たるさん及び樽さんです。
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。夏休みの課題を片付けてました。本当にすみません。
今回はかよちん達、一年生がμ'sに加わる時の話となっております。
それでは、ごゆっくり。
「ん……すぅ……」
昼休みも終わり、五時間目を迎えた。授業内容は幸運な事に自習だった。中にはこれを良しと見て居眠りをする生徒もいる。
……特に穂乃果、お前は寝すぎだ。練習の時間が朝早いとはいえ、少々……いや、かなり学校で寝てないか?午前中は起きてるんだが、午後の授業に入るといつも寝ている。成績下がるぞ。
ちなみに、俺は起きてます。
「……すぅ……すぅ……」
……いつも穂乃果はこの時間寝てるので何も感じないが、今日は珍しく、授業中いつもちゃんとノートをとっている海未、ことりまでもが居眠りをしていた。
まぁ、三人とも練習で疲れているのだろう。ことりに至ってはμ'sのステージ衣装まで作っているのだ。海未も、弓道部とアイドルの両方を掛け持ちして、しかもそのどちらも怠っていないのだ。心底、尊敬する。
「ん……葵……くん……」
ふと、前の席のことりが俺の名前を呼んだ。どうやら、寝言らしい。ことりの体が少しもそもそ動く。
「葵、くん……ことりの……おやつに……ぁは……」
……俺、ことりの夢の中で何されてるんだろう。
「あはぁ……葵ちゃん、かわぃ〜……」
……顔は見えないが、今ことりがにやぁ、と笑った気がする。凄く恍惚とした笑顔で。
その後は特に何事もなく、授業終了の鐘が鳴った。その鐘の音で海未とことりが起きる。穂乃果は眠ったままだ。
穂乃果が眠りっぱなしではダメなので、授業の間の小休憩の時間に穂乃果を起こしに行くことにした。勿論、海未とことりもついて来た。
「おーい、穂乃果ー。起きろー」
ゆさゆさと穂乃果の体を横に揺さぶる。それでも穂乃果は「おまんじゅう……」と言うだけで一向に起きてくれない。
「はぁ……しょうがないですね。穂乃果は」
そう言うと海未は穂乃果の耳元まで顔をもっていった。そして、何やらぶつぶつと呟きはじめた。俺は海未が何を言っているのか気になり、穂乃果の方へ顔を近づけた。
すると突然、穂乃果がガバッと勢い良く起きた。
「焼きそばパンっ!!」
ごすっ
俺の額と、穂乃果の後頭部がいい音を発して勢い良くぶつかった。
「ッ!?」
俺は無言で額を両手でおさえ、痛みを我慢した。穂乃果も後頭部あたりを両手でおさえて、ふるふると震えている。
「あ、あの……二人とも大丈夫ですか?」
「凄くいい音がしたよね……」
俺も穂乃果も、ぶつけた所をさすってプルプル震える。
だって痛いんだもん!てかいきなり起き上がるなよ穂乃果!しかも何だ焼きそばパンって!?焼きそばパンって叫んで起き上がるやつはじめて見たよ!!
「うぅ……いたぁい……」
「それは、こっちも同じだぁ……」
ふるふると震える二人。
てか、早く起きない穂乃果が悪いんだろっ!……と言おうとしたが、額にくる痛みでそんな事を言う余裕がない。
俺ら二人は六校時目開始の鐘がなるまで、そのままだった。
「ん〜っ……終わったぁ!」
穂乃果が両腕を目一杯伸ばし、伸びをする。幸運な事に、六時間目も先生の都合で自習になったのだ。さすがに海未とことりは起きていたが、穂乃果はまた居眠りしたのだ。ほんと、良く寝れるな。そのうち「寝すぎて逆に眠れないよー」なんて言い出しそうで怖い。
「良く寝てたよね、穂乃果ちゃん」
「うん!!これで今日の練習もばっちりだよ!」
右腕を突き出して親指を立てる穂乃果。そして、ニコッと綺麗な白い歯を見せて笑う。
「よーし、練習行こー!ほら、葵君!早く早くー!!」
突然、穂乃果が駆け寄って来て俺の右腕をぐいぐいと引っ張ってくる。
「いたたた!分かった!行くから引っ張るのやめて!!」
俺はそのまま、穂乃果になされるがまま引っ張られた。
「ちょ、海未!ことり!苦笑いしてないで助けてっ!!」
二人にアイコンタクトで助けを求めるも、やれやれといった感じで流された。
「はぁ……ことり、私達も行きましょうか」
「うん♪」
俺を含めた四人は、練習のため屋上に向かった。
……穂乃果いーかげんはなせっ!このあほのかっ!!
