「あー…いやー何と言うか…」
メリュジーヌとカルデアのサーヴァント3名との
万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチはカルデアに召喚されてから5本の指に入る程の衝撃を受け、言葉に詰まっていた。
メリュジーヌと戦った3名は別にカルデアにとって最高戦力というわけでは決してない。もっと強力な霊基を持つサーヴァントだっているし、サーヴァント自体の数も、100名を超えている。
しかし、藤丸立香が想いを寄せる真純の護衛として抜擢された3名は、立香の旅が始まった冬木の特異点で召喚され、カルデアでも特に信頼を置かれるサーヴァント達。数々の特異点にも同行し、歴戦の勇士というに恥じない活躍を見せていた。
ダヴィンチは正直にいってしまえば当初、この勝負に負ける可能性は全く考えてなどいなかった。
無論ダヴィンチも何も考えずに勝負を吹っ掛けたわけではない。3名の霊基は
ダヴィンチにとって盲点だったのは、可愛らしい少女の姿をしたメリュジーヌが幻想種の頂点たる竜であり、しかも竜の中でも特別な
様々な要素が絡み合った末に生み出された最強コンビ(メリュジーヌ談)に対して万能の天才が示した答えは。
「うわー!強い!何その翼!?カッコいい!!」
「ふふん、そうでしょう?そうでしょうとも」
天才は思考放棄の全肯定botと化した。
戦闘機×ドラゴン×美少女=男のロマンである。ダヴィンチはそう言うのは勿論大好きだ。そう言った個人的側面もありつつ、カルデアの指揮を取るものとしては、
(何はともあれ、メリュジーヌ…境界の竜 アルビオンのその末端…彼女の…いや、
圧倒的な力を個として所有するメリュジーヌと真純に対し、カルデアを指揮し、守る立場にあるダヴィンチは2人が敵に回ることを想定しないわけにはいかなかった。とはいえ……
(彼女のデザインには何だか惹かれるモノがある……今後の発明のインスピレーションになりそうだ!)
「うぇぇぇん!!強すぎるでしょぉぉ!
「おい!揺らすな!!離せ!脳が…ッ!震える…ッ!」
「マスター、魔力ダダ漏れだったからマスターの魔力に魔術が発動前に掻き消されたんだろうね……魔力放出の調整ができるように後で手取り足取り、教えてあげるね、マスター」
そう言ってメリュジーヌは真純の身体に自身の肢体を絡みつかせる。
「ずぅぅぅるぅぅいぃぃぃ!!」
そのずるいは何に対してか、藤丸立香はメリュジーヌに可愛らしい嫉妬心を抱き、真純の肩を持ち前後へ揺らす。真純は離せと言いつつも本気で嫌がる素振りはなく、久方ぶりの感覚を噛み締めていた。その様子を見ていたダヴィンチは
(立香ちゃんがいる限り、少なくとも真純くんが敵対する可能性はないと思うし……メリュジーヌも……多分、真純くんの言うことなら聞くだろうから……まぁ、いっか!)
敵対さえしなければ最強の味方を得たカルデア。ダヴィンチはこれからメリュジーヌのご機嫌取りにひたすら苦労することになるのだが、その話はまた今度。今は新たな仲間の加入を祝う事にした。願わくば、立香の想いが届くようにとも思って。
「さあ!お次は部屋割りだ!メリュジーヌは勿論真純くんの隣部屋がいいよね?」
「同じ部屋に決まっているでしょう?」
「エッ…」
「ダメですけど!?幼馴染である私が許しませんよ!?」
(うーん、胃が痛い…)
さっそく苦労の香りを感じたダヴィンチであった。