キヴォトスに赴任する殺せんせー   作:名無しの毛玉

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立ち込める暗雲

 

 

 

Vo1『アビドス対策委員会』

 

 

 

翌日。便利屋68事務所

 

 

「……………」

 

 

アルは頭を抱えていた。がんばると決めたものの結局資金を得られなかったからである

 

爆弾類は普段からムツキとハルカが使う為、在庫はあったが、どうあがいても傭兵(バイト)を雇うのは無理だった。4人でアビドスと戦うしかない

 

アビドス校舎で戦うのは校舎を人質に取るようでいやなので、そこ以外のポイントにハルカが爆弾を設置して、そこに追い込むような戦いをしようと思っているが…

 

 

「…これでいけると思えないのよね」

 

「…まぁ、小鳥遊ホシノが本気で守りを固めるだけで瓦解しそうだね」

 

「殺せんせーもいるしねー。地雷の場所とかバレてたし、普通に設置した爆弾はバレそー」

 

「…地形変動くらいの役割しか出来なさそうね。…はぁー」

 

「なに暗い顔してるのー?アルちゃん。こんなことなら手付金貰っておけば良かったなー、とでも思ってるの?」

 

「…思ってないわよ。それじゃクライアントに何から何まで縛られちゃうじゃない。私たちで最初から最後まで依頼を華麗にこなして、最後に報酬を受け取る。この順番は崩しちゃいけないの」

 

「それが、法律と規律に縛られないハードボイルドなアウトロー…だっけ?社長」

 

「その通りよ!」

 

 

正解してくれて嬉しいのかアルは満面の笑みでカヨコを見ている。正面からその顔を見たカヨコは顔をそらした。頬は少し赤い

 

 

「クライアントの命令が、私たちの望まないものかもしれない。クライアントの命令が、私たちの足枷になるものかもしれない。手付金を貰ったら、そんな命令にも従わないといけないわ。それはいや」

 

「うんうん♪いやだよねー♪そっかー、いやかー。アルちゃんもゲヘナの生徒だねー」

 

「どういう意味よムツキ…」

 

 

そんな時、カヨコに連絡がかかる

 

 

「…?………なんで先生から連絡が?」

 

「アビドスで戦った時に連絡入れたのがカヨコちゃんだったからじゃなーい?」

 

「…取り敢えず出るね」

 

 

カヨコが電話に出る。ホログラムは出ない

 

「もしもし」「…みんなもいるけど。要件は?」「…そうだね。依頼はもう受けてるから、追加でってのは難しいかな」「…今日?何も食べてないけど」「…また?…まぁ美味しかったからいいけど」「…うん、わかった。それじゃ」

 

カヨコが電話を切る

 

 

「…ど、どうだった?」

 

「…ラーメン食べに行こうってさ」

 

「…え?」

 

 

食べに行くことになった

 

 

 

 

 

一方その頃アビドス校舎

 

 

「あ、ホシノ先輩。おはようございます」

 

「おはよー、アヤネちゃん。ノノミちゃんじゃなくてアヤネちゃんが掃除してるの?」

 

「えっと、ノノミ先輩は今シロコ先輩の練習に付き合ってて」

 

「へー、どんな?」

 

「猫騙し…でいいんですかね、あれって。こう、手と手を合わせて」

 

 

パチンッ。と、どこか間の抜けた音が響いた

 

 

「こう…。なんか音が違いますけど。練習してますね」

 

「ふぅん?銃声の方がよっぽど大きな音出そうだけどねー。カヨコちゃんの奴とか」

 

「あれは…怖かったですね…。胸がキュッと痛むというか…」

 

「セリカちゃんとかすごい怖がってたもんねー。そういえばセリカちゃんは?」

 

「セリカちゃんは勉強中ですね。柴関には午後からだそうです」

 

「うーん。みんながんばってるねー。おじさんも鼻が高いよ。そんな中で私はそろそろドロンかな」

 

「え?どこかに用事でも?」

 

「みんながどうしてるか気になっただけで今日はオフなんでねー。先生も柴関でゆっくり大将と談笑するって言ってたし、おじさんもどこかでゆっくりサボってるよー。なんかあったら連絡よろしくー」

 

「あ、はい。わかりました。…またお昼寝ですかね」

 

 

ホシノが歩いていく。最初はゆっくり。途中からは走って。迷いなく、ある場所に向かう

 

