陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。 作:生徒会長月光
聖域での戦いが勃発していきます。
それではどうぞごゆっくり!
オリヴィエの記憶を垣間見たアルファたちは正体を現したネルソンと対峙。
イプシロンたちと分断されたものの聖域の防衛反応で魔力を吸われるのはイータの発明で阻止され伯母を侮辱したネルソンにアルファはキレていた。
「先程おまえはあの人のことを教団の礎にするなんて言ったわね…冗談じゃないわ…あの人のことを知らない有象無象が妄想を垂れ流して侮辱するなど聖教の女神が許そうが私は許さない…
あの人がどんな思いで戦っているかも知らないで…」
語気は強いもののその顔は能面のように無表情で道端のゴミを見るような目でネルソンを睨むアルファ。
「お前に分かる?悪魔憑きを救い…名前のない怪物になった私たちに居場所を与え普通の暮らしを送らせてくれた。今もあの人がどんなに苦悩して一人戦い続けているか…
…だから私たちは彼女の元を飛び出した…少しでも力になりたくて…
こんな残酷で冷たい世界を変えたいと…穏やかで人と人が助け合える世界にしたいという願いのために戦う伯母様のために。」
アルファは嘘と本当を混ぜながら言いベアトリクス=マザーということを誤魔化すのだがキレているためかポロリと言ってしまった最後の言葉にその場にいた者たちは衝撃を受ける。
「おば……さま…!?」
「アルファ殿が…武神様の血縁者!!通りで見覚えがあるわけです!」
「アイリス様どういうことですか?」
「学園襲撃の際私とアレクシアは武神様の剣を…魔力を肌で感じました…ここにきてから彼女の魔力に覚えがあると…そして顔付きも誰かに似ていると感じていました。」
「武神様のそれも姪なら似ているわけね。…ってことはまさか!?」
アレクシアはそこであることに気が付く…それは自分を鍛えてくれている武神の義娘で天才発明家である人物。もしかしたら繋がりがあるのではないかという疑念…そこから連鎖するのは隣にいるイナリのことだ。
「イナリ…もしかして貴女アルファのこと」
「うぇぇぇぇぇ!?そうだったんですかぁぁぁ!?」
「あっ、これは知らない反応みたいね。」
あまりのイナリの驚きっぷりにアレクシアはこれは知らないパターンだなとすぐに切り捨てる。
イナリが驚いているのはアルファのベアトリクスの元を飛び出してという言葉でそんなのはイナリも初耳なためこんな反応になっていた。
イナリの反応を良い意味で間違えたアレクシア。
ベアトリクスを侮辱されアルファはブチギレていた。それは彼女を良く知るベータ、デルタ、イナリから見ても未だ嘗てない程にだ。
(ま、不味いです。アルファ様普段は完璧に様々なことをこなしますが…ベアトリクス様のことに関してだけは沸点が低いのに…あのハゲ地雷原の上でタップダンスしやがったわ!)
(が…がぅ~アルファ様怒ってるです。母侮辱したやつ終わったです…アルファ様の蹂躙劇です。)
(あわあわあわアルファ様、ベアト様のことを悪くいわれて滅茶苦茶怒ってますぅ!ご主人様も、そうですがアルファ様もベアト様に対する悪口には過敏に反応するですぅ~)
アルファの怒気に怯むネルソンだが数の利を活かしてアルファを取り囲む。
「まさか奴の血縁とはな…ますます研究しがいがあるというもの。さぁ大人しく」
「大人しく…なにかしら?」
アルファがそういう内に囲んでいたネルソンは炎を上げながら塵となる。
「あれはあの時の!」
「知っているのですかアイリス様!」
「王都を襲撃した件のナイツ・オブ・ラウンズの一人との交戦の際に彼女は炎を操っていました。恐らく視認できない程の速さで炎を纏わせネルソン大司教代理を斬り刻んだ。」
波紋を知らないアイリスは推測を立てて話す。
実際は
「でもそんな芸当が出来るの?炎を出すなんてそんなの魔力を外に放出する関係上出来るわけが…」
「分かりません…しかし魔剣の類いで炎を出すものはミドガルにもあります。もしかしたらその原理を彼女は解き明かし応用している…のかも」
(王女様たちには分かりっこないわ。だってそれはベアトリクス様が我らへお与えになられた至高なる御業。魔剣などと一緒にされるのは心外ですね。
あのハゲを掃討すればアルファ様も大分落ち着く筈…)
アイリスたちの推測を横で聞くベータはベアトリクスから教わった波紋によるもので見当違いのことを思っていると見つつ成り行きを見守ることにした。
そうして大量のネルソンを淡々と作業をこなすように屠っていくアルファ。
「がぅ!アルファ様だけずるい!デルタも狩る!」
「えぇ勿論よ。さっさと狩りましょう。」
そこにデルタも参戦することで今まで以上にネルソンの分身体の消えていくスピードが上がる。
その光景に唖然とするネルソン。
