さらに数日後ーーーー
『オイフェの目的は、クー・フーリンへの復讐、クー・フーリンのマスター権が真純君から立香ちゃんに移行していることは、彼女もおそらく理解している筈だ………クー・フーリンを繋ぎ止める楔としての役割の無くなった真純君を生かしておく理由は正直わからない………通信は繋がらないけど、バイタルデータから特に暴行されているような様子もない………』
「マスターに触ったら殺す」
「どうどう、落ち着いてメリュちゃん……すごい顔してるって」
「あぁ、今の殺気で魔獣が逃げていきました……」
海獣ーーーーコインヘンの素材を持ち帰ったクー・フーリンへとダヴィンチから提案された霊基再臨。本来は4回までしかできないそれをコインヘンの素材を用いて無理やり外装として霊基へぶち込む、最早霊基再臨とすら言えない荒業にクー・フーリンは最後まで渋い顔をしていた。
それもその筈、ダヴィンチが用意した簡易霊基再臨キット(仮)はコフィンのようなポッドの中にクー・フーリン達が持ち帰った
「おい!ちょっと待て何だその装置は!?まさかそこに入れって言うんじゃねえだろうな!?」
『まぁまぁまぁまぁ』
「ざけんじゃねぇ!ぜってぇ入んねえからな!!」
「「「まぁまぁまぁまぁ」」」」
「ヤメロ!!令呪を使うな!!おい!!嫌だ…………ア"ア"ァ"ァ"ァ"♂」
そんなこんなでクー・フーリンが装置は入ってから再臨が完了するまで時間がかかるとのことだったので、立香達は付近の探索を続けつつ、会話や映像の記録から、オイフェについての情報をまとめていたのだ。
「にしても、時間かかるね再臨」
『素材を無理やり霊基に馴染ませてるからね、カルデアでやっても時間が掛かるところを、特異点内で簡易的にやってるから、やっぱり時間はかかっちゃうな』
「大丈夫かな、クー・フーリン」
『おや?心配かい?計算によれば失敗の確率は19.79%だ……ウン、キョヨウハンイ』
「いや結構高いし!?……そうじゃなくて、全身触手まみれの悲しきモンスターになったりしないよね?って思って」
『…………てへっ⭐︎』
「ダヴィンチちゃん!?」
万能の天才も予期していなかった可能性を立香に指摘され、それは計算外だったなぁと新たに算出された失敗の確率から目を逸らし、現実逃避する。
そこに、ディルムッドと見張りを交代したメリュジーヌがやってくる。
「何にしても早く出てきてもらわないと困る……」
「そっか、メリュちゃんは真純のサーヴァントだし、魔力的にもきついんだよね」
真純が誘拐されてから一週間以上経過している現在、カルデアからのバックアップがないメリュジーヌは魔力供給が十分ではないのではと、立香は心配するが、実際のところ距離があってもまったく問題なく魔力は供給され続けている。
『やっぱりメリュジーヌは早く真純君に会いたいのかな?』
「もう一週間以上抱きしめられてない!!これは契約違反だと言っても過言ではないと思うんだ!!」
「サーヴァント契約にそんな要項はありません!!」
「本来なら、24時間ずっと顔を見ていたいけど、我慢に我慢を重ねて一日5回のハグと同衾で妥協してたんだ!!それすらもできないなんて、寂しさで退去しそうだよ!!」
「何それ!?私知らないんだけど!?そんなことしてたの!?」
『おっと、藪蛇だった……退散退散』
やいのやいのと騒ぐ立香とメリュジーヌをよそに、ダヴィンチはそっと通信を切るのだった。
再臨完了まであと僅かーーーー
「て言うか何!?同衾!?同衾って言った!!??」