 

「………」

 

 

無人ビル。管理されていない筈の建物のエレベーターは稼働している。上へ上へとホシノは登る

 

 

「………」

 

 

辿り着いた先に、(それ)はいた

 

 

「お待ちしておりました。暁のホル………いえ、失礼。小鳥遊ホシノさん。未だにキヴォトスには不慣れで。こちらへどうぞ」

 

「…今度は何の用。…黒服」

 

 

 

 

 

少し時間は戻り。柴関ラーメン

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

便利屋はラーメンを食べ終えていた

 

 

「それでどんぐりでつけ麺を…あ、食べ終わりました?」

 

 

便利屋が食べている間、殺せんせーは大将と談笑していた。会計は既に済ませている。もう柴関ラーメン代という経費で落ちないか、殺せんせーは考えていた。流石に却下された

 

 

「ええ。ありがとう先生。この借りはいつか返すわ」

 

「ありがとねー先生。昨日から何も食べてなかったから、もう大満足!」

 

「…他の味も食べられてよかったよ。ありがとね、先生」

 

「あ、ありがとうございます…先生…」

 

「ヌルフフフ…どういたしまして。まぁ作ってくれているのは大将なのですが」

 

「なに、払うもん払ってくれてるからな。礼はいらんさ。それに、先生には色々と面白い話を聞かせて貰ってるしな。寧ろ、こっちが貰いすぎな位だ」

 

「…それで?先生。私たちを呼んだ理由は、なんなのかしら」

 

 

アルは格好つけている。ピリッとした空気がする。その空気に殺せんせーも乗りながら本題を話す

 

 

「便利屋のみなさんにはここで、先生と大将の話を聞いていただこうかと」

 

「…?それだけ?」

 

「それだけですね。後の事はみなさんにお任せします」

 

「…それくらいなら、まぁ、別に」

 

「ヌルフフフ…では。大将」

 

「なんだ?」

 

「このお店の…正確にはこのお店のある土地の所有者はどなたでしょう?」

 

「………!?」

 

 

思ったよりヤバい話を聞かされそうでアルはビビっていた。カヨコはなんとなく話の流れが分かって、目を閉じて聞いている。ムツキは面白くなりそう、と思ってニコニコと聞いている。ハルカはよくわかっていない

 

 

「…アビドスの子から?」

 

「いいえ。あの子たちは恐らく何も知りません」

 

「…そうか。だろうな。セリカちゃんの様子は見てたが、知ってたらあんな笑顔で働けるような子じゃない事はよくわかった」

 

「…生徒がバイトすることを禁じていたのはやはり…?」

 

「おう。アビドスの生徒会が、俺たちの土地を勝手に売ったのになんで金をやらにゃならんっていう、私怨も、ちょっとな。…流石にかわいそう過ぎてセリカちゃんは雇ったが。店に来る度ボロボロでよ、あんながんばってる子が報われないのは…なぁ?」

 

「…ちゃんと生徒(こども)を見てくれる大人がいてくれてよかったと思ってますよ」

 

「よせやい。…で、質問の答えだが。似たような名前が多すぎてな、うろ覚えになっちまうんだが。カイザー、とかいう企業だよ。所有者は」

 

「…やはりそうですか」

 

「…なんかやばいとこかい?」

 

「ブラックマーケットとの繋がりは、ありますね」

 

「…そうかい。…んじゃ、もう暫くがんばらねぇとなぁ」

 

「なにかありましたか?」

 

「退去通知が来てんだよ。だからそろそろ店を畳まなきゃいけなかったんだが…。…アビドスの子たちは戦ってんだろ?」

 

「そうですね。まだ諦めるつもりはありません」

 

「だったらがんばらねぇとな。子供ががんばってんだ。大人(おれら)ががんばらねぇでどうするってな」

 

「…お互いがんばりましょう、大将。それに私、まだこの店のメニュー、コンプリート出来てないので」

 

「そりゃますます畳んでられねぇなぁ?」

 

 

大人がふたり、笑い合っている。付き合いはそんなに長くないが、そこには友情のような関係性があった

 

 

「さて、便利屋のみなさん」

 

「な、なにかしら!?」

 

 

「なんか…カッコイイ…」と呆けて見ていたアルの声は上擦っている

 

 

「先生からのおねがいはひとつ。どうしたいか、を教えてください」

 

