ラブライブ! 〜IF STORY〜   作:たるさん

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皆様、おはようございます、こんにちはこんばんは。
たるさん及び樽さんでございます。

ついに今回はファーストライブのお話となっております。
ライブ描写は自信がないのでカットしてあります。申し訳ありません。

楽しんでいただければ、幸いです。
それでは、どうぞごゆっくり。


八話 First Live!!

 

「……」

 

そわそわ。

 

「…………」

 

そわそわ、そわそわ。

 

「………………」

 

そわそわそわ、そわそわそわ。

 

「だぁぁぁ!!穂乃果ッ!そわそわうるさーい!」

 

「ひあっ!?ごめんなさい……」

 

今日は朝から穂乃果がそわそわとうるさい。いや、声は発してないのだが、何かそわそわしていて、こうなんて言うか、うるさい。

 

「まぁ、葵。穂乃果がそわそわするのもしょうがないでしょう」

 

今は昼休み、この後に新入生歓迎会がある。それがあるということは、そうーーー。

 

「今日は私達のファーストライブなのですから」

 

そう、海未が言った通り、今日はμ'sのファーストライブなのだ。だから、穂乃果がそわそわするのは分かる。分かるのだが……。

 

「穂乃果ちゃん、朝からうずうずそわそわしてるんだもん。流石に私も気になっちゃうよ」

 

ことりもあはは、と苦笑いをする。てゆうか、そわそわしてるのは穂乃果だけではない。俺だって、内心ずっとそわそわしていた。

 

「でも、だからってそわそわし過ぎですよ?穂乃果」

 

「うぅ……分かってるよぉ。分かってるけど、私達のライブを見にお客さんが来るんだよ?なんか、そわそわとゆうか、うずうずしない?」

 

「それもそうですが……」

 

俺を含め、四人ともずっとそわそわしていたらしい。そりゃ、μ'sの記念すべきファーストライブだからね。そわそわしない方がどうかしてる。

 

「それにしても、ファーストライブかぁ……」

 

窓越しに空を見上げた穂乃果は何処か憂いを帯びた目をしていた。

 

「どうした?」

 

「ううん、いやね。こうして海未ちゃん、ことりちゃん、そして葵君とライブが出来るんだなぁ、って思って」

 

純粋な笑顔で三人を見据える穂乃果。その笑顔には、嬉しさと不安があった。実際のところ、穂乃果も不安で仕方がないのだろう。まだ始めたばかりのスクールアイドル"μ's"のファーストライブなのだから。不安になるのもわかる。

 

「それに、海未は最初凄く嫌がっていたよなぁ〜。とくに衣装に」

 

「と、当然でしょう!!だって、あんなにスカート丈が短いのですよ?せめて膝ぐらいは……」

 

あの、俺にとってはその制服のスカート丈も目のやり場に困っちゃうのですが。なんて事を言おうと思ったのだが、海未に叩かれそうなのでやめた。

 

「そういえば、ことり。ちゃんと衣装のスカート丈は膝したくらいには作ってあるんですよね?」

 

「え?……あはは」

 

「……ことり、言いましたよね?スカートの丈は膝したぐらいにって……!」

 

海未がすごい剣幕でことりに迫っている。正直、この状態の海未を目の当たりしたら俺は腕を片方折る覚悟だ。そのくらい、海未が怒ると凄く怖い。

 

「……もういいです。作ってしまったのなら、頑張って着てみます」

 

妥協したとゆう感じにため息をついた海未。その要領の良さは流石弓道部部員である。……人見知りなところだけ取っ払ってくれたらなぁ……。あのポエム、(色んな意味で)凄かったなぁ……。

 

「……葵?いま凄く失礼なこと考えませんでした?」

 

「ナンノコトデショウカ」

 

鋭い……!

何で女性ってこんなに鋭いんだろう?それとも、俺が単に分かりやすいだけなのかなぁ……?

