大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第12話 湧き上がる怒りのマグマ怪獣

「グォォオオオオオオォォォォン…!」

今は死火山になっている大熊山の火口内で吠える一匹の怪獣…その咆哮に共鳴するかのように大熊山に大量のマグマが流れ込んで来る。

そうして溜まったマグマは火口内を上昇し、ついに大熊山は噴火するのであった。

噴き上がるマグマの中、大熊山の噴火を起こした怪獣は姿を現し咆哮をあげるのであった…

 

 

 

「ふあぁぁっ…母さんおはよう…」

「おはよう。朝ご飯出来てるわよ」

大熊山で噴火が起こった次の日の朝、カズマはいつも通りの朝を迎えていた…珍しい事に母であるハルカがいるのだが。

「それにしても母さんがいるなんて珍しい…」

「あらそんなに珍しいかしら?私はカズマと一緒に朝を迎えられて嬉しいわ」

「…それは俺もそうだけどさ…って恥ずかしい事言わせないでよ!」

ハルカからの言葉にカズマは驚き、さっさと話題を変えようと思ってテレビをつけると臨時ニュースが流れていた。

「昨晩、突如として噴火を起こした大熊山。この噴火によって大熊山麓の町は甚大な被害が出ており死者・行方不明者は現在のところ241名とのこと。政府は緊急災害対策本部を立て、自衛隊やZAPに救助隊の派遣を行っており救助活動が行われていますが流れ出した溶岩によって通行不能な道が多く救助活動は難航しているとのことです…」

「大熊山って死火山じゃなかったっけ?」

「よく知ってるわね。死火山だったのが突然噴火して多くの人が巻き込まれてるのよ。私ももしかしたらそっちに行くことになるかもしれないわ」

「行くことになったらその…気をつけてね」

「ありがとう…カズマも気をつけてね。噴火の影響もだけど怪獣にも注意するのよ」

「うん」

そうして朝ご飯を食べた後、ハルカは病院に行き、カズマはリコとツヨシに会いに図書資料館に向かうのであった。

 

 

 

「ふえぇっ…まだあるのかよ〜」

「身から出た錆ってやつだろ。頑張れって」

3人は図書資料館に来て課題をやっていた…正確にはツヨシの課題を手伝っていた。

「だってよ〜母ちゃん入院してて家のこととかやってると時間無くてよ〜!」

「それは俺も同じだから」

「私達も手伝うから頑張って」

文句を言いつつも課題をやり始めるツヨシ。

分からないところは2人に教えて貰いつつツヨシは課題を進めていき、あっという間に時間は昼近くになる。

「ありがとうな2人共!おかげで課題進めることが出来た!」

「気にしないでいいわ。でも適度に進めとかないと困るのツヨシ君だからね」

「肝に銘じておきます…それよりお腹空いたからなんか食べに行かない!?」

「本当に肝に銘じてんのか?…ごめん俺ちょっとトイレに行ってくるから」

そう言うとカズマはトイレに向かって行った。

トイレに向かったカズマを見送ったツヨシはリコの近くに寄ると耳打ちするように小さな声で話しかけて来た。

「リコ…ちょっといいかな?」

「どうしたの?」

「カズマの事なんだけどさ…あいつ最近どうもおかしくないか?」

「おかしい…?」

「おかしいっていうかなんか俺らに隠し事してるっていうか」

「…そうね…確かにそんな気がする…」

「だろ!?特に怪獣が現れた時とかさそんな感じするんだよな」

ツヨシにそう言われリコは確かにと頭の中で納得していた。

怪獣が現れれば何かと理由をつけて自分達から離れ、怪獣が倒されると戻ってくる…リコとしては周りも大事だが自分のことももっと大事にして欲しいと思っているのだ。

「それにカズマ君がいなくなるとゴモラが出るっていうのも気になる…偶然にしては出来すぎてるし…」

「そこも気になるんだよな〜」

「何が気になるって?」

「うおっ!びっくりした!」

いつの間にかトイレから戻ってきたカズマがツヨシの背後に立っていた。

「でけぇ声出すなよ…で?リコと何話してたの?」

「なんでもないって〜ヤキモチ焼くなよ」

「焼いてねぇし!」

「2人共言い争いなら外でやる!ほら昼ご飯食べに行くんでしょ?」

リコがそう促し2人を連れて図書資料館から出たその時、突如として地面が揺れ始めたのである。

「地震!?」

「あれ見ろよ!」

ツヨシが指を指した方を見ると土煙が上がり、ビルを崩しながら一体の怪獣が現れた。

「ギャアアァアアァアアン!!!ギャアアァアッ!!!」

「怪獣…!でもあの怪獣見たことあるわ」

「あいつはあの時のテレスドンか!」

現れたのは“地底怪獣テレスドン”…カズマが言うあの時というのは、このテレスドンかつてドラコと戦っていた所にレッドキングが乱入し、レッドキングとも戦うが敵わず逃げ出しているのだ。

