大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第16話 赤き荒野に舞い降りる巨龍

惑星ファーリー…ここに蔓延っているのは怪獣達だけでは無い。

レイブラッド星人の血を継ぐレイオニクス達もこの星に来訪しているのだ。

「グァアアアアァアン!!!」

「キィウィイイィン!!!」

荒涼とした大地の中、二体の怪獣が対峙していた。

テレスドンに酷似した“地底怪獣デットン”と昆虫のような姿をした“変異昆虫シルドロン”である。

「レイブラッドの力はこのゴドラ星人のものよ!」

「そんな雑魚じゃクカラッチ星人様には勝てんわ!」

デットンを操る“反重力宇宙人ゴドラ星人”とシルドロンを操る“昆虫宇宙人クカラッチ星人”はそれぞれ啖呵を切ると、自分の怪獣に指示を出す。

デットンは早速シルドロン目掛けて岩を蹴り飛ばすが、シルドロンはそれを鋏状の手で叩き落とすとデットンに向かっていく。

シルドロンとデットンは互いに組み合うも、シルドロンはそれをすぐに振り解くとデットンの頭を殴りつけ攻撃するが、デットンも負けじと体当たりでシルドロンを攻撃する。

体当たりを受けよろめいたシルドロンにデットンは殴りかかるが、シルドロンは額の発光体を光らせデットンの動きを予知すると腕の盾を使い、デットンのパンチを防ぐ。

「どうよ!貴様のような奴にはシルドロンの絶対防御は崩せまい!」

デットンは連続してシルドロンを殴りつけていくが、シルドロンは的確に全て防御する。

「小賢しい真似しやがって!デットンのパワーを甘く見るでないわ!」

するとデットンは一度距離を取ると助走をつけて全身を使った体当たりを繰り出す。

その攻撃をも防ごうとしたシルドロンだったが勢いを殺すことが出来ずに大きく吹っ飛ばされる。

そこに駆け寄ったデットンがシルドロンの頭を抑え込む。

「いいぞデットン!額の発光体を叩き割ってしまうんだ!」

ゴドラ星人の指示に従いデットンはシルドロンの額の発光体を叩き割ろうとし、そこを重点的に殴りつける。

だがシルドロンはデットンを振り解き鋏状の手を突き出してデットンを突き飛ばす。

その時、突如として四機の宇宙船がこの戦いの場に飛来してくるのであった。

それは宇宙空間でミステラー星人の宇宙船を破壊した宇宙船だった。

宇宙船はそれぞれから光線を放ちデットンとシルドロンの二体を攻撃、光線の直撃を受けたデットンはそのまま大爆発を起こしてしまった。

「デットンが!?」

「あ、あれは!」

ゴドラ星人とクカラッチ星人は乱入してきた宇宙船に気を取られていると、一人の宇宙人が降り立ってきた。

「おいお前、勝負に割り込むとはなんのつもりだ!」

「お前が知る必要はない」

宇宙人は銃を取り出すとゴドラ星人の頭を的確に撃ち抜いてしまう。

「ああっ…ま、まさか…助けてくれぇ!」

宇宙人の姿を見てその場から逃げようとするクカラッチ星人であったが、宇宙人はそんなクカラッチ星人に爆弾を投げつけ彼を粉々に吹き飛ばす。

「キィウィイイィン!!!」

自分の主人が爆殺されたのを見たシルドロンは怒り狂い宇宙人に襲い掛かろうとするが宇宙船は光線を放ちシルドロンを攻撃する。

それを予知したシルドロンは腕の盾で光線を防ぐが、四機の宇宙船はそれぞれの光線を収束させて強力な光線としてシルドロンに放つ。

放たれた光線を防ごうとシルドロンは盾を構えるが先程より強力な光線を防ぎ切れず、直撃を受けシルドロンは爆発して果てるのであった。

「目標の消失を確認…新たな反応を検知、これより反応が出ている地点に向かう」

宇宙人はヘルメットに備わっている通信機でそう報告すると足元を見る。

そこには自身が撃ち殺したゴドラ星人の死体とバトルナイザーが転がっていた。

「…忌々しい…こんな奴らのせいで俺の母星は…弟は…」

そう言う宇宙人の言葉には、凄まじい怒りと憎しみが込められていた。

宇宙人はバトルナイザーを踏みつけて破壊すると転送装置で宇宙船に乗り込みその場を後にする。

 

