陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。 作:生徒会長月光
時系列はあまり気にしないでもらえると幸いです。
第三弾はこの三人となります!
それではどうぞごゆっくり!
ミツゴシ商会では冬の商戦を乗り切り労いを兼ねて地下に作った温泉施設で従業員たちは寛いでいる。
そんな中会長であるルーナは売れた商品の補充に店の外観を変えるための資料を纏めていた。
「今日も売れたわね。それにしてもイータの作ったこの使い捨てカイロというのはとても温かいわ。諜報の子達も凍えずに済むと大絶賛。
それに袋麺という新しく画期的な物のお陰で家でも気軽にラーメンを食べられると売切れが続いてるしイータに増産を頼まないと」
「ルーナ、少しは休んだら?身体壊しちゃうわよ。」
ルーナの肩に手を置きながら声をかけるクレア。
「でも色々と纏めておかないと商会はそうですがお母様の顔に泥を塗ってしまうかもしれないし。」
「師匠はそういうこと気にしないと思うから大丈夫よ。ほらココア淹れたから。」
「ありがとうクレア。」
そうして二人ともソファに座りながら一息つく。
「それにしても最近は時が経つのが早く感じるわ。」
「そうね。クレアと会ってもう5年ぐらいになるのよね。あの時が懐かしいわ。」
「ルーナが転けてた時ね。」
「今はそんなに転ばないわ…一日5回ぐらいよ。」
「それでも多いわよ。ホント今年は色々あったわ。血の女王にブシン祭での出来事、聖域でのことも」
「奴らも焦っているようだし気を抜かずこちらの情報を渡さないように警戒しないといけないわ。オリアナ王国もキナ臭くなってきているから注意だわ。」
そうして話しているとドタドタと走ってきている音が聞こえてきた。
その音を聴いてクレアはココアをルーナに渡しルーナはソファから避難する。
「姉様ーーーーーーーーーー!!!」
ドアを勢い良く開いてクレアに向かってダイブしてきたデルタもといマナ。
それをクレアは抱き寄せてくるくる回り衝撃を受け流す。
「マナ部屋で勢い良く来るのは危ないわよ。」
「そうよ。そんなに慌ててどうしたの?」
「がぅ~実は」
話を要約すると
どうやらマナはアルファが用意していたベアトリクスと食べる予定だったものを食べてしまったそうだ。
アルファの静かな怒気に怖がったマナはアルファが喋ろうとする前に同じものを買って来ると空となった箱を持ち飛び出して来たのだ。
しかし町中を探してもなくミツゴシ商会では取り扱いのないものらしく最後に頼ろうとしたのがクレアとルーナであった。
「アルファ様怒ってるです…だから同じもの買って仲直りしたいのです…」
マナは耳を萎れさせながらそう言う。
「マナそれよりアルファへ言うことがあるでしょう?」
「がぅ?」
「これは気付いてなさそうだわ。マナまずは」
そう言って諭そうとしたルーナだが部屋の隅にうっすらと風が吹いたと同時に
「え?扉?さっきまでなかったのに…どういうこと?」
「これは…アーティファクトでしょうか?それにこの文字は…確か前にお母様が教えてくださった日本語というものでしたか?」
「師匠が?ルーナ何て書いてあるの?」
「え~とねこや?と書いてありますね。」
「クンクン…がぅ!ご飯の匂いなのです!」
そう言ってマナは扉を開き中へ入ってしまう。
「マナ!?どんな危険なことがあるのか分からないのよ!」
「ルーナ閉まる前に入らないと!」
「えぇ!」
続いてクレア、ルーナも共に扉を潜るのであった。
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チリンチリン
その音が響き渡り入った三人は周りを見渡す。
「ここは…食堂?」
「料理屋よね?それにしても清潔で気品のある場所…高級な場所なのでしょうか?」
(いらっしゃいませ。)
その声が聞こえた瞬間三人に悪寒が走る。
現れたのは給士服を着た黒髪のエルフのような少女…
だがその圧倒的な存在感にクレアもルーナも立ち尽くすしかなかった。
マナに至ってはすぐさまクレアの後ろへ隠れた程だ。
意を決してルーナは訊ねる。この場で二人を逃がす時間を稼げるのは自分しかいないと思いつつもそれだって一蹴されかねない存在感。
「すみません、ここはいったい?」
(ここは異世界食堂…料理屋です。)
「異世界食堂?」
(空いている席にお掛けしてお待ちください。)
そう言うと給士へと戻っていった。
「ともかく危険なところではないってことよね。」
