たるさん及び樽さんです。
今回は番外編、昨日の穂乃果ちゃんの誕生日に捧げます。
よんでくれたら幸いです。
それでは、どうぞごゆっくり。
番外編 高坂 穂乃果の"決意(思い)"
*今回は穂乃果目線です。
「はぁ〜……今日の練習は疲れたよ〜……」
夕日がアスファルトを少し赤く染める。空の雲も夕日で赤く染まっている。たいして暑い訳でもないが、涼しい訳でもない。そんな季節に私達二年生三人はいつもの帰り道を歩いていた。
「そうですね。葵があんなにダンスが上手だったなんて」
「踊っている時の葵君、かっこよかったなぁ〜♪」
グダーっとしている私"高坂 穂乃果"の両サイドで海未ちゃん、ことりちゃんが今日の練習の感想を言っている。
……確かに。今日の葵君はかっこよかった。葵君のダンスは力強くて、キレがあって、とにかく私達のダンスにはないような魅力があった。あと、顔も。葵君はダンスを楽しそうに踊っていた。そのダンスの一つ一つの動き、それに合わせて飛び散る汗のキラキラに至るまで、全部がかっこよかった。
「あ、穂乃果。明日は神社で朝練ですよ」
「うん!じゃあ二人とも、また明日ね!」
そう言って私は海未ちゃん、ことりちゃんに大きく手をふる。
「また明日、穂乃果」
「穂乃果ちゃん、じゃあね〜」
「うん、また明日ー!!」
私は二人と別れ、自分の家である和菓子屋"穂むら"へ帰宅する道のりを歩く。
私の家、穂むらは名物"穂むら饅頭"略して"ほむまん"をはじめとした和菓子を売っている。値段もさほど高い訳ではないので、周辺の学生たちがおやつに和菓子を買いにくる。勿論、音ノ木坂学園の生徒達も買いにくる。
ほら、今あっちから葵君が穂むらに和菓子を買いに来て……え?葵君?
「あれ?葵君?」
こっちに気付いた葵君はちょっと驚いたようだった。
「穂乃果?穂乃果もお菓子買いに来たのか?」
「買いに来たもなにも……ここ私の家だよ?」
「……は?」
「まさか葵君が
「う……別にいいだろっ。甘いお菓子が大好きなだけだし」
葵君は一年ほど前から家の穂むらに和菓子を買いに来ていたらしい。開店直後に来るため、休みの時はたくさん寝てる私とは一度もあったことがない。
「ほら、上がって上がって!」
「え!?」
ん?私、なんか変なこと言ったかな?
葵君はなぜだか頬を少し赤くしている。
「どうしたの?」
「い、いや……その……」
葵君は縮こまって何か言いたそうにモジモジしている。
「お、女の子の部屋……入るのはじめてなんですけど……」
あ、そうゆうことか。意外と葵君、女子に免疫なかったんだ。その可愛らしい外見だから、女の子とも遊んでたんだと思っていた。
「……穂乃果、今"へぇー意外、そんな外見なのに"とか思わなかった?」
「な、何のことかなぁ〜……あはは」
横目でジトーっと見てくる葵君に私は見ていないフリをして、部屋に上がった。勿論、葵君も私の部屋に上がってもらった。
「あ、お母さんただいまー」
私は店にいたお母さんに挨拶をする。葵君もお邪魔します、と軽く会釈した。
「おかえり穂乃果……と、あら。葵君じゃない。ゆっくりしていってね」
葵君はお母さんと面識があるみたいだ。まぁ、そりゃそうだ。家の常連さんだもんね。
「あ、お姉ちゃんおかえりー」
「ただいま雪穂」
店の案外近くにある居間から私の妹"高坂 雪穂"が顔をのぞかせた。私よりはちょっと暗い色の髪をショートヘアにしている。今は勉強中だったらしく、黒縁の眼鏡をかけている。
「あ、葵さんだー。こんばんはー」
「こんばんは、雪穂ちゃん」
なんと、雪穂とも面識があったのか。雪穂は私と違って早起きだから、開店直後でも手伝っているときがある。多分、その時にでも知り合ったのだろう。
