陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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閑話でイナリの1日録になります。

お出掛けのお供としてシェリーも一緒に外出します。

うっかりとドジが合わさるとどうなるか…

それではどうぞごゆっくり!


うっかり助手狐とドジっ娘弟子の一日休日録

聖域での出来事から暫く。

 

王国へと戻ってきたイータたち。

 

あれからアレクシアが訪ねてきて渡したお手軽重力装置を着脱可能のものにしたり、アイリスが新しく設立した紅の騎士団のことで外部からの意見を聞きたいと相談しにきたりしていた。

 

「…イナリ」

 

「どうしましたかご主人様?」

 

「これを…買ってきてくれるかしら?」

 

「油ですか?」

 

「えぇ…少し試してみたいから…シドの言ってた…袋麺ってやつ…作れれば旅先でもお湯を沸かせば食べれる画期的なもの…」

 

「分かりました!良質なものを探してきます!」

 

「それとあの娘も…連れ出してちょうだい…少し煮詰まってるみたいだから…」

 

「シェリーちゃんですね!」

 

「それと…王国を見て回ってきて良いわ…色んな所を見てきなさい…」

 

 

 

「お母さん何か手伝う!」

 

「それじゃあ…ヴィオラ…そこのお皿を取ってくれるかしら…」

 

「うん!」

 

「転ばないようにゆっくりで良いわよ。」

 

「アウロラの…言う通り…ゆっくりで良いわ…」

 

イータはイナリに色んなものを見てくるように伝えヴィオラに手伝いをお願いし精神体でアウロラも手伝う様相を見つつシェリーを連れて市場へと向かうイナリ。

 

「シェリーちゃんはぐれないように手を繋ぎましょう!」

 

「イナリさん大丈夫ですよ!流石に迷子には」

 

ならないと言う間に人混みに呑まれイナリから離れそうになるシェリー

 

すかさずイナリは尻尾を絡ませてシェリーを抱える。

 

「シェリーちゃん大丈夫ですか?」

 

「は、はい。そういえば私あんまり外出したことがなかったから…道が分からないです。」

 

「そうだったんですね!大丈夫です!今日はいろんな所を見ましょう!ご主人様が多めにお金をくださいましたから食べ物屋も寄ってみましょう!」

 

学術科での研究であまり外に出たことがなかったシェリーをイナリは連れて歩きながら色んなものを見る。

 

シェリーの世界は養父とアーティファクトの研究という狭い箱庭の中だけであった。

 

学園襲撃を機に養父の真実、世界の真実を知ったシェリーはイータやイナリが聖域へ赴いている間ミツゴシ商会で様々なことを学んだ。

 

世間の物流の流れ、食品の加工や金銭の数え方にファッションの流行。中でも興味を引いたのは調味料といったものでシェリーの好きなハーブも調味料になると知ったときは驚いた。

 

それを手軽に家庭へ送り届けられるようになったのはイータの発明のおかげと知り、ますます自分がすごい人の元で働いているんだとシェリーは研究に精を出す。

 

イータもそうだがイナリからも色んなものを教わっている。自衛の手段やイータの発明した物がどんなものか事細かく覚えて分かるまで教えている。

 

「さて油は何処が良いですかね~ルーナ様に訊ねるのが速いと思いますがご主人様が折角ゆっくり見てくるように言ってましたから…知る人ぞ知る隠れた名店に行ってみましょう!」

 

そうしてイナリは色んな場所へ向かう。

 

魚料理を営む隠れた名店に老舗のラーメン店、良質な染め物で色鮮やかな着物を見たり、良質な油の取り扱いのあるお店にも寄った。

 

共通していたのはベアトリクスが手掛けて成功したお店で更にキャラの濃い店長達が経営していることだろう。

 

「魚料理の人たち親切でとても美味しかったです!いくら丼のぷちぷちした食感はたまらなかったです!」

 

「顔中が刃物などで負った裂傷だらけでサングラスを掛けてるから知らない人がいったら驚いてしまいますからお得意様御用達のところにもなってるんです!」

 

イナリはこういうが普通魚料理屋に完全にヤのつく感じの者たちが経営していると思えば一般人は絶対に入れないのは間違いない。

 

