あべこべで人外娘達が跋扈する世界に転生した様です   作:八雲ネム

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第1話 告白

「てっちゃん、今日もカッコいいね」

「そんな雪菜もおしゃれしてるねぇ。コーデとアクセサリー、変えたかい?」

「もっちろん!」

 

 朝、玄関を出て門を閉めると同じタイミングで出た雪女の幼馴染である雪菜がいつもの様に挨拶をしてきたので俺も挨拶で返す幸せな時間。

 前世においても、学生時代が1番幸せだったのを嫌と言う程に実感しているので、この時間が永遠に続けばいいのにと思ったりするのだがそんな事よりもどのタイミングで彼女に告白するかだ。

 碌に彼女を作ろうとしなかった前世は勿論、今世においてもある程度は恋愛物の映像作品や書籍を嗜んでいても、実際に行動するにはそこそこ勇気とタイミングが必要になる。

 

 もしも、どちらかを間違えたらクラスの笑い者になりかねないのでやるとするなら、告白のシーンでは定番の放課後の教室や屋上などだろうか。

 

「てっちゃん? どうしたの?」

「いや、どうしたものかなぁと悩み中」

「何の悩み?」

「君に対しての告白」

 

 はて、どうしたものかと考えていると雪菜が首を傾げながら話しかけてきたので悩み事に気を取られて上の空のまま、答えると彼女が固まった様子が雰囲気で感じ取ったので疑問に思いながら彼女を見ようとして気が付いた。

 

(盛大にやらかしたでござる。どーしよう)

 

 内心、かなり焦りながら立ち止まった雪菜を見ると理解できない様子だったのだが、俺の反応を見て理解が追い付いた様でぱぁぁっと表情が明るくなったのと同時に捲し立ててきた。

 

「遂に結婚してくれるんですね!?」

「あ、あぁ。最終的にそうするつもり   

「なら話は早いです! お母様   いいえ、お婆様にも話さないと!」

「今からするつもりかい? 学校から帰ってからでも遅くはな   

「いいえ、そんな呑気な事は言ってられません! それに日本には吐いた唾は飲まないと言う諺があるじゃないですか!」

「それ、諺じゃないよな! ないよなぁ!?」

 

 雪菜がそう言いながら、俺の腕を強い力で自分の体にくっつけながら来た道を引き返したので『今日の授業、出なくても大丈夫だよな?』と思いながら引き摺られていった。

 

 

 

 

 

「まぁまぁまぁ! 漸くね!」

「はい! 漸く願いが叶いました!」

 

 自宅の隣にある雪菜の家にて、雪菜と彼女の母親である女性が黄色い声で喜んでいたので少しゲンナリしながら時計を見ると、自宅を出発してから1時間は経っていたので完全に遅刻だわ〜と思いながら話を進める事にした。

 

「とは言え、するとしても日本の法律だと18歳以上じゃないと無理ですよ?」

「それはあくまで制度上の物でしょう? 決まったからには、両家の顔合わせや両国での手続きもあるから正式な結婚に向けての準備が忙しくなるわよ〜」

「この結婚は貴方に嫁ぐのと同時に、私達の元に婿入りするのですから関係各所に根回しするとかの準備しないといけないんです」

「だよなぁ………」

 

 掲示板でも語ったが、結婚をはぐらかし続けたのは雪菜の母方の実家が人外種の中でもトップクラスの名家なので、俺では分不相応な身分な上にカムチャッカ半島と言えばデカい山と北国由来の鬱蒼とした針葉樹林と言うイメージだったのが大きい。

 その上、ロシア語圏なので移住するのは流石に厳しいよなぁと言う考えもあったので、断っている内に諦めるだろうと思っていたのに歳を重ね事に雪菜の圧力の他、彼女の母親からの圧力も強くなってきたので昨日はスレッドを立ててまで意見を聞いてみたのだ。

 その結果がこれであり、引き返せねぇなぁと後悔の気持ちが出てきた所で雪菜の母親からこう言われた。

 

「一先ず、学校に行きなさい。私から寝坊したから遅刻するって伝えておくから」

「はーい」

「うっす」

 

 その言葉に、雪菜が元気よく返事をしたので俺も短く返事をしてから複雑な気持ちを抱えながら登校した。

 

 

 

 

【雪女の幼馴染に告られまくってるんだがどうすればいい?】

 

545:雪女の幼馴染

ハァイ、ジョージィ

 

546:名無しの一般人

ワイも異性の幼馴染が欲しかったなぁ、ってイッチぃ!

