キヴォトスに赴任する殺せんせー 作:名無しの毛玉
Vo1『アビドス対策委員会』
「それでは、アビドス定例会議を始めます」
アヤネの号令で、会議は始まった
ホシノは椅子の上に胡座をかいて鯨のぬいぐるみを抱きしめ、ノノミは立ってセリカの後ろから頭を撫で、セリカは最初は抵抗していたが諦めて頬杖をついて座り、シロコは鞄の中のナニカを弄りながら席につき、殺せんせーはどこから持ってきたのか部屋の隅にロッキングチェアを設置して座り、ココアを飲みながら対策委員会の面々を眺めている
いつも通り自由な対策委員会にアヤネは「まぁ、はい。いつも通りですね…」と小さく溜息を吐き、続ける
「本日は殺せんせーもいるので…真面目にやりたいんですけど…」
「はーい☆」
「もちろん」
「まかせなってー」
「別に普段から真面目なんだけど?」
「先生初参加なので、まず雰囲気掴む所からはじめさせてもらいますね」
「もう…。はい、早速議題に入ります。本日は私たちにとって非常に重大な議題。『学校の負債をどう返済するか』について、具体的な方法を議論します。ご意見のある方は挙手をお願いします!」
「はい!はい!」
勢いよくセリカが挙手をする。ついでに立ち上がってノノミの手から逃れる。ノノミは寂しそうだ
「はい、1年の黒見さん。お願いします」
「…あのさ、アヤネちゃん。まず名字呼びやめない?せっかく昨日は殺せんせーにも名前で呼んでって言ったわけだし」
「セリカちゃん…その、名字呼びの方が会議っぽくて良いかなって…」
アヤネは自分の人差し指と人差し指をツン、ツン、と合わせながら、恥ずかしそうに笑っている。その姿を見てセリカも「それなら、まぁ…仕方ないか…」と矛を収めた
「いいじゃーん。偶にはおカターイ感じでー。じゃあ会議中は名字呼びでー」
「ん。先生がホシ…小鳥遊先輩とノノ…十六夜…さん、を名字呼びしてるところも見たい」
「わー♪シロコちゃん…じゃないですね!砂狼さんも可愛いです♪」
「…先輩たち順応はやいわね…ともかく!」
セリカが仕切り直す。壊さない程度に机をバンッと叩く
「対策委員会の会計担当としては、現在の我が校の財政状況は破産寸前としか言えないわ!このままじゃ廃校、ここまではいいわよね?」
「まあねー」
「毎月の返済額は利息だけで788万円!がんばって稼いでるけど、正直、この利息の返済すら間に合うか怪しい。これまで通り、指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ。このままじゃ埒が明かない。こう、ドカンと一発デカいことをかまさないと!」
「例えば?」
「これ!街で配ってたチラシ!」
セリカが大きく手を上げて、チラシを全員に見せる。そこには『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金!』と大きく書かれていた
セリカ以外の対策委員会の面々と殺せんせーは同じタイミングで「あー…」と声に出していた。どうみても詐欺だった
「この間、街で声をかけられて、説明会に連れてってもらったの。運勢を上げるブレスレットなんですって!これね、身に着けるだけでも効果があるらしくって、これを3人に売れば…。…?みんなどうしたの?」
「却下ー」
ホシノは自然な手付きでセリカからチラシを奪った。抵抗させない早業だった。チラシは殺せんせーに手渡された
「え、ちょっと返して!?何で!?どうして!?」
「セリカちゃん…じゃない黒見さん…それマルチ商法だから…」
「えっ!?そうなの!?私2個買っちゃったんだけど!?」
「騙されちゃったんですねぇ黒見ちゃん。可愛いです☆」
ノノミは笑ってはいるものの、スマホで何かを見ている。恐らく近々
「まったく、黒見ちゃんは世間知らずだねー。気を付けないと、悪い大人に騙されて、人生取り返しのつかないことになっちゃうかもよー?」
