ラブライブ! 〜IF STORY〜   作:たるさん

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どうも、たるさんですたい。

投稿が遅れてすいません……テストとかテストとかテストとかで忙しいんです。

えー……今回はついにことりのメイド編になります。なんとあのエセ神父も登場……!?

では、ごゆっくり。

あとがきもお楽しみに!


四十一話 ことりの秘密

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー唐突にだが、金が欲しい。

 

μ'sの資金集めとかそんな理由じゃなくて、ただ単純に欲しい物があるのだ。まぁμ'sの活動資金もできれば稼ぎたいところだけどね。

でもなぁ……バイトとかやった事ないんだよね。

あ、ちなみに俺の生活費(ガス代やら電気代やらの公共料金等)は全部前の学校持ちで、実質0円で住んでいる。その他の食費とかは何故か毎月二万円が俺の講座に振り込まれているため、そこかはまかなっている。最初は誰が振り込んでるのかわかんなくて怖かったが、今となっては、慣れてしまってなんら思わなくなってきた。……慣れちゃ駄目な気もするけど……今の俺にとって二万円は大事な資金なので感謝はしている……どっか怖いけど。

 

さて、俺の欲しい物とは。

 

「あった! マジカル☆キャットの限定フィギュア!」

 

アニメ"魔法少女マジカル☆キャット"。小さな女の子向けに放送している変身少女もののアニメで、異界から来た人間を脅かす敵達と、精霊"トゥインクル"の魔法の力で変身し戦う、いかにも魔法少女らしいアニメである。そしてなぜか小さな女の子向けなのにも関わらず、俺みたいな大きなお友達にも人気がある。

そのヒロイン"魔法少女マジカル☆キャット"もとい"猫目メイ"ちゃんの限定フィギュア"変身version"がここ"アニメルトン"で発売が開始されたのだ!

 

「はぁ〜……♪ 可愛い……作りも精巧だし、トゥインクルまでついてきてる!」

 

凄い! これ凄い!!

前いたところにはこういったアニメ専門店はなかったから、秋葉原にきたら絶対買おうって考えてたんだよ!

……でも値段を見てげんなり。

 

「い、一万五千円……!」

 

二万円のお財布には厳しい値段でした。

そして、つくづく思う。

 

 

ーー金が欲しい、と。

 

 

……なにかバイトを探そうにも、バイトすらやった事ないし……どうしようかな?

とりあえず、求人探しに秋葉原内でも歩くかな。

あ、でもできるならアニメ関係の仕事をしたいな♪ 俺、アニメ好きだし、ちょうどいいかもしれない。……この事はμ'sには秘密なんだけどね。だってオタクだって事知られたら、気持ち悪がられるかもしれないし……目立って言う事じゃないよ。

 

「はぁ……どっかにいいバイト先ないかなぁ〜……」

 

娯楽が集まる秋葉原の大通り。そんな大通りをモデルさんみたいなイケメン、美人さん達が通り、かと思えば全盛期にいそうなチェックシャツのオタクもいる。コワモテなおじさんまでいれば、セレブなおばさままで、いろんな人がいる。

そんな様々な人が入り乱れる大通りを俺は観察しつつも、楽しみを探しながら歩く。いや、楽しみを探してるよりは求人している店を探しているのだが。

 

「ん……?」

 

辺りをキョロキョロ見渡している時に、一軒のお店を見つけた。

……メイド喫茶、か? 店名は、なになに……"らぶどっきゅん"……ど直球に入り辛そうな店名ですねこれ……。

あ、でも案外人がいる。メイドさん目当てで来てる人もいるけど……それよりも家族連れの方が多い気がする。料理がメインのメイド喫茶なのかな?

