キヴォトスに赴任する殺せんせー   作:名無しの毛玉

10 / 16
出動!覆面水着団

 

 

 

Vo1『アビドス対策委員会』

 

 

 

ブラックマーケット、闇銀行。何らかの事情で口座が凍結した際に、どうしてもお金を必要とする生徒が最終的に辿り着く場所である

 

そんな場所に、便利屋はいた

 

 

「お待たせしました、お客様」

 

「何が『お待たせしました』よ!本当に待ったわよ!6時間も!ここで!融資の審査になんで半日もかかるの!?別に他に客いないのに!」

 

 

叫ぶアル。心労と待ち時間によって、着実に精神を削られていた。なお、他の便利屋の面々は待ち疲れたのかソファで寝ている

 

 

「私共の内々の事情でして。ご了承ください。…ところで、お客様はそのような態度を取れる立場なのですか?当店の助けが必要だから来たのでは?辛抱強くお待ちいただくことも大事かと。…それとお客様」

 

 

パチンッと店員が指を弾く。雇われのヘルメット団が寝ている便利屋の面々を起こす

 

 

「おら、起きろ。こっちも仕事なんだよ」「うはっ!?えっ、なになに!?」「…んん、なに…?」「あ、ああっ!?居眠りしてすみませんすみません!?」「…割と直ぐに起きたな。普段結構グズるんだが」

 

 

全身義体の店員の顔に映される電子的な目がニコリと笑うように細まる

 

 

「そちらでお休みになられると困ります。起きて、お話を聞いていただかないと」

 

「………」

 

「さて、では一緒にご確認を。お名前は陸八魔アル様、ゲヘナ学園の2年生、便利屋68の社長、と書類には記載されていましたが…。申し訳ありませんがペーパーカンパニーでは?財政状況は破綻しているようですが」

 

「ちゃ、ちゃんと普段は稼いでるわよ!今回は依頼料を回収出来てないだけで…!」

 

「それと社員数は4名との事ですが、無駄に肩書きを増やしてどうするのですか?ごっこ遊びにしかなりませんよ。それに、必要以上に事務所代がかかりすぎです。身の丈に合った物件を見つけていただかないと。それと陸八魔アル様、あなた以前にブラックマーケットで騒ぎを起こしましたね。マーケットガードの記録に残っていました。…それらの事柄から統合して、融資は難しいと判断しました。お帰りください」

 

「はっ、ちょ、えっ!?ま、待ちなさい!闇銀行ってどんな生徒でも金を貸すんじゃないの!?」

 

「違います。金を貸し、その分の利益を回収出来る見込みがあるからこそ、金融は成り立つのです。通常の銀行より回収手段が多いからこそ、門戸が広いだけで、そこは変わりません。この6時間で便利屋68の事を調べましたが、そうですね。まずはより堅実な仕事から着手したほうが良いのでは?日雇いや期間工など、手っ取り早く始められるものもありますが」

 

「…………ッ!」

 

 

アルの肩が震える。舐められていると分かる。怒りが行動に出そうになる。だが出せない

 

 

(…ここで暴れた所でマーケットガードが直ぐに対応する。私たち4人ならどうにかなるかもしれない。でもどうにもならない可能性を否定できない。ブラックマーケットの影響がどこまで広いか分からない。闇銀行で事件を起こしたと知られたら、二度と依頼が来なくなるかもしれない。…情けないわね…陸八魔アル。なにも自由に動けていない)

 

 

アルは便利屋のみんなを見る

ムツキは「どうするの?」とアルを見つめている

カヨコは「やりたいようにやればいい」と静観している

ハルカは「アル様にあんな口を聞くなんて許せません…!」と暴走しそうなのをカヨコに抑えられている

 

 

(…私が…目指すアウトロー。…恐れ知らずで、何にも縛られず、仲間を見捨てない、ハードボイルドなアウトロー。…そう、なりたい。…なりたいのに)

 

 

沈んでいく。理想と現実に押し潰されそうになる。ムツキが、アルに何かを言おうとする。そんな時だった

 

パッと。明かりが消える。この部屋に窓は無い。窓なんてあったらそこから簡単に脱走されてしまうから。照明以外の明かりの無い部屋で停電が起きれば、辺り一面真っ暗闇

 

 

「な、何事ですか!?停電!?」「パ、パソコンの電源も落ちています!非常電源が作動していません!」「な、なんだ!?」「仕方ない!自動人形(オートマタ)からバッテリーを引き抜いてこい!確か繋げられる筈だ!」「おい誰だ!?私に触れたのは!」「と言われても!この暗闇じゃ何も!」

 

 