一方その頃、カズマ達はハルケーン補給基地を目指して歩いていた。

「ああーっ!疲れた!」

「ジャングルすら見えてこないモコ…」

「でもあそこに湖があるからちょっと休憩しない?」

「そうだな…休憩するか」

カズマ達は湖まで移動するとそこで足を止め休息を取る。

「カズマ君、その補給基地までどれぐらい?」

「ん〜…まだまだ歩かないと行けない感じだなぁ」

「えぇーっ!まだ歩くモコか!?」

「いやお前カズマか俺の肩に乗ってるだけじゃん…そうだ!ゴモラに乗って移動するってのはどう?」

「ダメだ。目立って余計な戦いになるだけだ。そうなったら全員死ぬリスクも上がっちまう」

ツヨシの提案にカズマは首を横に振るが、リコがそういえばと声を出す。

「ねぇカズマ君のそれ…バトルナイザーだっけ?ゴモラしか使えないの?」

「えっ?いやそんなこと無いけど…どうして?」

「新しい怪獣…空飛ぶ怪獣とかいたら便利だなぁって思って」

リコの提案になるほどと頷くカズマであったが、その時バトルナイザーが反応する。

[超古代竜反応!超古代竜反応!上空から接近してくる!警戒せよ!]

慌ててその場から離れるカズマ達の前に降り立ったのはドラゴンと鳥を掛け合わせたような姿をした“超古代竜メルバ”であった。

「ギィエエエエエエエンン!!!」

メルバは羽根を大きく広げながら吠えると、湖の水を飲み始めた。

「ここの水を飲みに来たのか…」

安堵したカズマだったがツヨシが声を掛ける。

「メルバ仲間にしたらどうだ?飛べる怪獣だし」

「う〜ん、けどなぁ」

[超古代竜反応!警戒せよ!]

すると突然警告音と共にバトルナイザーが反応を示し、その音に気づいたメルバがカズマ達に迫ってきてしまう。

「ギィエエエエエエエンン!!!」

「静かにしろよ!コイツ急にどうしたんだ!」

「カズマ君、こっちに来てる!」

メルバは爪を上げるとそれを勢いよく振り下ろしてきた。

カズマ達は地面に倒れ込みながらも避けることに成功する。

「くっ…やるしかないか、ゴモラ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

 

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

メルバの前に現れたゴモラは大きく吠えて威嚇し、対するメルバもまた羽根を広げて威嚇する。

早速ゴモラはメルバに突進攻撃を繰り出すが、メルバはそれを飛行して躱すと空中から両足蹴りを放ってゴモラを攻撃する。

地上に降り立ったメルバは蹴りを喰らってよろめくゴモラに向かって空中体当たりを放ち、ゴモラを吹っ飛ばす。

ゴモラを吹っ飛ばしたメルバは降り立つとゴモラに駆け出していき、起き上がったゴモラもメルバに向かって駆け出していくと互いに組み合い始めた。

組み合ったゴモラはメルバの首を何度も殴りつけ投げ飛ばすと、メルバの上に跨って再び殴りつけさらに嘴を掴むとそのまま頭を地面に叩きつけて追い討ちをかけていく。

しかしメルバも目から光線を放ち反撃し、ゴモラを引き離し起き上がると両手の爪を振り下ろして攻撃するが、ゴモラはそれを受け止め投げ飛ばしてしまう。

「いいぞ、ゴモラ!」

ゴモラは腕を鳴らすとメルバに猛然と突っ込んでいく。

だがメルバは起き上がると羽根を使って突風を巻き起こし始めた。

突然巻き起こされた突風にたじろぐゴモラの隙を突いたメルバは空中に飛び上がると、目から光線を乱射してゴモラを攻撃してくる。

「空にいるからゴモラの攻撃が届かない!」

「どうにかして引きずりおろさねぇと…!」

攻めあぐねているゴモラをよそにメルバは目から光線を撃ち続け、さらに勢いをつけて上空からの突進攻撃をゴモラに仕掛け大きく吹っ飛ばす。

吹っ飛ばされたゴモラは倒れ込んだまま尻尾を振るって反撃するが、メルバはそれをバックステップで回避してジャンプするとゴモラの背中を何度も踏みつけ始める。

立ち上がろうとするゴモラだったが、その度にメルバに背中を踏みつけられて抑え込まれてしまう。

そんなゴモラを見下ろしながら嘲笑うメルバだったが、その一瞬の隙を突いたゴモラが勢いよく立ち上がったのでバランスを崩して倒れてしまう。

起き上がったゴモラは倒れ込んでいるメルバに駆け寄ると両足を掴み何度も振り回して投げ飛ばし、投げ飛ばされたメルバは岩壁に叩きつけられる。

「メルバに飛び立つ隙を与えるな!」

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

よろめきながらも立ち上がったメルバに向かってゴモラはドロップキックを繰り出して大きく怯ませると、続けて尻尾をメルバの頭に叩きつけ、さらにメルバの脇腹を尻尾で勢いよく叩きつけていく。