……まぁ、このまま気になってちゃままじゃ気持ち悪いし、入ってみよう。メイド喫茶なんて入るのはじめてだけど。

 

ーーカランコロンカラン♪

 

ドアを開けると同時に綺麗な音がお客を知らせてくれる。もちろん、そのお客というのは俺の事だがね。

 

「お帰りなさいませ! お嬢さ、ま…………っ!?」

 

「え……!?」

 

ーー俺は目の前の光景に、素で驚いてしまった。

別に"お帰りなさいませ、ご主人様!"にびっくりしたわけじゃない。あと俺は"お嬢様"じゃない。メイド喫茶ならそう言うのは当たり前な訳で、俺が驚いたのは……目の前の"メイド"にだ。

 

 

 

 

 

「…………ことり?」

 

「……ちゅん」

 

 

 

 

 

ーー俺の前には、何故かメイド姿のことりがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え、じゃああのカリスマメイド"ミナリンスキー"の正体って……?」

 

「うん、ことりなの……」

 

丸い銀のお盆の持ってしゅんとしてるミナリンスキー、もとい"南 ことり"。何のためにメイド喫茶で働いているかは分からないけど……それよりもことりのメイド姿が新鮮だった。

ちなみに、俺はメイド服も好きだ。白と黒がバランス良く折り重なり、注文を受けてあっちこっち走り回るメイドさんは見てて微笑ましくなる。そしてなりより、動く度にふわふわ揺れるロング丈スカート……。清楚なイメージの中にも、ちゃんとマニア心をくすぐるあの絶妙な絶対領域(すね)の塩梅! 今時太ももでドキマギしてる奴らはまだ甘い。

時代はすねチラだ! ロング丈スカートからチラチラみえる健康的な白いすね、そのすねから太ももにかけてすらーっと伸びる御御足を想像しただけで…………あぁ、炭酸飲料が上手いっ!!

 

「……葵君、なにかヘンな事考えてない?」

 

「ぶふっ……!? べ、別にそんな事ないよっ!?」

 

「ふ〜ん……」

 

俺の思考を見透かすかの如く、ジト目で睨んでくることり。思わずカルピスソーダを吹き出してしまったではないか。

備え付けのタオルを借りてカルピスソーダを拭きながら、俺はオープンキャンパスでのライブを思い出していた。

……絵里さん、希さんの加入で一層勢いづいたμ's。それはもう、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。SI-サイトのランキングも一気に10位ぐらい上がったし、ラブライブ出場圏内の20位まではまだ遠いものの、この勢いでそのまま行けば本当に出場可能じゃないかって思えてくる。

 

「この前はお疲れ様だったね、ことり」

 

「この前……? あ、ライブの事?」

 

「うん、衣装も凄かったけど……それ以上にライブが魅力的だった」

 

ーー思い返してみても、素晴らしいライブだ。

ステージ衣装を身に纏い、鮮やかに舞う"九人の女神(彼女達)"。満点の笑みを輝かせながら、リズミカルに声を紡ぐ。もうその姿はファーストライブの時とは思えないくらい……いや、ファーストライブの時も輝いていた彼女達だが、今回のライブはそれ以上に輝きを増していた。

 

「みんな凄いよねぇ……ことりとは全く違うよ……」

 

「いや、ことりも凄いよ。μ'sの衣装係をやってるのはことりでしょ? ……ことりが作った衣装があってこそ、μ'sのステージが盛り上がるんだ。それは誇ってもいいんだよ」

 

「……うん」

 

なんだか、シャキッとしないなぁ……。ことりが落ち込んでちゃ、あのふわふわあまあま〜ボイスが聞けなくなるじゃないkげふんげふん。

……μ'sが成功をした反面、ことりには"わたしよりもみんな凄い"という劣等感が生まれてしまったみたい。でも、そんな事は断じてない。穂乃果も、他のメンバーだって同じ事を言うだろうな。"ことりは凄い"ってね。