ホシノも笑っているものの、視線は殺せんせーに向かっている。昨日のように頼む気満々だった。殺せんせーに頼み続けるのは怖いが、使えるものは使う。普段の飄々とした態度に反して、ホシノは常に全力だった
「取り敢えず、黒見さんは騙されないための国語と数学の勉強をしましょう。先生、バイトする生徒に合わせた勉強法は、いくつか持ってます。その中から黒見さんに合う勉強法を探していきましょう。新しく作るのも良いですねぇ、ヌルフフフ…」
殺せんせーも笑っているが、既にアロナに頼んでおおよその居場所を把握していた。ホシノ達が出る事もなく、今夜中にでも、死神が全ての手入れを終わらせるかもしれなかった
「そ、そんなぁ…折角お昼抜いて買ったのに…」
「ん…元気出して。今度お昼奢る」
シロコはセリカの頭を撫でていた。「…撫で心地がいい」とシロコは気付いた。暫くその手が離れることはなかった
「えっと…それでは黒見さんの意見はこの辺りで…。他にご意見のある方は?」
「はい!はい!」
「えっと、はい。3年の小鳥遊委員長。ちょっと嫌な予感がしますが」
「うむうむ、えっへん!」
ホシノは椅子の上に立った。椅子を汚さないよう靴は脱いでいた
「我が校の一番の問題は、全校生徒がここにいる5人だけってことなんだよ。生徒の数イコール学校の力。トリニティやゲヘナみたいな超マンモス校ぐらい、桁違いな生徒数なら、毎月のお金だけでも結構な金額になるはずー」
「えっ…そうなんですか?」
「そうなんだよー。だからまずは生徒数から増やさないとねー。まずはそこからかなー。そうすれば、連邦生徒会に議員を捻出する余裕も出来て、連邦生徒会での発言権も手に入るし」
「鋭いご指摘ですけど、具体的にどうやって…?」
「簡単だよー。他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」
「は、はい!?」
「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするのー。うへー、これで生徒数爆増間違いなーし!」
「それ、興味深いね」
シロコの目は輝いている。ホシノは「あ、やっば。思ってたより食いついちゃった」と冷や汗を流していた。「…まぁ途中で止めよう」ともう少し巫山戯ることにした
「ターゲットはトリニティ?ゲヘナ?それともミレニアムとか百鬼夜行?狙いをどこにするかによって戦略を変える必要があるかも」
「うーん、トリニティかなぁ。お金いっぱい持ってるのはトリニティだし…。…いや、ゲヘナにしよーっと。あそこ給食が美味しく無いらしいから、柴関ラーメン食べさせてあげれば割とハンコ押してくれるかもだしー」
「うちにはまずその給食を作ってくれる給食部がないんだけど…。というか私のバイト先を食堂扱いしてない?ねぇ」
「というか、ちょっと待ってください!そんな方法で転校とかありなんですか!?それに、他校の風紀委員が黙ってませんよ!?」
「うへー、やっぱそうだよねー?」
「やっぱそうだよねー、じゃありませんよ小鳥遊委員長…。もっと真面目に会議しましょうよ…」
ホシノは椅子から降りて、靴を履き直し、シロコの方を見ながら座った。「きっと大真面目にとんでもないこと言うなー」と分かっていたから
実際堂々とした挙手をしながらシロコが立ち上がる
「私にいい考えがある」
「…はい、2年の砂狼さん」
「銀行を襲うの」
「…はい!?」
「確実かつ簡単で短時間で行える。ターゲットは選定済み。市街地の第一中央銀行。金庫の位置、警備員の導線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握済み」
「さっきから鞄の中身ゴソゴソしてるなぁ、と思ってたらそれ見てたんですか!?」
「ん。5分で1億は稼げる。覆面も用意した」