「…どうしたいか?」

 

「ええ。先生は今回、便利屋に依頼した方がどんな人なのかを知りません。なので安易に裏切ってくださいとは言えません。かといって報酬は払うので寝返ってくださいとも言えません。それはきっと、陸八魔さんが夢見るアウトローじゃありませんから。なので、先生に出来る事は、どちらでならより良い仕事を出来ると思わせられるかになります。ヌルフフフ…便利屋のみなさんはここに来た時点で、先生の罠にハマったのです…」

 

「…あぁ、便利屋の嬢ちゃんたちが来る前に言ってたのはそういう。…いいか、嬢ちゃんたち。これは俺からの依頼だ。先生でも、アビドスの子たちからでもなく、俺からのな。…アビドスの子たちを助けてくれ。…頼む」

 

 

大将が頭を下げる

 

 

「…………」

 

 

(どうしたい。どうしたいか。…今回のクライアントは…カイザーコーポレーションの理事っていう超大物。仕事を放り出したらどんな不利益があるか分からない。失敗出来ない仕事。…今提案されているのは、それを放り出してでも、大将の依頼を受けてくれ、っていうおねがい。…どう考えてもクライアントの依頼をこなしたほうが無難。確かにホシノたちは強いけど、ヒナ程絶望的な戦力差じゃない。わざわざクライアントに歯向かう理由もない。…どうしたい、かぁ)

 

 

アルはムツキの、カヨコの、ハルカの目を見る

 

 

「…ふふふ」

 

 

答えは決まっていた

 

 

「…大将」

 

「なんだい?」

 

「報酬は?」

 

「…何がいい?」

 

「ふふ…ラーメンで充分よ」

 

 

コートをバサリと翻し、アルが堂々と宣言する

 

 

「その依頼、便利屋68が引き受けるわ」

 

 

一瞬、静寂に包まれ。ムツキとハルカの歓声が、柴関に響いた

 

 

「キャー!アルちゃんそれやっばーい!んふふ♪惚れ直しちゃいそう♪」

 

「さ、流石です!アル様!」

 

「…はぁ…それじゃ、前のクライアントの依頼はキャンセル?」

 

「そうなるわね!」

 

「いやー、良かった。割と賭けだったので先生実は滅茶苦茶焦ってました。あ、伊草さん。こちらお返しします」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

 

ハルカの手にドッサァ…と爆弾が手渡される。全て解除済みだった

 

 

「…どのみち勝てそうになかったね。これ」

 

「…に、逃げた訳じゃないわよ?」

 

「…まぁ、それはわかってる」

 

 

殺せんせーはハルカを撫でている

 

 

「爆弾の設置箇所はどれも建物を簡単に倒壊させられる的確な位置に置かれていました。アレは計算の上ですか?それともなんとなくで?」

 

「へっ、えっと、その。き、綺麗に更地になるのはここだろうな…とは思って置いてます…」

 

「なるほど。伊草さんは空間把握能力が高いようだ。爆弾の火薬の配合も自分で?」

 

「そ、そうですね。そ、そちらの方が安いので…。配合によって柱が1本倒れるか2本倒れるかも変わりますし…」

 

「爆弾そのものの取り扱いも出来る、と。ヌルフフフ…いいですねぇ。ちなみにですが伊草さん。こちらの配合でこの爆弾固有の匂いが抑えられるので今度試してみてください。お値段も安いですよ」

 

「ほ、本当ですか…!?試してみます…!」

 

 

殺せんせーとハルカの仲は急激に良くなっていた。アルの敵ではない、という事実がかなり刺さったらしい

 

 

「取り敢えず、先生」

 

「はい?何でしょう」

 

「私たち、今回の件で共同で事にあたる仕事仲間…ってことでいいのよね」

 

「まぁ、そうですね。今回はアビドスのみなさんを手伝う事が先生のお仕事ですから」

 

「じゃあ、陸八魔じゃなくて、アルでいいわよ。その方が仲間っぽくてカッコいいじゃない」

 

「ヌルフフフ…ではアルさんと」

 

「ふふん♪やっぱりいいわね。それじゃあ、このあとの仕事の内容をつめて…ん?」

 

 

アルと殺せんせーがその音に気付く

 

 

「…大将!カウンターの下に隠れてください!」

 

「んっ!?お、おう!」

 

 

数秒後。Flak41改の砲撃が、柴関ラーメンに着弾。ハルカの持つ爆弾も、解除されていたが再利用出来るよう爆薬はそのままだったので起爆…

 

ドドドドドーーーーーン!!!

