大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第17話 最強最速の死闘

「ようやくジャングルが見えてきたぞ…」

「ハァハァ…やっとか」

「でも基地はこのジャングルを抜けた先にあるんでしょ?」

「先は長いモコね」

ハルケーン補給基地を目指すカズマ達は木が生い茂るジャングルに辿り着くことができた。

「というか腹減ったんだけど」

「この星に飛ばされてから碌に食べてないからなぁ」

「基地に食糧とか残ってるかしら…?」

「分かんないけど放棄されて一年経つから残ってないんじゃないかな」

「まあまあこのジャングルにも食べられそうなものが幾つかあるモコよ。あれとか」

モコが視線を向けた先の木にはりんごによく似た実がなっていた。

「モコちゃん、あの実本当に食べられるの?」

「宇宙を旅してきたモコが言うから間違いないモコ!」

モコは自信満々の様子で言い張るが、ツヨシはそれを疑惑の眼差しで見ていた。

するとカズマは高くジャンプをし実を何個かもぎ取ると、一個を口にする。

「おいおい!カズマ大丈夫なのか?」

「んーちょっと酸っぱいけど食べられないって訳じゃないな」

そう言うとカズマは実をリコに手渡しツヨシには投げて渡す。

「なんで俺には投げて渡すんだよ…確かに食えないこともないな」

「だから言ったモコ!」

「もしかしたら他にも食べられそうなものあるかも。その時はモコちゃんに任せようかしら」

「お任せあれ!」

実でお腹を満たしているとカズマの持つバトルナイザーが反応する。

「この反応は…まさか!」

[高速宇宙人接近中!高速宇宙人接近中!]

カズマ達が身構えると地平線の彼方から一人の宇宙人がこちらに駆け寄ってきた。

「バトルナイザーに惹かれてみれば…貴様、地球のレイオニクスだな?」

「お前は“高速宇宙人スラン星人”…」

「ほほぅ私のことを知っているとは」

両腕の刃を研ぎながら感心するように言ったスラン星人は高速でカズマの元に駆け寄ると、その刃をカズマの首に向ける。

「カズマ君!?」

「逃げないとは流石レイオニクス。肝が据わっている」

「…目的はなんだ…?」

「無論レイブラッドの力よ。宇宙を支配したといわれるその力があれば、我が同胞を倒した宿敵ウルトラマンマックスへの復讐も容易いものになる…」

カズマの首に向けた刃を納めながらそう語るスラン星人はカズマに問いかける。

「お前もレイオニクスならば当然レイブラッドの力を求めているのだろう?」

「そんな力欲しくなんかないね!」

「珍しいレイオニクスだな…レイブラッドの力が欲しくないとは」

スラン星人はバトルナイザーを手にするとそれを突きつける。

「まぁいいさ。レイオニクスは戦い合う運命にある。俺の経験値になってもらおうか?」

[バトルナイザー、モンスロード!]

スラン星人のバトルナイザーから緑色の光が放たれ、それは一体の怪獣として実体化する。

「グワアアアアアァアアァン!!!」

「あいつは“超音速怪獣ヘイレン”だモコ!スピードに長けた怪獣だモコ!」

「スピードに長けた…どうやらお前の出番が来たみたいだ!」

カズマはニヤリと笑うとバトルナイザーを掲げる。

「メルバ!頼んだぞ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

カズマのバトルナイザーから光が放たれメルバの姿となって実体化する。

「ギィエエエエエエエンン!!!」

「この前仲間になった子!」

「メルバのスピードなら対抗出来るはず!」

「面白い怪獣を連れているな。ヘイレン!相手をしてやれ」

 

メルバは羽根を広げて吠えるとヘイレンをしっかりと見据える。

「グワアアアアアァアアァン!!!」

ヘイレンもまた吠えるとメルバを睨みつける。

しばらくの静寂の末、それを破ったのはヘイレンだった。

ヘイレンは口にエネルギーを溜めるとそれを火炎弾としてメルバに撃ち出すが、メルバは素早い身のこなしで火炎弾を回避する。

連続して火炎弾を撃ち込むヘイレンだが、それを全て回避したメルバは両手の爪を打ち鳴らしてヘイレンに向かっていく。

対するヘイレンもメルバに向かっていくと肩からの突進でメルバを怯ませるとその腹部に蹴りを喰らわしダメージを与える。

「お前の怪獣が俺のヘイレンに勝てるはずが無い!」

そう豪語するスラン星人に同調するかのように、ヘイレンは膝をついたメルバの頭部を蹴り上げると首を掴む。

しかしメルバはそのままの姿勢で嘴を使ってヘイレンの頭を突く。

不意に頭を突かれたヘイレンはメルバの首から手を離してしまうが、その隙を逃さなかったメルバはジャンプして両足蹴りを決めるとヘイレンに掴み掛かり何度も殴りつけていく。

