大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

15 / 36
第15話 宇宙海賊の襲来

「ここまで来れば大丈夫だろ…」

ボーンザウルスの群れから逃げてきたカズマ達は近くの岩に腰を下ろす。

「ハァハァ…あんな怪獣見たことねぇぞ…」

「早いところこの星がどこなのか調べないといけないのに、この調子だと私達が先に力尽きちゃう…」

「でも見渡す限り岩ばっかりモコ…」

「にしても喉乾いた…水とか無さそうだし…雨はあり得ないよなぁ」

ツヨシは雨が降らないかと空を見上げるが雲一つ無い空を見て諦めようとしたその時、何かが上空から近づいてくるのが見えた。

「ありゃなんだ?」

「どうしたツヨシ?」

「ほらあそこ。何か光ってないか?」

「流れ星かしら?…待ってあれ…」

「こっちに近づいてきてるモコよ!」

カズマ達はすぐさまその場を離れる。

そして光はカズマ達がいた場所に勢いよく落下し、その衝撃に思わず目を逸らすカズマ達。

やがて煙が晴れるとそこから一人の宇宙人が腰を押さえながら姿を現した。

「あいててて…やっば、腰やったかもしれんバロ…」

その宇宙人は金と紫のボディーカラーに兎のような耳、蝶のような羽根の意匠を持った派手な姿をしていた。

「ああっよし大丈夫バロ…そこの貴様!手にしているそれをよこすバロ」

「なに!?」

「お前誰モコ!?」

「俺様のことを知らないバロ?教えてやるバロ!宇宙を股にかける大海賊とはこの俺様バロッサ星人バロ!」

宇宙人…“海賊宇宙人バロッサ星人”は親指で自らを指し大々的に自己紹介する。

「…バロッサ星人だって?」

「カズマ君、知ってる?」

「いや知らない」

バッサリと切り捨てるように言い放ったカズマにバロッサ星人はずっこけながらも突っ込みを入れる。

「俺様のことを知らないとは…とんだ田舎者達め!」

「田舎者って…それで狙いはなんなんだ!」

「狙いはそのバトルナイザーバロ!この宇宙を支配していたレイブラッドが作りし宇宙の宝!宇宙海賊たる俺様に相応しい!」

そう言うとバロッサ星人は光線銃を取り出しカズマ達に銃口を向ける。

「大人しくそいつを渡せば見逃してやってもいいバロ」

「断る!お前みたいなコソ泥に誰がやるもんか!」

カズマがそう答えるとバロッサ星人は光線銃の引き金に指をかけ引き金を引く。

「カズマ君!」

放たれた光弾がカズマに当たりそうになったその時、リコが持っているガラス玉から光が出てそれはカズマの前で防壁となり光弾をバロッサ星人に向けて跳ね返す。

「痛って!なにするバロ!」

「リコありがとう。助かったよ」

「ううん気にしないで」

「こうなったらコイツで貴様ら全員纏めて踏み潰してやるバロ!」

するとバロッサ星人は懐から“吸血植物ジュラン”の種を取り出し額から舌を伸ばしてそれを取り込み巨大化する。

巨大化したバロッサ星人は青龍刀を手にすると高々と掲げて威嚇する。

「さぁそのバトルナイザーをよこすバロ!」

「渡すわけないって言っただろ!」

カズマはバトルナイザーを掲げゴモラを召喚する。

[バトルナイザー、モンスロード!]

 

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「大海賊の力、とくと味わうがいい!」

手にした青龍刀でゴモラに斬りかかるバロッサ星人であったが、ゴモラはそれを躱し背中に強烈なキックを浴びせる。

「痛たたた…まだまだ!」

連続して斬りかかるバロッサ星人だったが、全て見切られた上青龍刀を白刃どりされてしまう。

しかしバロッサ星人はゴモラの脇腹に蹴りを入れ距離を取ると、左腕に機関銃を装着して銃弾を乱射してゴモラを攻撃する。

銃弾の嵐にゴモラは堪らず後退しバロッサ星人はその隙に高くジャンプしてゴモラを斬りつける。

斬りつけられた箇所から火花が散りゴモラは苦しみバロッサ星人はさらに斬りかかろうとしたが、青龍刀を受け止められ蹴りを受け頭を掴まれるとそのまま投げ飛ばされてしまう。