 

「あ、そうだ!私、みんなでする掛け声考えたんだ!」

 

唐突に穂乃果が切り出した。みんなでする掛け声?掛け声ってのは「○○、ファイトォ!!オー!」みたいなやつだろうか。

 

「こうして、みんなでチョキをつくって……くっ付けるの!」

 

穂乃果、海未、ことり、そして俺はそれぞれチョキをつくり、それを並行になるようにくっ付けた。そして、四人で小さな星ができた。

 

「そしてね、こう合図するの!」

 

穂乃果はたっぷりと息をすい、吐き出すように叫んだ。

 

「μ's!ミュージックスタート!」

 

そして、いっせいに腕をあげる。なるほど、これは結構良いんじゃないか?μ'sの"μ"とミュージックの"ミュー"をかけているのだろう。掛け声としても、随分立派である。

 

「いいねぇ♪」

 

「えぇ、気持ちの持ち用は大事です」

 

「俺はこうゆうの、大好きだな」

 

俺を含めた三人がその掛け声を賛美する。

 

「よし!じゃあもう一回!」

 

そう言って、四人はさっきとまた同じ小さな星をつくる。

 

「せーの!」

 

「「「「μ's!ミュージックスタート!!」」」」

 

四人でいっせいに掲げた腕。その時の気分はとても清々しく、幸せに満ち溢れていた。それは俺だけではなく、穂乃果、海未、ことりも同様に笑顔を見せていた。

 

「えへへ、何だかいいね、こうゆうの」

 

ちょっと恥ずかしかったのか、穂乃果が少し顔を赤らめていた。

 

 

丁度、五時限目開始のチャイムがなった。二年生、三年生、一年生の順番で講堂へ入場するため、俺らはかなり早く移動することになる。俺はテスト生なので、整列の順番的に(背は高くないが)一番後ろになる。実はこれがちょっと嬉しかったりする。いつも、前だったので後ろというのは少し嬉しかった。

 

前のクラスが移動を始め、俺らのクラスもそれの後ろについていく。

新入生歓迎会が終わって、そこから部活動見学会がある。その時間は三時。そして四時からμ'sのライブが始まるのだ。何人集まるかは分からない。けど、穂乃果達には今までやってきた事を精一杯出し切ってほしい。

 

 

 

 

俺はそう思いながら、教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「葵君、そこのスピーカーをここに置いて!」

 

「はい!」

 

新入生歓迎会が終わった今、講堂はμ'sのライブの準備で慌ただしくなっている。なんと、ライブの準備にうちのクラスの生徒も手伝いにきてくれたのだ。何ともありがたい。

そして、穂乃果達三人は外でビラ配りをしている。何もしないで練習しているのは申し訳ないから何かやらせて!!……という訳らしい。メインは穂乃果達なのだから、練習していたほうが良いと思ったのだが、そういう優しさも大事かと思い、ビラ配り頼んだのである。

 

「……っと、ふう。これで機材は大丈夫かなぁ」

 

機材関係は全て置き終った。後は穂乃果達のダンス、歌の最終確認だけだ。

 

「すみません、穂乃果達を呼んで最終確認をしたいので、機器の調整は任せても大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫!音響や照明は任せて!」

 

「ありがとうございます!」

 

お礼を告げ、俺は小走りで講堂を出て行った。

 

講堂の前でビラを配っている穂乃果達に声をかける。

 

「穂乃果、海未、ことり!戻って!最終確認するよ!」

 

「了解っ!今戻るね!」

 

三人はビラ配りをやめ、講堂の方に戻ってきた。

 

「よし、時間押してるから講堂のステージを使って最終確認いくよ!」

 

「「「はい!!」」」

 

俺と穂乃果達は急いでステージに上がる。そこで照明のテストもかねた短いリハーサルをする。

 

「はい、いくよ!」

 

俺の合図と手拍子とともにスポットライトがバンッ、と穂乃果達を照らした。

 

人が少ない講堂に俺の手拍子と、ダンスのステップと歌声が響いた。

 