シロコは覆面を机に広げる。なんなら自分は2と書かれた青の覆面を既に装着していた。獣耳を出す穴までちゃんと開けた専用装備だった
「うわー、これシロコちゃんの手作り?」
ホシノが1と書かれたピンクの覆面を手にしながら笑っている。ご丁寧にホシノのアホ毛が出せる穴が開けられている
「わぁ!見て下さい!レスラーみたいじゃないですか!?」
ノノミが3と書かれた緑の覆面を着けて大興奮していた。サイドから丸めた髪を出す穴が開けられていた
「…形でなんとなく私のだって分かるけどなんで穴開けられてないのよ」
セリカの獣耳に合わせて他の覆面よりも先の尖った膨らみがある、4と書かれた赤の覆面を手に、セリカが不貞腐れている
「…私のもあるんですね」
アヤネが0と書かれた黄色の覆面を手にする。アヤネの尖った耳を出す穴が開かれていた
「…先生の分は無いんですね」
「ん…ごめん。準備が間に合わなかった。フリーランニングの時ので我慢して」
「仕方ないですねぇ」
殺せんせーが完全に球状で蛍光色な黄色の覆面を装着した。ニヤケ面の例の顔が描かれている
それを見てホシノが朗らかに笑っている。割と素で「かわいいなーそれ」と思っていた
「いやー、いいねぇ。人生一発決めないとー。ねー黒見ちゃん」
「んなわけないでしょ!却下!却下ー!」
「そ、そうです!犯罪はいけません!」
「そうですねぇ。犯罪はダメです」
「………」
シロコは覆面を外した。その頬は膨らんでいる
「そんなふくれっ面してもダメです!…はぁ、もうちょっとまともな案はないんですか…」
「あのー!はい!次は私が!」
「はい…2年の十六夜さん。犯罪と詐欺は抜きでお願いします」
「今度の案はクリーンで確実ですよー!ずばり!アイドルです!スクールアイドル!」
「却下」
食い気味の却下を口にしたのはホシノだった。腕までバツにして全力で拒否していた
「なんでー?ホシノ先輩…じゃないや。小鳥遊委員長なら特定のマニアに大受けしそうなのにー」
そう言ったのは今までの仕返しにホシノを弄る事にしたセリカであった。すごい快活な笑顔を浮かべている
「こんな貧相な体が好きとか言っちゃう輩なんて人間としてダメっしょー。ないわー、ないない」
「決めポーズも考えてたのに…」
部屋のホワイトボードの前でノノミがポーズをとる
「水着少女団のクリスティーナでーす♪」
「ダッサ!」
「えー…黒見ちゃんひどい…。徹夜で考えたのに…」
「あのー…全然議題が進まないんですけど…結論を…」
「じゃあ先生ー。この中だったらどれがいいー?」
「アイドルでお願いします」
「即答するんですか!?」
「やってみたかったんですよね、プロデュース」
いつの間にか全員分の団扇を用意していた殺せんせーがオタ芸をしている。キレッキレだった
「わーい!採用されました!」
「えー?やるのー?まぁ先生がそういうなら仕方ないかー」
「ん。決まったのなら仕方ない。ライブ会場を探す」
「小鳥遊さんのも、十六夜さんのも、砂狼さんのも、黒見さんのも、奥空さんのも!全員分の衣装!先生作りますからね!」
「わぁ、思ったより先生やる気満々だ。…え、ホントに作るの?ねぇ」
「殺せんせー!クローバーがついた服、リクエストしちゃっていいですか?」
「ん。楽しみにしてる。私も先生の覆面、作っておくね」
「えっ!?本当にやるの!?これでいくの!?」
「ん。行動は迅速に。早ければ早いほど良い。でしょ?アヤ…奥空…さん」
「…い」
アヤネぷるぷる震えている。対策委員会は「あっ…」といつものやつだと思ったし、殺せんせーもなんとなく先の展開を察した
「いいわけないじゃないですかぁ!!」
アヤネが机をひっくり返した
「出たー!アヤネちゃんのちゃぶ台返しだー!」
「美しい机の回転…これは高得点間違いなしでしょう」
いつの間にかホシノと殺せんせーが実況と解説の構えをとっていた
「みんな…!みんな…!ふざけてばっかり!もう少し真面目にやってください!」
