大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜 作:ウルトラジャンボ
「カズマ君があの怪獣を操ってたの…?」
リコはカズマにそう問いかけるがカズマは応えない。
「なぁカズマったら…」
「あぁそうだよ!俺がこれでゴモラを操ってたんだ!」
カズマはそう言ってリコとツヨシに手にしているバトルナイザーを見せる。
二人がそのバトルナイザーを覗くとそこには確かにゴモラがいた。
「マジかよ…」
「カズマ君…」
「…黙っててごめん…皆を危険に晒したく無かったから…その」
二人に驚かれ言い淀むカズマだったが、リコはそんなカズマの元まで向かうとバトルナイザーを持ってない方の手を握る。
「怪獣が現れた時いなくなってたのは私達を守るためだったんだね」
「リコ…」
「初めて怪獣が現れたあの日からカズマ君がいなくなる度、どうしたんだろうって不安になった。怖かった…」
そういうリコの目には涙が浮かんでいた。
それを見たカズマはリコの元に近づくと彼女を優しく抱きしめる。
「リコ…本当にごめん…ずっと不安にさせてたんだな…だけど何があっても俺はリコの元に必ず戻ってくるから。約束する」
「カズマ君…本当?」
「ああっ、絶対リコの元に戻るよ」
「絶対だからね…」
そんな二人の様子をジト目で見ていたツヨシはこう思った。
(あれで付き合ってないとかなんなんだよ!もう付き合えって!)
しかし自分では空気の読める男だと思っているツヨシはそんなことは口に出さず、一つ咳払いをしてから二人に声を掛ける。
「なぁそろそろここから離れようぜお二人さん。こんな所にいたら大人に色々言われちまう」
「あっ…そうだね。行こうカズマ君」
[四次元怪獣反応!四次元怪獣反応!]
三人がその場を離れようとしたその時、バトルナイザーが警告を促しカズマは構える。
するとその瞬間、空間が歪みブルトンが姿を現したのである。
「ブルトン!」
「あの時のフジツボ怪獣?」
不気味に空中を浮遊するブルトンは身体を回転させながら突起からアンテナを伸ばす。
「何をしてるんだ…?ブルトンの奴」
「カズマ!ブルトンの上見てみろ!」
「ブルトンの上?…なんだあれ…次元の穴か?」
ブルトンは頭上に空間の歪みを作り出し周囲にあるビルや車などを歪みの中に吸い上げ始める。
「なぁこれって…」
「うん…このままじゃ街そのものが吸い込まれちゃう!」
「そんなことさせるか!頼むぞゴモラ!」
カズマはバトルナイザーを掲げるとゴモラを召喚する。
「キシャアァァァァァアアァッ!!!…ギシャアアアッ…」
だが召喚されたゴモラは何処となく様子がおかしい。
「カズマ大丈夫か?ゴモラの奴、なんか変だぞ…」
「ファイヤーゴルザとの戦いの後だからな…でもやるしか無いんだ」
ゴモラは頭を振るい自身の胸を腕で叩いて鼓舞するとブルトンに向かって前進する。
それを見たブルトンは針状のアンテナを伸ばし無数の車を浮かび上がらせると、それを一斉にゴモラにぶつけるがゴモラは飛ばされた車を払いのけながらブルトンに接近する。
するとブルトンはまた別のアンテナを伸ばしそれを振るう。
今度は空中から赤く燃え上がる隕石がゴモラ目掛けて落下してきた。
「ゴモラ、そいつをブルトンに打ち返してやれ!」
「嘘だろカズマ!?いくらなんでもそいつは…」
「ゴモラを信じるんだ!」
「キシャアァァァァァアアァッ!!!」
ゴモラは落下してくる隕石を見据えると尻尾を勢いよく振り回して隕石を弾き返す。
弾き返した隕石はブルトンに激突し地上に落下、ゴモラはブルトン目掛けて体当たり攻撃を繰り出すがブルトンはまたアンテナを伸ばして怪光を放つ。
その瞬間ゴモラの姿が消えたかと思えば、ゴモラはブルトンの背後に現れてビル目掛けて突進してしまう。
ゴモラは振り返ると再びブルトンに突進攻撃を繰り出すが、今度はブルトン自身が姿を消してゴモラの突進攻撃を躱す。
「あの怪獣強い…大丈夫カズマ君?」
「何とか…って言ってもブルトンの動きが読めない…どうすればいい…」
ブルトンの動きが読めず攻めあぐねるカズマとゴモラ。
するとブルトンはその場で転がり始め、勢いよくゴモラに向かっていく。
「ゴモラ!受け止めるんだ!」
ゴモラは両腕を広げると転がってきたブルトンを受け止めて抑えつける。
しかしブルトンも負けじと横回転を始め、ゴモラを弾き飛ばす。
ゴモラを弾き飛ばしたブルトンはアンテナを伸ばして次元を歪める。
[怪獣反応!怪獣反応!警戒せよ!]