 

本番はもうすぐだ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜……本番だぁ……」

 

よほど緊張している穂乃果。それもそのはず、閉じたカーテンの向こうにはたくさんのお客さんがいるはずだ。

 

「……そうですね、緊張します」

 

「大丈夫だよ、きっと三人なら!」

 

海未、ことりも緊張している。もちろん三人だけでなく、俺も緊張している。マネージャーという裏方の存在だが、μ'sの一員だ。緊張しないわけがない。

 

「音響、照明、大丈夫ですか?」

 

「えぇ、ばっちり!」

 

そんなやり取りをしているだけでも、俺は緊張で動機が激しくなる。

 

「穂乃果達は大丈夫かな……」

 

穂乃果達の方を向いてみると、三人は笑っていた。状況をみる限り、三人のうちの誰かが場を和ませてくれたらしい。それぞれ、アイドルらしいフリルやリボンのついた衣装に身を包んでいる。

 

……そろそろ、カーテンが開く時間だ。

 

アイドルらしい可愛い服に身を包んだ三人の顔は、とても凛々しく、それでいて勇ましかった。最初はあんなに服を気にしていた海未でさえ、キリッとしている。良かった、これならライブに影響はないな。

 

『只今より、μ'sによるライブを公演いたします』

 

放送部員のアナウンスが入る。それと同時にカーテンの開く音が鳴る。

 

「みんな、頑張ろう!」

 

「えぇ!」

 

「うん!」

 

三人の決意は固まった。

 

そして、そのカーテンが開く。

照明により、一瞬だけ眩しくなる。その先にはたくさんのお客さんがーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーたくさんのお客さんが、いると思っていた。

 

今、穂乃果達の目の前に広がるのは……。

 

「ごめん……私達も頑張ったんだけど……」

 

これまでに手伝ってくれた生徒達が申し訳なさそうに謝る。

それも、そうだ。

 

 

だって……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「観客が……いない……?」

 

 

 

 

 

 

そう、お客さんがいないのだ。見えるのは講堂の青い椅子ばかり。静まりかえった講堂には、ただ空虚がそこにあった。

 

「そう、だよね……そうだよね……」

 

ステージの中央に立っている穂乃果がふるふると震えだした。良く見たら、目に涙をためている。海未とことりも同じく、悲しげな表情をしている。

 

「現実は、そんなに甘くないっ!!」

 

穂乃果から大粒の涙が零れた。気丈に振舞おうとはしているが、涙は隠しきれないようだった。

 

現実……それはとても残酷である。

分かっている、現実は辛い。

知っている、物事は順風満帆にはいかない。

 

だけど、わからない。何故、努力は報われない。

 

「穂乃果……」

 

「穂乃果ちゃん……」

 

海未、ことりも目に涙を溜め込んでいる。今にも泣きそうな表情だった。

 

泣いたいのは、俺も同じだ。

俺は制服の袖で目を覆う。

 

「くそ!!……また、俺のせいで……俺のせいで……!」

 

気がつけば、俺は講堂のカベを思い切り殴っていた。拳がじんわりと痛くなったが、気づきもしなかった。もちろん、拳から血が出ていることについても。

 

「あーあ……スクールアイドル……いい考えだと思ったのになぁ……」

 

穂乃果からは涙がポロポロと落ちている。泣かないと顔を笑顔にしているが、歪んでいる。海未、ことりも涙を零し始めた。やはり、みんなとても悔しいのだ。あんなに頑張ったのに、あれほど練習したのに……それが報われなかったんだ。

 

 

バタン!!