このあとめちゃくちゃ説教された
「いやー、悪かったってば。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ね?」
「怒ってません…」
口いっぱいに麺を啜ってアヤネはモゴモゴ言っている
「はい、お口拭きましょうねー♪」
「赤ちゃんじゃありませんからっ」
「…なんでもいいんだけどさ。なんでまた
「アヤネ、チャーシューもある」
「先生からは煮卵あげます」
「ふぁい…」
「答えてくれないのね…」
ガララッと店に誰かが入ってくる。帽子を被り、オドオドと辺りを見渡すその生徒は、ショットガンを装備していた
「あ、いらっしゃいませー!何名様ですか?」
「あ…その…。こ、ここで一番安いメニューっておいくらですか?」
「…?一番安いのはー…580円の柴関ラーメンですね!特製の方も美味しいですけど、こっちも看板メニューです!美味しいですよ!」
「580円…!あ、ありがとうございます!4名です!少し、お、お待ちを!」
ガララッとその客は外に出ていく。少し間を置いて、ガララッと扉が開き、4人の生徒が入ってきた
「やっと見つかったー!600円以下のメニュー!」
「疲れたー!」と、自身の体躯程ある鞄を片手に笑うマシンガンを持つ生徒
「ふふふ、ほら見なさい。何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」
と傍目から見ると余裕の笑みを浮かべるスナイパーライフルを持つ生徒
「そ、そうでしたか。流石社長…。なんでもご存知ですね…」
と憧れの目をしているショットガンを持つ生徒。鞄には首吊りウサギのアクセサリーが付いている
「はぁ…」
呆れと諦めの混ざった溜息を吐く、白と黒にはっきりと別れた髪をしている生徒。よく見ればホルダーにハンドガンが見える
セリカが声をかける
「4名様ですよね?席にご案内しますね」
「んーん。どうせ1杯しか頼まないから大丈夫」
「1杯だけ?でも…どうせならごゆっくり、お席にどうぞ。今は暇な時間帯なので、席も空いてますし」
「おー、親切な店員さん!ありがと、ついでにもうひとつ。箸は4膳でよろしくねー。優しいバイトちゃん」
「え?1杯なのに4膳?…1杯を4人で食べるつもり?」
それを聞いてショットガンの生徒が震えだす
「すみませんすみませんお金がなくてすみません貧乏ですみませんお金がないのは首がないも同じです生きる資格なんてないんです虫けらにも劣る存在なんです虫けら以下ですみませんやはりそんな虫けらは消し飛ばさないと…!」
ショットガンの生徒が鞄から何かを取り出そうとしているのをハンドガンの生徒が手で制した
「ハルカ、やめな。声がデカいし周りに迷惑」
「は、はい…すみません…」
「謝らなくていいわ!」
「!?」
セリカがショットガンの生徒の肩に手を置く
「お金が無いのは罪じゃないから!胸張って!」
「へっ!?あっ、はい!?」
「お金は天下のまわりものってね。そもそもまだ学生なんだし!それでも小銭集めてこうして来てくれたんでしょ?そういうのが大事なんだよ!」
「あっ、うぅ、はい…?」
「待っててね!直ぐに持ってくるから!大将ー!」
セリカが厨房へ走っていく。ショットガンの生徒はまだ困惑していた
「…なんか、妙な誤解をされてる気がする。…はぁ」
ハンドガンの生徒がまた溜息を吐いている
「まあ、うち普段から貧乏って訳じゃないんだけどねー。アルちゃんが金遣い荒いんだからー」
「アルちゃんじゃなくて社長でしょう?ムツキ室長。肩書きはちゃんと付けてよ」
「だってもう仕事終わりじゃん?ところでー、社長なのに社員にラーメンを1杯分しか奢れないのってどうなの?」
「うぐっ」
「まぁ、今回の
「カヨコまでっ…」
「ぶっちゃけ夕飯代忘れてたんでしょ、アルちゃん?1杯分残ってたのも偶々でしょ?」
「…ふふふ」