その後地底奥深くに潜り込んでZAPの警戒網を掻い潜っていたのだが、外敵がいないと判断したのか今こうして地上に姿を現したのである。

「ギャアアァアアァアアン!!!」

テレスドンは口から放つ溶岩熱線で街を焼き払うと、体当たりでビルを次々と破壊していく。

「ここは危ないから安全な所に逃げよう!」

「…カズマ君はどうするの…?」

「リコ…?」

「俺は…」

リコに言い寄られたカズマは言い淀んでしまう。

するとまた地面が揺れ出したのである。

「グォォオオオオオオン!!!」

「あれは…ゴルザ…!?でも何か違う?」

地中から現れたもう一体の怪獣はカズマがバトルナイザーを手にして初めて戦った“超古代怪獣ゴルザ”だが、身体は赤くなりまるで血管のような赤い管が胸元に浮かび上がっているのだ。

「そうか!あの姿はファイヤーゴルザか!」

 

ゴルザ…いや“超古代怪獣ファイヤーゴルザ”はテレスドンを見るや否や雄叫びを上げてテレスドンに突っ込んで行った。

するとファイヤーゴルザの存在に気づいたテレスドンもまた大きく吠えると、先制攻撃と言わんばかりに全身を回転させながらの突進攻撃を繰り出した。

繰り出された突進を受けファイヤーゴルザは一瞬怯むもすぐにテレスドンの背中を抑えつけると強烈なアッパーをテレスドンの顎に喰らわせ、さらに仰け反ったテレスドンに対して正面から蹴りを入れて地面に押し倒すと馬乗りになってそのままテレスドンを何度も殴りつけて攻撃していく。

続けてファイヤーゴルザはテレスドンの頭を掴んでビル目掛けて投げ飛ばすとテレスドンの腹を踏みつけて追い討ちをかけていく。

しかしテレスドンも負けじとファイヤーゴルザの踏みつけを転がって躱すと立ち上がり、溶岩熱線を放ちファイヤーゴルザに反撃する。

だがファイヤーゴルザは放たれた溶岩熱線をものともせずにテレスドンとの距離を縮めていき、パンチを繰り出してテレスドンを張り倒す。

「ギャアアァアアァアアン…!!!」

強烈な一撃を受けたテレスドンはファイヤーゴルザには敵わないと悟り穴を掘って地中に逃げようと試みるが、それを見逃すファイヤーゴルザではなくテレスドンの尻尾を掴み地中から引きずり出すとそのまま豪快なジャイアントスイングを決めて投げ飛ばしてしまう。

そしてファイヤーゴルザは額にエネルギーを集めるとそれを超音波光線として放ちテレスドンを攻撃する。

超音波光線を喰らったテレスドンは悲鳴を上げながら爆発して消滅するのであった。

テレスドンを倒したファイヤーゴルザはドラミングしながら勝利の雄叫びを上げると、そのまま超音波光線を乱射して街を破壊し始める。

「ここにいたら巻き込まれるんじゃないのか!?」

「そうだね…カズマ君もってカズマ君!?」

リコがカズマの手を引いて今いる場から逃げようとしたが、カズマはそれを振り解きファイヤーゴルザが暴れている所に向かい出した。

「カズマ!そっちは危ねぇって!」

「…ツヨシ君、カズマ君を追いかけてみない?」

「はい!?何言ってんの?」

「だってカズマ君が私達に何か隠しているか気にならないの!?」

「それは…そうだけどよ…」

自分が言い出したことではあるのだがそれが思いの外リコの心…カズマを案ずる気持ちに火をつけていたらしく、実際ツヨシ自身もここまで興奮気味なリコを見たことが無い。

ツヨシはどうすべきか悩んでいたがリコはカズマが走っていった方向へ駆け出していった。

「リコ!ちょっと待てよ!」

そんなリコの様子を見てツヨシは自分じゃ止められないことを悟ったのか、自身もリコを追いかけるようにしてカズマの元へ向かうのだった。

 

その頃カズマは物陰に隠れるとバッグの中からバトルナイザーを取り出し、暴れ回るファイヤーゴルザを見据える。

「多分あいつは最初に戦った時より強くなってるはず…だけどここでやるしか無いんだ…頼むぞゴモラ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

バトルナイザーから放たれた光は勢いよくファイヤーゴルザに向かっていくが、なんとファイヤーゴルザは腕を振り払ってその光を弾き飛ばしてしまいゴモラをビルに叩きつけるのだった。

だがゴモラはすぐに立ち上がるとファイヤーゴルザを睨みつける。

そしてファイヤーゴルザもまたゴモラを睨みつけるが、目の前の相手がかつて自身に深手を負わせた存在だと気づくと怒りの咆哮を上げながら突進攻撃を繰り出す。

ゴモラはそれを受け止めようとするも受け止めきれず突き飛ばされてしまい、ファイヤーゴルザはそこに追い討ちをかけるように尻尾を振り回して攻撃するがゴモラは尻尾を掴むと空中に持ち上げ地面に叩きつける。

