ラブライブ! 〜IF STORY〜   作:たるさん

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すいませんでしたぁ!!

投稿遅れました!え、理由?
り、理由ですか。そ、そうです!正体不明の未確認な生物が攻めてきてすいません嘘です。

本当はガンプラ作ってました。すいません。

今回は前回の続きのお話です。

それでは、ごゆっくり。


十話 ダークブルーの瞳

 

 

*前回の続きです。

 

 

 

「……そちらは、あぁ。一年生の小泉さんね」

 

暗闇の廊下を俺、絢瀬先輩、花陽の三人で歩く。……花陽は絢瀬先輩が怖いのか、新しい家に来た子犬みたいにずっと俺の左腕に引っ付いている……いや、この場合"隠れている"って言った方が正しいのかな?

よって、俺は並び順的に左側に花陽、右側に絢瀬先輩に挟まれるという形になってしまっていた。

凄く肩身が狭い感じがします、はい。

 

「……何だか、小泉さん、私の事怖がってない?」

 

「まぁ、そりゃ……あのライブの出来事見てましたからね、花陽は」

 

あのライブ、とは講堂で行ったμ'sのファーストライブの事だ。表面的には"大失敗"で終わったライブ。しかし、本当は"人を変えたライブ"だった。

 

「……そう」

 

それだけ言うと、絢瀬先輩は黙ってしまった。気の所為か、顔色が厳しくなっている。

 

「あ、あの……」

 

不意に、俺の左側に引っ付いていた花陽が口を開いた。それは俺に向けられたものではなく、絢瀬先輩に向けられたものだった。

 

「何かしら?」

 

花陽に向けられたアイスブルーの目は、暗闇では良くわからなくて、ダークブルーの目に見えた。

 

「……何で、生徒会長さんはμ'sが嫌いなんですか?」

 

その質問に絢瀬先輩はピクっと眉を動かした。

 

「どうしてそんな事を聞くの?」

 

少し怖い顔で花陽に言い返した絢瀬先輩。そんな、先輩に花陽は、ひっ…と短い悲鳴みたいなのを発した。

 

「そ、その……ライブの時、あんな事を言っていたので……」

 

小さな声で花陽は言葉を紡いでいる。その声には、やはり絢瀬先輩に対する恐れがあった。

 

「μ'sが嫌い……ね」

 

絢瀬先輩は低い声でそう呟いた。

 

「違うわ。私はμ'sが、μ's"だけ"が嫌いな訳じゃない。……私は"スクールアイドルそのもの"が嫌い……と言うか、認めないのよ」

 

「スクールアイドルそのものを、認めない……?」

 

思わず、俺はそう切り替えしてしまった。絢瀬先輩は"μ's"だけを否定した訳ではない。"スクールアイドル自体"を否定したのだ。

 

「それは、何故ですか?」

 

俺はそう聞いた。嫌いなら"何処"が嫌い、という風になるが、認めないなら"何を"認めないのか。嫌いと認めない、この二つは答えを求める観点が全く違ってくる。何処、なら単にそのアイドルグループの一部以上を否定すれば良い。認めないというのは、そのアイドルグループの全てを否定している意味合いがある。

 

「……素人だからよ。歌はともかく、ダンスがね」

 

「なっ……!?」

 

それを聞いて真っ先に口を開いたのは、俺ではななく花陽の方だった。

 

「……じゃあ、生徒会長さんはUTX学園のA-RISEもダンスが素人と言うんですか?」

 

「えぇ、そうよ」

 

「ッ!!」

 

即答した絢瀬先輩。それを聞いた花陽は今までに見たこのない表情をした。怒り、と言えばそうなのかもしれない。ただ、明らかに怒りとは別の感情がはいった表情をしていた。

 

「……貴女は……!」

 

花陽がうつむきながらふるふると震えはじめた。発したその声には十分すぎる程の怒りがこもっていた。

 

「貴女はッ!私の"夢"すら……音ノ木坂の生徒の夢すら否定するんですかぁッ!?」

 

