仮面ライダーリビルド 第16話です。
読んで。
前回のあらすじ
家族の仇を討とうとリビルド ヘルライジングザウルスに変身し、暴走してしまう正風。
その力は圧倒的で、ラスボスを大量に浄化させてしまう。
匡はその力を止めようと努力するも、対策する術がないと蓮也に言われ、悔しく思いながら戦場を後にする。
…が、まだ彼は諦めてはいなかった。
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正風のあんな姿、初めて見た。
人間は、自分の目標のためなら、ああも残酷になれるものなのか。
しかもあの殴り方は、まるで自分のことを考えていなかった。
骨が折れてもおかしくない体制からの攻撃も、何度もあった筈だった。
それでも、止まることはなかった。
僕はたしかにその力を前にして、何もすることはできなかった。
ただ、立ち尽くしていた。
──けど、そんなことじゃあ諦めない。
「悪いね正風…圧倒的な力の差を見せつけられることにはもう慣れてるんだよ。」
「確かここら辺に置いたはず…っと。あった、スーパートリガー。」
念の為、スペアを作っておいてよかった。
僕の長所は、どんなに折れてもそこから何度でも這い上がってくるしぶとさだと理解している。
その長所を、今活かすときだ。
「僕も…覚悟を決めるしか、無いみたいだね。」
行くよ、正風。
最初で最後の、大喧嘩だ。
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壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
『…い、……ろ?………。』
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
壊す壊す壊す壊す壊す
『おい、聞こ……の…ろ?………だ。』
「おい、聞こえているのだろ?返事ぐらいしたらどうだ。」
『何か…聞こえる…』
『やっと、目が覚めたか。』
『うぉおっ、その声、お前か?』
『ってか、頭痛っ…何だ、この頭に流れる声…』
壊す壊す壊す壊す壊…
『それには耳を傾けるな。』
『今は我の声だけ聞いていれば良い。』
『お、おう…』
『てか、どこだここ?暗すぎるだろ。お前の顔すら見えないんだけど。』
気配を感じる方に行っても、何も見えない。
正直言って、気味が悪い。
『それは我にとっても同じこと。お前の顔も見えていない。』
『そっちもなのかよ…』
『俺たち、どうすればいいんだ?』
『さぁ、な。』
『さぁなって…』
『俺、何してたんだっけ…確か俺の家族の仇を目の前にして、急に目の前が真っ暗になって…』
『あれ、じゃあこの声って、そいつを壊そうとしてるのか?』
『じゃあいいや。』
『…何?』
『…そりゃそうか。お前も、俺をおかしく思うよな。』
『俺もう、正直言ってあいつさえ殺せればどうでもいいんだよ。』
『正義の味方とか、仮面ライダーになれたとか、もうどうだっていい。そのせいで俺が死んだって構わない。』
『それくらい俺の中で、復讐は大事なんだよ。』
『あ、でもそのせいでお前も消えちまうかも知んねえのか…そんときはそんときだな。今のうちに新しい器とやらを見つけておけよ。』
『…お前は…』
『復讐のためなら、彼奴等が悲しんだって構わないというのか?』
『…え?』
『あの二川とかいう奴や、綾瀬とかいうやつだって、お前のことを大事にしているのではないか?』
『…知らねえよ』
『お前は案外、自分勝手なんだな。』
『だから何だよ…』
『いや…だから何だという訳ではないが、自分勝手に人の命を扱うという観点では、あいつと同じなんだな。』
『… あ ?』
『違うのか?』
『自分勝手にお前の家族を無差別に殺した須藤と、自分を殺す正風。』
『殺してるターゲットが違うだけで、お前らは何も変わらないさ。』
『それ以上喋ってみろ。どうなっても知らねえぞ。』
『…とにかく』
『お前は生きろ。お前の家族のためにも。』
『…そんな事言われたら』
『俺、どうすりゃいいかわかんねえよ…』
『俺は、何をしたかったんだ?』
『…迷う必要はない。』
『さっき、お前と須藤は似た者同士だと言ったが、一つだけ決定的に違うところがある。なにか分かるか?』
『…さぁ?』
『…それは──』
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「それでいいんだよ!!正風!もっと自分を壊してみせろ!!」
「ガァジュルルウルル…」
ボタッ…ボタッ…
「…なんかマスクから漏れてるぞ?涎か?」
「いや…まさかお前、泣いてんのか?」
「ガァ、アッ…」
「うわ、気持ち悪いなオマエ…」
「そんなことはない。」
「正風だって、戦ってるんだ。」
「あん?また来たのか?」
「過去の自分と、復讐したい欲望に、勝とうとしてるんだ。」
「…多分ね。」
「僕の親友がそうやって戦っているなら、こっちも手助けしてあげなくちゃ。」
《SUPER TRIGGER!》
「変身!」
《Beyond the myself! 仮面ライダー!スーパーリバース!!》
「行くよ、正風。ちょっと痛くても我慢してね!」
「グギャアアアアア!!!」
「チッ、邪魔者が…」
そこらかしこにライダーズファンが浄化されたまま散らばっている。
「須藤、一つだけ聞いておく。」
「何だよ」
「正風に、その悪のライダーズファンを何個使った?」
「そうだな…ざっと10個。」
「10…?」
「何故だ?お前にとってもライダーズファンは貴重な物の筈なのにも関わらず、無駄に浄化させるかのような…」
「何が狙いだ?」
「それを敵に言うバカがいるかよ。」
「計画を変えた。ただそれだけだ。」
「…そうか、もう聞きたいことはない。」
「お前は後でぶちのめすとして、今は正風を止めるのが先だ。」
「グギャアアアアアッ!」
「気が早いね、正風…そんな慌てなくても、」
ガシッ
「僕は逃げないよ…!」
「はぁっ!」
「ギャアッ!」
「まだまだ!」
「ガァアアッ!」ブンッ
「おっと、危ない…」
「じゃ、ないか!」
「ウゥウグググググ…」
「グシャアアアアラァアアアアアアアアアアアア!!!」
「わっ、なんてうるさい声だ…喉潰れない?」
「って言っても、返ってこないか。」
「グギギギギャア!」ドゴォッ
「ぐっ…はぁ…ッ」
「はぁ、はぁ…なかなかやるじゃないか、正風…」
「そうこなくっちゃ…」
とはいったものの、なかなかにさっきの一撃は重かった。
たった一発で、この強化されたアーマーすら通り越し、僕に多大なダメージを与えている。
こりゃ…何発も食らうのは得策じゃないね…
彼にそんな弱音は、吐かないけど。
「はぁ、あっ!」
「グフッ…」
今だ。
「正風!聞こえてるんだろ!目を覚ますんだ!」
「過去に囚われるなと言ってくれたのは、他でもない君じゃないか!」
「たしかに君の心にあった【仮面ライダー】の心を、今一度取り戻せ!」
「グ、ガ、アアアア、アァ…っ」
「駄目押しだ…!」
《ビヨンド・ザ・スーパーストライク!》
「はああああああぁっっ!!!」
拳を突き出す。
彼に、届いてほしいと願うように。
「…グッ」
「グアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
「頑張れ…頑張れ正風…頑張れ…っ!」
「あああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
次回 仮面ライダーリビルド
「お前は、俺だったんだ」
「我の、名前は」
「──おかえり。」
第17話 掴むその手×おかえりを言う相手