「そうみたいですね。マナもここでは絶対に騒ぎを起こさないように。」
「が…がぅ~」
三人はクロに言われ席に着く。
インテリアに机、調味料の入った容器。どれをとっても見たことのないものばかり。クロがお水とおしぼりを持ってきてその水もタダと聞いたルーナとクレアはとても驚いた。
「とても綺麗な材木から作られている机と椅子ですね。」
「あながち異世界って言うのも嘘じゃないわね。それにしたってお水が無料でしかもこの氷…とても綺麗だわ」
「氷はミツゴシでも作れますがここまで透明度の高いものは初めて見ました!それに他の方々が飲まれているお酒の容器…簡素な作りに見えてあの持ちやすい取っ手。今の王都のガラス職人には到底真似できないものです。
余計な装飾のなく透明度からお酒の色を引き立てる…ウチで出せればバーといった形で展開したり冒険者ギルドに卸せばそれだけ冒険者も増えて情報が集まりやすく」
「ルーナったら深く考えちゃって。」
考察しているルーナたちの前に店主がやってくる。
「いらっしゃい。ようこそ「異世界食堂」へ」
「あのここは本当に異世界なのでしょうか?」
「えぇ。俺も詳しくは知らないがあの扉の鈴がいろんな世界を繋いでいるらしい。」
「とても高度なアーティファクトなのでしょうか?」
そう考えるルーナを他所にクレアは店主へ尋ねる。
「ここって料理屋なのよね。」
「そうですよ。今回お客様たちは初めてですからなんでも一品良いですよ。」
「宜しいのですか?」
「えぇサービスです。次回以降はお代を頂きますがね。」
「う~ん何が良いのかしら?」
クレアは考えルーナはオススメがあれば良いと思い聞いてみる。
「店主さんおすすめとかありますか?私は出来れば甘い果実を使ったデザートを。」
「私は…そうね、師匠が前に話してた…なんだっけ………パスタっていうのでクリームソースだったかが入ったやつがあれば良いんだけど。」
「えぇありますよ。」
「本当に!それを頂くわ!」
「マナは……あら?どこに?」
「ルーナルーナ!カツ丼、カレー、オムライス、カルビ丼食べたいのです!」
マナは他の人たちの食べる姿を見て色々食べたいとリクエストする。
「マナどれか一つになさい。そんなに頼んでも食べきれないでしょう。」
「え~!」
「うん?そっちのお嬢ちゃんそいつは…」
「がぅ…アルファ様の大事にしてたの食べちゃったです…」
「マナ、店主さんにそう言っても伝わらないわよ。」
「お客様アルファ様のお知り合いなんですか?」
もう一人の給士のアレッタがひょこっと顔を出す。
「えっ!?どうしてアルファのことを知ってるの?」
「アルファ様もここに訪れたことがあるんです。もしかしてベアトリクス様やイータ様たちのことも?」
「お母様やイータも来ていたのですか!?」
「ルーナ様もベアトリクス様の娘だったのですか!?」
ルーナとアレッタの二人は驚きながら尋ね合う。
「ねぇ店主、もしかしてこの箱のやつここで売ってたりするの?」
「勿論。そいつはここであの娘に渡したものだからな。」
クレアが確認するとパァーとマナは明るくなると
「おっちゃんそれくださいなのです!アルファ様に持っていって仲直りするのです!」
「……あぁ食事を食べ終わったら持っていこう。」
「それでマナどれにするの?」
「う~ん…じゃあこれにするのです!」
「あいよ。それでは少々お待ちを。」
そう言って店主は下がっていった。
「それにしたって師匠やイータたちもここに来てたなんてね。」
「もしや以前イータたちの言っていたのがこの場所のことだったのかもしれません。」
以前シドとイータが初めて行きお土産としてストロベリータルトを持ち帰った際のことを思い出したルーナ。
料理が出てくるまで待つことにした三人。
「それにしたって色んな種族の人たちがいるのに皆笑顔で食事出来るなんてすごいわ。」
「えぇ私たちと同じエルフの方や獣人の方、人種問わず美味しいものを囲うことの出来る…とても良い所ですね。」
「がぅ~良い匂いなのですぅー!」
暫くすると
「お待たせしました!クリームパスタです!」
「(梨タルトとステーキ丼になります。)」
「これはボリュームがあるわね!」
「とても甘い香りですね。」
「がぅ!!美味しそうです!」
「それではごゆっくり!」
それぞれ料理が運ばれまずクレアが食べる。
「…!何て濃厚なの!くどくなくそれにパスタに絡んでくるこの風味…野菜の風味が感じられる…?」
「もしかしたら野菜を溶かしているのかもしれないわね」
「成る程!これはどんどん食が進むわね!」