尚強面なだけで話すと義理人情に溢れた人たちで経営が傾いた時にベアトリクスが支援してくれたお陰もあるからかシャドウガーデンの面々の情報整理のために使われることもあるぐらいだ。

 

ラーメン麺店店主も孤児だった頃にノウハウをベアトリクスが教え今では大人気のお店で今年で65になる。ベアトリクスたちシャドウガーデンメンバーが来た時は店を貸しきりにして歓迎するほどである。

 

因みにリンドブルムで蕎麦屋の店長を勤めている彼女もここで修行している。気さくな店主だが初対面の者は必ずそのギャップに戸惑う。何故なら店主はオネェ系だからだ。

 

染め物屋に関してはイータも関わっていてベアトリクスの元で修行していた時に縁有ってイータが染め物用の機械を作り今でもメンテナンスなどで立ち寄っている。

 

ベアトリクスに着て貰える素敵な着物を作る目標を掲げている今年で160を越えるとても高齢な獣人のロリババウサギ。

 

イータのアンチエイジングマシンで若さを取り戻してからは若年層にもウケが良くなりベアトリクスにも人生の先輩としてアドバイスをしていたりする。

 

「油もとても純度の高いものでしたから一杯貰っちゃいましたね!」

 

「これでご主人様も喜ばれます~!」

 

そうだ。今日のお薬飲まないと…ご主人様が処方してくれたもの。健康に良いと言ってました!

 

そうして路地裏を歩く二人。

 

その二人へ忍び寄る者たちがいた。

 

ディアボロス教団のチルドレン1stヨゴーレ・トル

 

良質な油と聞き自身の持つ魔剣と相性の良い物を探していたところイナリたちの会話を聞き良質な油を奪おうとしていた。

 

(フッフッフ獣人一人に弱そうな女一人。他愛もないことだ。このヨゴーレのコレクションに加わることを誇るが良いッ!?)

 

そんなことを考えていたヨゴーレだが突然何かに足元を掬われ尻餅を付いてしまう。何事かと思えば地面は油だらけになっていたのだ。

 

そうイナリのうっかりで油を入れていた樽を逆さに持ってしまい更にその入れ物の栓が抜けていて中身が溢れていた。

 

(この程度!)

 

ヨゴーレは足掻くが良質というだけあってサラサラした油に足を取られ更に全身に油が回りいつも懐に忍ばせている小型のアーティファクトにも纏わり付く。

 

ヨゴーレのアーティファクトは炎を操るもので陽炎のように蜃気楼を見せ同士討ちさせるもの。

 

それが油まみれになるということは炎を発生させたが最後自分に引火するということだ。

 

細心の注意を払えば問題ない…イナリ(うっかり)とシェリー(ドジ)がいなければの話だが

 

「そういえばシェリーちゃん護身用にご主人様の開発したしびれる君4号はどうですか?

 

前のより改良して持ち手の部分をスマートにしてその分電圧の部分をチャージしやすくして魔石がなくても充電することで5回ぐらいまで使えるようになったんですよ!」

 

「はい!これのお陰で少し安心して外を歩けるようになりました!あっとっと!」

 

地面に落とし掛けたシェリーは寸前でキャッチして事なきを得た。

 

がその際に少し漏電したようでスパークが迸るとそのまま油に着火し

 

「ば!バカなッ!?」

 

ドガァァァァァァン

 

路地裏で爆発が起こった。

 

爆発が起こる直前何か嫌な予感を感じたイナリがスライムスーツを変形させてシェリーと共に包み込む形で展開したので巻き込まれたのはヨゴーレのみであった。

 

咄嗟に展開させておいて良かったわ…まったくあの子達のうっかりとドジは気を抜けないわ。

 

「いったい何事でしょうか?いきなり爆発して咄嗟にスライムスーツで防御しましたけど…シェリーちゃん怪我はありませんか?」

 

「は、はい…イナリさん!油が漏れてます!?」

 

「ほぇ?………ホントですぅ!?あわあわどうしましょう!もう一度お店に行って買い直さないと…」

 

「その心配はございません。」

 

そう言いながら変装中のニューが現れた。

 

「ニューさん!」

 

「イナリさんの購入された物と同じものをご用意しております。今度は逆さに持たぬようお気を付けて。」

 