混乱が暗闇の中で続く。暫くして、明かりが復旧する

 

その場にいた全員が目撃する。後ろ手に拘束されたヘルメット団の警備員、鎮圧された自動人形(オートマタ)、そして、謎の覆面を着けた集団

 

2と書かれた覆面を着けた何者かが話す

 

 

「この場所は我々覆面水着団が占拠した。全員その場に伏せろ。武器を持ってる者は捨てろ。でないと…」

 

 

3と書かれた覆面を着けた何者かが如何にも強そうなマシンガンを掲げて「痛い目にあいますよ♪」と告げる

 

 

「…ここの電源は復旧した、でも外部への通報を行う警備システムはダウンさせたまま。あなたたちは閉じ込められた」

 

 

1と書かれた覆面を着けた何者かが「助けを求めても無駄って事だねー」と飄々と告げる

 

 

 

「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造。全て理解した上で、事に及んでいる。あなたたち以外、我々の侵入を知らない。時間稼ぎも無意味」

 

 

4と書かれた覆面を着けた何者かが「シロ…ブルー先輩が堂に入りすぎてて怖い…」と呟いた

 

 

「…我々の目的はただひとつ。そこのあなた。このバッグに、少し前に到着した現金輸送車から受け取った物を入れて。はやくしないと、うちのボスが怒るよ」

 

 

2と書かれた覆面を着けた何者かは5と書かれた覆面を着けた何者かに視線を向けた。「…え!?私リーダーなんですか!?なんで!?」という声は黄色い球状の覆面を着けた何者かに封殺された

 

闇銀行の銀行員たちは怯えている。普段はマーケットガードによって完璧に守られている為、こういった場面への耐性が無かった。怯えながら、要求されたものをてんやわんやで探している

 

 

「…あれってアビドスだよね?」

 

 

ムツキが呆けながら言う

 

 

「…まあ、だろうね。覆面着けてるけど、制服そのまんまだし。流石に生徒証明書は外してるけど」

 

 

カヨコが目を丸めながら言う

 

 

「…つまり消したほうがいいって事ですか?」

 

 

平常運転のハルカをカヨコがいつも通り止める

 

そしてアルは

 

 

「…かっこいい…」

 

 

と、ヒーローショーに来た子供の目をしながら、ニッコニコで事件現場を見ていた

 

 

(や、やばーい!闇銀行を!ブラックマーケットの中でも特に手を出しちゃいけない場所の闇銀行を!こんな簡単に襲うなんて!このあとはどうするつもりなのかしら!?そもそもこんな大胆な計画を立てて、それも実行に移しちゃうようなアウトローが実在するなんて!めちゃくちゃ手際良いし超プロフェッショナルじゃない!ものの5分でやってのけたわよ!?あの暗闇の中で!か、かっこいい!シビれる!これよこれ!誰にも止められない、真のアウトロー!わ、わぁ…な、涙出そう…!)

 

 

もう銃をサイリウムやら団扇扱いして振り出しそうだった

 

 

「…相変わらずうちの社長は気付いてないし…」

 

「うーん、完全に憧れの目をしてるねーアルちゃん」

 

「はぁ…どうする?」

 

「…おもしろいから放っとこ♪」

 

「た、待機したほうがいいんでしょうか…」

 

「…ついでだから爆弾でも設置しておいたらー?」

 

「そ、そうします…」

 

 

ハルカは勿論ムツキもうっすらキレていた。カヨコも止めなかった。そのうち闇銀行はなにかの拍子に消し飛ぶかもしれない

 

銀行員がパンパンに膨らんだバッグを持ってくる

 

 

「こ、こちら本日の現金輸送車の全てです!」

 

「ご苦労。これで目標を確保…ん?あの、お金は別に…」

 

「俺の身体に内蔵した警報システムの作動に成功したぞー!」

 

「わ、やっば。ほら、逃げるよーシ…2号ちゃん!」

 

「あ、うん、1号先輩。て、撤収!」

 

「奴らを捕らえろ!道路も封鎖しろ!ブラックマーケットからネズミを逃すな!」

 

 

覆面水着団が逃げていく。闇銀行の呼び出した増援はまだ来ない。簡単に、その場を後にした

 

 

「…お、追うわよ!」

 

「へっ?アルちゃん?」

 

 

アルが走り出した。ムツキとカヨコは顔を見合わせる。ハルカはもうアルを追いかけていた

 

 

「…取り敢えず、行こう」

 

「そうだねー」

 

 

 

 

 

アビドス近郊。ブラックマーケットからは遠く離れた、対策委員会にとっては馴染みのある場所。覆面水着団は、逃走に成功していた

 