「それでは私も…」
ルーナも梨のタルトを一口…
「まぁ!この甘さ…それでいて噛んだ時の水々しさがとても上品ですね。梨という果物の持つ味を最大限使っている…私たちの世界にないものですね。流石異世界ね。」
ルーナの横でガツガツ食べ進めるマナ。
「凄いおいしーです!この掛かってるやつと一緒だと更においしいのです!肉と米が合わさって最強なのです!」
そうして食べ進めていき
「とても美味しかったわ。」
「えぇ何だが頭が何時もより冴えている気がするわ!」
「がぅ~満足なのです~」
チリンチリンとまた扉が開く音が聞こえてきた。
「…ルーナ…?どうしている…?」
「イータ!?実は執務室に扉が現れましてそれを潜ったらここへ来ていたのです。」
「そう…私も店の地下…に扉が現れてから…毎回来てる…あの扉は…七日に一度現れるようになってる…」
扉が現れるごとに毎回来ているイータはルーナたちの姿を見て驚きつつも異世界食堂の扉が開く条件をさらっと伝えた。
「え~!毎日これないのです!イータ何とかするです!」
「無理よ…そこは諦めなさい…ってそれアルファ様が…大事に取っておいた奴…?」
「ギクリ…えと…その」
「あぁだからアルファ様…悩んでたのね…」
「悩んでた?」
異世界食堂にくる前にアルファと会っていたイータは合点がいったようである。
「まぁ色々と…ね…もう帰るのでしょう…?気を付けなさいよ…ルーナは特に…頑張りすぎるから…クレア無理矢理でも良いから…寝かしつけて…」
「任せなさい!妹の頼みなら喜んで引き受けるわ!」
そう言うイータは席に着こうとして
「マナ…」
「がぅ?」
「魔物や強い奴から逃げるのは別に良いわ…命も掛かってるし…でも人から逃げるのは止めなさい…怒られたくないから逃げる…そんなことしてたら…愛想尽かされるわ…」
「で、でも…!」
「まぁ…そこら辺のことは任せることにするわ…それじゃあ気を付けて…」
イータはそのまま席に着く。
そこへ店主が抹茶バウムクーヘンを持ちながら来た。
「料理どうでした?」
「とても美味しかったです!」
「えぇボリューミーで食べ応えあって最高だわ。」
「それは良かった。ここは七日に一度ドヨウの日に繋がります。良ければまた今度来てください。」
「是非うかがいますわ。」
「それとお嬢ちゃん。お節介だが一つ」
「がぅ?」
そう言って店主はマナの目を見て言う
「アルファさんはなにもお嬢ちゃんを叱ろうとしていた訳ではないと思うぞ。」
「で、でもアルファ様怒ってる雰囲気で…」
「そうかもしれないが君にとって彼女はどういう人か思い出して見ると良い。」
「えっと…ちょっと厳しくて…でも凄く褒めてくれて優しいです!」
マナはアルファのことを思い浮かべながら言葉を紡ぐ。
「だろう。多分だが皆で食べようとしてたんじゃないか?」
「母と…そういえばマナも呼ばれて…あ!」
「アルファさんは悲しかったんじゃないか?もっと説明しておけばお嬢ちゃんも食べることもなかったし皆で食べれくなってしまったことに。」
「アルファ様…悲しませちゃった…」
「なら仲直りするためにすることは」
「謝らないといけないです!でも許してくれるです?」
マナは不安に思いながら聞く。
「許してもらえるか不安だろう。もし許してくれなかったらまたここに来ると良い。アルファさんも連れて。そしたら俺も一緒に謝る。」
「ホント?」
「あぁ。」
「おっちゃんありがとうです!アルファ様のところ行ってくるです!」
そう言いながらマナは店主から箱を受け取ると扉を抜けてアルファの元へと走り出した。
「こらマナ!すいません店主さん。」
「何子供は元気な方が良いもんだ。」
「つかぬことを聞きますがどうしてあの娘に真摯に?」
「そうだな。昔姪っ子が同じような感じで悩んでてな。それを思い出してな。悪気がないようだしそれに料理を食べてる姿は気持ち良いぐらいの笑顔だったからかな?」
「ありがとうございます。後日またお礼を。」
「気にしなくて良いですよ。それとついでに作りすぎてしまったからこれもどうぞ。」
梨タルトを手渡されたルーナ。
「宜しいのですか?」
「あぁ。それとベアトリクスに健康に気を付けるようにと言っておいてください。」
「任せて!店主ごちそうさまでした!」
チリンチリンと二人も帰宅するのであった。
「店主…色々ありがとう…」
「なにただのお節介さ。それで今日はどうするんだ?」
「今日は…シーフードピラフを…!あとホタテと魚のフライ…飲み物はコーラで…!あと持ち帰りでナポリタンドッグとフルーツサンドも…お願い…」
