大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜 作:ウルトラジャンボ
ハルケーン補給基地を目指してジャングルを突き進むカズマ達一行。
「そんな恐ろしい奴がいたなんてな…」
「怪獣を操れるカズマ君もそのレイブラッドって宇宙人の血を持ってるってことだよね?」
「そうなるね…けどそのレイブラッドは誰かに倒されたらしいんだ」
「じゃあ他のレイオニクスはいないレイブラッドの力を求めて戦ってるってことか?」
「なんか意味ない戦いじゃない?」
リコが思ったことを口にしたその時、茂みから一体の怪獣が現れた。
「キィイイイイイイッ!!!」
「きゃあっ蜘蛛!?」
「こいつは“宇宙蜘蛛グモンガ”だ!」
グモンガは鼻の穴から緑色のガスを噴射しながらカズマ達を威嚇する。
「グモンガのガスには毒が含まれてるモコ!」
モコの忠告を受けガスを吸わないように鼻を覆うカズマ達だったが、グモンガはガスをさらに噴射してカズマ達を追い詰めていく。
「このままじゃガスの餌食になっちまう!」
「だったらこれでも喰らえ!」
カズマはポケットがら光線銃を取り出してグモンガに光線を撃ち込む。
「キィイイイイイイッ!!!」
口内に光線を受けたグモンガは口から煙を吐きながら息絶える。
「よっしゃ!」
「カズマ君!?それ何処で…?」
「あぁこれ?バロッサ星人が落としたやつを頂いたんだ」
「いつの間に…」
「こんな怪獣だらけの星にいる以上、護身用の武器は必要だろ?」
「キィイイイイイイッ!!!」
光線銃を手で回しながら説明するカズマだったが、彼の背後の茂みが突如として揺れもう一体のグモンガが姿を現した。
「また出た!私、蜘蛛は無理なの!」
「リコ下がってて!」
カズマが光線銃を構えたその時、別方向から飛んできた光線がグモンガに直撃した。
「な、なんだ…?」
カズマ達は光線が飛んできた方向を見るとそこには一人の宇宙人が光線銃を構えながら佇んでいた。
「なんだあいつ?」
「私達を助けてくれたのかしら?」
すると宇宙人はカズマに光線銃を突きつける。
「貴様レイオニクスだな?」
「うああっ!?カズマ!」
「カズマ君!」
「…あぁっ…あんたもレイオニクスなのか?」
「違う!俺はペダン星のレイオニクスハンター、マービンだ!」
ペダン星人マービンはそう言うと被ってるヘルメットのバイザーを上げた。
「…俺達地球人にそっくりなんだな…」
「レイオニクスハンターってことはレイオニクスを殺しているのか?何のために?」
「何のためにだと…!貴様らレイオニクスのせいで未来のペダン星は壊滅してしまったんだ!」
マービンから語られた事実にカズマ達は驚き絶句してしまう。
「だから我々はお前達レイオニクスを皆殺しにし、ペダンを救うため未来からやって来たんだ!」
「待って!カズマ君はそんなことしない!」
「だったらなんだ?見逃して欲しいってか?…レイオニクスは全て危険な存在なんだ!庇うというなら貴様も…」
「リコは関係ないだろ!…狙いは俺だけのはずだ…」
カズマはバトルナイザーを取り出しながら、マービンを睨みつける。
「抵抗するつもりか?いいだろう相手をしてやる」
するとマービンは腕の端末を操作し始めた。
[ペダニウム反応接近!ペダニウム反応接近!]
同時にバトルナイザーも警告音と共に反応し、カズマ達が上空を見ると四機の宇宙船が高速で接近してくるのが見えた。
「あれはまさか…」
「カズマ君…あの宇宙船のこと分かる?」
「あぁっ…あの宇宙船は…!」
マービンの指令で集結した四機の宇宙船は上空で合体して一体のロボットとなり地上に降り立つ。
[フォォォォッ…グワッシグワッシ…!]
「やっぱりそうか…“宇宙ロボットキングジョー”!」
「キングジョーの事を知っているとは…ならその恐ろしさも知っている筈だ!」
マービンは転送装置でキングジョーの操縦席に入り、操縦桿を握る。
「どんな怪獣だろうとこのキングジョーの敵では無い!」
[フォォォォッ…グワッシグワッシ…!]
「ここで退く訳にはいかない!頼むぞ、ゴモラ!」
[バトルナイザー、モンスロード!]