 

「はぁー…息苦しかった…。もう脱いでいい?」

 

「良いと思いますよ。敵はもういません」

 

「ぷはぁ…!つかれたー!」

 

 

セリカが覆面を取る。相当暑かったのか、耳が少し湿っぽい

 

 

「ん。ミッションコンプリート」

 

 

シロコは覆面姿のまま堂々としている

 

 

「シロコちゃん?脱がないんですか?」

 

「天職感じちゃって脱ぎたくないんじゃなーい?…シロコちゃん?」

 

「…ん」

 

 

外した方がいいという言外の圧を感じてシロコが覆面を外す。シュン…としている

 

 

「外すのにそんな残念がらないでよ…というか先生も外しなさいよそれ…」

 

「えー?馴染んでないですか?これ」

 

 

球状の覆面を被ったまま謎のダンスを踊っている。カボチャ頭が似合いそうだ

 

 

「不思議と違和感は無いよねー」

 

「ないけど…流石に横並びで歩くのはちょっと…」

 

「にゅや…先生悲しい…」

 

 

スポッと覆面を外した。シロコと横並びになってシュン…とトボトボ歩いている

 

 

「…なんか、私…これから先、たい焼きを食べる度に今回の事を思い出しそうです…」

 

 

覆面という名のたい焼きの袋を頭から外したヒフミが3人目となりトボトボ歩いている。たい焼きの香りに包まれながら銀行を襲う、という特異過ぎる状況に、悪夢を見そうな予感がしていた

 

 

「ファウストちゃんもおつかれー。ごめんねー付き合わせてー」

 

「ファウストってなんですか!?…思い出しましたけどボスもなんですか!?なんで!?」

 

「その…一番ブラックマーケットの事を知ってて風格があったから…」

 

「あう…ブ、ブラックマーケットの事を知ってるのは確かにそうでしたが…!」

 

「ところで2号ちゃん、集金記録はちゃんと持ってきたよね?」

 

「ん。1号先輩。ちゃんとその紙は確認して来た。これ」

 

「なんで呼び方は戻さないんですか…?…あの、シロコ先輩。紙は確認しましたけど、じゃあそのバッグに詰まってる物は一体…?」

 

「ん…これは…なんか勝手に入れられて…」

 

 

殺せんせーが鞄の中を確認する

 

 

「…これざっと1億ありますね」

 

「…へぇっ!?シロコ先輩現金盗んじゃったの!?」

 

「いや、その。多分言い方が悪かった。今日運ばれてきた現金輸送車全てのお金が入ってるんだと思う」

 

「なるほどねー。…本当に5分で1億稼いじゃったなー」

 

「う、まぁ、借金がだいぶ返せるし、いいか」

 

「あ、このお金は使わないよー」

 

 

鞄から集金記録の紙だけを取り出しながらホシノはそう言った

 

 

「はぁ!?なんで!?」

 

「だってカイザーローンに返そうとしたら闇銀行に持っていかれてたんだから、まずそこをどうにかしないと返したところで意味ないでしょー」

 

「あっ、それもそうか…」

 

「それに、こんな方法で稼いだお金で返した所で、次はどうするの?またどっかから奪ってくる?」

 

「そ、それは…」

 

「こんな方法に慣れちゃうと…ゆくゆくは、きっと平気で同じことをするようになるよ」

 

「まぁ、でしょうね。それに、今回返した利息分以外の金額は、対策委員会ではない、同じような立場の誰かが、どうにか時間を費やして返したお金かもしれません。それを使うということは、これを犯罪資金として使った奴らと同じ立場に堕ちる事を意味する。先生は…そうなってほしくはないですね」

 

「うへぇ…おじさんもやだなー。『お金ないから仕方ないよね』って平気で誰かのお金を奪っていくような子に、後輩が育っていっちゃうの。そんな方法で学校を守られても、なんの意味もない。これでいいならノノミちゃんにパッと返して貰ってたしねー」

 

 

ホシノは集金記録の紙束をペラペラと振っている

 

 

「だから必要なのはこれだけー。先生、申し訳ないけど他の返済者の分はどうにかしてくれない?この紙があれば調べられると思うんだよねー」

 

「まぁ、責任取ると言いましたし…その中にも先生の生徒がいるかもしれませんからね。調べますよ、勿論」

 

「さすがー」

 

「…あーもう!勿体ない!もどかしい!変な所で真面目なんだから!」

 

「ん。委員長がそう決めたなら」

 

「取り敢えずこのお金は私の方でどうにかしておきますね」

 

 

ノノミが鞄を持つ。ヒフミが、先程から何かを言いたげにペロロのキーホルダーをにぎにぎしている

 

