ラブライブ! 〜IF STORY〜   作:たるさん

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久しぶりやねぇぇぇぇんっ!!
たるさんや、たるさんがきおったでぇ!!

……あ、ごめんさい! お願いですからものを投げないで!

はい、お久です。たるさんです。

ごめんなさい、こんな日にちが空いてしまうとは。

今回は歌詞作り編ですね。

でわ、ごゆっくり。

あとがきはしばらく休みます。すみません。


四十六話 ことりと歌詞作り Part1

 

 

 

 

 

 

 

ーー頭の中に色んな言葉が飛び交う。

 

甘々、ふわふわ……青い空、白い雲に白い砂浜……。

 

「だぁぁぁ! ……だめだ全然できねぇ……」

 

根をあげた俺は自室の机に倒れるように突っ伏した。

……目の前に広がるのは、ノートに文字を書いたと思わしき消し跡とその消しくずのみ。

 

「……いつも歌詞を考えてる海未って、やっぱり凄いなぁ……」

 

突っ伏しながらも、気だるに俺は呟く。別に誰に聞いて欲しくもないし、今の呟きに関しては聞かれたくもない。

 

たまらず、俺は大きなため息をついた。

 

……というのも。先日、絵里さんに「今回作詞するのは貴方達二人よ!」と言われてしまったため、休みの日なのに、こう作詞活動に精を出してしまっているというわけである。ねむい、たまらなくねむいっす。

けど、ここで作詞をすっぽかしても良いことはないので……てか、悪い事しかないので休みの真昼間からこう机に向かっているのだ。

 

「……なんか小腹すいた」

 

不意にお腹がくぅ〜、と可愛らしい音をたてた。壁にある時計をみたらいつの間にか針は2時を示している……歌詞を考えはじめてからすでに三時間も進んでいた。

 

「う〜ん……でも何を食べようか。材料はあいにく在庫切れだし、あるのは卵と牛乳くらい……あ! そうだ!」

 

卵と牛乳。これだけで作れる、美味しい食べ物があった。さほど時間をかけなくてもできる簡単な"お菓子"が。

ーー歌詞作りの合間に、菓子作りってか? ……さむっ。

 

さて、そうと決まったらキッチンに行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っん、と」

 

いつも料理をする時につける、青いエプロンの紐を後ろでしばり、冷蔵庫から出してきた材料を確認する。

卵に牛乳。それに砂糖に余っていた蜂蜜(はちみつ)が少々。あと、缶詰の桃も見つけたので出しておいた。

 

ーーうん、このくらい材料があれば2カップ分は作れるだろう。

 

お気づきかもしれないが、俺がこれから作るのは……そう、"プリン"だ。

あのぷるぷるした黄色い柔肌に、喉を通る優しい食感……口に含めばぷるぷると合間ってみんなが大好きな甘さが一杯に広がる……あぁ、まさにスイーツの王子様! スイーツプリンスッ!! ……プリンだけに"プリンス"ってね……さむっ。さむさむっ。

てか、菓子じゃねぇよなプリンって。スイーツだよな?

 

……細けぇこたぁいいんだよ!

 

こんな茶番をしてる暇があったら、さっさとプリンを作って食べてしまおう。

 

俺はボウルに卵を割り入れ、砂糖を少し加えて馴染ませるようにまぜる。この時、混ぜるリズムは一定の方がよく混ざる。

 

シャッカシャッカシャッカシャッカ♪

 

規律良く混ざる音を聞きながら、また砂糖を加えてよく混ぜる。砂糖はダマにならないように混ぜるのがコツ。ダマになると食べるとき甘さが偏ったり、食感が悪くなったりするからね。よく混ぜないと。

 

「ふぅ、こんなもんかな? 次は牛乳を少しづつ加えてながらっ、と……」

 

大きめの計量カップに入れた牛乳を、砂糖と同じく数回づつに分けていれ、また混ぜる。混ぜ終わりとしての目安は、卵が全体的に白くなるくらいだ。それがぷるぷるに仕上がるいい塩梅。

あとは混ぜたプリンのもとを用意しておいた二つのカップに居れて……って1カップ分余ったんやけど。しゃーなし、もう1カップつくるかぁ〜。

 

計3カップのプリンを作り、あとは蒸すだけだ。一般的にプリンは冷やし固めるのが主流だが、俺が作るのは蒸すプリンなのだ。蒸しプリンは、程よくぷるぷるで卵の味がよく出るし、なにしろあったかくても冷たくても美味しい。冬には出来たてのあったかプリン。夏は冷やしプリンと楽しめるプリンなのだ。まさにリバーシブルよ、超リバーシブル。……ってプリンのリバーシブルってなんだよ裏表かんけーねぇだろうが。