傍目から見ると余裕の笑みを浮かべるスナイパーライフルの生徒。よく見ると肩が震えている
「…はぁ。まぁ、一番火力を出せる社長に敵が接近するリスクを減らす為に、耐久力があって前衛が出来る
「それは…」
「多分アルちゃんもわかってないと思うよ?だからビビってたくさん雇ったんだろうしー♪」
「だ、誰がビビってるって!?全部私の想定内!失敗は許されない、あらゆるリソースを総動員して仕事に臨む。それが便利屋68のモットーよ!」
「社長、声のボリューム落として。あと、初耳だね、そんなモットー」
「今思いついたに決まってるよ♪」
「うるさい!…もうちょっと落とした方がいいかしら」
ハンドガンの生徒は「そのぐらいなら、まぁ…いいんじゃない?」と頷いている
「今回の依頼が終わったら!その報酬で社員全員ですき焼きを食べるわよ!だから気合入れなさい!みんな!」
「す、すき焼き!…とは、一体なんですか?」
ショットガンの生徒は首を傾げている
「大人な食べ物だよ、すごく高価な。お肉がいっぱい入ってる」
ハンドガンの生徒が補足する
「うわぁ…私なんかが食べていいのでしょうか…。食べた後は腹を斬って取り出せば…?」
「そんなことしなくていいから!?ハルカだってうちの大切な社員なんだから。それぐらいの贅沢は当然よ」
「へー。やる気満々じゃん、アルちゃん」
「アルちゃんじゃなくて!しゃ!ちょ!う!」
そんな中、セリカがラーメンを運んできた
「おまたせしましたー。580円の柴関ラーメン並いっちょー!熱いうちにどうぞー」
ドンッ、と音を立てて机に置かれたどんぶりには、ゆうに10人前はある麺と具材が乗っていた
「こ、これは…」
ショットガンの生徒は涎を垂らしている
「ひえっ。…何これぇ!?超特大盛じゃん!」
マシンガンの生徒は最初は驚いていたが段々目が輝いてくる
「…これ、注文あってる?こんな量を支払えるお金、出せないんだけど」
ハンドガンの生徒が冷静にセリカに問いかける
「注文通りですよ!580円の柴関ラーメン並!うちで一番安いメニューです。ですよね!大将!」
「あぁ、悪いなお客さん。手元が狂っちまって盛りすぎたんだ。食い切らなくても大丈夫だから気にせず食べてくれ。セリカちゃん、ついでだ。取皿も頼むわ」
「あ、はーい!大将もこう言ってるんで、気にしないでください!それじゃ、ごゆっくりどうぞー」
4人分の取皿を置いて、セリカは仕事に戻っていった
「…よくわかんないけどラッキー!いただきまーす!」
「…まぁ、ありがたく受け取っておこうか。いただきます」
「い、いいんですよね?アル様」
「ふふふ…えぇ。流石に想定外だったけど、厚意に甘えて、ありがたく頂かないとね。いただきます」
「で、では!いただきます!」
一斉に口にする。皆で顔を合わせる。「美味しい…!」と全員が思っていた
「お、おいしい!美味しいですアル様!」
「えぇ、本当に。…眼鏡かけてなくてよかったわ。曇ること気にせず食べられるもの」
「…これ、また食べに来てもいいかもね。他のメニューも気になってきた」
「ほんとほんとー!まさかこんな辺鄙な場所でこんなクオリティの高いラーメンに会えるなんて!」
「ふふふ…でしょう?でしょう?美味しいでしょう?」
ノノミがスッと横から入ってきた
「わっ、あれ?隣の席の?」
「ここのラーメンは本当に最高なんです。わざわざ遠くから来るお客さんもいるんですよ」
「でしょうね。私も色んな所で色んなものを口にしてきたけど、このレベルのラーメンは中々ないわ」
「えへへ…私たち、ここの常連なんです。他の学校のみなさんに食べていただけるの、なんか嬉しくて…」
「その制服、ゲヘナ?遠くから来たんだね」
「こういうのなんて言うんだっけ。一杯のかけ蕎麦だっけ?これラーメンだけど」
アヤネもシロコもホシノも入ってきた。殺せんせーは一人会計を済ませている。折角だからと自分も高めのラーメンとトッピングを注文していたので、金額を見てまた泣いている
