大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第1章 地球編
第1話 崩れた日常


青く輝く星、地球。かつては怪獣と呼ばれる巨大な生物が暴れ回っていたが時が経ち怪獣は絶滅、地球には平和がもたらされた。

 

 

〜新東京都〜

「ツヨシ!大怪獣バトルやりに行こうぜ!」

彼の名は、黒澤カズマ。アーケードゲーム「大怪獣バトル」を好む生粋の怪獣マニアである。

「カズマ待ってくれよ!そんなに急がなくても大怪獣バトルは逃げねぇよ!」

そんなカズマを追いかける彼の名は佐久間ツヨシ。カズマとは小学生からの付き合いで彼も怪獣マニアである。

「何言ってんだよ!今日こそURのゴモラ当てるんだよ!」

「ゴモラは逃げねぇし!それに俺小遣いカツカツだから…」

「じゃあついて来なきゃいいのに…」

「何か言った?」

「いえ何も言ってませんよ?」

「カズマ君!財布忘れ物してるよ!」

「えっマジで?サンキュー、リコ!」

カズマの財布を届けに来た彼女の名は星野リコ。カズマ達のクラスの委員長でカズマの幼馴染である。

「お前大怪獣バトルやるって言っときながら財布忘れるって…マジ?」

「忘れ物ぐらい誰だってするだろ!」

「またその大怪獣バトル?ってやつしに行くの?あんまり無駄使いしちゃダメよ」

「無駄じゃないよ。どの怪獣も魅力的だしハズレなんて無いからね。リコもどう?」

「私はパス。それより今日も家一人なんでしょ?良かったらうちでご飯食べていかない?」

「いいの?でもリコのお父さん達に迷惑じゃない?」

「こうして誘ってるんだから迷惑ては思ってないわよ」

そんな2人の会話をツヨシは横目で見ている。傍から見たらただのカップルの会話なのだ。

「2人ともよく人前でそんなイチャイチャ出来るよ…」

「「イチャイチャしてない!」」

「なんでハモるんだよ…そういうとこだよ。ほら行こうぜ」

その後3人は今日あった事や明日の授業内容について話しながらショッピングモールに向かっていった。

 

数時間後

「ゴモラ当たらなかった…レッドキングとベムスター当たったのになんで…」

「めちゃくちゃ落ち込んでるわね…」

「連日こんな感じだぜ。俺はもう慣れたけどよ」

3人はショッピングモールから出てきた。どうやらゴモラが当たらなかったらしくカズマはかなり落ち込んだ様子で、そんなカズマを2人は苦笑いしながら見ている。

「ちきしょう…お金補充するために離れた隙をつかれるなんて…ううっ…」

「リコ、どうにかしてくんね。あいつの幼馴染だろ、なんかこう元気にさせる方法とか無い訳?」

「しょうがないわね。カズマ君!今日はハンバーグなんだけど…」

「えっ、ハンバーグ!?リコありがとう!元気出たよ!」

「こいつこんな簡単に機嫌直るのかよ!」

リコの家でハンバーグが出ると知ったカズマは意気揚々と走り出していった。しかしカズマはすぐに走るのをやめた。何故なら多くの人達が空を見上げながらざわついていたからだ。

「どうしたんだろ?みんなして空を見上げて」

「カズマお前急に走り出すなよ!ってどうしたんだ?」

「みんな空を見上げてるみたいだけど」

3人も空を見上げるとそこには奇妙な光景が映っていた。なんと空が歪んでいたのだ。

「空が歪んでる…?」

「みんな空を見上げる訳だな。けどなんか嫌な予感がするよな」

「ツヨシのその嫌な予感当たるかもよ…なんか歪みが形になっていってる」

カズマの言う通り歪みは徐々に形になっていった。それはまるでフジツボとも心臓ともとれるような不気味な形をした物体だった。それを見てカズマとツヨシは驚きの声をあげる。

「なぁカズマあれってさ、俺の見間違えじゃなければアイツだよな…」

「あぁっ見間違いなんかじゃないさ…あれは“四次元怪獣ブルトン”だ!」

「怪獣!?でも怪獣って確かもう何十年も前に絶滅したんじゃないの?」

「そうなんだけど…でもそれは地球上の話だと思う。それにブルトンって怪獣の中でも謎が多い怪獣だし」

「おい!ブルトンがなんかしようとしてるぞ!」

ブルトンは突起からアンテナのような器官を伸ばすとそれを振り回し始めた。すると周りの空間がいくつも歪み出し、なんとそこから怪獣達が現れたのだ。歪みから現れた怪獣達は最初こそ戸惑うかのような素振りを見せていたが、やがて暴れ始めた。避難警報のサイレンが鳴り人々は蜘蛛の子を散らすように逃げ出していった。