 

「さーて鍋にお水を沸かしてー♪ そんで付属部品をつけてー♪ はいっ、即席蒸し器(ステンレス製)のかんせーい!」

 

なにやってんだ俺小っ恥ずかしい。

 

まぁそんなこんなで蒸し器の台にプリン3カップを置いて蓋して、あとは待つだけ。待ってる間は何しようか……そうだ、うちにことりを呼ぼうかな。そうすれば一緒に歌詞を考えられるし……菓子を食いながらな。

んんっ、さてじゃあ、ことりに電話しましょうか。スマホどこ置いたっけな〜……。

 

「お、あったあった」

 

わりかしすぐ見つかった。キッチンではすぐにあるテーブルの上に無造作に置いてあった。

俺はスマホを起動させ、電話帳からことりの電話番号を探し、タップする。

 

「ことり、出るかな……」

 

数回のコールの後、プツッと電話が繋がる合図がした。

 

『もしもし〜? ことりだよ〜』

 

ぶほっ。

 

『え、ちょっ、葵君だよね!? 大丈夫!?』

 

「あ、あぁ大丈夫だよ……」

 

ーーことりのあのふわふわ甘々ボイス、耳元で囁かれたとき、一瞬違う次元が見えた気がした。

 

「んんんっ! ことりって今暇?」

 

『うん、歌詞考えてるだけだから暇と言えば暇だけど……』

 

「ちょうど良かった! 実は今から俺のうちで一緒に歌詞を考えようって思っ」

 

『今行きます!』

 

「は、え!? ちょっ、ことり!? ……切れちゃった」

 

……俺ん家の住所、ことりは知ってんのかな?

そんなこんなことりが来る準備をしようと切り出した時、スマホがバイブルを鳴らした。今度はメールらしい。

 

 

差出人:南 ことり

要件:ちゅーん!!

本文:ごめんなさい葵君! ……家の場所知らないから迎えにきて?

 

 

「……」

 

俺はいそいそと出掛ける準備を始めたのだった。

てか、なんだ要件ちゅーんって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりが俺ん家を知らないというので、迎えに行くため集合場所は家から比較的近い音ノ木坂学院にした。そこなら生徒であることりも俺も場所分かるし、俺ん家からは比較的に近いからぴったりだ。

てか、住所知らずに行くって言ったのかことりは……。なんかことりって変なとこでせっかちだよなぁ〜。こう言っちゃなんだけど、こんな灰汁強い二人をまとめる海未って改めて凄いと思った。

 

「ははっ……穂乃果もことりも、灰汁が強い、か……確かに考えてみればそんな気がした……っ!?」

 

殺気を感じた。

……いや、振り向いてみたものの誰もいない。……気のせい、だったのかな……?

 

「……」スッ

 

「!?」

 

な、なんだ!? いきなり目の前が真っ暗になったぞ!? しかもなんか目の周りがほんのり暖かい……?

 

 

 

「だぁ〜れだっ♪」

 

 

 

こ、この甘々フワトロボイスは……ことり!?

 

「こ、ことり、だよね?」

 

「せいかーい♪ んもぅ、ことりは灰汁強くないよー?」

 

聞いていたのかよ……てことは、さっきの殺気はことりか!?

あ、ダジャレじゃないからね。

 

んんっ、閑話休題。

 

よくよく考えてみれば、ことりに目隠しされて"だ〜れだ?"やられるのってこの上なく幸せなことじゃね? あれ俺、今死亡フラグ立ったのん? ねぇ、立っちゃったのん? ……んなこたねぇよな。

 

「あ、はは……ごめん。だからさ、その紙袋に入っているフリフリな衣装をちらつかせるのやめてくれないかな?」

 

「え〜」

 

あざとらしくことりは紙袋から(俺が着たら)恥ずかしい衣装をちらつかせながら、可愛らしく頬を膨らませた。着ないから! 文化祭は着たけど今回は着ないから! おいコラ読者、俺が可愛らしい衣装を着るのを待ってる訳じゃねぇよな? な?

 

 

 

……な?