投げ飛ばされた衝撃で青龍刀を落としてしまったバロッサ星人はすかさず機関銃から銃弾を放ちゴモラを怯ませ態勢を立て直す。

「ぐぬぬぬ…お、思ったよりやるバロ…これがレイオニクスの力バロ…!」

「諦めたらどうなんだ?カズマには勝てないって!」

「そうモコ!大人しく帰った方が身のためモコよ!」

「やかましい!俺様の辞書に諦めるという言葉はないバロ!」

ツヨシとモコに降参するよう言われるが、それを一蹴したバロッサ星人は右手から渦巻き状の光線を地面に向けて放つ。

すると光線が当たった地点から土煙が上がり一体の怪獣が姿を現した。

「グワァアアアアアァオウッ!!!」

「あいつは…“凶暴怪獣アーストロン”!?」

「さぁ行くバロ!」

バロッサ星人に指示されたアーストロンはゴモラと組み合うが、あっけなく投げ飛ばされてしまう。

そんなゴモラの背中をバロッサ星人は機関銃で撃ち抜こうとするがそれを見切っていたゴモラに尻尾で叩き落とされてしまう。

「あだっ!アーストロンなにやってるバロ!」

バロッサ星人に命令されて起き上がったアーストロンはゴモラの尻尾を掴み動きを抑える。

その隙を突いたバロッサ星人は槍を取り出すと石突部分からミサイルを連射しゴモラを攻撃していく。

さらにアーストロンはゴモラを放り投げると口からマグマ光線を放ち倒れ込んだゴモラに追い討ちをかけ、ゴモラがいる場所は大爆発を起こす。

「どうよ!さぁそいつをよこすバロ」

「勝った気でいるのは早いんじゃないか?」

「何を強がり言いやがって…」

バロッサ星人はゴモラがいた場所を見るとそこにゴモラの姿は無かった。

「ど、どこ行ったバロ!?」

アーストロンはその場に向かい辺りを見渡し始める。

「今だ!」

カズマの合図に合わせて地中から飛び出したゴモラはバロッサ星人の背中に突進を喰らわせアーストロンにぶつける。

「この野郎〜!完全に怒ったバロ!」

起き上がったバロッサ星人は槍を構えるとゴモラ目掛けて突進していくが、ゴモラはそれを難なく躱す。

続けてアーストロンがゴモラに頭突きを繰り出すが、ゴモラはそれを受け止めると腹部に膝蹴りを放ち頭を殴りつけ怯ませると尻尾の一撃を浴びせる。

だが負けじと羽根の意匠を展開させ空中に飛び上がったバロッサ星人は、そこから槍の石突部分からミサイルを連射しゴモラを牽制すると突き殺そうと勢いをつけて落下してくる。