そして猛攻を受け倒れたメルバ目掛けて何度も尻尾を振り下ろし攻撃を続けていく。

やがて尻尾での攻撃を止めメルバを睨みつけると、メルバに背中を向けてその場から離れようとする。

その隙を逃すまいとメルバは起き上がり、光線でゴモラの不意を突く。

それを間一髪のところで回避したゴモラは角にエネルギーを集中させていく。

「超振動波だ!」

放たれた超振動波はメルバに直撃し、雄叫びを上げながらメルバはその場に崩れ落ちるのであった。

「ギィエエエエエエエンン…!」

「やったモコ!」

「よくやったなゴモラ…お疲れさん」

カズマがバトルナイザーにゴモラを戻したその瞬間、倒れていたメルバが起き上がりだした。

「あの怪獣まだ生きてる!?」

「ぐっ…ゴモラ、すまないがもう一度…」

ゴモラを召喚しようとしたその時、カズマが手にしているバトルナイザーが輝くと同時に開き、そこから放たれた光がメルバを包み込んでいく。

「この光は一体…?」

戸惑うカズマ達をよそにメルバを包み込んだ光はカード状になると、バトルナイザーに取り込まれていった。

「…メルバが吸い込まれていった…」

「これって…もしかしてその子が仲間になったってこと?」

カズマがバトルナイザーを見ると、2つ目のウインドウにメルバの姿が映っていた。

「らしいな。これからよろしく頼むぞ、メルバ」

カズマの呼び掛けに応えるように羽根を広げるメルバ。

「ってことは空飛んで基地まで行けるんじゃ…!」

「でかいから目立つって」

「それにさっきの戦いでこの子傷ついてるんだから、今はそっとしとこうよ」

新たな仲間になったメルバについて話しながら、カズマ達はもうしばらくその場に留まることにした。

 

「あいつはあの時の…まさかこの星に来ていたとは…!」

そんなカズマ達を見つめる宇宙人が一人…かつてバキシムを操りカズマと戦ったヒッポリト星人である。

その傍らには様々な色の風船を持った黒服の男もいる。

「どうやらこの星にはレイオニクスが寄ってくるようだな…」

「そのようですね…あいつはどうしますか?」

「…まだ泳がせておくといい…我らは切り札の完成を急ごうではないか」

「せっかくこいつの出番が来ると思ったのですが…まぁいいでしょう」

緑色の風船を片手にヒッポリト星人はほくそ笑むと黒服の男と共に蜃気楼のようにその場から姿を消すのであった。




・超古代竜メルバ
別宇宙の超古代文明を荒らし回った怪獣で、ゴルザと同じ超古代怪獣の一体である。鳥やドラゴンのような姿をしており、巨大な翼を活かしてマッハ6の速度で空中を自在に飛行することができ、目から放つ光線「メルバニックレイ」や両腕の「スラッシュクロー」で敵を攻撃する。惑星ファーリーの湖で羽根を休めてた所、カズマの持つバトルナイザーの警告音に反応し召喚されたゴモラとの戦闘を開始、身軽な動きと空中から攻めることでゴモラを翻弄するが猛攻を受け超振動波でダウンしてしまうものの立ち上がってカズマ達に襲い掛かろうとするが、バトルナイザーから放たれる光によってその中に取り込まれ、カズマの新たな仲間になった。

・反重力宇宙人ゴドラ星人(RB)
ゴドラ星のレイオニクスでデットンを操る。好戦的な性格でシルドロンを操るクカラッチ星人とレイオニクスバトルを繰り広げていたが、謎の宇宙人が操る宇宙船によってデットンを倒されてしまう。自身らの勝負に割り込んだ宇宙人に突っかかるもその宇宙人に頭を撃ち抜かれて息絶える。

・地底怪獣デットン
ゴドラ星人に操られる怪獣でテレスドンと酷似した姿をしている。そのためテレスドンの弟ではないかと言われているがその真相は不明。持ち前の怪力を活かしてシルドロンと戦うが、戦いに乱入してきた宇宙船の光線を喰らい爆殺されてしまった。

・昆虫宇宙人クカラッチ星人(RB)
昆虫のような頭を持った宇宙人で、その頭はインセクティボラタイプビースト アラクネアに酷似しているが関連性は不明。クカラッチ星のレイオニクスとして同じ昆虫怪獣のシルドロンを操りゴドラ星人と戦うが、乱入してきた宇宙人にゴドラ星人を殺されてしまいその姿を見て何かを悟ったのかその場から逃げようとするが、宇宙人が投げつけた爆弾によって木っ端微塵にされてしまった。

・変異昆虫シルドロン
昆虫が変異したとされる怪獣で鋏状の手を武器にするが、最大の特徴は額の発光体を点滅させて敵の動きを予測する所謂予知能力で敵の動きを予測し的確な防御と攻撃で敵と戦う。クカラッチ星人に操られゴドラ星人操るデットンと戦うが乱入してきた宇宙人に戦っていたデットンとゴドラ星人、自身の主であるクカラッチ星人を殺されてしまう。主の敵討ちのため宇宙人に襲いかかるも宇宙船に妨害され、宇宙船からの光線攻撃を一度は防ぐものの各機から放たれ威力が増した二発目を防ぐことは出来ず大爆発を起こして果てるのであった。
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