花陽の、聞いた事のないくらいの怒鳴り声だった。

そうだ、さっき言っていた。彼女の"憧れ"があのライブで"夢"に変わったのだ。彼女にとっては特別で、大事なライブ公演だった。だから、花陽は怒った。"自分の大事な、大切なもの"を否定されて。

 

数秒たって、目に涙を溜めた花陽は廊下の暗がりへと走って行ってしまった。

 

「ちょ、花陽!」

 

俺の静止も聞かず、花陽は廊下の暗闇へと消えてしまった。

 

「……夢、ね」

 

不意に絢瀬先輩が呟いた。その声は何処か諦めと似た気持ちがこもっていたように思えた。

 

「私にも、夢はあったのよ……つかむ事はできなかったけどね」

 

遠い目をして、絢瀬先輩は言った。

 

「夢……ですか」

 

気がつくと俺は絢瀬先輩にこう切り替えしていた。

聞きたいのだ、絢瀬先輩の"夢"を。

 

「……私、ちょっと前までバレエをやっていたの」

 

「……」

 

あぁ、何となく……いや、確実に絢瀬先輩がスクールアイドルを認めない理由が分かった。"バレエをやっていた"……絢瀬先輩はダンスの本職をやっていたのだ。

 

「葵君、貴方は高坂さん達……μ'sのダンスを客観的に見て、どう思う?」

 

絢瀬先輩はその深海のような暗い瞳で俺を見据えた。その表情は……哀しみ、誰もが体験する、そんな哀しみがあった。

絢瀬先輩の質問に、俺は答える。

 

「……人前に出せるものじゃないですね」

 

そう、穂乃果達のダンスはまだ発展途上なのだ。あのライブで、初めた頃よりずっと、上手くはなった。でもまだ、人前に出せるというダンスではない。ダンス(ヒップホップ)をやっていた俺やダンス(バレエ)をやっていた絢瀬先輩だから分かるものだ。

 

「だったら、何で……!?」

 

少し、絢瀬先輩は力みながら言葉を紡いだ。

 

「そんなダンスで、この音ノ木坂の運命を背負ってほしくない……!理事長だって、それは分かっているはずなのに……なんで、何で生徒会は動けないのよ……!!」

 

絢瀬先輩の声に力みと怒りがこもった。

 

ーーー分かった。分かってしまった。

絢瀬先輩達、生徒会が動けない理由と絢瀬先輩がスクールアイドルを否定する理由が。いや、後者は"絢瀬先輩が生徒会長として"スクールアイドルを否定する理由と言ったほうが正しいか。

 

 

 

「絢瀬先輩、自分がやりたい事、やれていますか?」

 

「え……?」

 

 

 

そう、そうだ。

絢瀬先輩は何処か無茶をして、溜め込んでいるように思えた。

そして、もう一つ。

絢瀬先輩の"廃校を阻止したい"の思いは"それが生徒会長の務め"だからということになっている気がする。

 

「な、なによ……やりたい事って……」

 

「本当は、絢瀬先輩もμ'sに入りたいんじゃないんですか?」

 

「なっ……!?」

 

俺は思っていたことを言葉にする。絢瀬先輩の大部分は……俺が推測するに嫉妬に近い何かだ。だから、俺は思い切って絢瀬先輩をμ'sに誘ってみた。

 

「何で!?私がスクールアイドル(そんな事)やらなきゃいけないの!?私は、そんなお遊びみたいなアイドルじゃなくて、生徒会として……!!」

 

「だから、それですよ」

 

絢瀬は生徒会として、生徒会長としての務めを果たそうとしているのだ。確かに、自分の務めを果たす事は大事だ。生きる上での模範となる事だ。

でも、だからって自分の自我を壊してどうする。……まぁ、穂乃果みたいあんなお気楽過ぎなのもよくないが……。

とにかく、絢瀬先輩はちょっと固いのだ。

 

 

「そうやで、えりち」

 

 

階段がある通路の壁から人影が見えた。そして、声にも聞き覚えがある。

 

「希!?帰ったんじゃないの……?」

 

「あんまりえりちが遅過ぎてなぁ、様子を見に来たんよ。そしたら、あらまぁなんとびっくり。葵君がえりちを口説いてるやんけ♪」

 

「んなっ!?」

 

く、口説く!?