 

柴関ラーメンは吹き飛んだ

 

 

 

 

 

外では30名の傭兵(バイト)が屯していた

 

 

「これでいいんだよねー?」「クライアントからの依頼はこれで合ってるはずー」「立ち退きに応じない住人を追い出す、土地だけあればいいから建物はどう扱ってもいい。むしろ消し飛ばせ」「それで戦車まで貸し出してくれんの太っ腹だよねー。お金もいっぱい貰えたし」「毎回これくらい楽な仕事だといいんだけどねー」「このあと何食べるー?」「うどんかなー」

 

 

特に罪悪感の類はなかった。キヴォトス人ならあれくらいで死にはしないし。立ち退きに応じない厄介な住人だと説明されていたし。客もいないだろう開店前に来たし

 

だから、間が悪かったのだ

 

 

「………ふふふ」

 

「………あっはは♪」

 

「…ハルカ」

 

「はい」

 

 

便利屋68。全員がキレていた。爆発に巻き込まれた殺せんせーはといえば

 

 

「…死ぬかと思いました。ありがとうございますアロナさん」

 

『先生の事はアロナが守ります!…でもちょっとすごかったので暫く休ませてください…』

 

「お疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね」

 

 

無事だった。少し服が煤で汚れているが、被害としてはその程度である

 

 

「…先生、無事で良かった。依頼人は無事?」

 

「えぇ。意識は無いようですが軽傷です」

 

「そう…なら、見てなさい。…便利屋の強さをね」

 

 

アルが引き金を引く。弾丸は真っ直ぐFlak41改の砲塔に向かい…一撃で、Flak41改はスクラップになった

 

 

「…ねぇ、クライアントから借りた備品ぶっ壊れたんだけど」「やばくない?」「というかあれ前の雇い主じゃない?」「え?店内にいたの?」「ブチギレてない?」「…逃げていい?」「いやー私ら足は遅いし…」「詰んだか」

 

 

「覚悟しなさい!」

 

 

傭兵(バイト)vs便利屋がはじまる…。といっても火力になる備品は全て壊されていたので傭兵(バイト)はどんどん倒されていく。というより面倒になって倒れ込んで降伏している。決着は直ぐにつきそうだった

 

 

 

 

 

少し経ち。アビドスで柴関ラーメンが吹き飛んだ事をアヤネのドローンからの報告で知ったホシノ以外の対策委員会は、殺せんせーと大将の無事を祈りながら現場に急行していた

 

最悪の可能性も考えて悲壮な覚悟をしていた面々を待ち受けていたのは

 

 

「あなたにはこのネイルが似合いそうですね」

 

「わぁ…!綺麗…!ありがとー殺せんせー!」

 

 

傭兵(バイト)たちに「確認もなしに砲弾を撃ち込まない!」等の当たり前の説教をして、その後の時間で『バイトで荒れた手でも出来る簡単ネイル講座』を開いている殺せんせーの姿があった。便利屋も普通に楽しそうに聞いている

 

 

「…どういう状況よ…これ…」

 

「おや、みなさん。最初に言っておきますが、大将は無事ですよ。病院に搬送済みです」

 

「大将…!ならよかった…けど…店は?」

 

「吹き飛びましたね」

 

「…よく無事だったわね、先生」

 

「まぁ殺せないから殺せんせーと呼ばれてましたしね。…今回はアロナさんいないとヤバかったですけど」

 

「ん。なにはともあれ無事で良かった」

 

「状況としましては…そうですね。何から話したものか」

 

「まずは私たちからじゃないかしら!?」

 

 

と、髪をファサッとさせて格好良いポーズをとっているアルが話に入ってきた

 

 

「先生と大将に頼まれてね…。私たち便利屋68も、アビドスの問題解決を手伝う事にしたわ!」

 

「えっ…いらない…」

 

「ちょっ!?セリカ!?なんでよ!折角手伝うって言ってるのに!?」

 

「いやまぁあんたたちが強いのは知ってるけどさ…。いらない問題生み出しそうで…」

 

「信頼ないわね!?」

 

 

アルとセリカが騒がしく話している。横ではムツキがアヤネに話しかけている

 

 