「これで終わりバロ!」

「避けろ、ゴモラ!」

ゴモラはその場をバックステップで離れる。

「えっ?ちょちょ待つバロ!」

一方のバロッサ星人はゴモラに回避されたことで槍を勢いよく地面に突き刺してしまい、しかも槍が深く突き刺さったのか地面から抜けずに四苦八苦している。

「ぬ、抜けない…バロ…!」

槍を抜こうとするバロッサ星人を放置しゴモラはアーストロンを睨みつけるとそのまま駆け出していく。

駆け出してくるゴモラを見たアーストロンは口からマグマ光線を放つが、ゴモラはジャンプして躱すとそのまま一回転し尻尾をアーストロンの頭に叩きつける。

着地したゴモラはすかさずアーストロンの腹部に蹴りを叩き込み、さらに尻尾を軸にしたカンガルーキックを入れると尻尾の一撃でアーストロンを岩場にぶつける。

そしてゴモラは倒れ込んだアーストロンに何度も尻尾を叩きつけて攻撃していると、突如として鎖がゴモラの腕に巻き付く。

ゴモラが鎖が伸びてきた方向を見るとバロッサ星人が左腕につけたアタッチメントから鎖を伸ばしていた。

「動きさえ封じればこっちのものバロ。アーストロン!やるバロ!」

バロッサ星人に命じられたアーストロンはゴモラに向かって突進やマグマ光線で攻撃を仕掛ける。

「ぐっ…卑怯だぞ!」

「卑怯もラッキョウもあるかい!お宝のためならなんだってするバロ!」

アーストロンからの猛攻を受け続けたゴモラは遂に膝をついてしまい、バロッサ星人は膝をついたゴモラにトドメを刺そうと槍を掲げた。

「このままじゃ負けちゃう!」

「大丈夫だリコ。俺達は絶対に負けない!ゴモラ、お前の持つ力を燃やすんだ!」

カズマがバトルナイザーを掲げたその瞬間、ゴモラは全身から炎のようなオーラを放ちバロッサ星人とアーストロンを吹っ飛ばすのと同時に腕に巻き付いていた鎖を焼き切る。

「あちちち!なんかヤバそうバロ…アーストロン!」

起き上がったアーストロンは角を突き出してゴモラに突進を繰り出すがゴモラは受け止めると顔を殴り飛ばす。

さらに前転からの尻尾の叩きつけによる一撃でアーストロンをよろめかせるとその首を掴みブレーンバスターを決めダウンさせる。

「次はお前だ!バロッサ星人!」

アーストロンをダウンさせたゴモラはバロッサ星人を見据えると右足を赤熱化させ地面を踏みつけ熱を帯びた破砕岩を撃ち出して攻撃する。

放たれた破砕岩を受けたバロッサ星人は怯みながら後退してしまい、その隙を突いたゴモラの突進攻撃を受けてしまう。

「こうなりゃ全て粉々にしてやるバロ!」

吹っ飛ばされたバロッサ星人はよろめきながらも立ち上がると懐から巨大な卵のような物体を取り出した。

「この有機爆弾で終わりバロ!そりゃあ!」

するとバロッサ星人は有機爆弾をゴモラに向かって投げつけ起爆スイッチを入れる。

「そいつはお返ししてやる!ゴモラ!」

カズマの指示に応えたゴモラは尻尾を振り回して投げつけられた有機爆弾をバロッサ星人に弾き返す。

「ん?嘘!?ちょっ、ま、待って!」

弾き返された有機爆弾はバロッサ星人に直撃し、バロッサ星人は空中に吹っ飛ばされる。

「ぐああああああっ!次こそは必ずそのバトルナイザーを頂くバロ!覚えているバロ〜!」

そう言い残しながらバロッサ星人は空の彼方へ消えていった。

「やった!流石ゴモラだな!」

「あとはアーストロンだけモコ!」

空の彼方に消えたバロッサ星人を見届けたゴモラはアーストロンの方へ振り向く。

アーストロンは立ち上がるとゴモラに襲い掛かろうとしたが突然周囲を見渡し始める。

「グワァアオウッ?」

「どうしたんだ?」

「あの怪獣もしかして…カズマ君、あの怪獣は見逃してあげて!」

「リコ?なんでまた急に?」

カズマがリコにその理由を聞こうとするが、それより早くアーストロンは地底に潜りその場から去っていった。

アーストロンが去ったことで戦う理由も無くなったカズマはゴモラをバトルナイザーに戻す。

「ああっ…行っちゃったモコ」

「あの怪獣、何か様子が変だと思って…宇宙人いなくなったら急に大人しくなったじゃない?」

「あの宇宙人に操られていたってこと?」

「なるほど…優しいな、リコ」

カズマがリコの優しさに感心しているとツヨシが声を上げる。

「なぁちょっといいか?こんなものが落ちてたんだけど、あの宇宙人が落としたのかなぁ?」

ツヨシは拾った通信機のようなものを二人の前に出す。

それはZAPの通信機の“リサーチシーバー”であった。

「それってZAPのじゃないか!?ちょっと見せてくれ!」

カズマはツヨシからリサーチシーバーを取るとスイッチを入れようとする。

「使い方分かるモコ?」

「俺の父さん、ZAPの人だからね。使っているのを何度か見た事あるんだ」

言いながらカズマはリサーチシーバーのスイッチを入れることに成功する。

「頼む…せめてこの惑星がどこなのかデータにあってくれ…!」

しばらくはノイズが画面に映っていたリサーチシーバーだが、やがて正常な画面が映る。

 

画面に映し出されたデータによるとカズマ達が飛ばされてきたこの惑星は“ファーリー”といいZAPの開拓惑星の一つであったが、一年前に謎の時空波が観測されそれに呼応するかのように惑星で眠っていた怪獣や宇宙からの怪獣が出現、ボリスでの一件からZAP上層部はファーリーを放棄する事としたとリサーチシーバーには記録されていた。

「そんなことがこの惑星であったなんてな」

「けれど放棄されたとはいえ、ZAPの管轄にあった惑星だ。基地の一つや二つあるはず」

カズマはリサーチシーバーを操作して現在地から一番近い基地を調べる。

「ここから一番近いのは…ジャングルを抜けた先にある“ハルケーン補給基地”だな」

「でもジャングルまでかなり歩くわね…大変そう…」

「だけど行くしかないんだ。全員で地球に戻ろう絶対に」

カズマ達は顔を見合わせて頷くとハルケーン補給基地に向かっていくのであった。




・海賊宇宙人バロッサ星人
種族そのものが海賊のような略奪行為を行っている宇宙人。個体によって狙う宝は異なるらしくこの個体はレイブラッド星人が造り上げたバトルナイザーを狙ってカズマに戦いを挑んできた。他の星から略奪した武器の他、手から放つ催眠光線でアーストロンを操っていた。最後は自身が投げた有機爆弾をゴモラに弾き返され空の彼方に消えていった。
※使用した武器
・暗黒星人シャプレー星人の光線銃
・侵略星人ガルタン大王の爆裂青龍刀
・奇機械怪獣デアボリックの機関銃
・怪異宇宙人ケットル星人のアトミックランス
・サーベル暴君マグマ星人の鉤爪
・宇宙爆弾怪獣ヴァラロンの有機爆弾

・凶暴怪獣アーストロン
三日月のような一本角に頑丈な骨格を持った怪獣。口から放つマグマ光線と怪力が主な武器。バロッサ星人に操られてゴモラと交戦するが、バロッサ星人が吹っ飛ばされると催眠が解け地底に逃げ帰っていった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。