「あいよ。」
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無事に帰ってきたルーナとクレア。
扉が閉まるとそのまま消えてしまった。
「消えちゃったわね。」
「でも夢じゃないわ。梨タルトは冷蔵庫に入れましょう。それからもうひと頑張り…」
「それより一回休むのが先よ。」
と執務室からルーナを担いでクレアは仮眠室へ入りベッドにルーナを横にする。
「クレア私は別に」
「頑張りすぎるのは良くないわ。たまには休んだってバチは当たらないもの。ほら早く寝るわよ。」
そうしてルーナを寝かしつけるクレア。
ルーナはそれに甘えることにしゆっくり寝息をたてる。
クレアは仮眠室を出て執務室へ戻ってくると机に積まれた書類を見る。
「さてルーナが確認しなきゃいけないの以外は片付けておきましょう。」
カゲノー領でのことに備えて経理関係なども学んでいたクレアはスラスラと書類を片付けていく。
数時間後すっかり積まれていた書類を片付けたクレアは自身も仮眠室へ行きベッドが一つしかなかったのでルーナの横に寝るとそのまま二人揃って眠るのであった。
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「はぁ…もう少しデルタに伝えておくべきだったかしら。そしたらあの娘も逃げなくて良かったし…」
そう言うアルファ。
そこへバターンと扉を勢い良く開けて入ってきたマナは開口一番
「アルファ様ごめんなさいなのです~~!!」
泣きながらアルファに抱きついた。
「デルタ皆で食べようとしてたの一人で食べちゃったですぅ~皆で食べるのに…一人占めしちゃった~ごめんなさいなのですぅ~」
「もうデルタったら…良いのよ。私も伝えておけば良かったことだから怒ってないわ。」
デルタを抱きしめるアルファ。
そうして仲直りすることが出来たデルタはアルファに今日あったことを報告し抹茶バウムクーヘンを貰ってきたので今度こそベアトリクスたちと一緒に食べるのであった。
後日異世界食堂を訪れたベアトリクス、アルファからお礼を言われデルタも謝るきっかけをくれた店主をベアトリクスが店長と呼んでいたのを真似て、てんちょーと懐く。
ルーナは商会を営んでいる少年たちやエルフの魔女姫やクレアは伝説の剣豪やコロシアムの伝説の剣闘士とも交流を深めたりなど異世界食堂の面々と仲良くなっていくのであった。
今回はここまでになります。
異世界食堂編読んで頂きありがとうございました!
前二回はアレッタが応対していたので今回はクロが応対しました。上手く表現出来ていたら幸いです。
クロのスケールの違いに圧倒された三人。
七陰列伝で霧の龍や害竜など交戦経験のある二人とベアトリクスに鍛えられたクレアはクロの規格外さに戦慄を隠せませんでした。
そして異世界食堂と言われ以前シド、イータの言っていた場所だと思い出したルーナことガンマ。
三人とも美味しく食べてデルタはアルファが大事にしていた抹茶バウムクーヘンを食べてしまい同じものを買って仲直りすると言っていた。
それを店主は諭し謝ることが大事だと気付かせてくれ相談に真摯に乗ってくれたりした結果懐かれました。
クレアもとても美味しい料理を食べてイータから言われた通りガンマを休ませ会長の判子がいるもの以外の書類を捌きました。
カゲノー領のことやガンマの仕事を手伝ったりしていたので難なく終わらせ自身も休むことに。
異世界食堂での原作キャラたちとの絡みも入れていきたいですね。
そしてイータは相変わらず貝系のを食べたりしておりました。ちゃんとお土産でイナリやシェリー、ヴィオラの分も持ち帰っていました。アウロラは姿を消しながらもイータの食べる料理を堪能してました。
さてカゲマスでは本日何やら情報が上がるみたいなので楽しみですね。更に魔人ディアボロスを倒した三英雄のビジュアルの発表もあったりイベントもあるようなのでとても楽しみです!
感想、評価、お気に入り何時もありがとうございます!感想増えたりするとモチベーションも、上がるので是非お願いします。
次回も遅くならない内に投稿していく予定です!
今回も読んで頂きありがとうございました!
異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)
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