「私たちもここにいたら大変なんじゃない!?」

「だな…リコ、ツヨシ!俺たちもここから離れるぞ!」

「おおぅ!しかし本物の怪獣が現れるってどうなってるんだよ」

そう現れた怪獣…“有翼怪獣チャンドラー”、“岩石怪獣サドラ”、“古代暴獣ゴルメデ”、“剛力怪獣シルバゴン”、いずれも地球で絶滅が確認されている怪獣達ばかりなのだ。だがもちろん夢なんかでは無い。チャンドラーは突風でビルを吹き飛ばし、シルバゴン達はそのパワーでビルを次々と破壊し民家を踏み潰していく。街を破壊する怪獣達から逃げ惑う人々の中を3人は互いを見失わないようにしながら走っていった。そんな中、カズマは一人で泣く少女を見つけた。

「2人とも先に逃げててくれ」

「えっ、どうしたの?」

「必ず戻ってくるから」

「何言ってんだよ…っておい!カズマ!」

カズマは2人にそう言うと少女の元へ全速力で駆け出していった。

「おい君!ここにいたら危ないぞ!」

「パピがあそこに!」

「パピ?あの犬のことか…!」

カズマが少女の指さす方向を見るとそこには瓦礫に囲まれた犬がいた。カズマはその場に向かうと瓦礫をどかし始めた。数分後、ある程度瓦礫をどかしパピを抱えてカズマは少女の元へ向かっていった。

「ほら怪我は無いみたいだぞ」

「ありがとう!お兄ちゃん!」

少女はカズマにお礼を言うとパピを連れてその場から離れていった。カズマもその場から離れようとしたが、その時再び空間が歪みだし新たな怪獣が現れたのだ。頭を覆う岩石のような皮膚が特徴的な怪獣。もちろんカズマはその怪獣を知っている。

「今度は“超古代怪獣ゴルザ”かよ…こりゃやべぇかもな」

「グォォオオオン!!!!」

ゴルザはカズマを視認すると額から紫色の超音波光線を放ち攻撃をしかけてきた。カズマは間一髪でそれを避けるも、ゴルザは続けざまに超音波光線で攻撃をしかけてくる。

「やばいって!ちょっとどうすんだよこれ!」

そしてついに超音波光線の爆発に巻き込まれてしまい、カズマは吹っ飛ばされてしまう。迫り来るゴルザを見てカズマは本気でやばいと思い始めた…だが同時にカズマは瓦礫の中で何かが光るのを見逃さなかった。カズマはその瓦礫をどかして光り輝くものを手にした。それは3つのウィンドウがついた青と白の機械だった。

「この機械は…って考えてる暇は無いよな」

ゴルザは進撃を止めない。カズマは立ち上がると手にした機械を天に掲げた。すると機械は輝きカード状の光を放った。

[バトルナイザー、モンスロード!!]

その光は怪獣の形をとって実体化した。長い尻尾に頭にある三日月状の角、カズマはその姿を見て歓喜した。

「あれって“古代怪獣ゴモラ”だよな…この機械、いや“バトルナイザー”が呼び出したのか!」

「キシヤャャアアァァ!!!!」

ゴモラは雄叫びをあげると、ゴルザ目掛けて突進を仕掛けていきゴルザを突き飛ばす。突進を喰らい倒れたゴルザは起き上がるとゴモラに向かって駆け出していく。ゴモラも迎え撃つかの如くゴルザ目掛けて駆け出していった。やがて互いの突進がヒットしその衝撃で凄まじいレベルの地響きが起きる。だがゴモラはゴルザを押し返すと尻尾による強烈な一撃を浴びせる。尻尾の一撃を受け、ビルに叩きつけられるゴルザだったが負けじと超音波光線で反撃する。超音波光線を受けたゴモラは多少後退するもダメージはそれ程受けていない様子である。