 

「ヒフミさん、どうかしました?」

 

「…あの、事情はよくわかりませんけど、みなさんカイザーローンからお金を借りてたんですか?あのグレーゾーンの企業に?」

 

「…グレーゾーン?」

 

「…カイザーローンは、カイザーコーポレーション運営の高利金融業者です。カイザーグループは合法と違法の間にうまく入り込んでいて…トリニティにも傘下の企業が存在し、ティーパーティーも警戒しているので、耳にしたことがあって」

 

「…トリニティの生徒会(ティーパーティー)がねぇ」

 

 

ホシノが暗い声を出していると、殺せんせーが何かに気付いて、また覆面を装着した

 

 

「…みなさん、また覆面の出番みたいですよ」

 

「ですね…なんか…その、すごい輝く笑顔のアルさんがそちらに近付いて来てます…」

 

「…ん?アルなら別に被んなくてもいいんじゃ…?」

 

「あー。そういえば銀行にいたねぇ、アルちゃん」

 

「あ、じゃあ今回用があるのって?」

 

「ん。覆面水着団に、新しく加わるとかかもしれない」

 

「それはないと思うんだけど…」

 

「えっと…取り敢えず私はそのアルさん…?を知らないので被りますね…」

 

「じゃあ…被るかぁ…」

 

 

全員が覆面を着けた所で、便利屋が到着した

 

 

「み、見つけたわ!」

 

「…ん、何の用?」

 

「え、えっと、その。まず、私たちは敵では無くって、その…大した事じゃないんだけど…。…銀行の襲撃!見せてもらったわ…。ブラックマーケットの銀行をものの5分で攻略して撤退までする手際の良さ…あなた達のアウトローっぷり!」

 

「…!?」

 

 

ホシノは「あー、柴関で話してたアレかー…」と思い出していた

セリカは「私らアウトローかぁ…」と頭を抱えている

ヒフミも「私、改めてすごいことしちゃいましたね…」としゃがみこんで膝を抱えている。たい焼きの甘い匂いがする

 

 

「正直すごい衝撃的だったわ…。あんな大胆な行動が出来るアウトローを実際に見れるだなんて…。お陰でがんばろうと思えたの!法律や規律に縛られない、自由な魂!そんなアウトローになろうって!…そ、そういうことだから!改めて名前を聞かせてほしいの!あなたたちから!…私が、今日の雄姿を、胸に刻むために!」

 

「…はい!おっしゃることはわかりました!」

 

 

ノノミの目が輝いている。アルの目も輝いている。ヒフミも「こんなシーンがアニメの10話くらいにありましたね…」と連想して輝き始めている

 

ホシノはキラキラし始めた周りを見て目を細めていたが「これノリに乗らないと逆に収拾がつかないな」と思っていた

 

殺せんせーは今時キヴォトスには珍しいラジカセを持ってそれっぽいBGMを流していた

 

 

「私たちは…そう!覆面水着団!」

 

「覆面水着団…!やっぱりカッコイイ!超クール!」

 

「うヘー。本来はスクール水着に覆面が正装なんだけど、ちょっと緊急でねー。今日は覆面だけなんだー」

 

「普段はアイドルとして活動してて、夜になると怪盗に変身するんです!そして私はクリスティーナだお♧」

 

 

ノノミが鞄を置いて決めポーズをする

 

 

「『だお♧』…!?きゃ、キャラも立ってる…!決めポーズも、今日は見れなかったけどコスチュームまでキマってる…!さ、最高…!」

 

「うへ、目には目を、歯には歯を、無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く。これが私らのモットーだよ!」

 

「決め台詞まで…!見れて良かった…!」

 

 

とても楽しそうだった。そんな状態のアルを、遠くから便利屋の面々が見ていた

 

 

「…なにしてるの、あの子たち」

 

「アルちゃんすっごいドハマリしてるー♪かーわいいー♪」

 

「アル様たのしそう…」

 

 

殺せんせーが腕時計を見ながら覆面水着団に告げる

 

 

「お嬢様方、そろそろ次のお仕事が迫っております」

 

「おーありがとねー、セバスさん」

 

「し、執事までいるのね…!?」

 

「ふふ、そういうわけなのでー♪アディオース!」

 

「さぁ行こう!夕日に向かって!」

 

「あはは…。夕日、まだですけど…」

 

 

ササーッと。覆面水着団は撤収した

 

 

「…よし。我が道の如く魔境を…魂に刻んだわ。私もがんばる…!」

 

「…どうする?」

 

「…おもしろいから放っとこ♪」

 

 

