お兄ちゃんはおしまい!in IS   作:とんこつラーメン

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この作品自体は、実はおにまいがアニメ化した時点で構想がありました。

でも、『どんな風にしようかな~』とか『専用機は何にしようかな~』って考えていたら、あっという間にアニメが終了…しくしく。

ま、あらすじにも書きましたけど、過度な期待なんてせずに気楽な感じで読んでください。






第1話 まひろと天災

「むぅ~…?」

 

 布団の中に潜り込みながら、オレは腕だけを外に出して、枕元にある筈の自分のスマホを手探りで持って来ようと試みる。

 

「……あれ?」

 

 どこだ…オレのスマホ…。

 心なしか、腕が短くなっているような気が…って、んなわけないか。

 

「…あった」

 

 えっと…今は何時かな~…っと。

 

「12時26分…まだ昼か」

 

 オレにしては随分と早起きだな…。

 なんて事を言ったら、また父さんに怒られるな。

 ま、いつもの事だけど。

 

 どうせ俺は篠ノ之家の落ちこぼれ。

 妹たちのように優れた才能が無いクズ。

 大学受験に失敗し、二人の妹たちに劣等感を抱いた結果、引き篭もりになった典型的な負け組。

 けど、これでいいのさ。これで。

 負け組なら負け組らしく、惨めなヒキニート人生をエンジョイするさ。

 

「…それはそれとして、オレってこんな声だったっけ?」

 

 なんというか…妙に声が高いような気が…。

 風邪でも引いちゃったかな?

 こんな不健康&不規則な生活をしていれば無理もないけど。

 

「あー…こんな時は水分補給…っと。気のせいか体も怠い気がするし…。テーブルの上にあるペットボトルまでが遠い…? そんなに熱があるのか…?」

 

 あ…あれ? これまた気のせいか…?

 いつもよりも視点が低いような気がしますぞ…?

 うぅ~…なんか意識し始めたら急に喉が渇いてきた…。

 

「はいどうぞ」

「あ…どーも」

 

 誰かがテーブルの上にあるペットボトルを取ってくれた。

 いやー…世の中には優しい人もいるもんだ。

 まだまだ捨てたもんじゃ…な…い…?

 

「やっほー♡ 真尋お兄ちゃん♡」

「た…束…?」

 

 にっこり笑顔で目の前に現れたのは、オレの二人いる妹の一人である『篠ノ之束』だった。

 久し振りに見るけど、全然変わってないなー…じゃなくて!

 

「お前…帰って来てたのか? いつの間に?」

「うーん…残念ながら違うんだよねー」

「違う…? どういう意味だよ」

「私が実家に帰ってきたんじゃなくて、お兄ちゃんを『こっち』に連れて来たの」

「こっち…とな?」

 

 こっちって…どっち?

 

「ここ…オレの部屋…」

「お兄ちゃんの私物全部を持って来て、忠実に部屋を再現しました」

「どうやって?」

「それは内緒♡」

 

 …この妹に真面な答えを期待したオレがバカだった。

 いや実際に馬鹿だけど。

 

「じゃあ…ここはどこだよ?」

「私が所有している自宅兼秘密研究所」

「はぁ?」

 

 秘密研究所て…いや、こいつなら余裕で作れそうだけど。

 

「それよりも、お兄ちゃん…なんかちょっと自分の身体が変だって思わない?」

「まぁ…声が変になってるし、妙な気分になってるし…」

「その理由は…これだよ。はい手鏡」

「おう…」

 

 なんか流れで手鏡を渡されてしまった。

 これが一体どうしたって言うんだ…………へ?