それを振り払ったヘイレンはメルバとの距離を取ると拳法のような構えをとると、助走をつけて高く飛び上がり両手を組んだハンマーパンチをメルバに振り下ろす。

ハンマーパンチを受けたメルバは大きく怯み、ヘイレンはそこに張り手攻撃を繰り出し追撃を重ね、メルバの腕を掴んで投げ飛ばしてしまう。

起き上がりながら目から光線を放って反撃するメルバだったが、ヘイレンは放たれた光線を素早い動きで回避すると背後に回り込んで背中を蹴り飛ばす。

「フッフッフ…俺のヘイレンの強さ、思い知ったか」

「なんて速さなんだ…!」

「驚くのは早い。本当の最強最速というものを教えてやる。ヘイレン!」

スラン星人の声を受けたヘイレンは戦闘機のような黒い翼を広げると空高く飛び上がった。

「メルバ!ヘイレンを追いかけるんだ!」

カズマの指示を受けメルバもまた巨大な羽根を広げて空に舞い上がる。

「グワアアアアアァアアァン!!!」

自分を追いかけてくるメルバを見たヘイレンは大きく吠えると口から火炎弾を連発して攻撃してきた。

メルバは火炎弾をひらりと回転しながら回避しつつヘイレンに接近しようとするが、ヘイレンは火炎弾で牽制しその距離を縮めさせてはくれない。

「なんて速さなんだ!」

「空はヘイレンの得意とするところ。ヘイレンに空での戦いを挑んだ時点で勝ちは決まったようなものよ!」

スラン星人は勝ち誇ったかのように高笑いし、ヘイレンはさらに飛行速度を上げてメルバの周囲を飛び回り空気の檻を作り始めた。

「ギィエエエエエエエンン!!?」

自身の周囲を飛び回るヘイレンを見て困惑するメルバをよそに、ヘイレンは空気の檻を完成させメルバを閉じ込める。

「メルバ!」

「さぁこれで終わりだ!やれヘイレン!」

ヘイレンはスラン星人の指示を受けメルバを閉じ込めた檻を一気に破壊しメルバにダメージを負わせ、メルバを地上に叩き落とす。

それを見たヘイレンも地上に降り立つと大きく吠え、自分の勝利をアピールする。

「勝負あったな。この俺とヘイレンに速さで勝とうなんて100年早いわ」

「そいつはどうかな?」

「なんだとぉ?」

「俺もメルバも諦めてないんだ!そうだろメルバ!」

するとメルバは立ち上がってヘイレンを睨みつける。

「何度やっても同じことだ!行けヘイレン!」

「行くぞ、メルバ!」

2体の怪獣は駆け出していくが、メルバはヘイレンの眼前でジャンプすると空中で連続蹴りをヘイレンの頭部に喰らわせ怯ませていく。

着地したメルバはそこからさらに鋭い爪を振り回して、ヘイレンの身体を切り裂いて攻撃していく。

しかしヘイレンも負けじと振り回される爪を受け止めると腹部に蹴りを浴びせてメルバとの距離を取り、翼を広げて再び空中に飛び上がった。

「また飛び上がったモコ!」

「空中じゃあいつの方が有利だ!」

「心配するな!俺達の本気、見せてやる!」

メルバもまた空中に飛び上がり、再びヘイレンとの空中戦に挑戦する。

ヘイレンは自分を追ってくるメルバを後ろ目で見ると余裕の笑みを浮かべいきなり最高速でメルバを突き放していくが、メルバは光線を放ちヘイレンを牽制していく。

放たれる光線を回避していくヘイレンだったが、次第にそれを煩わしく思ったのか急旋回してメルバに火炎弾を放ち攻撃してきた。

「メルバ!そのまま突っ込んで奴を捕まえろ!」

撃ち込まれる火炎弾を躱しながらメルバはスピードを上げ、ヘイレンを捕まえると至近距離から光線を放ち地上に墜落させる。

そしてメルバは墜落したヘイレンの背中に跨ると生えている黒い翼をもぎ取ってしまう。

「これで空を飛ぶことは出来なくなったな!」

「ぐうっ…たかが地球人の分際で…!」

ヘイレンは跨るメルバを振り落とすと立ち上がって火炎弾を連発してきたが、メルバはそれに怯むことなく低空飛行しながら突っ込んでいきヘイレンの腹部に嘴を突き刺す。

