大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第11話 激突する雷翼と氷翼

〜多々良島〜

「ギシェェェウゥオン!!!」

「ギェェエッギィィィン!!!」

かつて多数の怪獣が現れたといわれる多々良島…雷が鳴り響き、吹雪が吹き荒れる中ブルトンに呼び寄せられた2体の怪獣が戦いを繰り広げていた。

1体は巨大な翼に頭部に生えた角、眠たそうな半開きの眼が特徴的な“冷凍怪獣ペギラ”、もう1体は金色の鱗に翼を持つ鳥のような姿をした“稲妻怪鳥ライバッサー”である。

ペギラとライバッサーは互いに組み合うと力比べのように押し出し始めるが、ライバッサーはそれを振り解くと鋭く尖った翼の先端でペギラを切りつけて攻撃する。

「ギシェェェウゥオン!!?」

胸を切りつけられたペギラは切りつけられた箇所から血を流しながらも翼を羽ばたかせて突風を巻き起こすが、ライバッサーはものともせずに腹部から雷撃を放ち攻めていく。

それを見たペギラは口から冷凍光線を放ち対抗、雷撃と冷凍光線は空中で衝突し互いに打ち消しあってしまう。

しかしペギラは一瞬の隙を見て再び冷凍光線を発射しライバッサーの足を固めてしまう。

「ギェェエッギィィィン!!?」

足を固められたライバッサーは驚きの声を上げながら足を動かそうとするが完全に凍りついてしまい動くことが出来なくなってしまう。

そしてペギラはライバッサーに冷凍光線を浴びせ続け、遂にライバッサーを氷漬けにしてしまうと勝利の雄叫びを上げ黒雲と共に多々良島から飛び去っていってしまうのであった。

 

 

 

「寒いモコ〜…ハックション!」

「汚いなぁ!くしゃみするなら手で抑える…は出来ないにしても、後ろ向いてするとかしてくんない!?」

「ごめんモコ…それにしても寒いモコ!」

「お前のその毛は飾りなの?」

その頃カズマとモコは家の中にいた…というのもフジキヶ丘で季節外れの寒波が到来し、これまた季節外れな雪が降ってきているので寒いのが嫌いな両者は家で暖房をつけて過ごしているのである。

「って言うかこんなに寒いの怪獣のせいだろ!」

「そう言ったってバトルナイザーは反応してないモコ…」

モコに言われバトルナイザーを手に取ったカズマはバトルナイザーを見つめる。

「…レイオニクスか…モコは知ってたのか?」

「カズマ…初めて会ってバトルナイザーを見た瞬間察してたモコ。黙っててごめん…」

「別にそこは気にしてない…それよりレイブラッド星人って一体どんな奴なんだ?」

「僕も詳しくは知らないモコ。何せもう数十万年ぐらい昔に存在していたみたいだし」

そう前置きしながらモコは自分が知っている事をカズマに話し出した。

レイブラッド星人…それは全知全能の存在として恐れられた“究極生命体”でありあらゆる怪獣を思うがままに操る事が出来、その力を持って宇宙を支配していたのだという。

しかし現在ではその肉体を失ってしまい精神だけが宇宙を彷徨っているのだという。

「そんな恐ろしい奴が存在してるなんて…」

「だけどレイブラッド星人はあるレイオニクスによって倒されたっていうのも聞いたモコ。だからカズマが気にするような事は無いと思うモコ」

「だと良いんだけどなぁ」

カズマがそうぼやいていると外で降っている雪が激しい音と共に強くなってきたようで、その様子を見たモコはこれ以上寒くなるのは勘弁とカズマの服の中に潜り込んでしまう。

「ちょっ!?入んなって!」

「寒いのは嫌モコ〜」

「俺だって嫌なんだよ!」

[冷凍怪獣反応!冷凍怪獣反応!]

カズマがモコを服の中から引きずり出そうとするとバトルナイザーが反応し出したので慌てて窓の方から外を見ると、黒雲と共にペギラが市街地に現れ口から吐く冷凍光線で街を氷漬けにし始めた。

「ペギラ…あいつがこの寒さの原因だな」

「行くつもりモコ!?この寒さじゃ死んじゃうモコよ!」

「だけど俺がやらないと行けないんだよ!…ゴモラ操って街を守るってことは俺にしか出来ないから…」

そう言うとカズマはコートを着て外に飛び出していってしまった。

「あっ!カズマ…うぅっ寒いのは嫌だけど…待つモコ〜!」

モコは寒さに震えながらもカズマのことが心配になりそして彼の後を追いかけて行った。

 

「ギシェェェウゥオン!!!」

一方ペギラは氷漬けになったビルを翼で叩き崩したり、超低温下において発生する反重力現象を利用して停車してあった車を次々と空中に巻き上げてはそれを地面に落下させたりして破壊の限りを尽くしていた。

「うぅ〜っ寒っ!あんにゃろうこの街を自分の住処にするつもりか?」

[バトルナイザー、モンスロード!]