 

「だ………誰…?」

「いやいやいや。『今』のお兄ちゃんに決まってるじゃん」

 

 手鏡に映っていたのは、薄い桃色のような白い色のような感じの曖昧な長い髪を持つ一人の美少女。

 これが今の『オレ』…? んなアホな。

 束の事だから、別の物が映し出される鏡とか普通に作れそうだし。

 

「あ~? 信じてないな~? この鏡に映っている美少女が自分だって」

「当たり前だろーが。このヒキニート日本代表である、このオレがこんな美少女になる訳が…」

「んじゃ、これならどう?」

 

 そう言うと、束は俺の体の向きを無理矢理変えて、テレビの方へと向かせた。

 にしても、相変わらずこいつは凄い腕力だな…全く抗えなかった…。

 うぅ…兄としての威厳が…。

 

「…うそーん」

 

 電源の入っていないテレビ画面に反射して映っていたのは、さっきの鏡に映っていた美少女。

 それじゃあ…まさか、本当に…?

 

「…………」

 

 試しに表情を変えたり、手を動かしてみたりして見たら、テレビに反射している美少女も全く同じ動きをした。

 流石の束も、ここまで手の込んだ事はしない…はず…。

 

「……マジ?」

「マジでーす♡」

 

 冷静に考えれたら、束ならば性転換の薬ぐらい片手間感覚で作れても決して不思議じゃない。

 なんせ、今や世の中をを席巻しているパワードスーツ『インフィニット・ストラトス』、通称『IS』の開発者なんだから。

 

「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「いや~…昔から、お兄ちゃんが女の子になったら凄い美少女になるとは思っていたけど、まさかここまでとは…流石の私も良い意味で予想外だったよ!」

「お~ま~え~な~! 人の事を何だと思って…!」

「引きこもりのダメニート?」

「ぐはぁっ!? 自覚はあるけど、実の妹から言われると破壊力が桁違い…!」

「因みに、お兄ちゃんが寝ている間にこっそりと部屋に忍び込んで、爆睡中のお兄ちゃんの口に中に無理矢理、薬を流し込みました」

「お前はどこの黒の組織さんだ!?」

 

 ちくしょう…! 今なら子供にされた工藤新一の気持ちが分かる気がする…。

 あいつも最初はこんな気持ちと気分だったんだな…。

 

「そう言えば、実際に体はどんな風になってるのかな? ちょっと調べさせて」

「調べるって…どうやって…?」

「そんなの…決まってるじゃない♡」

 

 や…やヴぁい…!

 デフォの状態でも勝ち目がないのに…こんな状態じゃ逃げる事すらもままならない!

 じりじりとにじり寄ってくる束にオレの危険信号が全力でアラートを鳴らしている!!

 

「調査…開始ぃ~♡」

「やぁ~めぇ~れぇ~!!」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

 しばらくお待ちください

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「う~ん…思ってたよりも胸はあったね…まだまだ『ちっぱい』だけど」

「ちっぱい言うな! うぅ…もうお嫁に行けない…」

「え? お嫁に行くつもりだったの?」

「冗談だよ!!」

 

 何が悲しくて本当に男と結婚しなくちゃいけないんだよ!!

 どんなに金を積まれても絶対に断るわ!!

 

「ちくせう…まだ『未使用』だったのに…我が分身とこんな形で別れなければいけなくなるとは…」

「あ…お兄ちゃんって童貞だったんだ」

「ハッキリと言うな! ぼかして言った意味が無いだろうが!!」

 

 この作品は健全な全年齢向けの二次創作作品です!!

 

「んもう…それならそうと早く言ってくれればよかったのにぃ…」

「何を…?」

「お兄ちゃんがその気なら、い・つ・で・も…私の身体で童貞卒業させてあげたのになぁ~…♡」

「いや…妹に対して本気で欲情するようになったら、色んな意味で終わりでしょ」

「なんでそこだけ冷静になるのッ!?」

 

 イヤなんでって言われても…流石に最後の一線だけは超えちゃダメでしょ。

 現実とフィクションは違うんだから。

 

「にしても、お兄ちゃん…下の方も『ツルツル』だったね? カワイイ♡」

「ツルツル言うなし。お前は少しぐらい恥じらいを持ちなさい」

「お兄ちゃんがそれ言う?」

「うぐ…!」

 

 まひろのメンタルにダイレクトアタック!

