陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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前回ネルソンはアルファたちを撃退しようと聖域の怨念の集合体を召喚しようとしたがベアトリクスが相手をしていたため断念し聖域の中枢の異変に気付きオリヴィエクローン三体をアルファたちの方へ向かわせもう一体のオリヴィエクローンと共に中枢へ逃げました。

今回はベアトリクスサイドとシドたちのお話し。

それではどうぞごゆっくり!


武神は聖域に囚われた魂の解放を目指し陰の園の盟主とのんびり娘はやって来たハゲヅラと過去の英雄と対峙する。

時は少し遡り

 

ベアトリクスたちが怨念の集合体と戦い始めた。

 

怨念の塊は呪詛を吐き出しながら三人へ迫る。

 

それをかわしながらゼータがスライムを変形させたナイフとワイヤーを集合体の周りに配置しそのままワイヤーを操りながら攻撃を加えていく。

 

クレアも接近し魔力を込めて斬り掛かりベアトリクスも自身の剣で切り裂いていく。

 

しかし

 

「再生した!?」

 

「ベア様こいつ魔力を吸いとってるみたいだ。切り裂くのに使った魔力も己の力に変えてる感じかな。」

 

「そうみたいね。クレアと私の剣に纏わせた魔力がごっそり持ってかれたわ。となると実質魔力は身体強化に回すしかないけど魔剣士にとって相性最悪みたいね。」

 

そう言っている間にもゼータはナイフ、千本とスライムを変形させるがどれもいまひとつ効いている様子がない。

 

「師匠どうするの?逃げるなんてしたくないけどこのままだとジリ貧よ!」

 

「魔力が効かないなら他の方法を取るだけよ。」

 

「そういうことだね!じゃあイータの作った波紋スライムの出番だね。」

 

ゼータが取り出したのは通常のスライムではなく波紋を最大限に使うことを想定し改造されたイータ特製の波紋スライムだ。

 

通常のスライムは魔力でその形を伸縮自在に変える。その特製に加えて波紋スライムは波紋を流し込むことに特化している。

 

そうしてベアトリクスとゼータの二人は普段の波紋の呼吸から戦闘用に切り替える。

 

「師匠、リリムさん!?なんか輝いてるけど大丈夫なの!」

 

「大丈夫。それじゃあ改めてやろうか!」

 

ゼータは獣人特有の脚力を活かしてチャクラムのような形へ変形させた波紋スライムで斬り掛かると

 

グォォォォォォォォォォォ

 

怨念の集合体は苦しみだした。

 

「効いてる!?リリムさんのあれは…魔力じゃないと思うけど…」

 

「これは波紋というものよ。特殊な呼吸法により、体を流れる血液の流れをコントロールして血液に波紋を起こし、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法」

 

「特殊な呼吸ってもしかして師匠やリリムさんから聞こえてたコォォって感じの?」

 

「そうだよ。波紋の強い生命エネルギーは死後間もない命も救うことが出来る…ベア様が私たち一族を助けてくれた崇高なる絶技。」

 

「波紋を流せる技術を波紋疾走といって物を伝達させて効果を発揮させることが出来る。」

 

そう言いながらベアトリクスも怨念へ近付き怨念の呪詛を剣に波紋を乗せ銀色の波紋疾走で迎撃する。

 

「今のは金属に流す波紋でメタルシルバー・オーバードライブ。武器による攻撃、防御とカウンター効果の両方を兼ねた技。」

 

今度は無数の呪詛を塊として飛ばしてくるが懐から取り出した波紋スライムを鞭へと変形させ迎撃し炎によるダメージを与えていく。

 

「今度のは熱を発生させる炎の波紋。スカーレット・オーバードライブ。生命エネルギーを炎へと変えて呪詛を燃やし尽くしたんだ。」

 

「神秘的で幻想的な光景ね。師匠にいつも魔力は絶対じゃないって言われてきたけど納得できる光景だわ。」

 

「他にも波紋疾走に種類はあるけどそこは少し割愛するよ。クレアも波紋を扱う下地はベア様との特訓で身に付いていると思うから案外使いこなすのは早いかもね。」

 

