今回は生徒会のお二人と、葵がμ'sのマネージャーになるときのお話です。
楽しんでいただけたら幸いです。
それでは、ごゆっくり。
「んぅ……」
チュンチュンと雀が外で忙しなく鳴いている。時折、雀以外の鳥の鳴き声も聞こえる。
「……ん、眩しぃ……」
俺の住んでいる貸家は、前の俺の学校が用意してくれたものである。音ノ木坂も遠くもなく、かといって近くもなく、いい感じの場所にある。ただ、問題なのは俺のベッドに直接朝日が当たる事だろうか。すんごく眩しい。
「ふぁ〜ぁ……朝か……」
横に置いてある目覚まし時計をみる。時刻は六時二十分、うん。何時も通りだ。
俺はベッドからで朝ごはんの準備をする。いつも俺の朝は早い。ただ違うのは一人ぐらしするってことぐらいだろうか。
「あ〜……朝飯どうすっかな……」
ぶっちゃけ冷凍ものでも良いのだが、何か冷凍は自分に負けた気がする。なんか、そう。なんかに、負けた気がするのだ。
そう思い、俺はキッチンの冷蔵庫を開ける。
「昨日、帰りに買い物すりゃ良かったな……」
昨日……穂乃果、海未、ことりに屋上で出会ったっけな。そんときになんか約束した気がするのだが……頭がまともに機能してないせいか、思い出せない。
「とりあえず、腹減ったから朝飯食うか……」
俺は棚にあった即席麺のふくろを開けた。
ーーー時刻は七時ちょうど。
ちょっと早いが家を出ることにした。
「戸締りは……うん、大丈夫だな」
俺は肩にかけていた少しぶかぶかのブレザーを羽織った。本当はシャツにリボンをつけるのだが、俺は男なので、リボンではなく校章をブレザーの衿につけている。
「よし、いってきまーす」
誰も居ない部屋に俺の挨拶が響く。
「……って、俺も馬鹿だな。誰も居ないのに」
俺は自宅を後にした。
「はぁ〜……緊張する……」
今、俺は音ノ木坂の生徒会室の前にいる。学校に着き、担任の先生に挨拶をしにいったところ。
『おぉ、君か。我がクラスに来る男子(?)君は?』
何で男子(?)なんだよ。別にいいだろ男子で。
『いやぁー、悪いんだけど生徒会室に行ってくれないか?君の書類がまだあっちに残ってるんだ。挨拶のついでに持ってきてくれないか?』
などと言われてしまい、挨拶がてら生徒会室に来た。で、現状にいたるとゆう訳だ。
「……よし」
ーーーコンコン。
「はーい、開いてるわよ」
「し、失礼します」
扉を開け、中に入った。
そこには……
「ハラショー……こんなに可愛らしいとはね」
何だろう、凄いデジャヴ。
っと、違う違う。金髪のナイスボディな女性と…雰囲気的にミステリアスな女性がいた。
「あ、ごめんね。君、転校生の葵君でしょ?理事長から話は聞いているわ」
「ほんま可愛らしいなぁ〜。君、ほんとに男の子?」
「あ、えと、はい。転校生の白崎 葵です」
たまらず俺は自己紹介してしまった。
「私は絢瀬 絵里、三年生よ。そして音ノ木坂の生徒会長をやっているわ」
「ウチは東條 希、同じく三年生。副生徒会長をしてるんよ。占いなら任せてね〜」
絢瀬先輩と東條先輩。
二人とも凄くナイスバディをしている。
特に綾瀬先輩は金髪にアイスブルーの瞳…ロシアのクォーターか。東條先輩は、暗みかかった青い髪。強いていうなら紫の髪を後ろで二つのおさげにしている。
「綺麗な銀髪ね。どこのクォーターなの?」
「はい、綾瀬先輩と同じロシアのクォーターです」
「あら、私と同じなの?うふふ、ちょっと嬉しいかも」
不意打ちに見せた絢瀬先輩の笑顔は可愛かった。思わず見とれてしまった。
「あ〜?葵君、顔真っ赤やで〜?」
「え!?あ、や、ちがっ!」
顔が真っ赤なのを指摘され、俺はより赤くなってしまった。
……はぁ、転校しょっぱなから恥ずかしい。
「こら、希。転校生をからかうのもいい加減にしなさい?」
「はーい、まったく。えりちはお固いんだから」
絢瀬先輩と東條先輩はかなり仲が良いらしい。
あ、そうだった。書類取りに来たんだった。
「あの、担任に言われて俺の書類を取りに来たのですが……」
「あぁ、ごめんなさい。すぐ用意するわね」
綾瀬先輩は近くにある書類とそれが挟まったファイルの山から、数枚の書類を手渡した。
「はい、これね」
「ありがとうございます。……大変ですね」
生徒会室を見渡すと、あちらこちらに書類の山があった。よくみると【部活動清算報告書】や【委員会要望受付書類】など、とにかくたくさんの量の書類があった。
「ふふ、ありがと。その気持ち、頂戴するわね」
また笑顔で返された。ほんとに反則ですその笑顔。男にとっては。
「ほら、早く行かないとホームルーム始まっちゃうわよ」
時計を見る、針は七時五十分をさしていた。
「あ、はい。ありがとうございます」
「いいのよ、何か困った事があればいつでも生徒会室に来てね。授業外なら大抵ここにいるから」
「ウチに占ってほしいときにも歓迎するよ〜」
「はい、失礼しました」
俺は一礼し、生徒会室を出た。
とりま、優しそうな生徒会長で良かった良かった。
「本日二回目の緊張……!」
なぜ緊張しているかというと、ホームルームで自己紹介をしなければならないのだ。
「ーーでは、君たちに話がある。我がクラスに新しい転校生が来る事になった。今からそいつに自己紹介をしてもらう。入っていいぞー」
俺は教室へ入る。
その途端、教室中がざわめいた。「綺麗な銀髪……」「お人形さんみたい!」「本当に男の子なの?」「いや、男の娘よ」
ちょっと待て最後の。だから"おとこのこ"のニュアンスが違うのだが……ってなんかこれもデジャヴ……。
「えと……白崎 葵です。俺はロシア人とのクォーターです。女子校なので至らない点があるとは思いますが、よろしくお願いします」
自己紹介が終わると同時に拍手が鳴った。なんとか、自己紹介を終わらせた……。
「じゃあ……白崎、君は南の隣な」
え、南?