樽を交換してふたが上に付いていることを確認する二人。

 

「このチルドレン1stは此方で処理いたしますのでご安心を。」

 

「「え?」」

 

二人とも声を上げて後ろを良く見ると真っ黒い焦げたような物体があった。

 

「相手が油断した隙を突き見事に倒した技量…流石イータ様の助手です。あと此方ガンマ様からイータ様へとのことなのでお渡しをお願いします。」

 

そう言いながらニューは他の構成員と共に辛うじて息のあるヨゴーレを最低限波紋で治療しながら去っていった。

 

全く…あの娘たちは抜けてるわね…取り敢えず不届きものはこれで良いかしら…

 

ハプニングがありながらも無事に帰宅することが出来た二人。

 

「おかえり…二人とも…楽しかった…かしら…?」

 

「はい!色んな人と触れ合えて…あのまま学園で一人の世界に閉じ籠っていたら…絶対に無かったものです!」

 

「そう…無理はしないように…辛ければ辛いと言いなさい…心の内に貯めていても…良いことなんて…ないんだから」

 

「ご主人様言われた油を買ってきました!あとニューさんからでガンマ様からの届け物だそうです!」

 

「そう…この前頼んでおいた物ね……あとはミツゴシに行って作るとしようかしら…それとイナリ…」

 

「はい!ご主人」

 

様と言おうとしたイナリの両手に手錠が掛けられた…

 

何故に?

 

「さっきニューがきてイナリが…チルドレン1stを倒したと…意気揚々と語ってたわ…なんで休みを与えてるのに仕事してるのよ…罰として…改良型揉みほぐしマシンと尻尾の毛繕いするわ…それまで手を動かすことは禁止…ベアト母様から教わった知識を応用した……低周波で身体全体を効率良く揉みほぐしてくれる……」

 

「そんな!ご主人様のお世話が出来ません!」

 

「罰だから受け入れなさい…」

 

「そんな~」

 

「師匠それは罰になってないと思います!」

 

「世話焼きのイナリに…お世話させないのは充分なもの」

 

「成る程!」

 

シェリーはその言葉に納得してしまう。

 

「いや純粋すぎるわよ!?そこはもっとツッコミなさい。」

 

「ローラさんただいまです!」

 

「おかえり…ってそうじゃなくて私はアウロラって名前があるんだから」

 

「?ローラさんはローラさんじゃないですか?」

 

「この天然…手に負えないわ…」

 

「狐さん…観念するの…もふもふ」

 

イナリの尻尾に埋もれながらヴィオラはそう言いツッコミがいないことにアウロラは戦慄する。

 

夕飯を皆で食べたあとイナリはイータの発明品に乗せられながら身体を揉みほぐされ尻尾を毛繕いさせられることとなった。

 

因みに夕食は前日に黒酢に付けておいた豚肉を使った酢豚とミドガル湾で取れたミドガルイワシを炭火で焼いたもの、にんじんやなどの緑黄色野菜の和え物らご飯と農家で取れたオリアナ産のネギと最近作ることが出来るようになった豆腐を使った味噌汁であった。

 

作りすぎたとイータは言っていたもののヴィオラが勢い良く食べた結果物の見事に完食していたのを見て嬉しそうに笑っていた。

 

夕食も終わってマッサージが終わる頃にはイナリは寝息を立てておりイータが寝室に連れて行きシェリーもシャワーを浴びてお風呂に浸かる。

 

今日1日にあったことを心の中で整理し今は亡き母へ報告する。

 

(お母さん…私どうにかやれてるよ…イナリさんと色んな所へ行って…研究に行き詰まっても教えてくれる師匠は良い人で周りも優しくて…いつか人の役に立つ物を発明したら…誉めてくれるかな…)

 

そうして布団に入りながらシェリーは夢の中へ旅立つのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

イナリを寝かし付けたイータ。

 

イナリの頭を撫でながら膝枕するイータにアウロラが問う

 

「ねぇイータ、貴女も休めてる?ちゃんと身体を休めなきゃダメよ。」

 

「問題ない…それよりイナリのが心配…この娘は溜め込みやすいから…適度に何処かで発散しないと…」

 