劣等感は感じたって別に良いんだ。自分を見つめている証拠だから……だけど、それをずっと引きずってはいけない。長く引きずれば引きずる程、メンバー同時に摩擦が生まれてしまう。……こういった劣等感は早期に改善させなきゃいけない。それには、自分自身を"私はこれで良いんだ"と認めてあげなきゃいけないんだ。

……人なんて何億人もいて、性格だってその人の数あるんだ。"何が優れていて何が劣っている"なんてあって当然。問題は"できない事をできる人がカバーする"ってのが大事なんだ。

 

ーー今、マネージャーとして俺ができる事は、ことりを励ます事ぐらい。

 

そのためにも、ことりと長く居られる時間を作らなきゃな……。

……うーん、なんかいい案ないかな……。

 

「ミナリンスキーちゃん! ちょっと厨房の方お願いっ!」

 

「あ、はいっ! 今行きます〜!」

 

奥からミナリンスキー(もとい、ことり)を呼ぶ声がした。急な呼び出しだったみたいでお盆を抱えながらトタトタと足早にカウンター席の奥へと消えてしまった。

……これだけの客入り、実質厨房の料理が遅れてでもいるのだろう。そうでなきゃ、ホール担当の子まで呼んだりはしない。

もしやと思い、壁を見渡してみると、一つの張り紙が目にはいった。

 

 

 

ーー"バイト大募集! 特に料理ができる方、大歓迎!!"

 

 

 

「…………これだっ!」

 

これなら、ことりと長い時間一緒にいる事ができる! しかもお金も稼げる! あぁ、なんて一石二鳥なんだろうっ!!

……思いのほか大声で叫んでいたらしく、俺は周りのお客さん達に奇怪な目で見られていた。

すいません….…と、軽く会釈しながらも、ここでバイトをしようかなと考えてはじめる。やっぱりするにあたっては理事長の、ことりの母親の許可が必要になるだろうな。校則でも"原則アルバイトは禁止にしない。ただし、お酒関係や水仕事は禁止する。理事長の許可を得る事"って書いてあったし……あ、でもメイド喫茶ってつっかかるんじゃ……いや、ことりがバイトしてるんだし大丈夫だろうか……。

 

 

 

ーーくぅ〜〜。

 

 

 

……お腹減った。

とりあえず、動き出すのは明日からかな。えー、この店の電話番号をスマホにメモして、っと。

 

「えっと、メニューは……あった」

 

立て掛けてあったメニューを手に取り、開く。メイド喫茶として値段もリーズナブルで家族向けや大人数向けに大盛り料理まであった。……でも"メイドさんの手作りオムライス! 〜ケチャップ文字付き〜 1000円"っていう明らかにマニア向けの料理もあるんだな。

 

「さて、なに食べようかな〜♪」

 

メニューは種類も豊富で、和洋中すべてのジャンルの料理がある。その中でもこの"激辛麻婆豆腐"はなんとも美味しそうだ。赤黒のタレに浮かぶ白い豆腐、その舌にくるピリリとくる辛さを想像しだけでもよだれがでてきてしまう。

 

ーーよし、麻婆豆腐とライスを頼もう。

 

「あ、すいませーん」

 

「はいはい只今〜!」

 

注文をしようと近くにいたホール担当のメイドさんを呼んだ。お盆を持ってクルッとロングスカートを翻す姿、そしてチラ見えする白いすね……グッジョブ、メイドさん。

 

「ご注意ですか〜?」

 

「はい、この"激辛麻婆豆腐"とライス中をお願いします」

 

「えっ!?」

 

……激辛麻婆豆腐、と口にしたら、何故かメイドさんに驚かれた。そして周りのお客さんからも驚きの目で見られた。

 

……なんでよ?