「そうなのかしら…そういえば師匠の修行に肺活量を鍛えたり10分息を吸って10分息をはき続けるのもやったわね。まだ9分しか出来てないからまだまだ修行しないといけないわね。」

 

「まぁそれはおいおいとしてあの集合体もじきに倒せるだろうから心配はいらないかな?」

 

と言いリリムも波紋によるワイヤーの包囲網で集合体の動きを制限しながらベアトリクスをサポートする。

 

そうしてある程度弱まり出すと集合体から一つ一つ声が聞こえてくる。

 

どうしてこんな目に合うのか、苦しい、助けて、死にたくない…

 

ただ生きたかっただけなのに教団はそれすらも許さず悪魔憑きたちの人生を弄んだ。

 

「……」

 

「師匠、早くトドメを刺したほうがいいんじゃない?これ以上苦しませないためにも。」

 

クレアは集合体の慟哭のような叫びに早く楽にしてあげた方がいいと考えた。

 

「そうだね。普通ならそうすべきだと思う。」

 

リリムは自分たちとベアトリクスやシャドウに救われなければこうなっていたのではないかと思う。でも心優しいベアトリクスならばきっと救うだろう。

 

「それではここに囚われたまま。助けてあげたい。せめて終わりは安らかに。」

 

そう言うベアトリクスにリリムもクレアも覚悟を決める。

 

「なら決まりだね。この子達をここから解放しよう。」

 

「出来ることをやりきりましょう。」

 

そうしてベアトリクスたちは悪魔憑きたちの魂を聖域から解放するために戦いを続ける。

 

苦しみ救われぬ魂に救済を与えるために。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方聖域の中枢ではシドとアウロラがイータの帰りを世間話をしながら待っていた。時折何やらキュィィンという何かを削る音やら金属の擦れる音が響いているが呑気にしている二人。

 

「この間イータの研究で保温瓶の耐久テストをしてたんだけど中々形にするのが大変だったんだよね。

 

まぁでも試作品を今冒険者ギルドとかに提供してウケが良ければそのままミツゴシで出すって言ってたよ。」

 

「魔法も使わずに鮮度を保てるなんて夢のようね。それに保温ということは寒い場所でも温かいものを食べたり飲めたりする。

 

画期的だし冒険者からしたらモチベーションの向上にもなるから死亡率も下がるでしょう。」

 

「アイディアを出したからイータから分け前も貰えるし良いこと尽くめだよ。取り分は6:4にして貰ったしね。」

 

勿論6はイータ4はシドである。

 

シドの話しはどれもアウロラからしたら新鮮なものでイータの発明品を語るシドは生き生きとしている。

 

「シドはイータのこと気に入ってるのね。」

 

「それはそうさ。彼女は僕の理解者で共犯者でもあるかし悪友ってところかな。」

 

「…ねぇシド、仮に彼女が結婚したり貴方から離れることがあったらどう思う?」

 

「そうだね。」

 

チクリとその言葉はシドに入る。今まで考えたこともなかったことだ。

 

「正直あんまり考えたこともなかった。いるのが当たり前だし…仮にそんなことがあったらその時は祝福するし仕方ないことって割り切るかな。」

 

本当に?と自分自身からの問いを無視しシドはアウロラへと言う。

 

「成る程。自覚はあんまりない感じというわけね。シドお節介だけど長生きしている私から一つだけ。後悔しない生き方をした方が良いわ。

 

後になってこうしておけば良かったなんていくらでもあるから。」

 

「それは経験談?」

 

「そうよ。」

 

「肝に命じておくよ。」

 

そうしていると扉の奥からイータが戻ってきた。

 

「まったく……面倒だった…」

 

と言いながらもその両腕に持つ保存容器にはディアボロスの左腕が漬かっていた。

 

ミニアウロラは相変わらずイータにおんぶされながら楽しそうにしている。

 

「取り敢えず…これは回収出来たから…後は…脱出するだけ…」

 

「それじゃあさっさと」

 

脱出しようかと言う前に空間に歪みが出来そこから

 

