。
「どうしてこんな酷いことを…!」
「どうしてなのかしらネルソン大司教代理?」
「あの当時魔人ディアボロスにより甚大な被害が出ていた…対抗するための力が必要だったのだ。」
「それが教団の言い分。でも実際にそれに適合出来たからこそディアボロスの左腕をオリヴィエは斬り落とすことが出来た。」
「アルファ殿先程から言うそれとはいったい?」
「ディアボロス細胞…魔人から採れた細胞を移植し同等の力を得るために教団は子供たちを集めた。そのために犠牲になった者たちの数は計り知れない…」
大きくなり少女となったオリヴィエは剣を取った。
「彼女の心境がどうだったのか…それは本人ではないからわからない…これだって彼女の記憶だから本人にとって都合の良いように改変されている可能性もある。
でも平和を願っていたと私たちは考えているわ。でも教団は違った。」
そうしてまた場面が切り替わる。
そこには斬り落とされた巨大な左腕のようなものがあった。
「教団は更なるディアボロス細胞の採取が目的だった。」
「デタラメを言うな!」
と光輝く頭のハ…ネルソンは言うがデルタがすぐさま黙らせる。
左腕から細胞を採取しようとした教団の一人が左腕から伸びた血のようなものに刺し貫かれる。
「斬り落とされた左腕は驚異的な生命力を有していた。斬り落とされてなお生きていた。それを古代のアーティファクトでどうにか封じ込めた。でも完全に封じ込めることは出来ず空間は歪み聖域が出来た。」
またもや場面が変わると研究者たちが集まりディアボロスの左腕が収められた巨大なケースを伝い試験管のようなものから何かを取り出そうとしていた。
「キサマ!よりによってここを暴くつもりか!実験体の末裔ごときが!見るんじゃない!」
すぐ傍では悪魔憑きの者たちの悲鳴が聞こえるが研究者たちには聞こえていないようだ。そうして試験管から一粒の雫が滴り落ちた。
研究者はその雫を自ら取り込み完成した代物を喜んだ。
「ディアボロスの左腕を研究したことにより人間を強化する薬も開発された。それは男性にも使える代物で…こういうものよ。」
とアルファは懐から錠剤のようなものを取り出した。
アレクシアにはそれが以前ゼノンが変貌する前に飲んだものと同じものとわかった。
「でも教団の目的としたものは左腕の驚異的な生命力…つまるところ彼らは不老不死を目論んだ。そしてその成果は私たちの目の前にいる。」
アイリスたちは研究者の顔を良く見ると髪は違うが顔の輪郭から何までそっくりな大司教代理の姿があった。
「当事者なら色々知ってそうね。今の物体の名前は?」
とアルファは訊ねるが頭を輝かせながらも口ごもるネルソンをデルタが締め上げると簡単に喋る。
「雫…ディアボロスの雫だ!」
「そう。でも雫には欠点があった。」
「なるほど…それなら私にも分かるわ!どうしても老いてしまう部分はあるってことね。昔のコイツには髪があって今のコイツはハゲてるもの!」
「違うわーー!!髪が抜けたのはストレスだ!どうせ死なんからとどいつもこいつもワシに面倒事を押し付けよって!普段仲が悪いのに押し付けるときだけ団結しおって!」
と敵ながら同情するアイリス、アレクシアとそっと目を背けるローズ。イナリも大変なんですね~と呑気に考えながらも周囲を警戒する。
「欠点は二つある。まず定期的に接種しなければならないこと…因みにどうなのかしら?見立てだと一年に一回だと推測するけど?」
「……その通りだ。」
「もう一つは短期間に作れる個数に限りがある。一年に作れる個数は?」
「一年で12粒だ。」
「そういえば最高幹部のナイツ・オブ・ラウンズの数も丁度12だったわね。第12席は空席で実質11人…この間ミドガルでマザーが第八席を始末したから10人ね。」
「あの時の男が教団の最高幹部の一人!」
「そういえば…ゼノンのやつもラウンズとかって言ってた…あれはそういうことだったのね。」
アイリスはその場に居合わせていたこと、アレクシアはゼノンの言っていたことを漸く理解する。
「第8席ニーズヘッグは剣の扱いはフェンリル程ではないが残虐性は教団一だ!処刑人として幾度も仕事をこなしたのが死んだときいた時は耳を疑ったわ!!」
以前王国で猛威を振るった第八席のことを忌まわしく思いながらもネルソンは言う。
「あなたたちはディアボロスの雫を完全なものに出来ていない…完成させるためには封印されている左腕のようにディアボロス細胞が沢山いること…そして私のように英雄オリヴィエの血を継いだ英雄の子孫のそれも濃い血が必要。違うかしら…第11席殿?」
アルファから問われたネルソンは薄ら笑いを浮かべながら言い放つ…彼女らにとって大事な存在を侮辱することを…
「クク…私の正体に辿り着くとは…それだけは誉めてやろう!英雄の子孫の血の捜索など極めて困難…だかそもそも今確認できている中で最も血が濃いのは武神と呼ばれたエルフだ!