ハンドガンの生徒はジッと、対策委員会の制服を見ている
「…ムツキ」
「ん?どうしたの?そんな小声で」
「連中の制服、アビドスだ」
「ありゃ、ホントだ」
スナイパーライフルの生徒と対策委員会の話は盛り上がっている
「…アルちゃんは気付いてなさそうだね」
「…言う?」
「…面白いから放っておこ♪」
「…はぁ」
『アルちゃん』と対策委員会の話は大盛り上がりしている。殺せんせーは話の腰を折らないように、静かに、女子高生の姦しを黄昏れた目で眺めていた
「それじゃ!気を付けてね!」
「お仕事がんばってください!」
「あはは!了解!あなたたちも学校の復興がんばってね!私も応援してるから!じゃあね!」
柴関ラーメン前で別れを告げる
『アルちゃん』と対策委員会は超仲良くなっていた
「ふう…いい人たちだったわね」
「………」
ハンドガンの生徒は眉間に指を当てて頭痛を堪えている
「アルちゃん、アルちゃん」
「アルちゃんじゃなくて社長でしょ、ムツキ。なに?」
「気付いた?」
「…?なにが?」
「まあアルちゃん視力低いもんねー」
「…はぁ。社長、アビドスだよ、あいつら」
「…アビドス。…って、今回の仕事のターゲットの?」
「うん」
「…なななな」
『アルちゃん』は白目を剥いている
「なっ、
一方その頃、この声が聞こえて殺せんせーは思わず振り返っていた
『ムツキ』は爆笑していたし、『カヨコ』は呆れていたし、『ハルカ』は戸惑っていたし、『アルちゃん』はうずくまった
「あはははは、その反応ウケるー」
「はぁ…。本当に全然気付いてなかったのか…」
「えっ?つまりアル様の敵って事ですよね?わ、私が始末してきましょうか!?」
「あははは、ハルカちゃん、遅い、遅い。どうせもうちょっとしたら攻撃を仕掛けるんだし、その時に暴れようね」
「嘘でしょ…?あの子たちがアビドス…?なんて運命のいたずら…うう…ううう…!」
「何してんのー?アルちゃん。仕事するよー」
「
「本当に…?私、今から…あの子たちを…?」
『アルちゃん』は頭を抱えている。『ムツキ』はうずくまる『アルちゃん』の頭を撫でている
「あはは、心優しいアルちゃんに、この状況はちょっとキツいねー」
そして耳元で囁く
「でもさー。『情け無用』『お金さえもらえればなんでもやります』がうちの、便利屋68の、アウトローのモットーでしょ?今更何を悩んでるの?」
「そ、そうだけど…。…ええそうよ、このままじゃダメ。一企業の長として、このままじゃダメなのよ!
アルは全力で格好つけて号令を出す
「行くわよ!
アビドスに脅威が迫る…?
to be Continued in 『恩知らずの血戦』
会議は進まぬ
アイドル衣装のアビドス対策委員会が見てぇなぁ。なぁ、陸八魔アル!(エイプリルフールでアイドル衣装を着た陸八魔アルさん)
危険性の高いハルカ(自爆未遂)
入学当初は眼鏡をかけてた陸八魔アル
普通に便利屋の話が聞こえてたのでこのあとどうなるか分かってる上で黄昏れる殺せんせー
クソデカUnwelcome School(白目を剥くアルちゃんのテーマ)
幼馴染がアウトローになると決めたからには、子を谷に落とす獅子のようになるムツキちゃん
今話の欲望リストです
2023/4/9/16:00。予約投稿ぽちー
これ黒見セリカの一日が長いんじゃなくて区切りのいい場所の文量がこれから先9000文字くらいなんだなって分かった(本当にVo1の8話だけの文量か…?これが…)
実際のアルちゃん視力問題がどうなのかはわかんないけど目を細めれば(アルちゃんの通常立ち絵)ある程度見えるくらいの認識。生徒手帳のピカピカ1年生眼鏡アルちゃんバチクソ可愛いのでみんな見よう。目がまんまるで垂れ目がちで可愛い
何も知らない陸八魔アル(16)vsアビドス対策委員会vsダークライ
カホ…恒常で来てくれ…(石が貯まってない)