バトルナイザーが警告音と共に反応を示す。
そしてゴモラの前に現れた二つの次元の歪みから怪獣が姿を現した。
「ガァアアアアアアン!!!」
「ギシャァグゥオオオオオッ!!!」
「グドンにデスドラゴか…!」
ブルトンに召喚されたグドンとデスドラゴは大きく吠えるとグドンは目から破壊光線、デスドラゴは角から電撃を放ちゴモラを攻撃する。
ゴモラはそれを避けるがすかさずデスドラゴが体当たりを繰り出しゴモラに組みかかる。
それを受け止めゴモラはデスドラゴを投げ飛ばすが、グドンが鞭を伸ばしてゴモラの腕を絡め取り引き寄せようとするも逆にゴモラに引き寄せられてしまう。
引き寄せられたグドンはそのまま投げ飛ばされデスドラゴの上にのしかかる形で倒れてしまう。
そのまま地面に倒れた二体に向かって超振動波を放とうとするゴモラだったが、突如としてゴモラの背中に爆発が起きる。
それはブルトンが四次元現象を利用した攻撃をゴモラに放ったものだった。
ブルトンは連続して爆発攻撃をゴモラに仕掛けていく。
さらに起き上がった二体がブルトンの攻撃に怯むゴモラを抑えつけ、地面に叩きつけていく。
地面に叩きつけられたゴモラはそのままの姿勢で尻尾を振るって攻撃するが、デスドラゴはそれを受け止めるとゴモラを引きずり投げ飛ばす。
「キシャアァァァァァアアァッ…!」
立ち上がろうとするゴモラだったが、先の戦いから十分な回復をしないまま戦ったので中々立ち上がれずにいる。
「カズマ!このままじゃゴモラが!」
「分かってるけど退くわけには…!」
「カズマ君…」
その時、リコのペンダントが光り一筋の光がゴモラに向かっていった。
その光を浴びたゴモラはたちまち回復し立ち上がる。
「リコ…今のは一体…?」
「私にも分からない…」
「あの時と同じ光…でもこれで戦える!行くぞ、ゴモラ!」
立ち上がったゴモラはグドンとデスドラゴに目掛けて突進を繰り出し二体を突き飛ばす。
突き飛ばされた二体は仲良く地面に倒れ込んでしまうがそこにゴモラの超振動波が炸裂する。
「ガァアアアアアアン!!!」
直撃を受けたグドンはその場で爆発四散するが、デスドラゴは転がって回避し起き上がると口から電撃光線を放ちゴモラを攻撃してきたのだが、ゴモラはビルの瓦礫を尻尾で弾き飛ばしてそれを防ぐ。
電撃光線を防がれたデスドラゴは地団駄を踏むと突進攻撃を仕掛けてくる。
ゴモラはデスドラゴの突進攻撃を難なく受け止めると、デスドラゴの角を膝蹴りで叩き折って投げ飛ばした。
「ギシャァグゥオオオオオオッ!!!」
角を折られたデスドラゴは頭を抱えて苦しむ。
その隙をついてゴモラは超振動波を放ちデスドラゴを攻撃する。
超振動波を受けたデスドラゴは跡形もなく吹き飛んでいった。
「やった!あとはあのフジツボ怪獣だけ!」
「ああっ!ブルトンに超振動波だ!」
ゴモラはブルトンにも超振動波を放つが、ブルトンは空間を歪ませて超振動波を無効化してしまうとアンテナから金縛り光線を放ちゴモラの動きを止める。
「あのアンテナをどうにかしないと…!」
「カズマ君!こうしたらどうかな?」
リコはカズマの耳元で自身の考えを伝え、カズマはそれに頷いた。
「ゴモラ、地面に向かって超振動波だ!」
ゴモラはブルトンの光線を引きちぎるとカズマの指示通り、地面に超振動波を撃ち込む。
超振動波の衝撃は地中を伝わりそれはブルトンに直撃する。
その隙を狙いゴモラはブルトン目掛け猛然と駆け寄りブルトンとの距離を縮めるとそのまま抑えつける。
ブルトンはアンテナを伸ばし抵抗しようとするが、ゴモラはそのアンテナを掴むと力を込め一気に引っこ抜いてしまう。
アンテナを引っこ抜かれ、突起から火花を散らして苦しむブルトンは宙に浮かび逃亡を図る。
「逃がすな!超振動波だ!」
ゴモラは超振動波を放ち宙に浮かぶブルトンを攻撃、超振動波の直撃を受けたブルトンは地上に墜落する。
しかしながら地上に墜落したブルトンは最後の抵抗を見せるかのようにアンテナを伸ばすと次元の歪みを引き起こす。
「ピィギャアアアアアオオオン!!!」
次元の歪みからはレッドキングが現れ、ゴモラを見かけるや否やすぐさま突進攻撃を繰り出してきた。
ゴモラはレッドキングの突進攻撃を受け止め、勢いよく投げ飛ばす。