さらに地面に倒れ込んだファイヤーゴルザにのしかかったゴモラは何度もその頭を殴りつけるが、ファイヤーゴルザはマウントを奪うとゴモラの大角を持って頭を地面に叩きつけ、さらに大角を掴んだ状態で立ち上がると膝蹴りを喰らわせ投げ飛ばす。

「なんて強さだ…!ここは一発喰らわせてやる!ゴモラ、超振動波だ!」

カズマの指示を受けてゴモラは角から超振動波を撃ち出しファイヤーゴルザを攻撃し、直撃を受けたファイヤーゴルザは吹っ飛ぶように倒れてしまう。

しかしファイヤーゴルザはすぐに立ち上がるとお返しとばかりに額から超音波光線を放ちゴモラを攻撃していく。

「超振動波が効いてない!?あいつどんだけ強くなったんだよ…!」

超音波光線の連射を喰らい膝をついたゴモラに向かってファイヤーゴルザは額にマグマエネルギーを集中させると、それを超音波光線と重ねて薙ぎ払うように放ち周囲のビルごとゴモラを攻撃する。

「キシャアァァァァァアアァッ…!!!」

超音波光線を受けたゴモラは立ちあがろうとするもダメージが大きくその場に崩れ落ちてしまう。

ファイヤーゴルザはそんなゴモラの背中を踏みつけると勝ち誇ったかのように大きく吠え出した。

「ぐっ…負けてたまるか…ゴモラ!パワーアップしたのはあいつだけじゃないっていうのを見せてやるぞ!」

カズマの呼び掛けに反応したゴモラはその目を光らせると、身体から炎のようなオーラを放ち背中を踏みつけるファイヤーゴルザを吹っ飛ばしながらブレイブバーストを発動させる。

起き上がったゴモラはそのまま尻尾で地面を叩きその勢いを利用した大ジャンプを見せると、空中で一回転してファイヤーゴルザの頭目掛けて尻尾を叩きつける。

ゴモラはさらに尻尾の一撃を受け怯んだ所に追い討ちをかけるようにドロップキックを浴びせ、ファイヤーゴルザを大きく吹っ飛ばす。

尻尾攻撃を受けたファイヤーゴルザは起き上がると、腕に炎を纏わせるとゴモラに駆け出していき勢いよく殴りつけてゴモラを攻撃していくが突き出された腕を受け止めたゴモラはファイヤーゴルザを投げ飛ばし、地面に倒れ込んだファイヤーゴルザ目掛けて全体重を乗せた押しつぶし攻撃を繰り出していく。

だがすぐさまゴモラを跳ね飛ばして起き上がったファイヤーゴルザは額に超音波光線のエネルギーを溜めると、それを活かした頭突き攻撃を繰り出しゴモラを跳ね飛ばし、その衝撃が伝わったカズマも同じように跳ね飛ばされる。

「ダメージが伝わってきやがった…これ以上長引くとヤバい…ここで一気に決める!」

跳ね飛ばされたゴモラはすぐに体勢を整えると角に超振動波のエネルギーを集めファイヤーゴルザに突撃していき、対するファイヤーゴルザもまた超音波光線のエネルギーを額に集中させてゴモラに突撃していく。

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「グォォオオオオオオン!!!」

強力なエネルギーを互いにぶつけ合うゴモラとファイヤーゴルザ。

その衝突の余波でビルは吹き飛び、2体がいる地面は陥没する。

激しい激突勝負の末、その勝負を制したのはゴモラだった。

ファイヤーゴルザを弾き飛ばしたゴモラはそのままファイヤーゴルザの腹部に角を突き刺して超振動波を放つ。

超振動波を流し込まれたファイヤーゴルザは苦しみながら悲鳴を上げ、そのまま消滅するのであった。

「よし!良くやったぞ、ゴモラ!」

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

カズマはバトルナイザーにゴモラを戻すとリコ達の元に行こうとしたが、その足を止める。

何故ならそこにリコとツヨシがいたからだ。

「マジかよ…カズマが…」

「カズマ君…どういうことなの?」

二人に詰め寄られたカズマはその場に立ち尽くすことしか出来なかった…




・超古代怪獣ファイヤーゴルザ
第1話でゴモラと戦いその場から逃げ出したゴルザが大熊山のファイヤーマグマエネルギーを吸収してパワーアップした姿。全身の筋力や皮膚の硬さなどあらゆる面でゴルザの時から強化しており、額から放つ超音波光線も威力が上がっている他、腕にマグマエネルギーを纏わせての殴打や超音波光線のエネルギーを利用した「ソニックヘッドパッド」、超音波光線にマグマエネルギーを重ねて放つ「強化超音波光線」といった新技を会得している。そのパワーを活かしてテレスドンを瞬殺するとゴモラと交戦、一時は追い詰めるがブレイブバースト化したゴモラには敵わず超振動波(ゼロシュート)を受けて倒された。

・地底怪獣テレスドン
第3話でドラコと戦いレッドキングから逃げ出したのと同一個体。しばらくは地底に潜んでいたが再び地上に出現、破壊の限りを尽くすがそこに現れたファイヤーゴルザの圧倒的な力の前に一方的に攻撃され最後は超音波光線を受け倒されてしまった。
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