 

「あの、えと……お嬢様? ほんっとぉに"激辛麻婆豆腐"をお召し上がりに?」

 

「え、あ……? はい」

 

何故かしどろもどろに聞き返してくるメイドさんに、俺も若干首を傾げながら肯定した。

 

「……わかりました。少々お待ちください」

 

なにやら神妙な面持ちで、厨房奥へとメイドさんは消えていった。

……なにか変な事でもしたのかな? 俺……。

 

 

 

「ほう? 君もあの麻婆豆腐を食べるのかね?」

 

 

 

突然、後ろから渋く良い男性の声が聞こえた。

振り返ると、あからさまにこことはかけ離れている服を身に纏った、少し痩せ型で長身の男性がそこにいた。

 

「失礼、席が満席みたいでね。相席してもよろしいかな?」

 

「あ、はい。どうぞ」

 

男性は「では失礼」と俺と向かい合う席に座る。

……しかし、妙と言うか……胡散臭い格好をした男性だな。黒い紫っぽい服に、青色のストール。首に銀のロザリオ……いや十字架か。銀の十字架のネックレスをつけている。

 

「あぁ、私は近くの教会の神父でね。美味い麻婆豆腐があると聞いてここに来たまでさ」

 

「はぁ……」

 

近くの教会って……確かに秋葉原周辺にはキリストだのイスラムだのといった宗教団体がいることにはいるのだが……この神父さんからはどの宗教の雰囲気も出ていない。強いて言うなら、首に下げた十字架のネックレスぐらいだろうか。

……銀髪の俺が言えた事じゃないけど、なんとも異質な男性だな。

 

「……ほう、麻婆豆腐が出来上がったみたいだな」

 

怪しい神父さんがそう言うと、確かに山椒の匂いが漂ってきた。てか、メイド喫茶なのにちゃんと山椒まで使うとは……本格派な麻婆豆腐が期待できそうだ。

 

「……お待たせしました、お嬢様。激辛麻婆豆腐とライス中にございます」

 

……もう"お嬢様"にはつっこまんぞ。

 

それよりも、麻婆豆腐だ。

 

白いお皿に盛られた赤黒いタレは、より一層皿の白さと豆腐の白さを際立たせている。ほかの具材は……ひき肉とネギか。シンプルながらも素晴らしい食材選択だ。

そして、この山椒の香り! なんとも香しい。山椒と一緒に唐辛子の香りも流れてくる……香味食材の香りを生かす麻婆豆腐、作った人を見てみたいものだ。

 

「……いただきます」

 

両手を合わせて、レンゲに麻婆豆腐をひとすくい。顔にレンゲを近づけると、より香りが鼻を通り抜けてくる。

 

たまらずレンゲを口に運ぶ。

 

 

「……!!」

 

 

ーー瞬間、口の中で香りが弾けて、全体に香りが行き渡る。その後、ひき肉の旨味と共に舌にくる痺れるような辛さ。ピリリ、ピリピリと永続する電流。またそれも、辛い麻婆豆腐の魅力だ。

その刺激が欲しくて、またレンゲを口に運ぶ。

 

 

ーー美味い。

 

 

「はふっ、んくっ……」

 

一度勢いづいたレンゲは止まる事を知らず、次、次の刺激と麻婆豆腐をすくう。数口食べたところで、頼んでおいたライスを口いっぱいに頬張る。

ライスは口の中で残っている麻婆豆腐の香りと旨味と辛味に混ざりながら味を変えていく。その旨さに後を押されるように、麻婆豆腐とライスをすくうレンゲは勢いがより加速する。

 

「……ほう、君の食べっぷりを見ていたら、私も麻婆豆腐を食べたくなってきたよ。すみません、私にも激辛麻婆豆腐を一つ、よろしいかな?」

 

「え? あ、はい! 只今っ!」

 

黙々と麻婆豆腐を食べる俺を前に、神父さんも麻婆豆腐を頼んだ。それを引き金に、店の中が少しだけ騒がしくなった。

 

「すいませーん、こっちも麻婆豆腐一つ!」

 

「こっちにもお願い〜!」

 

「メイドさん、こっちにもっ!」

 