「今だトドメを刺すぞ!」

突き飛ばされたヘイレンは再び地上に倒れ込み、カズマの指示を受けたメルバは最大威力の光線をヘイレンに向かって放つ。

「地球人如きに負けるとは!ぎゃああああああああっ!!!」

その光線の直撃を受けたヘイレンは雄叫びを上げながら爆発してしまい、スラン星人もその爆発に巻き込まれてしまうのであった。

「やったモコ!」

「ああっ…メルバありがとうな。今後もよろしく頼むぞ」

カズマの労いの言葉を受けたメルバは天高く吠えながらバトルナイザーへと戻っていく。

「お疲れカズマ君」

「しかしカズマみたいにそれ使って怪獣を操る奴がいるなんてな…」

「あいつだけじゃない。他にも俺のような怪獣使いがこの星にいるかもしれない…レイブラッドの力を求めて…」

「さっきの宇宙人も言ってたけどそのレイブラッドって一体…?」

「そうか…二人は知らないんだよな。レイブラッドっていうのは…」

カズマは二人にレイブラッドの事を中心に自分が持つバトルナイザーやレイオニクスの事について説明するのであった…

 

 

 

「起きろスラン星のレイオニクスよ…」

「ううっ…ここは一体…?」

その頃、ヘイレンの爆発に巻き込まれたはずのスラン星人は金色に輝く異空間で目覚める。

スラン星人が辺りを見回すとそこには一人の黄金色の宇宙人がいた。

「何者だ貴様!?」

宇宙人に突っかかるスラン星人だったが、逆に宇宙人が放った光線を受け拘束されてしまう。

「そう突っかかるな。私はお前の命の恩人だぞ?」

「命の恩人だと?」

「お前は本来ならあそこで死ぬ運命にあったのだ。それを私が助け出したのだ」

「何故そんなことを…?」

「お前の持つ怪獣を操る力、我らが“ザ・キングダム”の為に使ってはくれないだろうか?」

「お前に手を貸して私に何の得がある!」

「ウルトラマンマックスへの復讐に力を貸そうではないか。そのために必要なものは全て調達しよう…このように」

黄金の宇宙人が指を鳴らすとその場に巨大な卵のような物体が現れる。

「それはまさか…伝説の魔王獣“マガオロチ”の卵なのか!?」

「その通り。他にも望むものがあるなら調達してやる…どうだ?お前にとって得しかないではないか?」

黄金の宇宙人の出す条件にスラン星人は心を動かされ、そして…

「分かった…協力しよう…マックスへの復讐が出来るのならなんだって構わんからな」

スラン星人は黄金の宇宙人への協力を約束するのであった。

「素晴らしい判断だ」

黄金の宇宙人はスラン星人の拘束を解くと手を差し出し、スラン星人もそれに応える。

「そういえば名はなんて言うんだ?」

「私は究極生命体“アブソリューティアン”の戦士、“アブソリュートタルタロス”だ。これからよろしく頼むぞ、スラン星人よ」




・超音速怪獣ヘイレン
スラン星人が操る怪獣で、別名の通り超音速で飛行することができ最高速度はマッハ10に達するという。口から放つ火炎弾や俊敏さを駆使して相手を惑わし、空中で相手の周囲を飛行し空気の檻を作り閉じ込めた後それを破壊してダメージを与える技を持っている。メルバとのスピード対決で一度は有利に持ち込むも短気な性格が災いしてカズマの策に乗ってしまい翼をもぎ取られ最後はメルバニックレイを受けて爆死する。

・高速宇宙人スラン星人(RB)
スラン星のレイオニクスで、自身とヘイレンのスピードに自信を持つスピード狂。その目的は同胞を倒したウルトラマンマックスへの復讐である。カズマにレイオニクスバトルを挑み、ヘイレンのスピードにはついていけないとタカを括っていたが逆転されヘイレンと運命を共にするはずだったが…?
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