「凄ぇ!ゴルザの攻撃を喰らってほぼ無傷だなんて!」

カズマが喜んでいるとゴモラはカズマの方を見る。それと同時に手にしているバトルナイザーも光り出す。

「どうしたんだゴモラ…バトルナイザーも光ってるし…。そうか、これでゴモラに指示を出すことが出来るのか。」

カズマはバトルナイザーを掲げるとゴモラに指示を出した。

「ゴモラ!ゴルザの身体をかち上げるんだ!」

するとゴモラはゴルザの方へ向き、駆け出していった。ゴルザは超音波光線を連射するもゴモラには全く当たっていない。ゴモラはゴルザとの距離を縮めその身体に角を突き刺し、そのまま上空へかち上げる。

「いいぞ!そのままトドメだ!」

ゴモラは尻尾を地面に叩きつけその反動で飛び上がる。かち上げられたゴルザに追いつくとそのまま身体を一回転させ、そしてゴルザの頭目掛けて尻尾を振り下ろした。はるか上空からゴルザは地上に叩きつけられてしまい、口から血を吐き出す。一方のゴモラは着地すると勝ち誇ったかのように雄叫びをあげる。

「よっしゃ!流石だなゴモラ!」

カズマはゴモラにサムズアップを決め、ゴモラもそれに応えるように頷く。しかし地を揺るがすような咆哮をあげゴルザは立ち上がったのだ。だがゴモラの鋭い眼光に臆したのかそのまま地中へと逃げ出していった。ゴルザが地中へと逃げ出していくのを見たゴモラは宙に浮かぶブルトンを睨みつける。しかしブルトンは周囲の景色を歪めながらその姿を消してしまった。

「消えた…とりあえず怪獣が増えるってことは無さそうだな」

カズマは一息つくとゴモラの方を向く。ゴモラはしばらくカズマを見つめていたが、やがてその体を光の粒子に変えるとバトルナイザーの中へ戻っていった。

「ありがとうなゴモラ」

カズマはバトルナイザーの中で眠るゴモラに語りかけた。

「さてと…リコ達のところに戻るか…」

「カズマ君!」

カズマがリコ達のところに戻ろうとすると、その本人が走ってやって来た。後ろには息を切らせているツヨシもいた。

「大丈夫!?ってめちゃくちゃ怪我してるじゃない!」

リコはカズマの両手を見ながらそう叫ぶ。瓦礫を素手で触ったりしていたのでカズマの両手は血だらけになっていたのだ。

「あぁっ…これぐらい大丈夫だよ」

「大丈夫なわけ無いでしょ!…死んだらどうするのよ…」

「リコ…」

しんみりした感じになってる2人をツヨシは息を切らせながらしばらく眺めていたが、息を整えて声をかける。

「あの〜お2人さん?そろそろ俺達も避難所に戻らないとヤバいと思うんですけど…」

「そうね、カズマ君の怪我も治さないといけないわけだし。行くわよカズマ君」

「はいはい…っと…」

3人は避難所の方へ歩き出していった。謎のアイテム“バトルナイザー”を手に入れたカズマの運命はどうなるのか。それはまだ誰にも分からない。




登場怪獣まとめ
・四次元怪獣ブルトン
フジツボのような心臓のような不思議な形をした怪獣。突起からアンテナ状の器官を伸ばすことで様々な四次元現象を引き起こすことが出来る。カズマ達が暮らす新東京上空に突如として出現すると、四次元現象を発生させ怪獣たちを呼び寄せ混乱を巻き起こす。召喚したゴルザがカズマが拾ったバトルナイザーから召喚されたゴモラに撃退されると姿を消してしまう。

・超古代怪獣ゴルザ
3000万年前の超古代文明を滅ぼしたといわれる怪獣の別個体。ブルトンが起こした空間の歪みから現れるとカズマを執拗に付け狙い攻撃をしかけるが、カズマが召喚したゴモラによって邪魔されたため戦闘に突入。額から放つ超音波光線で攻めるも全く歯が立たず、ゴモラに上空へかち上げられた所を尻尾による一撃を頭に受けゴモラには敵わないと悟ったのか地中へ逃亡する。

・有翼怪獣チャンドラー、岩石怪獣サドラ、古代暴獣ゴルメデ、剛力怪獣シルバゴン
ブルトンが呼び出した怪獣。突如として連れてこられたことに最初こそ戸惑っていたが、やがて街を破壊する。
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