「ハゲたおっさんとエルフの美女?…事案だね。」

 

「犯罪臭漂う光景…」

 

「誰がハゲたおっさんだ!」

 

「貴方以外に…いない…ゆくゆくのシドの未来の頭…」

 

突然現れたネルソンとオリヴィエクローンに対してネルソンの頭を見ながらシドへそういうイータ。

 

「イータ。僕は禿げないからね。」

 

「でも…遺伝的に…シドはハゲる…?」

 

「…怖いこと言わないでくれる?陰の実力者が実はハゲでしたなんて本末転倒でしょ!?」

 

「ハゲないために…この間オトンさんに渡した育毛剤…今のうちに使うことを…勧めとく…」

 

「後でストック含めて5つくらいはもらうよ。」

 

小声で言い争いながらも敢えてネルソンにも聞こえるようにハゲという部分は強調して聞こえるように言う二人。

 

シドの父、オトン・カゲノーは禿げている。頭の煌めきは太陽の反射を受けいつも輝いている。

 

最近はイータの育毛剤でほんの少しだけ毛髪が戻ってきた…後ろの方だけ。

 

遺伝的にハゲやすいと聞いたことがあったシドはイータからの育毛剤で今から対策しておこうと思うことにした。

 

「キサマら揃いに揃って同じことを言いおって!」

 

そしてネルソンは側にアウロラがいたことに気付く。

 

「アウロラを連れ出していたとは…だか小僧ども残念だったな。キサマらにそのとびら……!?」

 

ネルソンが目にしたのはイータが抱えていたディアボロスの左腕に聖剣である。

 

「バカな!?扉を開いたと言うのか!そこの小僧は違う…ならば!キサマか小娘!あれは純血統のオリヴィエの子孫にしか抜けぬもの。今日は運が良い。

 

オリヴィエ!小僧は始末しろ!小娘は五体満足に捕らえろ!」

 

そう言いながらオリヴィエが一歩前に出る。

 

その行為だけで臨戦態勢を整えるシドとイータ。

 

「戦ってはダメ!逃げましょう!」

 

アウロラの記憶は所々朧気でオリヴィエのことを知らないがそれでも本能が彼女を敵に回すべきではないと訴えていた。

 

それはミニアウロラもそうでイータの背中で震えていた。

 

「生憎逃がしてくれそうにないからね。」

 

「それに…ここにいるってことは…教団のお偉いさん…ラウンズの一人に違いないわ…」

 

「ほうそこまで知っておるとは。如何にも私こそが第十一席、強欲のネルソン!」

 

「聞いてもいないのに名乗ったね。」

 

「聞く手間が…省けた…」

 

「やれ、オリヴィエ!」

 

命じられたオリヴィエはネルソン、アウロラたちに見えない速度でシドへと接近しその首を跳ねようと剣を滑らせる。次の瞬間オリヴィエはネルソンの後方へと弾き飛ばされていた。

 

「中々のスピード、魔力の量、能力スペックは僕より上…でもそれだけだね。対話が、心がないから簡単に対処出来る。」

 

魔力を迸りながらシドはそう感想を述べる。

 

「オリヴィエ……ということはクローン…?教団も悪趣味なことをするわね…反吐が出るわ。尊厳を冒涜してる…」

 

「バカな!?聖域で魔力を使えるだと!だかそれより!何をしているオリヴィエ!キサマは最強なのだぞ!そんな小僧に手間取るな!

 

いや…まずは小娘から左腕を取り戻せ!」

 

と今度はイータに標的を定めるオリヴィエクローン。

 

背中に抱き付いているミニアウロラは言葉にしないものの逃げようと訴えている。

 

「大丈夫よ…それよりしっかり掴まっていて…」

 

とディアボロスの左腕の入ったケースを背後に起き聖剣も地面に突き刺しスライムを剣へ変形させるイータ。

 

「バカめ!先程の小僧はまぐれであろうが二度もそんな奇跡は続かん!」

 

ネルソンがそういう間にもオリヴィエクローンはイータの方へ高速で近付く。

 