すると、途端に麻婆豆腐の追加注文が相次いだ。そのため、ことりを含めたメイドさん達が席から席へと駆け回っている。

…………まぁそんな事は気にせず、俺は麻婆豆腐とライスを頬張る。

気づけば、もう麻婆豆腐は残り僅かとなっていた。残りの麻婆豆腐をすくい、同じく残りのライスと一緒に口に含む。

ーーゴクリ、と強い刺激が喉を通る。

 

「……ごちそうさまでした」

 

まだ少し辛さで痺れてはいるが、これぐらいが麻婆豆腐だ。甘口や中辛の麻婆豆腐なんてただの"豆腐のピリ辛炒め"でしかない。この刺すような辛さ、痺れるような辛さがあって初めて"麻婆豆腐"と呼べるのだ。

 

「ふむ……予想よりは美味い麻婆豆腐だが……まだ刺激が足らないな」

 

匠にレンゲを扱う神父さんは、汗一つかかずに淡々と激辛麻婆豆腐を食べていた。

……この神父、何者よ。この麻婆豆腐、俺だから食べ切れただろうが、辛い物に耐性がない人が食べたら食えない以外の何物でもないぞ。しかも俺だって辛いと思って食べていたのに……"まだ刺激が足りない"って……。

 

「……ごちそうさま。割と良い麻婆豆腐だったよ」

 

などと考えていたら、神父さんはもう麻婆豆腐を食べ切っていた。

 

「さて、食べる物も食べたし……私はそろそろ仕事に戻るとするか。君、相席失礼したね」

 

軽く右手を上げ、会計へ体を翻した姿は、何処か格好よくも見え、でもやっぱり最初に感じた異様さが優っていた。

……ほんと、何者なんだろ……あの人。

 

ーーそういや、麻婆豆腐とあの胡散臭い神父さんのせいですっかり忘れていたけど……バイトここでしようかな。

……うっし、今日の夜にでもここに電話でもしてみるか。その流れで明日は理事長室に。

 

「すいまーん、お会計お願いしまーす」

 

「はぁ〜いっ」

 

お、この声はことりだな。

 

予想通り、慌てた様子でことりがレジまで来てくれる。伝票を渡すと慣れた手つきで素早く会計を済ませた。

 

「えーっと、500円になります♪」

 

安っ!?

いや、麻婆豆腐何円だよ……350円!? いくらなんでも安くないか!? 普通の店で食べても単品500円前後はするぞ?

 

「……ここの麻婆豆腐、凄く辛いからあまり売れないの……」

 

「あぁ、だから安いのね……」

 

なるほどねぇ……食える人しか食えない麻婆豆腐を出してるからか。美味いと思うんだけどなぁ。

 

「あ、ごめん。千円札でいい?」

 

「いいよ〜」

 

財布を見たら小銭が全く入ってなかったので、千円札を取り出す。……さらば、野口英世さん。

 

「……わたしがバイトしてる事、μ'sのみんなとお母さんには内緒にしてほしいの……だめ?」

 

おぉう、可愛いすぎる上目遣いやめぇやことり。

……いや、別に言うつもりはないけどさ。

てかさ、お母さん……つまり理事長に申告してないとか……大丈夫なの、それ?

 

「分かった。みんなや理事長には内緒にしておくよ」

 

「あしがとうっ! じゃあこれオマケだよっ♪」

 

そう言われて、お釣りと共に渡されたのは……ん? 飴玉かこれ? え〜なになに……"メイドさんの唇っ! 〜梅味〜"……。

ちょっとだけ品名にドキッとしちゃったじゃないかよ! ご大層な品名の割にはただの梅味の飴玉じゃねぇかもう!