俺は今、中庭に向かって廊下を走っている。
え?練習のために屋上に行ったんじゃないかって?
いや、実は穂乃果達と屋上に向かっている途中、中庭を廊下からふと見たら、なんと誰かさん達が喧嘩(?)をしているのが見えたのだ。誰なのかなぁ、ってよく見たら、花陽と凛と真姫の三人だったのだ。何故か凛と真姫の二人で花陽を取り合う形で何か言い争っているよう見えた。
穂乃果達には「ちょっと用事思い出した」と言って出し抜いてきた。そのとき穂乃果がちょっと悲しい顔になったのが見えた。
「はぁ、はぁ……着いた……」
中庭に着くと、一年生三人、凛と真姫がやいのやいのと騒いでいた。
「かよちん早く先輩達のとこに行かなきゃ!!」
「まだそれは早いわよ!私が歌をレッスンしてあげるから!それからよ!」
「うぅ……誰か助けてぇ……」
花陽は左右に引っ張られながら、涙目になっていた。
「ちょっとまちなさい君たち」
「!?」
「にゃ!?」
俺は三人の近くに行き、引っ張っている手をぱしんと叩いた。
「え、先輩!?」
「な、なんで白崎先輩がここに?」
花陽、凛、真姫の三人は俺のいきなりの訪問に目を丸くして驚いていた。
「いや、何か花陽がいじめられていたから助けに行こうかとーー」
「「いじめじゃありません!」」
凄い勢いで凛と真姫に否定されてしまった。まぁ、この二人に限って花陽をいじめる事はないとは思っているが……万が一に、ってやつだ。
「あ、そうだ!先輩は確かあのμ'sのマネージャーなんですよね!?」
「お、おう。そうだけど」
凛がいつもの猫語の語尾を忘れるくらいの剣幕で近づいてきた。俺はその勢いに後ろに一歩下がってしまった。
「かよちんをμ'sに入れて下さい!」
凛は深いお辞儀をしながら、自分の友達をμ'sに入れてと、俺に頼んだのだ。
……ちょちょ、待ってくれ。
花陽が頼むのは分かる。てか一回あんとき言われたし。何で凛が言う必要が……あぁ、なるほど。親友だからか。
「ちょっと待ちなさいよ!」
凛の申し出に真姫が納得がいかないという風に異議を申し立ててきた。
「確かに、私は"決断"は早くするようにとは言ったわ。でも、"入団"はまだ勧めていないわよ!」
そう言って、真姫は花陽の左腕をぐいっと引っ張った。それを見た凛も花陽の右腕を引っ張った。
「まだ花陽は歌のレッスンが必要なのよ!手帳の恩もあるし!」
「そんな事ないよ!かよちん、早く先輩達の所に行こう!!」
花陽を間に挟みながら、ぎゃいぎゃい口論を重ねていく凛と真姫。花陽は二人に両腕を引っ張られて痛そうにしている。多分、花陽の涙目の理由はまず腕を引っ張られる痛さとどうしたらいいのかというオドオド感からきているはず。
「やめんかぃ、二人共」
「痛ッ」
「にゃっ」
そんな花陽を俺は見過ごせず、言い争う二人の頭に
「な、何よ!?」
「け、結構痛かったぁ〜……」
あ、ごめん。
割と力こめてチョップしてしまった。凛ですら語尾を忘れるくらいの痛みだったのか。
「ごめん……でも、花陽が困ってるだろ?」
俺がそう言うと、凛と真姫の二人は少し曇った顔になった。
「うーん……まぁ、ここでぎゃいぎゃい騒いでるのも迷惑だろうし……花陽、凛、真姫、三人とも俺に着いてきて」
俺の言葉に三人は頭にクエスチョンマークを浮かべている。
「葵さん、着いてきて……って、どこに?」
花陽が首をかしげて俺に問いかける。それに俺は笑顔で答えた。
「ーーーみんな仲良くなれる所さ」
「……で、何で……」
何故か不満気に顔をしかめる真姫。
「何でμ'sの練習している屋上にいるのよっ!?」
彼女は怒鳴った。
いや、声を潜めながら怒鳴ってるのでそんな音量は大きくはない。
「まぁまぁ、そう怒らないで」
「まぁまぁじゃないわよ!何で私がこんな覗きなんてみみっちいことしなきゃいけないのよ!!」
「……真姫。今だから言うけど……君、μ'sの練習風景をずっと覗いていたよね?」
「ッ!?し、知らないわよ!そんなのっ!」
……最近思うのだが、俺って真姫に同学年かそれ以下に扱われてない?敬語の比率がかなりなくなったし、凛も何か俺に敬語使わなくなる比率増えたし……。
「それは先輩が女の子みたいだか「凛、後で生魚投げつけてあげよっか?」にゃんでもないですっ!」