いやいやいや!!そんなチャラチャラした真似はしてませんから!決してしてませんからね!?誤解ですからね!?

てゆうか、なんて事をおっしゃるんですか希先輩。何でシリアスな雰囲気をぶっ壊したんですか。

 

「カードがそう告げるんや♪」

 

ぴらっ、とタロットカードを見せる希先輩。……やっぱりスピリチュアルやわ、希先輩。

 

「で、私からも言うけど。えりち、本当にやりたい事やれてるん?」

 

突然、真剣な顔付きになった希先輩。俺が質問した内容と全く同じ事を言った。

 

「やりたい事……」

 

ポツリと絢瀬先輩が呟く。

 

「……希、知ってるでしょ?私の性格」

 

「もちろん、何年えりちと一緒にいると思ってるん?」

 

絢瀬先輩の性格……無茶をする性格のことだろうか。

 

「だから……今は、触れないで頂戴。希」

 

「……ん、分かった。カードも今は待つべしって言ってるしな」

 

寂しそうな瞳で希先輩を見つめる絢瀬先輩は"触れないで"と言った。まだ、気持ちの整理でもついていないのだろうか。

 

「ごめんね、葵君」

 

唐突に絢瀬先輩が謝ってきた。多分、怒鳴ってしまった事を謝っているのだろう。

 

「いえ……こっちこそすいません。分かったような口を聞いて」

 

元はといえば、俺が質問したのが悪かった。……もっと辿れば、忘れ物した俺が悪いのだがな。

 

「いいのよ、ふふっ」

 

絢瀬先輩は年相応の無邪気で可愛らしい笑みを見せた。前々までちょっとだけ仏頂面な絢瀬先輩。ちょっとは肩の荷が降りたのかな。

 

「どう、えりち?喋って少しは楽になったん?」

 

「えぇ、おかげさまでね」

 

希先輩の問いかけに、絢瀬先輩は笑顔で答える。

全部の肩の荷が降りた訳ではないのだろうが、それでも俺は絢瀬先輩が笑顔を見せてくれたことが嬉しい。ここ最近まで、絢瀬先輩の笑顔をみた事がなかった。最初にみたのは、転校した初日のことだっただろうか。

 

「ありがと、葵君」

 

不意に見せた絢瀬先輩の笑顔。その綺麗な笑顔に俺は見惚れてしまった。

絢瀬先輩のアイスブルーの瞳はこの時は、あるべき輝きを取り戻していたように見えた。

 

「……?葵君、私の顔に何かついてる?」

 

「へ?い、いや……」

 

首を傾げた絢瀬先輩と、それにうろたえる俺。それを希先輩は何やらニヤニヤしながら見ている。

 

「やっぱり葵君は男の子やねぇ♪」

 

「ちょ!?希先輩は黙って下さいっ!」

 

「はーい、ごめんなぁ♪」

 

俺と希先輩のやり取りを絢瀬先輩は、可笑しいと言うように笑う。

 

「それじゃ、帰りましょうか」

 

 

暗闇を裂くように俺が腕時計のライトを照らす。一本に照らしたライトの道のりは、遥か彼方へ続いているように思えた。

 

ふと、月明かりが廊下を照らす。

 

ずっと今日は新月と思っていたが、どうやらただ雲に隠れていただけらしい。ライトが要らなくなってしまった。

 

多分、絢瀬先輩はまだμ'sを認めた訳ではないだろう。でも、μ'sに対する認識は変わったはずだ。

俺は笑いながら希先輩と話す絢瀬先輩を見て、そう思った。

 

 

 

ーーーきっと、分かり合える日がくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?何か忘れてるような……?」

 

「誰かたすけてぇ〜!」

 

「「花陽(小泉さん)!?」」

 

「あらら……」




本当にすいません。最近、投稿が本当に遅れています。

ガンプラ作っていました。HGのF91です。知らない人はごめんなさい。知っている人、シーブック強いよね。

次回は三日後に投稿予定です。

その時まで、さようなら。

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