 

 

 

「どうしたの?」

 

「いや別に」

 

ただ越えられない壁の向こう側にいる人たちを睨んだだけだよ。

 

ーーさぁ、そんなこんなで俺ん家に行くとしますか。

 

「ことり、行こう?」

 

「うんっ♪」

 

そう俺が手を差し出すと、ことりはすんなり掴んでくれた。

……今更やっといてなんだが、結構恥ずかしいなこれ。なんだか恋人みたいでーー。

 

 

「なんだか恋人みたいだねー♪」

 

「おふっ! せ、せやな」

 

 

やべ、変な関西弁でちまった。

いやことりが思っている事と同じこと言うんだもん! 恥ずかしかったんだもん! そりゃ誤魔化すためにも言葉は変になるよ……ならねぇよ単にテンパっていただけじゃねぇかよ俺。

 

「照れてれ葵君も可愛い♪」

 

「ば、べっ、別にてれてにゃいし……ないし」

 

噛んだ。超噛んだ。

べっ、別に照れてる訳じゃないし!

そんな言葉を噛んだ俺を、ことりは"へぇ〜"と意味ありげに見つめていた。

 

「な、なんだよことり。別に照れてないし、絶対照れてないからな!」

 

「へぇ〜? ふぅ〜ん?」

 

「だ、だから何だよそーー」

 

 

 

 

「なぁそこのお嬢さん、俺らとお茶しない?」

 

 

 

 

ーーなんだよこいつら。

ことりと話していたら、どこから湧いてでやがったのかピアスをつけ、髪を金髪に染めたいかにもチャラ男って感じの男が、同じようなチャラ男を複数人連れてこちらに近づいてきた。

 

「え、あ、その……」

 

ことりは怖いのか、少し強く握り返してきた。言動から考えるにこういったナンパに慣れてないのだろう。

 

「お、綺麗な銀髪じゃーん? 何、地毛なの?」

 

地毛だ馬鹿野郎。あんたみたいなくすんだ金髪がいると思うと虫唾が走るわ。

 

「そっちの娘も可愛いねぇ? なんか胸もデカくね?」

 

それを言われてさらに恥ずかしくなったであろうことりは、つないでいる手とは反対の腕で自身の胸を隠した。若干もう泣きそうな目をしている……。

 

「あ、あの……どいて、下さい……」

 

少し上ずり声で震えながら言うことり。

 

 

 

「ねぇねぇ、俺らとお茶しない? 大丈夫大丈夫、全部俺らが奢るからさ。ほら、行こうーー」

 

「せやぁっ」

 

「ぶぐらばぁっ!?」

 

 

 

ーーうるさくなったので、俺は喋っていた奴の顎をつま先で蹴り上げてやったぜ。超爽快!

顎を蹴られたチャラ男は、意味不明な言葉を発してぶっ倒れた。ははっ、ザマァ。

 

「なっ!?」

 

「こ、このアマァァッ!!」

 

こいつを倒したのが癪にさわったのか、また違うやつが殴りかかってきた。

 

ーーおっっっっせぇ。

 

殴りに腰が入ってねぇし、大体隙がありすぎる。脇腹とか足首とかおざなりになってやがるぞ。そんなんじゃ、俺に触る事すらできねぇよ。

 

「よっ」

 

「あばっ!?」

 

今度はしゃがんで足を払った。チャラ男その2は簡単に顔面からすっ転んだ。軸がなってないから転ぶんだよ。

 

「……貴方も、こうなりたいです、かッ!」

 

「おふぉぅ!」

 

「キモッ、おふぉぅとかキモいです♪」

 

俺は倒れているチャラ男その2の背中をグリグリと踏んでやった。

あ、もちろんこの時は"サキ"の声でお仕置きしてますよ♪ サキの本気を見るがいー♪

 

「……で、どうします?」

 

「ひ、ひぃ……」

 

残ったチャラ男その3は冷や汗をかいているみたいで、シャツの脇に大きな汗シミができている。

でも、今後こんな事のないように……あとことりを怖がらせた罰として。

 

 

 

「"こうなりたい"ですか?」

 

「ご、ごめんなさぁぁぁぁいっ!!」

 

 

 

ーー俺ができる最大の笑顔で問いかける。すると、チャラ男その3が倒れているその1とその2を抱えてもの凄い速度で逃げて行った。

 

「ふぅ〜、あぁスッキリした! ことり大丈夫?」

 

「あ、うん……大丈夫だよ」

 

「そう、よかった♪」

 

しばらくぶりに暴れたのでスカッとしました!

……んーでも、相手が朱美じゃないからまだ暴れ足りないかな?

 

まぁ、ことりが無事だったし、まいっか!

 

「葵君、ありがとね」

 

「いや、ことりを怖がらせた事にムカついただけだよ」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 

 

ーーその後、何事もなく家までついたが……その途中、ことりが何かつぶやいていた。当然ボソッと言っていたので、どんな事を言っていたかはわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……葵君、かっこよかったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

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