奴に勧誘を掛けたがあろうことか奴は使者を斬り捨てた!我ら教団の礎となれる誉れあることを拒絶しおって!実験体の子孫が手間取らせてくれる!
追手を放っても神出鬼没で何処にいるかもその時々で代わりこの間ミドガルに現れたかと思えばベガルタにいるだと!
実験体の末裔ならば我らがどうこうしようと我らの所有物…大人しく飼い殺しにされれば良い。
歴史に名を残し武の神と讃えられるなど烏滸がましい…
だがより色濃い子孫がいるのならば奴に拘る必要などない…
キサマらは生きて帰さん!特にそこのエルフは貴重…丁重に扱ってやろう…毛の一本無駄に出来んしな
誇るが良い!私が第11席強欲のネルソン!教団の研究を纏める者…………はっ?」
殺気立つガーデンの者たちを見ながらも教団に生み出された者をどうこうしようが教団の自由と傲慢に言うネルソンは強欲の名を持つ通りアルファを手中に納める発言をするが途中で言葉が止まる。
ネルソンが違和感を覚え視線を下に落とすと己の心の蔵が目の前にあるではないか…
そこで漸くネルソンは自身の心臓が…いや自身が貫かれていることに気付いた…
「ガルルルル…お前侮辱した!!!デルタたちの恩人!許さない!!!!」
ベアトリクスを侮辱されたガーデンの者たちは情報を抜き出すまでは殺さないが皆一様に殺気を己の中で滲ませていた…だがデルタには我慢出来なかった…
自分を受け入れてくれた母を…アルファを教団の礎としようとすることを…!
「デルタ頭悪いから難しい話しはわかんないです!そんなデルタでも!!お前は悪い奴だって分かるです!
血生臭い、ゲロ以下のにおいがプンプンするです!!!こんな悪に出会ったことがない…そんなのがデルタたちの恩人を!バカにするなーー!!」
デルタはスライムスーツを鉤爪へと変形させそのままネルソンの心臓を握り潰し頭をはねる。
その一連の行動に驚きつつもアレクシアはシャドウから以前言われた武神が恩人だということ、恩義を越えたものを見た。アイリスもアレクシアから聞いていた通りなのだと感じた。
「デルタ!殺すのは情報を絞り出してからだって!」
「でもこいつ!アルファ様侮辱した!!それに、は」
はと言おうとしたデルタに
「デルタ!!」
とアルファは被せるように語気を強めて言う。恩人=母となるとベアトリクスに結び付いてしまう。
それはアイリスたちがいる中で決して知られてはならないこと。
アルファの一喝にデルタは萎縮してしまう。
予め決めていたことを破ってしまったことにデルタも漸く気付き近付いてきたアルファに怒られるとしゃがもうとするデルタであったが
「…がぅ?アルファ様?」
「全く…デルタってばいつも言ってるけど先走りはダメよ。でも…ありがとう。デルタは優しい娘ね…」
とデルタを抱きしめるアルファ。デルタがやらねば自分がそれをしていただろうことにデルタを撫でるアルファ。
「がぅ~」
尻尾をブンブンさせながらアルファに抱き付くデルタ。
「ねぇイプシロン…だったわよね?貴女たちにとって武神様は恩人以上の存在なの?」
「…そうよ。だってあの人は……!アルファ様!」
「そうね。デルタ構えなさい。どうやらまだ終わりではないみたいね。」
そう言うとネルソンの死体がひび割れたかのように砕け散る。
「これは!」
そこは白い風景が辺り一面に広がっていた。
「どうやら分断されたようね。」
アルファがそう言うと先程までいたイプシロンたちの姿がなくアイリス、アレクシア、ローズ、ベータ、イナリ、そしてデルタとアルファしかいなかった。
「もう少し近付いてから仕掛けたかったがこの辺りでも充分…!」
と言ったネルソンは魔力でスライムソードを伸ばしたアルファによってそのまま倒れ伏す。
またネルソンが出てくるがその顔は驚愕しかなかった。
「ば、バカな!?聖域の影響を受けていないだと!?」
「世の中には貴方以上の科学者はいるのよ。」