デルタの戦い振りを見ていた一同は荒々しいまるで暴力の嵐のように吹き飛んでいくネルソンに同情しながら野性味溢れる動きで翻弄し狩る姿に唖然とする。
「アルファだけでなく…デルタ?という娘も凄まじいですね。」
「獲物を狩るっていうのもあながち間違いではなさそう。というか本当にシャドウの仲間…なのよね?剣の腕というかなんというか型が滅茶苦茶過ぎるしあんなんで良いのかしら?」
「でもアレクシア様あちらの方は一見デタラメな動きですが狩猟という観点から見れば結構合理的ですよ。」
イナリの言葉にハテナを浮かべながら質問するアレクシア。
「どういうことイナリ?」
「先程から頭、心臓、胴体から上といった場所…つまり人体にとっての急所を的確に撃ち抜いています。」
「え?」
「そ、そういえばそうですね。圧倒的すぎてそこまで目がいかなかったですが弱点を突いている!」
「狩るということは彼女はシャドウガーデンでの食料調達などを担当しているのではないでしょうか?であるのならば多くの魔物などを仕留める時に急所を突くようにしている筈です。」
「どうしてそう言えるの?」
「ご主人様もおっしゃっていましたが動物の急所を外してしまうと身がダメになってしまうこともあるみたいなんです。
傷付けた身から細菌が入り込んで食べれる箇所が少なくなる…
だからなるべく急所を狙うそうなんです。」
ある程度ぼかしながらデルタのことを説明するイナリ。
「成る程…じゃあデルタって娘はシャドウガーデンの補給を担っている可能性があるというわけね。獣人としての直感と戦闘センスがあれば急所を狙うだけで倒せるし技術も確かにいらなそう…」
「まぁそうですね。急所さえ突いてしまえば動物も人間も死ぬことには変わりないですからね。」
(デルタの相手が務まるのはシャドウ様、ベアトリクス様を除けばアルファ様と波紋有りのガンマと多分イータもですかね。
アルファ様は単純に実力で、ガンマは波紋による強化を合わせると難攻不落の城塞になるからデルタの攻撃が通らなくなる。
イータは…そういえばデルタから聞いた話しか知らないからどうデルタを宥めたのか知らないのよね。分かっているのはデルタがもう二度と戦いたくないと愚痴ってたぐらいです…)
そうベータが考察している間もデルタはネルソンを狩り続けアルファもネルソンを処理していたところパリンという音が響き渡ると元いた場所に戻ってきていた。
「なぜだ、なぜこうも簡単に……」
「あなたはきっと研究者だったのね」
どこか憐れむように、アルファは言った。
「コピーがいくら増えても、頭脳は1つ。人間は複数の身体を制御できるほど優れた頭脳はもっていない。それが100体にもなれば、ただの案山子ね」
そしてデルタが最後のコピーを倒し、尻尾を振りながら歩いていく。
「あと一匹ぃ……」
その顔は凶悪に嗤っていた。まるで血に飢えた獣だ。
「ひっ……!」
ネルソンが後退る。
「無限にコピーを生み出せるというわけでもなさそうね」
その様子を見てアルファが淡々と述べる。
事実、ネルソンにコピーを生み出す力はもうなかった。
だがまだ余裕の表情を浮かべている。
「ま、まだだ。私にはまだあれがある!」
とコンソールらしきものが出現し何かを打ち込んでいくネルソン。
「聖域で飼っている怨念の集合体だ!貴様ら程度葬ってくれるわ!」
「怨念ですって!?」
「行き場を失い浄化されずに囚われた魂たちを利用しているということね。外道が…」
「教団のために役立てる。名誉なことだ!さぁ来るが良い!」
とネルソンはかっこつけて言うが一向に現れる気配がない。
「どういうことだ!なぜ起動せん!」
怨念の保管されている場所をすぐさま映すネルソン。
ネルソンの目論みは破綻していた。何故ならそこには映っていたのは
「ばっバカな!あれが圧倒されているだと!?」
「あれってまさか!」
「あの人も聖域へ乗り込んでいただなんて!」
それは怨念の集合体らしきものから放たれる鎖や術を全てかわし黄金のような息吹を出しながら圧倒するベアトリクスの姿があった。
話していた人物がまさか聖域に入り込んでいたとは夢にも思わなかったネルソン。
怨念の集合体も宛に出来ない状態になりいよいよ追い詰められたネルソン。彼は聖域を守る最後の番人を呼び出した。
「来い、早く来いぃ……!オリヴィエぇぇぇぇ!」
その情けない声に応えて、空間が裂けた。
そこから光が零れ出し、それは一人の女性の姿を形作る。そのアルファにそっくりの女性は……。
「オリヴィエ……」
アレクシアが呟いた。
それは、英雄オリヴィエだった。しかしその瞳に力がない。ガラス玉のような空虚な瞳が、どこか悲しかった。
彼女はネルソンを護るかのようにアルファ、デルタの前に立ち塞がった。
(確かイータが前に言ってたクローンというものね。生物体の細胞から無性生殖的に増殖し、それと全く等しい形質と遺伝子組成を受け継ぐ別の個体…そして)