「そういうわけだからメガネっ娘ちゃん!これからよろしくねー?」

 

「だからメガネっ娘ちゃんじゃありません…。もう、手伝ってくれるのは嬉しいですけど、どうしてこう…」

 

「むふふ…ところでー、アヤネちゃん?」

 

「はい…?」

 

「アヤネちゃんは覆面水着団だと何番なのー?」

 

「へえっ!?えっと、それは!?」

 

 

アヤネがムツキにからかわれ続けている

 

場はとても和やかな雰囲気だった

 

 

 

 

 

場は少し離れて。アビドス自治区に踏み入る者たちがいた

 

 

「…なんでこんなとこまで来なきゃいけないんだ…」

 

 

銀髪のツインテール、尖った耳、悪魔のような尻尾に、褐色肌、Kar98Kを持つゲヘナの生徒。腕章には風紀の文字。砂が靴に入って小さな苛立ちを覚えながら出た声だった

 

 

「そう言わないでください、イオリ。行政官からの指示です。従わないとめんど…いえ、上官の命令には従わないと」

 

 

横には同じく風紀の腕章、チナツが立っていた

 

 

「…チナツも結構言うようになったな…」

 

「…イオリに対するアコ行政官の振る舞いを見ていると、そうもなるというか…」

 

「…うん、まぁ、アコちゃんが急に仕事振ってくるのはいつものことだし…。…ちゃっちゃと終わらせて帰る」

 

「そうですね。…ターゲットは便利屋68。よく見る名前ですね」

 

「派手にやらかすからな、あいつら。美食だの温泉だのより規模は大きくないけど。…あいつら逃げ足速いんだよな。だから不意打ちで速攻で終わらせないと長引くんだ」

 

「…だからこんなに擲弾兵を?」

 

「あぁ。頑丈なやつがひとりいるからな。これぐらい叩き込まないと倒れない」

 

「…なんか、慣れを感じますね」

 

「…実際慣れるくらい騒ぎ起こしてるから、あいつら」

 

「…おつかれさまです」

 

「労いはいいから…見つかった?」

 

「ちょっと待ってくださいね。………はい。報告来ました。傭兵(バイト)と一緒になって、なにかやってるようです」

 

「うわ…めんどくさ…。まぁ、便利屋だけ吹き飛ばせばいいか。…総員!包囲網を形成する!細かい指示はいつも通りチナツに!擲弾兵は便利屋がいる座標に向かって攻撃準備!歩兵部隊は私に続け!行くぞ!」

 

「…いつも通り、判断がはやいですね…」

 

(他学園の自治区で戦闘する事は、本来良くない事なのですが…。条約が近いが故に、とっとと不穏分子を潰しておきたい…とかですかね。あまり騒ぎが大きくならないうちに撤収出来るといいんですけど)

 

 

そう考えているチナツに、部下から報告が入る

 

 

「…えっと。便利屋、傭兵(バイト)、アビドスの生徒、先生。………先生?先生ですか!?」

 

 

報告してきた部下は、シャーレまでの護衛任務の時にもいた生徒なので殺せんせーを知っていた

 

現場に殺せんせーがいることを知ったチナツ。近くにいる便利屋に、今いる自治区の生徒。争うことなく共にいる状態。連れてきた風紀委員の戦力。おそらく足りない

 

 

「…これ、終わったかもしれませんね」

 

 

チナツは始末書を覚悟していた

 

 

 

to be continued in 『ゲヘナ風紀委員会』

 

 

 




アルちゃん大好き倶楽部な便利屋68

ブルアカ屈指の良い大人、柴関の大将


今話の欲望リストです

2023/4/15/17:40予約投稿ぽちー

読んでた当時からハルカが柴関吹き飛ばすのに流石に「うーん!ちょっとそれはなー!」ってなってたのでこういう展開にしました。結果アロナバリアがVo1で仕事をすることになる

渚並のステルス+竹林並の爆弾知識+超耐久とかいうモリモリハイスペックなハルカ。足りないのは本人が対等と思える友達(ハルカ側が自分を下げるのも合わさってめっちゃ難易度高い)
その枠を雑草が占めてるとこはある(ハルカの雑草愛すごいからな…。慈愛だよあれ…)

ヒナ委員長の夏休みを見れてないのでイオリとチナツがどういう距離感の絡みするのかわからん…!ってなったのが難産の主な原因です
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