 

「え……?」

 

その時、扉が開いて閉じる音がした。誰かが、講堂に入ってきたらしい。

 

「はぁ、はぁ……あれ?ライブは……?」

 

「もう、かよちんどうしたの?」

 

そこに入ってきたのは、一年生。茶髪の髪に黒縁の眼鏡。

オレンジがかった茶髪のショートヘアの子……間違いない。

 

 

 

花陽と凛だ。

 

 

 

それを見ていた穂乃果が涙を拭いて、口を開いた。

 

「やろう!海未ちゃん、ことりちゃん!」

 

穂乃果はそれぞれの方を向いた。その顔は、決意に満ち溢れていた。

穂乃果に向かい二人が頷く。そして最後に、穂乃果は俺の方を向いた。

 

涙を拭いて、大きく頷く。

 

「歌おう、全力で!そのために頑張ってきたんだから!」

 

その言葉を合図にステージが暗くなった。そして、スポットライトが穂乃果、海未、ことりを照らした。

 

 

「「「聞いてください!"START:DASH!!"」」」

 

 

 

今、始まる。

夢が広がる。

希望を与える。

 

 

 

ーーーそんな、"夢の時間(ライブ)"が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……」

 

ライブを終えた三人は、すっかり息が上がっていた。しかし、疲れた様子ない。見せるのは清々しいほどの笑顔だった。

花陽、凛ともに拍手をしている。それを見ただけで、俺はだらしなく泣きそうになる。嬉しいのだ。どう言葉を紡いで良いのか分からないが、とにかく嬉しいのだ!

 

「……それで、どうするつもり?」

 

冷たい声がライブ後の講堂に響いた。声の主は……。

 

「絢瀬、先輩……」

 

生徒会長、絢瀬 絵里先輩。

絢瀬先輩は、確かμ'sを毛嫌いしていたはずだ。

そんな両者の視線がぶつかりあった。

 

「続けます!!」

 

勢いよく口を開いたのは穂乃果の方だった。

 

「何故?これ以上続けても意味があるとは思えないけど」

 

「やりたいからです!」

 

穂乃果は、そう即答する。その目は真っ直ぐに絢瀬先輩を見据えていた。

 

「私、もっともっと歌いたい。それは海未ちゃんも、ことりちゃんも同じだと思っています。このまま誰も見向きも応援もしてくれないかもしれない、けど、届けたいんです!私達がここにいる思いを!」

 

真っ直ぐに自分の決意を語る。それを聞いてたじろいたのか絢瀬先輩は無言で講堂を出て行った。

 

「良かったのですか?」

 

「うん!後悔はしてない!」

 

「ふふ、穂乃果ちゃんらしいね♪」

 

 

 

 

大失敗と終わった初ライブだが、それは彼女達にとっては"大成功"となった。そんな彼女達にかける一言は一つだけだ。

 

 

 

 

「……三人とも、お疲れ様」

 

 

 

 

 

そう、ステージに出てきて俺が言うと穂乃果がこっちに駆け寄ってきた。

 

「うん、ありがとう!!これも海未ちゃん、ことりちゃん……そして葵君のおかげだよっ!」

 

瞬間、胸に暖かい感触が伝わってきた。

 

 

 

 

そう、そうだ。

"これから"だ。

 

 

 

 

 

ーーーこれがμ'sの"START:DASH!!"だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……えと、穂乃果?」

 

「ん?なに?」

 

「……そろそろ、離れてくれると助かる」

 

「へ?……あ!?ご、ごめん!」

 

「い、いや、いいんだよ……」

 

「……何か、穂乃果ちゃんずるい」

 

「え?」

 

「葵君!私にも抱かせてー!」

 

「な!?ちょっ!?こ、ことり!?」

 

「……破廉恥な」

 

「海未!?」

 

 

 




今回はかなり頑張りました!!気付いたら五千文字超えていましたwww

実はこの小説、私一人でやっている訳ではないのです。友達のSさんに協力してもらっています。
Sさん!!ありがとう!

次作からはほのぼのまったりした日常を書きたいと思います。もちろん、そのなかでまきちゃんやかよちんや凛ちゃん、にこにーやえりちや希がμ'sに加入する話もやっていきます。

次作も明日か明後日に投稿予定です。

それでは、その時まで。
さようなら。

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