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

暴れ回るペギラの元に辿り着いたカズマはバトルナイザーを取り出しゴモラを召喚、呼び出されたゴモラは空中からドロップキックを浴びせてペギラを吹っ飛ばす。

「ギシェェェウゥオン!!!」

起き上がったペギラは翼を羽ばたかせて突風を起こしゴモラの動きを抑えつけるとそのまま飛び上がって空中から蹴りを放ってゴモラを攻撃する。

蹴り飛ばされたゴモラは一瞬怯むもすぐさまペギラの方に振り返ると尻尾を振ってペギラに反撃していく。

振られた尻尾の一撃を喰らったペギラは吹っ飛ばされてしまうがすぐに起き上がりゴモラに向かっていき、ゴモラもペギラ目掛けて駆け出し組み合い始める。

「頑張れ、ゴモラ!」

「カズマ〜!見つけたモコ!」

カズマはバトルナイザーを握りしめながらゴモラに声を掛ける。

そこへ雪まみれになりながらモコがやって来る。

「あれお前寒いのは嫌とか言って無かった?」

「そりゃ嫌だけど…カズマのことが心配で…というよりカズマはもう少し誰かに頼るってこと覚えて欲しいモコ!僕には力は無いけど一緒にいたりとか話を聞くぐらいなら出来るモコ!…カズマ一人で戦っている訳じゃないんだから」

「…モコ、ありがとうな…でも」

[怪獣接近中!強力な電気エネルギーを持った怪獣が接近している!警戒せよ!]

カズマが何か言いかけたその時、バトルナイザーが怪獣の接近を察知し反応すると同時に空から一本の雷と共に一体の怪獣が飛来して来た。

「ギェェエッギィィィン!!!」

それは多々良島でペギラによって氷漬けにさせられた筈のライバッサーであった。

ライバッサーは腹部から雷撃を放ちゴモラとペギラを同時に攻撃するとそのままペギラに空中から突進攻撃を繰り出し、ペギラを吹っ飛ばす。

そうして吹っ飛ばしたペギラの上に馬乗りになる形で降り立ったライバッサーは鋭い嘴を使いペギラを突き始める。

負けじとペギラも冷凍光線をライバッサーの顔目掛けて放ち、冷凍光線を受けたライバッサーは怯みペギラとの距離をとる。

距離をとった2体は駆け出していき取っ組み合いを行うが、ペギラが鋭く尖った牙でライバッサーに噛みつきライバッサーを苦しめる。

「あの2体が潰しあってくれたら良いんだけど…そんなことしてたら街が先に潰れちゃう…あの2体を倒すぞ!ゴモラ!」

ゴモラは立ち上がると組み合っているペギラとライバッサーを抑えつけるが、ライバッサーは全身から雷撃を放ちゴモラとペギラを吹き飛ばしてしまう。

「あの怪獣の放つ電撃をどうにかしないとまともに戦えないモコよ!」

「だよなぁ…どうしたら…」

雷撃を受け痺れて動けないゴモラを尻目にライバッサーはペギラへの攻撃を続けていき、ペギラは冷凍光線を放ちライバッサーに反撃するも空中に飛び上がってそれを回避したライバッサーは体内の電気エネルギーを腹部に溜めるとそれを今まで以上の威力を持った雷撃として発射、直撃を受けたペギラは断末魔の叫びを上げながら大爆発を起こして散っていった。

「ギェェエッギィィィン!!!」

ペギラを倒したライバッサーは勝利の雄叫びをあげると、雷雲の中に飛び込もうとしていた。

「逃がしてたまるか!ゴモラ、超振動波だ!」

身体の痺れが取れたゴモラはカズマの指示を受け超振動波を放ち、ライバッサーを撃ち落とす。

超振動波の直撃を受けたライバッサーはバランスを崩しビル目掛けて落下する。

それを見たゴモラはライバッサーに向かって駆け出していき、駆け寄るゴモラを見たライバッサーは腹部から雷撃を放ち迎え撃とうとするが雷撃が出せなくなっており慌てふためく。

「あいつ電撃を出せなくなってるモコ!」

「さっきペギラを倒す時に使い切ったんだろうな。一気に畳み掛ける!」

ゴモラは肩からの突進でライバッサーを怯ませると続けて嘴を掴んでライバッサーの口をこじ開けようとするがライバッサーも負けじとその大きな翼でゴモラの脇腹を挟んで攻撃、ゴモラが嘴から手を放すと同時に翼の先端で切りつけて攻撃していく。

ライバッサーから距離をとったゴモラは尻尾を振り回して反撃に出るが、それを飛び上がって避けたライバッサーは空中からゴモラに近付き掴み掛かるとそのまま空中に飛び去ってしまう。