便利屋68はいつも通りだった

 

なお

 

 

「なあああにいいい!?」

 

 

事務所に帰ってから覆面水着団がアビドスだったことはネタバラシされた

 

 

 

 

 

アビドス校舎

 

 

「砂だらけでごめんねーヒフミちゃん。掃除しても掃除してもどっかしらから入ってきちゃってさー。靴のままあがっていいよー」

 

「だ、大丈夫ですよ。…私、他の学校に足を踏み入れたの、はじめてかもしれません」

 

「私も他校からのお客様を正式に迎えたのはこれがはじめてですね…。直接お会いできて嬉しいです、ヒフミさん」

 

「アヤネさん…ドローンでの支援ありがとうございました。あんなに沢山の同時操作が出来るなんてすごいですね!」

 

「そ、そうなんですか?あまり外の方と比べた事が無いので、その辺よくわからなくて…。でもヒフミさんもすごかったですよ!デコイの使い方が巧みで!」

 

「いえいえそんな!これはペロロ様のご加護があっただけで!この自走型ホログラムセットすごいんですよ!使ったあとは何故か鞄の中に戻ってくるんです!」

 

 

ヒフミとアヤネが褒め合戦をしている

 

 

「ノノミさん。鞄、置いてってましたよ」

 

「あ、すみません殺せんせー。…あの、もうちょっと高さを下げていただかないと私、受け取れないんですけど…」

 

 

殺せんせーは鞄を高く持ち上げている。ノノミがぴょんぴょんと鞄を取ろうとジャンプしている。とてもよく揺れる

 

 

「ヌルフフフ…不注意がありましたからねぇ。これは先生の方で処分しておきます」

 

「う…実際に忘れていってしまったので何も言えません…」

 

「んじゃ、書類の確認作業に移ろうかー。…ヒフミちゃんこういうのわかるー?」

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

「じゃあお願いしていい?文量がすごいからさー」

 

「わかりました。…被害者の中にはトリニティの生徒もいるかもしれませんから、他人事じゃありません」

 

「うへー、助かるー」

 

 

全員で書類を確認する。目に映る内容を理解する度に、顔を顰めていく

 

殺せんせーが、それを、見つけた

 

 

「…返済者、アビドス高等学校。788万3250円の集金を確認。…支援、カタカタヘルメット団。任務補助金500万円提供。…他にも、色々とありますが。今回の件に関係するのはこれくらいですかね」

 

 

殺せんせーは感情を抑えている。そして金銭の流れを見て、『敵』の目的を理解した

 

 

(…あとで、誰かに確認を取りましょう。…一番教えてくれそうなのは、柴関の大将ですかね)

 

「…私たちのお金で、私たちの学校を襲った奴らを支援していた…?」

 

「…ということは、カタカタヘルメット団はカイザーローンの手下…?」

 

 

セリカとアヤネが呆けている。理解が追いついていないらしい。ノノミが、机を叩く

 

 

「り、理解できません!学校が破産したら、貸し付けたお金を回収出来ないじゃないですか!どうしてこんなことを…!?」

 

「…ふむ」

 

 

ホシノは、何処か遠くを見ている

 

 

「ん…。カイザーローン単独で起こせる事じゃない。…本社なり、なんなり、もっと上の息がかかってるとしか思えない」

 

「…そう見るのが、妥当ですね。…この件、ティーパーティーにもお伝えします。カイザーコーポレーションが犯罪者や反社会的勢力との何かしらの繋がりがあることを示す証拠になりますから」

 

「ん。おねがい」

 

 

ヒフミは報告書を書き始めた。シロコはその手伝いをしている。息ピッタリな作業スピードだった

 

明かされた真実は、セリカやアヤネ、ノノミにとっては、理解出来ない事ばかり。ホシノは、何かを連想したようだが、教える気はないらしい。殺せんせーは、任せると決めていたが、先んじて、知るべきことを知りに向かおうとしていた

 

暗雲、未だ晴れず。対策委員会が進むべき道は、まだ見えていなかった

 

 

 

to be continued in 『立ち込める暗雲』

 

 

 




ヒフミのEXスキルあれ絶対使ったあと回収してると思う

ノノミはすごいデカい

ティーパーティーに何故か出入り出来るヒフミさん


今話の欲望リストです


2023/4/13/12:50予約投稿ぽちー

不忍の心とケセドやってました。あとハルカの絆ストーリー見てました。このあとの流れどうしようと悩んだ結果出力されたものがこれです

取り敢えずただでさえ盛りがちなハルカが更に盛られそうだなというのが絆ストーリー見た感想です。なんで誰にも現場を見られてないんですか…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。