とイータのことを仄めかすアルファ。どんどん増えてくるネルソンを見てアルファは
「ゴキブリのように沸いてくるわね…さて鏖殺の時間よ。あの世であの人を侮辱したことを後悔することね。」
伯母であるベアトリクスの尊厳を意思を汚した愚物にブチギレていたのであった。
今回はここまでになります。
オリヴィエの記憶にある世界での出来事。
アレクシアを除くアイリスたちは悪魔憑きの者たちの末路を見てアレクシアはその悪魔憑きを治した現場を見ていたもののその光景に憤りを感じています。
そしてイナリは昔の自分の状況に似ていたこともありベアトリクス、イータに助けられなければこうなっていたのではとトラウマを刺激されました。
すぐにイプシロンがフォローしイナリも落ち着きました。
原作同様聖域に封じられた左腕、ディアボロスの雫のことを暴いたアルファ。
本性を露にしたハゲソンはよりによってベアトリクスのことを実験動物扱いしシャドウガーデン全体に喧嘩を売りました。
ベアトリクスの功績は判明しているだけでも鉄道開通、農作物の安定した収穫、食革命、下水道処理施設の建築、武神祭優勝、と多岐に渡ります。
更に七陰たちへ知識を授けたことによりイータの建築や発明、悪魔憑きの保護、治療、イプシロンの音楽といった芸術を広げたこと、ガンマのミツゴシ商会の運営、ベータの小説活動での知識の普及と上げれば切りがない程。
そんなベアトリクスを侮辱したネルソンは原作同様デルタに粛清されることに。
デルタは頭は残念ですがそれでも母とアルファをバカにしたことを許せませんでした。
原作では腹を貫かれ、漫画では頭をカチ割られこのSSではハートキャッチ物理をされハートブレイクされ首を斬られるということに。
デルタは感情のままにイプシロンにアルファと母をバカにしたと言い掛けたもののアルファに静止され怒られるかと思われたもののアルファもハラワタが煮えかえる程に激怒していたのでデルタを誉める結果に。
アレクシアはイプシロンに恩人以上の人なのかと聞きイプシロンが答えようとしたところ聖域の防衛反応で生きていたネルソンが仕切り直しとイプシロンたちと分断しました。
アルファたちはイータの魔力阻害防御装置のお陰で魔力を吸われることもなくネルソンの分身をアルファが貫き
大切で大好きな伯母を侮辱したネルソンにブチギレ次回に続きます。
さてFGOでは奏章第2が3月後半に待っているのが楽しみです。
次回はブチギレアルファによるネルソン蹂躙回になることでしょう。デルタもネルソンを撃退する予定。
ベアトリクスの方にも触れていく予定です。
次回も遅くならない内に投稿していきます。
今回も読んで頂きありがとうございました!
異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)
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アルファ
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ベータ
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ガンマ
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デルタ
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ゼータ
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クレア
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シェリー
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ローズ