「ゴモラ!」

ライバッサーに掴まれたゴモラは必死に抵抗するが、その抵抗をものともせずライバッサーは空中で縦に一回転して地上目掛けて叩き落としてしまう。

そしてライバッサーは雷雲から電気エネルギーを浴び自らの身体にチャージすると、ペギラを倒した時の倍はある威力の雷撃を地上に叩き落としたゴモラ目掛けて撃ち込む。

雷撃を受けた地点を中心に大爆発が起き、周りに建っていたビル群は次々と吹き飛んでいく。

自らの勝ちを確信したライバッサーは雄叫びを上げながら、まるで勝利の舞を踊るかの如く空中を旋回するが…

「ギェェエッ?」

地上を見たライバッサーは首を傾げながらゴモラを叩き落とした場所に降り立った。

何故なら雷撃を落とし攻撃したゴモラの姿がその場から消えていたのだ。

地上に降り立ったライバッサーは辺りを見渡していると、突如として地面が大きく揺れ始め次の瞬間ゴモラがライバッサーの足を掴みながら地中から姿を現したのである。

「ギシャアァァァァァアアァッ!!!」

「ゴモラ無事だったモコね!…ってなんか怒ってる?」

「多分空中から叩き落とされたからそのショックで古代の本能が目覚めてたんだろな。まぁなんにせよここで決めさせてもらう!」

ライバッサーの足を掴んだゴモラはそのまま何度も地面に叩きつけて、ライバッサーにダメージを与えていく。

そしてゴモラは地面に横たわるライバッサーの背中に乗り掛かるとライバッサーの頭の角を掴み地面に叩きつけていく。

「ゴモラ!トドメだ!」

ライバッサーの背中から降りたゴモラは角にエネルギーを溜め、超振動波を放つ。

放たれた超振動波は起き上がったライバッサーにそのまま直撃しライバッサーは雄叫びを上げ爆発四散するのだった。

それと同時に空を覆っていた雷雲は消え、太陽の光が差し込んだことで積もっていた雪も徐々に解け始めていった。

「ふぅ〜っ…お疲れゴモラ。ゆっくり休んでくれよ」

バトルナイザーを掲げその中にゴモラを戻したカズマが帰路に着こうとしたその時だった。

(それ以上そのバトルナイザーを使ってはいけない…!)

カズマの頭の中に謎の声が聞こえてきたのである。

「だ、誰だ!?」

カズマが周囲を見渡すが声の主の姿は見えない。

(俺の名前は“レイ”。君と同じレイオニクスだ)

「レイオニクス…あの時のバルタン星人みたいに戦いたいのか?」

(君と戦いたい訳では無い。ただそのバトルナイザーを使ってはいけないことを伝えに来たんだ)

「…なんでこれを使っちゃいけないんだよ…」

(君達が戦うことで奴が…レイブラッドが蘇ってしまう…レイブラッドが蘇ってしまえばこの宇宙は奴が支配する恐怖と絶望の世界になってしまう…!)

レイの言葉を聞き、カズマは手にしているバトルナイザーを見つめる。

「そうなのか…けどこうして戦わないと皆を守ることが出来ないんだ。だから俺は戦う…それにもしそのレイブラッドって奴が蘇っても俺が倒す」

(…君の覚悟は分かった…だが忘れないでくれ、君には仲間がいることを…君は一人で戦っている訳では無いことを…)

カズマの覚悟を聞いたレイはそう言い残していくと、その声は聞こえなくなった。

「仲間か…俺は一人で戦っている訳じゃないことぐらい分かってるよ…」

「カズマ、一人で喋りだしていきなりどうしたんだモコ?」

「えぇっ…!あぁっなんでもない!帰るぞ!」

カズマはモコを抱えると家に向かって走りだしていくのであった。




・冷凍怪獣ペギラ
ブルトンによって召喚された怪獣で多々良島でライバッサーと縄張り争いを繰り広げていた。口から放つ冷凍光線でライバッサーを固めた後、フジキヶ丘に飛来し季節外れの寒波を巻き起こした。ゴモラとの戦いでは冷凍光線を浴びせて苦しめるがライバッサーが飛来したことで三つ巴の戦いに発展、最期はライバッサーの電撃を受けて爆散した。

・稲妻怪鳥ライバッサー
ペギラと同じくブルトンによって召喚された怪獣で強力な電気エネルギーを体内に蓄えており、その電気エネルギーを使った電撃攻撃や鋭く尖った嘴、切れ味抜群の翼で敵を攻撃する。多々良島における縄張り争いでは一度はペギラによって凍結されるも自力で解凍するとペギラを追ってフジキヶ丘に飛来すると、そこでペギラを倒した後ゴモラとの戦いに突入。一度は電気エネルギーを使い果たし追い込まれるがゴモラを空中に持ち上げ叩き落とすが、それがきっかけでゴモラの本能を目覚めさせてしまい、最後は超振動波を受け倒される。
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