しかし投げ飛ばされたレッドキングはすぐに起き上がると、崩れたビルをゴモラ目掛けて蹴り飛ばしてくるがゴモラはそれを腕を振るって叩き落とすが、レッドキングはゴモラとの距離を詰めると自慢の怪力を活かしたパンチ攻撃をゴモラに放つ。
パンチ攻撃を喰らったゴモラは怯んでしまい、レッドキングはそんなゴモラの頭を掴むと力任せに放り投げてしまう。
地面に叩きつけられたゴモラを見たレッドキングはゴモラにトドメを刺そうと辺りを見回し、なんとその場に転がっていたブルトンを持ち上げてゴモラに投げつけてしまう。
ゴモラは起き上がると投げつけられたブルトンを尻尾を使ってレッドキングに弾き返すが、レッドキングも腕を振るってのパンチ攻撃でブルトンをゴモラに飛ばす。
それを見たゴモラは身体からオーラを放ち、ブレイブバーストになると先程よりも勢いをつけてブルトンを打ち返す。
打ち返されたブルトンは炎を纏いながらレッドキングに衝突してしまい、レッドキングは吹っ飛ばされゴモラはそんなレッドキングに飛び掛かると馬乗りになってレッドキングを殴りつける。
レッドキングも負けじとゴモラからマウントポジションを取ろうとするが、敵わずゴモラに首を掴まれ振り回されてしまう。
振り回されたレッドキングはブルトンの上にのしかかる形で叩きつけられる。
ゴモラはすかさず超振動波を二体に放つが、レッドキングはブルトンを持ち上げて盾にする。
防御に使うためのアンテナを引っこ抜かれたブルトンはそのまま超振動波を受けて粉々になってしまう。
その衝撃を受けたレッドキングは思わず怯んで後ずさりする。
ゴモラは怯んだレッドキングに突っ込むとその胴体に角を突き刺し、超振動波を流し込む。
体内に超振動波を流し込まれたレッドキングは身体から湧き上がる高熱に苦しみながら、身体のあちこちから火花を散らす。
そしてゴモラはレッドキングを空中にかち上げ地面に叩きつけ、レッドキングを粉砕する。
「よっしゃぁ!」
「よくやった、ゴモラ!」
カズマはゴモラをバトルナイザーに戻す。
「カズマ君、ありがとう…」
「ううん、リコのおかげだよ。礼を言うのはこっちだよ」
「カズマ〜終わったモコか?」
「きゃあっ!?」
「なんだこの毛玉みたいなの!?」
「あっ、僕はモコって言うモコ…ってカズマ!?もしかして…」
「そのもしかしてだよ…二人共、こいつは危険な奴じゃないから大丈夫」
「そうなんだ…モコモコしてて気持ちよさそう…」
「それよりも!ブルトンを倒したからもう怪獣は現れないんだよな?」
「ああっ、これ以上新しくは現れないはず…」
ブルトンが倒されたことでこれ以上怪獣が現れないことを知り安堵するリコとツヨシ。
すると突然カズマの脳内に不気味な声が響き渡る。
(我が血を継ぎし怪獣使いの子よ…ブルトンを倒すとは見事だ…)
「誰だ!?」
(だがお前にはもっと成長して貰わねばならん…我がいい場所に連れていってやろう…)
不気味な声が聞こえなくなると同時に三人の足元に空間の歪み…ワームホールが現れ、三人はそこに落ちてしまう。
「うわあっ!?」
「きゃあっ!」
「落ちるモコ!」
「リコ!ツヨシ!モコ!わああっ!」
ワームホールに落ちてしまった三人…彼らはどこに飛ばされたのか…
〜第一章“地球編”完〜
・四次元怪獣ブルトン
全身から突起を生やしたフジツボのような姿をした怪獣。四次元現象「パラノーマルフェノメノン」を引き起こし、怪獣が絶滅した地球に怪獣を送り込んでいた元凶である。ゴモラがファイヤーゴルザを倒した直後に出現し、フジキヶ丘一帯を空間の歪みに呑み込もうとするがゴモラに妨害されてしまう。様々な四次元現象でゴモラを翻弄し怪獣達を召喚して追い詰めるも体力を回復させたゴモラに押されてしまう。最終的には自身が召喚したレッドキングに超振動波の盾にされて粉々になってしまう。
・地底怪獣グドン、破壊暴竜デスドラゴ、どくろ怪獣レッドキング
ブルトンによって召喚された怪獣達。グドンとデスドラゴはタッグを組んでゴモラに襲いかかるも二体共、超振動波で倒されてしまう。レッドキングはブルトンの最後の抵抗として召喚されゴモラと戦うがこちらも超振動波を受け倒されてしまう。今回現れたレッドキングはブルトンを道具代わりに利用する等、最初に現れた個体より幾分か知能に優れている個体のようだった。