「人道から外れた禁忌にも手を染めている…やはり教団はこの世から消し去らないと。」
「英雄オリヴィエ…!」
「なんてプレッシャーなの!」
「実力は確かにそうかもしれませんが…可哀想です、コンコン」
「可哀想?」
イナリの言葉に疑問を覚えたアレクシアは聞き返す。
「あのオリヴィエさんには意志がありません。ただ命令を聞くだけの人形で、命令されたことに忠実になるようにプログラミングされて生み出されたもの。
教団に従わなかったオリヴィエさんに対して教団はただ教団の命令に従うためにオリヴィエさんとまったく同一の存在を造りだした。
…ご主人様も人間のクローン技術だけは人の尊厳を著しく侵害する禁忌と嫌悪されていました。」
イナリはイータから聞いていたことも合わせて話した。
「まったくの同一の存在を生み出す!?教団はどこまで腐ってるのよ!」
そう言い放つアレクシア。
クローンオリヴィエを前にしてデルタも静かに隙を伺う。無闇に飛び出さないのもやはり相手が強敵であると認識しているためだろう。
びーびーびーびー!!!!
そこへいきなりサイレンのようなものが鳴り響く。
「これはいったい?」
「どうやら彼方にとっても予想外の事が起きたと見えるわね。」
「ま、まさか!聖域の中枢に異常が!」
ネルソンが何かを弄ると一人だったオリヴィエが4人に増えていた。
「至急行かなくては…お前たち!そこのエルフは捕らえろ!他は殺しても構わん!」
そう言い放つと4人のオリヴィエの内一人を従え逃走する。
「追いたいけど素直に通してくれそうにないわね。」
アルファ、デルタの前に一人。
アイリスたちの前にも一人立ち塞がるクローンオリヴィエ。
アイリスたちの実力ではクローンとはいえオリヴィエに敵わないと心配するが
「アルファ様!」
「イプシロン丁度良かったわ。悪いけどそっちのをお願いね。」
分断されていたイプシロンが合流したことにより心配する必要がなくなり目の前のオリヴィエに集中することが出来る。
三人のオリヴィエとアルファ、デルタ、イプシロンの戦いが始まるのであった。
ネルソンは逃げながらも保身を考えていた。聖域の中枢でオリヴィエを起動させ物量で押せばどうにでもなると高を括っていた。
だがその先にいるのは陰の実力者を目指す少年と現在進行形でディアボロスの左腕を持ち帰ろうとしているのんびり娘と災厄の魔女と恐れられた魔女がいる。
アルファたちの方よりも絶望的な状況へ自ら歩みだしたネルソンであった。
今回はここまでになります。
伯母を侮辱され原作よりも荒ぶっているアルファ。
思わずポロリとベアトリクスとの関係を吐露してしまうがベアトリクスの元を出奔しているということにしているためベアトリクス=マザーということは誤魔化せています。
そして原作よりも100人のネルソンを倒すのが速く用意していた怨念の集合体はベアトリクス、クレア、ゼータが相手しているためオリヴィエを原作通り呼び出したネルソン。
続けて聖域の異常が発生したためオリヴィエを更に呼び出しアルファとデルタ、そして合流したイプシロンで三人のオリヴィエを相手取ることに。
ネルソンの行き先はシドたちがいるのでどう足掻いても絶望なネルソンに同情はしません。
次回はベアトリクスたちの方を触れつつシドたちサイドを予定しております。
聖域編もそろそろ完結に向かって行く事になるでしょう。
お気に入り、感想、評価いつもありがとうございます。
次回も遅くならない内に投稿していく予定です。
今回も読んで頂きありがとうございました!
異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)
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アルファ
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ベータ
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ガンマ
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デルタ
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イプシロン
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ゼータ
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クレア
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シェリー
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ローズ