仮面ライダーリビルド 第20話です。
読んで。
前回のあらすじ
サジタリウスゾディアーツを満身創痍であるが倒すことができた匡。
しかしその一方でもう一人の匡は自分を卑下するばかり。
そんな匡に異変を感じ、過去になにかあったかを聞く正風だった─。
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「最初は、期待されるのが嬉しかったんです」
「小学生の頃、大学入試の問題を一発で解くことができたとき、親が喜んでニュースになったことがありました。」
「私それ知ってる。…確か、100年に一度のチャイルドジーニアスって言われてたわよね?」
「…昔のことですけど。それから、クラスの人や先生、挙句の果てには通りすがりの老人にも期待されました。」
「その時は、期待されてることで自分の存在が認知できているような気がしたんです。」
「…でも、そこまででした」
「僕は超が着くほどの早熟だっただけで、それからはいくら頑張っても僕の頭は成長しませんでした。」
「何時間勉強しても、寝食を削っても。」
「周りの人たちはどんどん離れていきました。」
「僕より頭のいい人のほうが、圧倒的に多くなりました。」
「…「あいつは昔がすごかっただけで今は大したことない」って陰口も聞きました。」
「その時思ったんです。」
「あぁ、努力しても無駄だ。何も僕に成し遂げることができない」
「…って。」
俺は、黙って聞き続けた。
「親は励ましてくれてたけど、あろうことか僕はその親にすら反抗し始めました。」
「そしてノリでこの高校に入って、ずるずる過去を引き摺って…今に至ります。」
「…ほら、しょうもない話。」
「そうだな。」
「ほら。聞き損だったでしょ?」
「ちょっと正風、自分から聞いといてそれはないでしょ!」
「─ただし」
「ただし?」
「最後にある言葉を付け足さなかったら、な」
「ある言葉…って、なんですか?」
「俺たちと出会って、昔より更に成長する決心をする─って言葉が、足りねえな。」
「そんなの、わからないじゃないですか。」
「いいや、分かる。俺は絶対信じてる。変わろうとしてたんだろ?その時点でもうすごいんだよ。その積み重ねてきたものは、無駄なんかじゃない。」
「俺の好きな言葉があってさ、「逞しくあれ、そして怯えることなかれ、絶望のあとには必ず希望が来る」ってんだけど。今のお前にぴったりじゃないか?」
「…」
「逞しく成長し続けろ、失敗することを恐れるな。今のお前が長い長い絶望を感じたなら、それを乗り越えればそれより長い希望が必ず来るんだよ。」
「お前がお前を信じなくても、俺はお前を信じる。」
話してる最中にスマホが鳴る。
「ん…悪い。はい、もしもし。」
『あ、正風かい?なんとか敵は倒したから、安心して家に帰っていいよ。』
「あぁ、ありがとう。…匡を、信じてよかった。」
『…!ふふ、人を信じるのも、悪くないだろう?』
「そうだな…いい気分だ。」
『じゃあ、僕は家に戻っておくよ。』
「うん、お疲れ様。」
「…とりあえず、家まで送ろうか。」
「…僕は」
「ん?」
「僕は、変われると思いますか?」
「その答えは、もう自分が一番知ってるだろ?」
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「家、ここら辺か?」
「…そうですね。…あの!」
「危ない!」
「え?」
瞬間、地面に強い衝撃。
「ほんっと、あんたといると毎回退屈しないわね…」
「こりゃ、まずいな…」
今度の相手は、スーパーアポロガイストか…
たぶんディケイドのライダーズファンを使ったのか。
まだ、動けねえ…かくなる上は!
「逃げるぞ!」
「うん!」
「は、はい!」
「どこに行こうと言うんだ?私からは逃げられないぞ…」
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「くそ、匡を呼ぶわけにも行かない、蓮也を呼ぶにはここは遠すぎる、どうすれば…?」
「捕まえた。お前らはここでゲームオーバーだ。」
「そ、そんな…」
…もう、この可能性に賭けるしか無い!
