人類最後のマスターには好きな人がいる    作:永久冬眠

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異聞帯がまだ存在しないこの世界線においてメリュジーヌというサーヴァントが存在する理由という事にしてください。

入れるタイミングが無かったのでここで入れておきます。

細かい設定は気にしない…そういう世界線という事で。


第10話

 妖精騎士ランスロットーーーまたの名をメリュジーヌ。いずれ訪れる人理漂白の未来の先においてそう呼ばれることになる彼女は、自身を掬ったダレカの姿を真似てその異聞帯で最も美しい妖精となる。

 

 しかしあくまで其れは異聞帯、この時間軸においてはまだ先の話。

 

 そもそも真純のサーヴァントとして召喚された、便宜上メリュジーヌと名乗る彼女は異聞帯の存在では無い。もっと正確に言えば真純の母が英霊召喚術を参考にして作成したオリジナルの術式から喚ばれた彼女はサーヴァントですら無いのだが………。

 

 

 本来であれば汎人類史側のアルビオンである彼女につがいを持つ機能はあれど、人としての側面は無く、ましてや麗しき少女の姿になどなり様もない。

 

 何の因果か、真純に触れた瞬間に異聞のソレより腐敗が進んでいた為に、断片的にではあるが未来を観測した冠位の竜の細胞塊は、いつか訪れるあり得たかもしれない未来においてその世界での自分を見つけることになる。

 

 

 

 

 悠久の時の中で朽ちゆくだけだったソレは幾千年ぶりに味わった温もりの対価として、その赤子の未来を観てそこに待ち受ける苦難から彼を守る事にした。

 

 

 其れはまさしく麗しき騎士の如く。

 

 

 

 

 実際のところアルビオン本体から切り離されてから悠久の時を経たソレはもはやかの竜とは別の存在へと変質しているのかもしれない。こんな義理人情の様な感情が境界の竜にあったのか、そもそも感情自体存在したのか、今のメリュジーヌにはわからないしどうでもいい。

 

 最早自身が境界の竜という存在だったことも記憶の彼方。彼に少しでも気に入ってもらう為に、今は自身の記憶(未来)の中にあった最も美しい姿をとっているだけのこと。異聞帯のものとはいえど同じ境界の竜がとっていたその姿はよく馴染んだ。彼も満更でも無い様だし、今はこのままでいいと思っている。

 

 真純が姿、名前を変えろと言うのなら変える。真純の魔力を借りれば、この世界の彼女にはそれが可能であるし、例えその姿が男であろうと女であろうと彼女の行動原理は変わらない。

 

 

 

 

 腐り果てた醜いわたしに温もりを与えた無垢な赤子をただ守り抜く

 

 

 

 

 

 

 ただそう……一つ…

 

 

 

 

 

 願いを言うなら……

 

 

 

 

 

 

 できれば……

 

 

 

 

 

 つがいとして……

 

 

 

 

 

 

 簡単に言えば、長い間一人?きりだった彼女は、境界の竜だった頃の記憶は薄れ、初めて感じた他人の温もりに惚れ込み、それをかなり拗らせているという事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜ーーー

 

 カルデアの職員用の居室、真純に(・・・)与えられたその一室で眠りにつく自身のマスターを眺めながら、呟く。

 

 

 「……藤丸立香…。業腹だけどこの子(マスター)の中にはもうどうしようも無いくらいには君の存在が刻み込まれている………本当に癪だけど……」

 

 

 自身のマスターの幼馴染である藤丸立香へ恨み言を吐くメリュジーヌ。

 

 

 「まぁ幸い、マスター自身はそういう感情にまだ疎いみたいだし、今は見逃してあげる……マスターが仮に……万が一にも……わたし以外のつがいをつくってもいいと考えたのならその時は……我慢して、君だけは認めてあげるよ……」

 

 

 声を震わせながら小さくそう言った彼女の中では既に自分は真純のつがいなのである。周りに何と言われようと冠位級のメンタルは一ミリも揺らがないだろう。

 

 

 

 

 だから……

 

 

 来ないと思うけど…

 

 

 その時が来るまでは

 

 

 この子はわたしのもの




 まずい

 ぐだ子のくだりがやってこない
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