 

「けど…どうしてオレをこんな姿にしたんだ? まさか、本当に面白半分で…?」

「まさか。流石の私も、お兄ちゃん相手にそんな酷いことなんてしないよ~」

「じゃあなんで?」

「お兄ちゃんを更生させたいから」

「更生って…犯罪者じゃあるまいし…」

「似たようなもんでしょ?」

「全然違うから!」

 

 妹の中でのニート像が酷過ぎる!!

 いや…前々から色んな意味で酷い奴ではあったけどさ…。

 

「妹としてさ、お兄ちゃんを真人間に戻してあげたいな~って思ってるんだよ?」

「お前がかぁ~?」

 

 他人に対して興味を持たないコイツがねぇ~…。

 俄かには信じられないな~。

 

「ホントだって。実際、お父さんとお母さんにも相談されたし」

「あの二人がお前に相談する程なのかッ!?」

 

 どんだけ酷いって思われてんだオレは…?

 あの両親が束に相談事を持ちかけるって時点で相当だぞ…?

 

「そ…そう言えば、父さんと母さんには何か言ったのか!? オレをこうして連れ出したことに対して!」

 

 実の兄とはいえ、誘拐染みた強制連行をしてるんだ。

 何か言っていたに違いな…。

 

「特に何も?」

「へ?」

「寧ろ『今はお前だけが頼りだ。手段は問わないから、どうか真尋を真人間にしてくれ』って頼まれた」

「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? 実の息子に対して、言う事はそれだけですかぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 手段を問わずって…その言葉は束に一番言っちゃいけない台詞でしょ…。

 文字通り、その気になればマジで『なんでも』出来る人間なんだからさ…。

 

「でも、お兄ちゃんって筋金入りのヒキニートでしょ?」

「筋金入りって…」

「そんな、お兄ちゃんを真人間に戻すには多少の荒療治が必要かな~って思って」

「それでオレを性転換させたってか!?」

「その通り! 女の子になって生まれ変わった気持ちで心機一転! ってな感じで」

「お~ま~え~な~…!」

 

 このオレを更生させたい。

 その気持ち自体に嘘偽りはないだろう。

 けどさ…どーして、そこで『性転換』って方法に辿り着くかな~!?

 もっと他に方法とかは無かったのかッ!?

 それとも、そこまでしないといけない程にダメだって思われてるとかッ!?

 それはそれでかなりショックだぞっ!?

 

「別にいいじゃ~ん! こ~んな美少女になったんだよ?」

「そ…それはそうだが…」

 

 確かに、今のオレの姿は相当な美少女だ。

 悔しいが、それだけは認めざるを得ない…。

 ある意味で遺伝なのかもしれないな…。

 母さんも束も美人だし、箒だって美少女だしな…。

 

「ここで唐突にエロゲ好きなお兄ちゃんに忠告タイム」

「またいきなりだな」

「女の子の快感は男の子の約100倍と言われているんだよ」

「そ…それが?」

「もしも、女の子初心者のお兄ちゃんがそんな快感をいきなり味わったりしたら…」

「したら…?」

「…余りの気持ち良さに、一発でメス堕ちとかしちゃうかもね?」

「メ…メス堕ち…!」

 

 同人誌やエロ本、エロゲとかで見る分には大好きなジャンルだが…それが自分に降りかかるのだけは絶対に嫌だ!!

 体は女の子で、せめて心だけは男でいたい!!

 それぐらいは許されても良いだろッ!?

 

「だから…エロゲとかはしない方がいいかもね? もし心まで女の子になりたいって言うんなら話は別だけど」

 

 エロゲ禁止…だと…!?

 オレの数少ない趣味の一つが完全封印されるだなんて…そんな…そんな…!

 

「ご無体なぁ~!」

「まぁまぁ。いい機会だし、女の子としての生活を楽しんでみたら? 色々と教えてあげるから」

「お前なぁ~…他人事だと思って気楽に言いやがってぇ~…」

 

 こうして、このオレ『篠ノ之真尋』は、ある日突然に実の妹の手によって女の子にされてしまったのでした。

 オレの優雅な引き篭もりライフが~…。

 

 

 

 




次回、クロエ登場。




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