最近、どうも後輩達が生意気で困っている。
「うわぁ〜……」
そんな後輩の中でもえらく素直でピュアで純粋で良い子なのが花陽だ。花陽は屋上への扉の小窓から穂乃果達の練習を食い入るよう見ていた。
「どうだい?」
目を輝かせている花陽に、俺は一言話しかけた。
「凄いです……!私も、こんな風になれるのかなぁ……?」
まだ花陽には迷いがあるものの、前みたいな諦めなどといった気持ちはない。花陽の瞳に見えたのは、夢だ。そして若干だが、謙遜の気持ちもあるようだった。
「……花陽、もう一度言うね」
花陽は真剣な顔つきでこちらを見据えた。
「μ'sに……入りたいですか?」
俺は花陽に、あの真夜中の校舎で聞いた思いをもう一度問う。
「はいっ!」
その元気の良い返事に、俺は笑顔を作らずにはいられなかった。
「よし!それじゃ、三人共!いってこい!!」
「「「へ?」」」
俺は屋上へ続く扉を勢い良くバタンッ!と開け、そこに一年生三人を……いや"新メンバー三人"を押し込んだ。
「うわぁ!?」
「にゃぁぁ!?」
「きゃあぁ!?」
三人の短い悲鳴に、休憩中だった穂乃果、海未、ことりの三人が花陽達のいる方へ顔向けた。
「え?花陽ちゃんに凛ちゃんに真姫ちゃん?」
穂乃果は三人の突然の訪問に目を軽く開いて驚いている。
「あ、えっと……あの……」
その三人の先頭に立った花陽が何かを言いた気にもじもじしている。
……頑張れ、勇気を出して!!
「かよちん頑張れ!」
「しっかり言うのよ!」
……あんたら花陽の母さんかい。
んんっ、そんなツッコミはこの場の雰囲気を壊すので言わないでおこう。
「あ、あの……私を……」
言うべき事を紡ぐために、花陽の小さい唇が必死にもがく。頑張れ、後一歩。後一歩を踏み出せ!
「わ、私をっ!μ'sのメンバーにして下さいっ!!」
大きな声で、花陽は言い切った。
花陽は深くお辞儀をしている。多分、あれは目もつぶっているだろう。
そんな、花陽を目の前に穂乃果はーーー。
穂乃果は、無言で右手をさしだした。
「へ……?」
「ようこそ、μ'sへ!」
穂乃果のその笑みは、どこまでも寛大で、優しそうで、大人で……そしてなにより、
「……は、はいっ!!」
花陽はそのさしだされた右手を、元気な返事と共に両手で包むようにつかんだ。
その光景を見ていた、凛と真姫は何かをやり遂げた表情をしていた。
「まだ、凛と真姫も残ってるよ」
俺がそう言うと、二人は俺の方を見た。そして、顔を見合わせて、今度は穂乃果達の方を見た。
「「「μ'sへ、ようこそ!!」」」
穂乃果、海未、ことりの三人が声を揃えて三人を、花陽、凛、真姫を見つめた。屈託のない、純粋な笑顔で。
「「「はいっ!」」」
曇りのない、綺麗な三人の返事。その透き通った声はどこまでも、この空の果てまでも響いているような気がした。
ーーーこれでメンバーは六人に。また、新たな可能性へと……旅立てるだろう。
「ところで、葵くん」
「ん?何、穂乃果」
「花陽ちゃん達を連れてきてくれたのは嬉しいよ。嬉しいけどぉ……」
「それってぇ、ことり達を……」
「おろそかにしたって事ですよね?」
「へ!?」
「「「お仕置きが、必要だよねぇ(ですね)」」」
「え!?お仕置きって……てか、何でことりはそんな甘々フリフリのドレスを持ってるの!?」
「「「ふふふふ……」」」
「や、やばい……ここは、逃げるが勝ちだぁ!!」
「あ、逃げた!!」
「凛、早速お仕事です!葵を捕まえて下さい!!」
「はいにゃー!!」
「うわ、ちょ!?凛足はやっ!?」
「足の速さなら誰にも負ける気がしないにゃぁぁ!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「……やれやれ、ね」
「そ、そうだね……」
どうも、投稿が遅れてしまいました。
まったく、学校の課題というのは厄介ですね。終る気がしない。あ、いや……私は終わってますがね。課題を終わらせるために投稿が遅れました。
近々、学校もはじまるので投稿率がポケ○ンのいやな○と並に投稿がガクッと下がります。
次回の予定としては、三日〜四日後あたりには投稿予定です。
それでは、読んでくれてありがとうございました。
では、また。