 

「……ありがと。じゃあ、また来るから!」

 

「うんっ! いってらっしゃいませ、"お嬢様"♪」

 

「お嬢様ちゃうわっ!!」

 

余計な一言と飴玉と最高のスマイルを貰った俺は、このメイド喫茶"らぶどっきゅん"を後にした。

 

 

 

 

……あ、あの麻婆豆腐の辛さが今腹の中で暴れてるぅぅ……!

 

「は、腹いてぇ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜葵宅にて〜

 

prrrrr……ピッ。

 

『はいこちらメイド喫茶"らぶどっきゅん"ですぅ〜』

 

「もしもし、白崎という者ですが……店長さんいらっしゃいますか?」

 

『あ、店長は私ですぅ〜。ご予約ですかぁ〜?』

 

「いえ……アルバイトを募集していると聞いたもので……」

 

『バイト希望の方です? ではでは、軽くご氏名と年齢、職業を。学生さんなら出身校をお願いします〜』

 

「はい、名前は"白崎 葵"。16歳で音ノ木坂学院に通っています」

 

『まぁ音ノ木坂! うちのミナリンスキーちゃんと同じ学校ですねぇ!』

 

「えぇ、まぁ……」

 

『おやおやぁ〜? もしかしてぇ、ミナリンスキーちゃんとは知り合いだったりします〜?』

 

「うーん……そんな感じですかね」

 

『それはそれは〜……あの子、最近元気なかったみたいだから、貴方が入ってくれれば少しは元気になってくれるかもしれませんねぇ〜』

 

「そうですね……」

 

『あ、明日は大丈夫ですか?』

 

「はい、明日は放課後になにもないので」

 

『では、明日の5時に来てくれますかぁ? 面接をしたいので』

 

「わかりました。5時ですね?」

 

『はい〜。最後に電話番号を教えてください〜』

 

「えっと…………です」

 

『はい、わかりましたぁ〜。明日、お待ちしておりますね〜」

 

ピッ……ツーツーツー……

 

 

 

 

「よし、これで後は学校側の許可を取るだけか……ふぁぁ〜……眠いからもう寝よ……」

 

 

 

 

 

 




朱美「元気だったかい?」

二人「「トークV.S!!」」

葵「えへへ……」

朱美「……どうしたんだい。ニヤニヤと気持ち悪い」

葵「酷くねっ!? 気持ち悪いとか酷くねぇっ!?」

朱美「……で? どうしてニヤニヤしてたんだい?」

葵「えっ!? あ、いや……うん、やっぱなんでもない」

朱美「……?? ま、いいや。今日はどうする?」

葵「うーん……どうしようか?」

朱美「じゃあ、ほにょかについてはどうだい?」

葵「ほにょかについて?」

ほにょか「ほにょ〜?」

朱美「そう。ボク達ってあまりほにょかの事知らないよね?」

葵「そうだな……」

ほにょか「ほにょっ!?」←なでなで

葵「撫でると喜ぶとか……」

ほにょか「ほにょ〜♪」

葵「食べるの大好きとか……」←スッ(お饅頭)

ほにょか「ほにょ! ほにょぉ〜!!」モグモグ

葵「あと、俺の頭が好きだったり……」←ひょい

ほにょか「ほにょ〜……」

葵「これぐらいしか知らないかな〜?」

朱美「……随分、扱いに慣れてるんだね」

葵「長いこと一緒にいるからなー。な、ほにょか」

ほにょか「ほにょ〜」

朱美「……羨ましいよ(ボソッ)」

葵「ん? 朱美なんか言った?」

朱美「なんでもないよっ! 葵のばかっ!」

葵「え、ちょっ!? なんか理不尽に怒られたんだけど!?」

朱美「ふんっ、葵なんて大豆の丸みに心打たれて生きていればいいんだっ!」

葵「それ豆腐の角に頭打って死ねの反対の意味のやつだよね!?」

朱美「ふんっ、だ」

葵「……朱美がこんな様子じゃ、続けるのは無理か……それではみなさん、また次回〜」

ほにょか「ほにょ〜」

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