その姿をイータは己が透き通る世界でその骨格、力の伝達、腕の角度、魔力の質、全てを見て

 

「…スペックは似せられても…この程度ね…本物はどれだけ強かったのか…気になるものね…

 

何にしても…私と…シド相手に…役不足も良いところ…」

 

イータはオリヴィエの剣先をスライムソードで切断しオリヴィエは壁に叩き付けられる。

 

「今のはいったい?オリヴィエっていう娘があの娘に斬りかかって逆に壁に叩き付けられた?どういうことなの?」

 

「な、何が起こっておる…?オリヴィエが負ける筈がない!」

 

「ねぇ…奇跡は二度も続かないって言ったけど……二度続いたら何になるのかしらね…?」

 

「それは実力なんじゃないかな?」

 

イータに背負われているミニアウロラは安心した眼差しで見る。

 

「何をしているオリヴィエ!さっさと始末しろ!」

 

「……ねぇシド…試してみたいことがあるんだけど…」

 

「良いよ。どうする?」

 

イータからの頼みに即答するシド。

 

「取り敢えずそのオリヴィエを足止めしとして…殺さないように…」

 

「まぁいいけど何するつもり?」

 

シドがイータに問いかけイータは背中のミニアウロラへ目を向ける。

 

「ちょっとしたことを…この娘に聞くだけ…同意したら…声を掛ける…」

 

「詳しくは聞かないけどそれは必要なこと?」

 

「必要なことよ…」

 

「わかった。じゃあ任せて」

 

そうしてシドは再度斬りかかってきたオリヴィエクローンの剣をスライムソードで受け止め激しい剣戟の応酬を繰り広げる。

 

オリヴィエクローンは殺すつもりだがシドにとってみれば魔力も波紋も使える状況下であるため余裕を持って対処する。

 

そんな中でイータはミニアウロラを下ろしまっすぐその瞳を見つめ

 

「貴女は…ここから外に出てみたい…?」

 

そう問い掛けるのであった。




今回はここまでになります。

ベアトリクスサイドでは悪魔憑きたちの怨念の集合体と戦いを繰り広げ悪魔憑きたちの魂を解放すべく行動し始めました。

そんな中でクレアはベアトリクスやゼータの使う波紋を知り知らない中でも波紋を使うための基礎的なことはベアトリクスから修行で教わっていました。

ゆくゆくはクレアも波紋戦士になることでしょう。

ベアトリクスならば怨念の集合体を無に帰すことは簡単ですが聖域に囚われた魂を解放するために少しハード目なしようにもなっています。

そしてシドたちサイドではアウロラとシドの世間話で主にイータの発明のことをはなしアウロラはシドのイータへの感情は恋心とまではいってないがそれでも大事な人であることを見抜き経験則からのアドバイスを送りました。

イータはディアボロスの左腕を無事に捕獲もとい奪取することに成功しました。

そして異変に気付いたネルソンとオリヴィエクローンが突撃してきてネルソンのハゲ具合を見てシドに対してイータは遺伝的にハゲるのではと言い

シドはハゲた実力者は御免だと育毛剤を頼むことに。

ネルソンはアウロラを連れ出したことに驚きつつも扉を開けないと言おうとしたところ扉は開いていてディアボロスの左腕が奪われていることに驚き

イータが聖剣を持っていたのでイータもオリヴィエの子孫と勘違いをしオリヴィエクローンに命令してシドを襲うが原作と違って魔力万全、更に波紋も使えるシドにとってはイージー過ぎました。

続けてイータも襲うもののミニロラを背負いながら透き通る世界で見て迎撃しました。

そして何かに気付き試してみようとシドにオリヴィエクローンを足止めするように言いミニロラへと問い掛けるのでした。

次回はそんなイータとミニロラ、アウロラたちとのやり取りからになる予定です。

FGOでは奏章2が始まりマリーオルタの登場にあのクハハマンも登場とアヴェンジャーたちの物語。

見逃せませんね。

お気に入り、感想、評価してくださる皆さまありがとうございます。

次回も遅くならない内に投稿していけるようにします。

今回も読んでくださりありがとうございました!

異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

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