 

547:名無しの一般人

待ってたでぇ!

 

548:名無しの一般人

どうやった!?

 

549:名無しの一般人

フラれたかぁ!? フラれたのかぁ!?

 

550:名無しの一般人

そこはくっ付かないとおかしいやろ!

 

551:雪女の幼馴染

オッケー貰えたで。本人と彼女の母親から

 

552:名無しの一般人

だよなぁ! 話を聞く限り、熱愛だったもんなぁ!

 

553:名無しの一般人

熱愛(一方通行)

 

554:名無しの一般人

熱愛(熱烈アピール)

 

555:名無しの一般人

熱愛(異種族)

 

556:名無しの一般人

熱愛(積もりに積もった劣情)

 

557:名無しの一般人

なんでや! ピュアやろ!

 

558:雪女の幼馴染

いや実際、学校に居る時から発情した様に顔を赤らめながら見てきたから冷や汗ダラダラよ

 

559:名無しの一般人

そりゃあ、10年来の片思いだからなぁ

 

560:名無しの一般人

その内、逆レされるんじゃねぇか?

 

561:名無しの一般人

やめろぉ!(建前) ナイスゥ!(本音)

 

562:名無しの一般人

実際、それをやられたらどうよ?

 

563:名無しの一般人

我々からすればご褒美ですが?

 

564:名無しの一般人

何か問題でも?

 

565:名無しの一般人

問題ないな!

 

566:名無しの一般人

ヨシ!(現場猫)

 

567:雪女の幼馴染

今度の土日に彼女家が所有する別荘に行くから実際されるかも

 

568:名無しの一般人

なん………だと………?

 

569:名無しの一般人

イッチの霊圧が………消えた?

 

570:名無しの一般人

ふざけるな! ふざけるな! 馬鹿やろーっ! ウワーッ!

 

571:名無しの一般人

で、発表はいつよ?

 

572:名無しの一般人

せやせや、雪女が逆レをするぐらいなんだから結婚の発表ぐらいするんやろ?

 

573:雪女の幼馴染

今はまだ、調整段階に入ったばかりだから詳細は分からんが、最低でも2〜3ヶ月先やなぁ

 

574:名無しの一般人

マジかぁ

 

575:名無しの一般人

日本人から婿入りとか、そう多くねぇもんなぁ

 

576:名無しの一般人

特に雪女の一族みたいな名家に婿入りするのってハードル高いしなぁ

 

577:名無しの一般人

歴史的快挙や!

 

578:名無しの一般人

我々の勝利である!

 

579:名無しの一般人

バンザァァァイ!

 

580:名無しの一般人

生活環境の変化はこれからとして、どこで告ったんや?

 

581:名無しの一般人

せやせや、場所と雰囲気によるやろ

 

582:名無しの一般人

場所と雰囲気によっては最悪になりかねんからなぁ

 

583:名無しの一般人

それで破綻したカップルはぎょーさんおるし

 

584:雪女の幼馴染

いやー、それが登校中にポロッと言っちゃったんだよなぁ

 

585:名無しの一般人

うーん、この

 

586:名無しの一般人

ばっかじゃないの?

 

587:名無しの一般人

最悪だ、アホンダラ

 

588:名無しの一般人

一方通行の熱烈アピールをする雪女だから良かったけど、タイミングとしては最悪なのはわかんだろ?

 

589:雪女の幼馴染

せや、本来なら放課後の教室とかでやりたかったんや

まぁ、実際にやったんだが

 

590:名無しの一般人

あぁ、お口直しにってか

 

591:名無しの一般人

嬉しくはないな、少なくとも俺は

 

592:名無しの一般人

ワイも

 

593:名無しの一般人

おいどんも

 

594:雪女の幼馴染

いやホント、悪い事しちゃったよ。

実際、彼女にも『しっかりとした告白をしてほしい!』って言われたし

 

595:名無しの一般人

せやろなー

 

 

 

 

 

「ふーっ、ここで相談しといてよかったぜ」

 

 下校後、家で夕食を取ってから掲示板を覗いてみると普通に続いていたので経過報告をすると、スレは再び盛り上がったので相談の為のスレ立てをしておいて良かったと思う。

 じゃなかったら、はぐらかし続けた結果として雪菜が他の奴に靡いただろうし、そうなれば2度目の人生においてもボッチな陰キャになっていただろうしね。

 それに、下校時には雪菜の母親から聞いたであろう俺の母さんも嬉しそうにしていたので、これから忙しくなるなと思いながら宿題やら何やらを片付けていくのだった。

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