「私の部屋は二階だよ」
私と葵君はちょっと古い階段を上る。階段の木の板を踏む度に、ギィ、ギィ、と木の軋む音がする。階段を上りきると真っ直ぐな廊下がある。やはり、踏む度に木の軋む音がする。
「ここが私の部屋だよ!今、お菓子とお茶持ってくるから中で待ってて!」
私はそう言って自室を後にする。足早に階段を降りていき、店のお母さんのところまでいく。
「お母さーん、ほむまん二個貰っていいー?」
「いいわよ……はい、ほむまん」
「ありがと!」
私はお母さんからほむまんを渡されると、次はお茶を取りにキッチンへ行く。そこで私は湯呑を二つとお茶っ葉をいれてお湯を注いだ
「おまたせー、ごめんね」
「ううん、大丈夫」
部屋に入ると、葵君がテーブルの所に正座して待っていてくれた。そんな葵君を私は内心、律儀だなぁ、と思った。
「はい、これが穂むら名物、穂むら饅頭!略してほむまんだよ!」
「知ってるよ、常連だし」
そう言って葵君は嬉しそうにほむまんを手に取って食べはじめた。
「じゃ、いただきまーす」
「召し上がれ」
あんまり口が大きくない葵君ははむはむとちょっとずつ食べている。私は、葵君のその食べ方がリスっぽくて可愛いなぁ、と思った。笑顔でほむまんを食べている葵君が幸せそうで、なんだか私も幸せになってきた。
「美味しい?」
「うん、美味しい!やっぱほむまん大好きだよ!」
花が咲くような笑顔でほむまんをまた、はむはむと食べはじめる。本当に幸せそうだなぁ、と私は思った。
……ずっと、この時間が続けばいいのになぁ。
海未ちゃんがいて、ことりちゃんがいて、葵君がいて、μ'sがあって……みんながこんな葵君みたいな笑顔で過ごせればなぁ……。
そのために、私達"μ's"も、マネージャーの葵君も頑張っている。みんなで楽しい学園生活を実現させるため、大好きな音ノ木坂学園を廃校にさせないために。
もっと頑張らなくちゃ。
私はそう
「ん?あ、葵君。ほっぺに
「ふぇ?」
夢中で食べていたのか、口にものを含みながら返事をした。
私は、葵君のほっぺに手を伸ばし、人差し指でほっぺの餡子をすくい取る。そして私は餡子が付いた人差し指を口にくわえ、餡子を食べた。
「ん、おいし♪……でも流石に餡子はもう飽きたなー」
「っ!?」
「あれ?どうしたの葵君、お顔真っ赤だよ?」
葵君の方を見ると、何故か耳まで真っ赤になっていた。銀髪だから真っ赤な顔がより一層赤く見える。
「な、何でもないっ!!」
そう言うと、葵君は残りのほむまんをせっせと食べはじめた。改めてリスみたいだなぁと思い、私はおもわず笑ってしまった。
「ふふっ……」
「な、
「食べながら話さないの!」
学園のために、海未ちゃんとことりちゃんのために、μ'sのために……そして葵君のために。
私は、私の出来ることを精一杯頑張ろうと思う。あと、純粋に二年生という"今"を楽しみたいし、思い出に残したい。
"μ's"のみんなと……。
どこまでも、一緒に……。
「あ、お代は……」
「大丈夫だよ、穂むらの奢りだから!」
「ありがとう、じゃあ何か買って行こうかな?」
「甘い物、大好きなの?」
「あぁ、超がつくほど大好きだ!」
「……太るよ?」
「穂乃果に言われたくない」
「……」
はい、本当は誕生日当日に投稿したかったのですがストーリーを優先させてもらいました。今回は短めの小説でした。
大変申し訳ない話なのですが、明日から約一週間、投稿ペースが遅れます。大会なのです、卓球の。
なので、本当に申し訳ないのですが一週間ほど、投稿ペースを遅らせてもらいます。本当にすみません。
勿論、書けたら投稿はいたします。
読んでいただき、ありがとうございました。
いつもとは少し、長くなりそうです。
それでは、