「匡!」
「え?…わっ!?」
「お前ならなれる!仮面ライダーに!」
「ここがお前の人生の転機と思うんだ!頼む!俺達を救えるのはお前しか居ないんだ!」
凛も何かを察したのか、匡に呼びかける。
「…お願い!自分の可能性を信じて!」
「僕の…可能性…!」
「今、やるしかないなら、ここで、動くしか無いなら…答えは一つ!」
《ジェネレーションズドライバー!》
「ベルトが…装着された…!」
《ゼロワン!》
《1号!》
《ジェネレーションズマッチ!》
「…変身!」
《時代の始まりを描く、天翔けるバッタ! ライジングタイフーン!》
匡が変身したライダーの姿は、リバースの素体に、俺が変身していたライジングタイフーンのアーマーを付けたようなフォルムだった。
言うならば… リバース ライジングタイフーンフォームってとこかな?
「僕の人生は、ここから再スタートだ!」
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僕も、変身できた…!
新井さん達はこんな僕でも可能性に期待してくれた。
だから、こんどはその期待に応えたい…
いや、応えなくちゃならない!
「う、…うわああああッ!」
「危ない!」
新井さんの声で前をよく見ると、前から鋭い斬撃が飛んで来ていた。
それをかろうじて躱すと、それからも容赦なく僕目掛けて斬撃を飛ばしてくる。
「ぐ…うぅっ!」
こんな痛み、初めてだ。
………でも、今までの僕の絶望に比べればこんなの、
…どうってことない!
「うわああっ!!」
「何ッ!?斬撃を…跳ね返された…?」
「今度は…こっちの番だ…!」
相手が気を取られている隙に、相手の腹を狙ってパンチを繰り出した。
そうすると繰り出したところから風が巻き起こり、相手が空中に投げ出された。
「小童め…嬲り殺してくれる!」
そう言って手に持っていた刃が無数についている円盤をこちらに向けて投げてきたが、らくらく避けることができる。
まるで時間が止まったみたいだ。
「行くぞ…」
いつの間にか手に持っていた妙にメカメカしい銃のスロットに、ベルトに付いていた扇風機を装填する。
慎重に狙いを定め、相手の頭を撃ち抜く。
《インパクト・ザ・ブラスト!》
「ぐおあああああっ!!」
その場が爆発したかと思えば、いつの間にか敵は地に伏していた。
「おのれ…覚えておけ…」
そういって相手は、どこかに消えてしまった。
「ふ、ふう…」
終わった…?
そう実感した瞬間、足が震えて止まらない。
「お前…すごいよ!」
新井さんが、そう言って僕に駆け寄ってきた。
「初見であのスーパーアポロガイストを押し切るって、普通できねえよ!やっぱお前すごかったんじゃん!」
「す、すーぱー…?」
「…あぁ、こっちの話。でも、ほんとにすごかった。私も、あなたを信じてよかった。そう心から思えるわ。」
僕が、人知を超えた敵を退けた…
その事実だけでも、すこし強くなった気がした。
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「本当にすまなかったな。色々なことに巻き込んでしまって。空も、こんなに暗く…」
「いいんですよ。新井さん達は僕の背中を押してくれた。僕も…ここから変われることができそうです。」
「そうか…俺も、そう思う。」
「あ、あとこれ返しますね」
俺も忘れてたな、ライダーズファンとドライバーのこと。
「お、そうだった。」
「…じゃあ、さよな……」
「…いや、またな!」
「…!」
「は…はい!また!」
…
凛と、すっかり暗くなった家路につく。
「…あの子、良かったわね。これから変われそうで」
「…あぁ、そうだな。」
「それと…あんたやっぱすごいわね。」
「え?」
「人を変えるなんて、そう簡単じゃないわよ。」
「…いや、そんなことないさ。」
「多分あの子は、俺が何も言わなくてもいつか絶対変わってた。」
「そうかしら?」
「あぁ。じゃなきゃ俺の小説7~8行ぐらいの説得で変わろうとはしなかっただろうよ。」
「随分変な例え方ね…」
「まあ、それは置いといて。俺はあいつの変わる時期を少し早めただけだよ。」
「ふ〜ん。」
「ほら、また明日から学校だろ?帰るのが遅れたら寝れねえぞ。」
「そうね、だけど…」
「だけど?」ドスッ
「痛っ!?なんで急に殴るんだよ!」
「この怪我治してからね〜?」
「こんの…やったな〜?」
「きゃっ!…wwもう、追いかけてこないでよ〜!セクハラで訴えるわよ〜?」
「させるかよ!」
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こんな日常が、ずっと、ずっと続けばいいのに。
次回 仮面ライダーリビルド
「今度は貴様か…?」
「もうお前の好きにはさせない!」
「新フォーム、続々お披露目会ってやつかな!」
第21話 魅惑のショータイム×迷惑な男
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