先生に言われた席の隣にいたのは
笑顔でこちらに手をふっていることりだった。
「だぁ〜!疲れたぁ〜……」
「質問攻め凄かったもんね」
やっぱり、どこの学校でも質問攻めというのはあるらしく、女子校とだけあってとても激しかった。
「同じクラスになったんだ!嬉しいね!」
この元気旺盛な声の持ち主は……
「穂乃果!一緒だったんだ」
「うん!これからよろしくね!」
今はお昼休み、みんなでワイワイグループを作ってお弁当を食べている。中には穂乃果のように購買で買ってきたパンを食べている人もいる。
「穂乃果、ことり。」
後ろから海未が話かけてきた。どうやら三人は昼休みになると集まって弁当を食べるほどの仲良しらしい。
「あ、そうだ!葵君、穂乃果たちと一緒にご飯食べない?」
「え?いいの?」
この上なく嬉しい申しだてではあるのだが……男の子だよ?俺。
「うん!ことりちゃんも海未ちゃんも大丈夫だよね!」
「うん、私は大丈夫だよ♪」
「私も、大丈夫ですよ。転校初日で一人きりは辛いでしょうし」
なんて良い子達!母さん、心配しないで。俺はこの音ノ木坂でやっていける気がしてきたよ!
「あ、そうだ。三人に聞きたかったんだけど、穂乃果たちってダンス愛好会とかそんななの?」
屋上に行ったとき、三人はダンスを踊っていた。確かに見惚れはしたものの、お世辞にも上手だとは言えないダンスだった。
「ううん、違うよ。穂乃果たちはね、スクールアイドルをやっているの!」
「スクールアイドル?」
確か、ニュースで聞いたことがある。なんでも、学校単位のアイドルグループで校長および学園長、理事長承認の元、学校のために活躍するアイドルだったような。
「うん!今、音ノ木坂学園は廃校寸前の危機にあるの……私はこの学校が大好き。だから、スクールアイドルとして活動して入学希望生を増やして、大好きなこの音ノ木坂学園を守りたいの」
「希望生が増えれば学園の廃校は先送りになるって」
「でも、今は新入生歓迎会でライブを行うことにしてるんです」
なるほど、だから屋上でダンスの練習をしていたのか。
「ねぇ、また来てくれるんだよね!」
「え、あ、うん」
穂乃果、近いって。顔近い。
「あのさ、良かったら…私達"μ's"のマネージャーをしてくれないかな?」
「μ's?えっと、グループ名?まさかあの薬用せ「違います」っけんじゃないのね」
「穂乃果ちゃん、いくらなんでもいきなりすぎるよ……」
「そうですよ穂乃果、いくら何でも二つ返事で……」
「わかった、やってもいいよ」
「「「え?」」」
マネージャーって、まぁ付き人みたいなやつでしょ?どうせやることないんだし、試しにスクールアイドルっていうのもどんな感じか知りたいし。
「でも、三人が見込みがないようなら、マネージャーはすぐやめさせてもらうから。今度やるライブまでは全力でお手伝いする」
いい機会だし、この子達の活躍を見てみたい。音ノ木坂が廃校になるのは俺も嫌だ。転校したばかりだがもう音ノ木坂は俺の"母校"なのだから。
「本当に……良いのですか?」
海未がおずおずと聞いてくる。
「うん。俺、頑張っている人を応援したいから」
昔、ずっと俺を応援していた人と約束したんだ。
〜人の努力を応援してあげてね〜
そんな、約束をかわしたんだ。
幼い頃に……。
「ところでマネージャーって何をすればいいの?」
「「え」」
「そこからですか……」
まずは感謝を。
お気に入り登録10件を超えました。本当にありがとうございます。
そして感想をくださった方、ありがとうございます。
もう嬉しくてどうにかなっちゃいそうですwww
次作も明日には投稿する次第です。
読んでくれた方々、ありがとうございました。
それでは、次作まで。
さようなら。