「それなら良いわ。相談事があれば相談してちょうだい。私は貴女の共犯者なのだから。」

 

そう言いながらアウロラはイータの頭を撫でる。

 

そうして夜は更けていく…

 

「フッフッフここが天才発明家の住居か…奴を拉致してしまえば俺の地位は磐石になる…ラウンズだって夢じゃない!」

 

そう言うチルドレン1stの一人。住居を特定したものの誰にも言わず自分一人の手柄にしようと企んでいた。

 

「残念ですがそれは叶わぬこと。」

 

「何者………」

 

「何者か…それを聞くことはない…もう死んでいるのだから。」

 

そう言いながらフードをかぶる人影はチルドレン1stを屠った。

 

「あの人たちの平穏を脅かすことは許さない…」

 

月夜に輝きながらその人物は姿を消す。

 

「またあの娘は…まったく」

 

「さっきのは知ってる娘?」

 

「えぇ…アビスの中でも…私の言うことしか聞かない娘…普段は大人しくしてるけど…私に何かありそうな時は…あぁやって率先して排除してるのよ…」

 

「普段は大丈夫なの?」

 

「問題ないわ…普通にしてる分には…」

 

「それで結局何者なの?」

 

「アビスナンバーズの1番…アンリィよ。」

 

「まぁ頼もしいと思っておきましょう…」

 

そんな話をしていた時シェリーは寝惚けながらお手洗いに向かっていた。

 

「ふみゅぅ~ お手洗い…ふわぁぁぁぁ」

 

そんな感じで歩くものだから何かに躓いて倒れそうになる。

 

それを寸でのところで誰かがキャッチした。

 

「はれ~イナリしゃん?」

 

「………」

 

無言ながらもシェリーを抱えてお手洗いへと向かう人影。

 

そうしてシェリーを今度こそ布団に寝かし付ける人影。

 

「あの?」

 

「明日も早いから寝なさい…」

 

「はぁぁぁい…zzzZ」

 

(イナリさんは優しいですぅ…あれ?でもイナリさんの尻尾…5本もあったかな?)

 

「全く油断も隙もあったものではないわ。今度こそ大丈夫ね…」

 

そう言いながらアビスナンバーズ、アンリィは狐耳と5本の尻尾を揺らしながらシェリーの部屋から出るのであった。




今回はここまでになります。

可笑しいですね。

本当はクレアのアレクサンドリア入りの話を書いていて進まないからイナリの1日を書いたらすぐに書けてしまうなんて。

というわけで王都に戻ったイナリとシェリーの1日でした。

この小説では久しぶりなシェリー。

ミツゴシで色々と学んだものの学術学園では研究ばかりで外に出なかったのであまり地理に詳しくないのでイナリが色々な場所へと連れていきました。

個性溢れる場所で主にベアトリクスに恩があり相談に乗ってくれたりしている。

原作よりもシャドウガーデンが潜入しやすいのも彼らの協力あってのもの。

そうして袋麺開発のために油を買いに行きチルドレン1stが現れますがイナリのうっかりとシェリーのドジで撃退しニューが回収し拷問することに。

それを聞いたイータはイナリを拘束して疲れを癒すために普段は世話されているのを逆にイナリの世話をすることに。

微笑ましく見ながらアウロラはシェリーの天然なことに頭を悩ませヴィオラはイータの作った夕飯をもきゅもきゅと食べていました。

亡き母へ思いを馳せるシェリーとイナリを甘やかせるイータ。

そんなイータを狙いまたチルドレン1stが現れるものの名乗る暇もなく瞬殺されることに。

アビスナンバーズからまた一人登場で一番の称号をもつ狐の獣人アンリィ。

シェリーが言うにはイナリに似ているとの事だが果たして彼女との関係はどうなのか?

さてカゲマス外典から既に一週間弱がたち色んな事が判明したり新しい事が分かってきました。

此方のベアトリクスが、外典に飛ばされたらどうなるかとか色々面白そうと感じます。

いつか書けたら書きたいですね。

さてFGOではドラコーのピックアップだったり夏のサマーイベントも迫るのでとても楽しみですね!

いつもお気に入り、感想、評価ありがとうございます!

次回も遅くならない内に投稿していけるようにします。

今回も読んで頂きありがとうございました!

異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

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