進撃してくるキングジョーを前にカズマはバトルナイザーを掲げゴモラを召喚して対峙する。
「それが貴様の怪獣か…どれ程の力を持っている?」
キングジョーに取り付けられている測定装置を使いゴモラの戦闘レベルを調べるマービン。
やがて測定結果が表示されるとマービンは驚きの表情を見せる。
「レベル3…俺が出会った今までの怪獣どもより遥かに強いのか…面白い!」
操縦桿のスイッチを入れマービンはキングジョーをゴモラに向かって前進させる。
「キングジョーはあのウルトラセブンですら歯が立たなかった強敵だ…今までで一番苦しい戦いになるが俺達は負けられない!」
「キシャアァァァァァアアァッ!!!」
ゴモラはキングジョーに突進攻撃を仕掛けるが、キングジョーはそれを軽々と受け止めて頭部にチョップを繰り出した後アッパーカットで大きく仰け反らせる。
負けじとゴモラもキングジョーにパンチやチョップ攻撃を喰らわせるが、キングジョーはビクともしない所か振り下ろされるゴモラの腕を掴み動きを抑えるとゴモラの胸部に自身の腕を叩きつけてゴモラを吹っ飛ばす。
「ゴモラの攻撃で怯まないなんて…!」
「カズマは勝てるモコか?」
「信じようよ、必ずカズマ君は勝つって」
リコ達が祈る中、果敢に攻め続けるゴモラはキングジョーの腕を掴み大角を活かした頭突きを繰り出し蹴りを放つが、すぐさま蹴られ返されパンチ攻撃を顔に受け吹っ飛ばされてしまう。
「ゴモラ!超振動波だ!」
起き上がったゴモラは超振動波を自身に向かって迫り来るキングジョーに放つが、キングジョーは頑強な装甲で受け切ってしまう。
「なっ…傷一つつかないのか…!」
「そんな攻撃でキングジョーを倒せる訳がない!」
必殺技である超振動波を受け切られたゴモラは再び突進攻撃を繰り出すが、突進がヒットする寸前でキングジョーは四機の宇宙船に分離して回避する。
そして四方八方から光線を連射してゴモラを攻撃していく。
光線の嵐を受けたゴモラは膝をついて倒れてしまい、再び合体したキングジョーはそんなゴモラの尻尾を掴んで放り投げるとゴモラの胸を思いっきり踏みつける。
「キシャアァァァァァアアァッ!!!」
胸を踏みつけられたゴモラは悲鳴を上げるが、キングジョーは連続して踏みつけ攻撃を行いダメージを重ねていく。
「終わりにしてやる」
マービンが不敵に笑うとキングジョーはゴモラのマウントを取って鼻先の角を抑えながら、顔にパンチ攻撃を繰り出し始める。
振り下ろされるキングジョーの腕を掴もうとゴモラは手を伸ばすも簡単に組み伏せられてしまう。
やがて抵抗出来なくなったゴモラにトドメを刺そうとキングジョーは頭部にエネルギーを集中させ始める。
「ゴモラが殺されちゃうモコ!」
「ならお前の出番だ!行け、メルバ!」
[バトルナイザー、モンスロード!]
「ギィエエエエエエエンン!!!」
召喚されたメルバは空中から光線を放ち、キングジョーを牽制しつつ突進を繰り出しキングジョーをゴモラから引き離す。
「ぐうっ…何匹増えようと一緒のことだ!」
起き上がったキングジョーは頭部から光線を発射しメルバを攻撃するが、メルバはそれを自身の光線で相殺する。
「小賢しい真似を…!」
相殺された光線によって起きた爆発によってマービンは視界を奪われてしまうが、その爆発で起きた煙に紛れてゴモラがキングジョーに接近すると肩からの突進でキングジョーを怯ませると、その背後から飛び上がったメルバが空中から蹴りを喰らわせキングジョーを後退させ二体同時の突進攻撃で大きく弾き飛ばす。
ゴモラとメルバはキングジョーを抑え込もうとその両腕を掴むが、それを自慢の超パワーで振り解いたキングジョーはメルバの胸部に殴打攻撃を繰り出し張り倒した後、向かってきたゴモラを投げ飛ばしてしまう。
「まずはゴモラから終わらせてやる!」
キングジョーは再び頭部にエネルギーを集中させるが、メルバは倒れ込んだままキングジョーの背中に光線を直撃させる。
振り向いたキングジョーは頭部に集中させたエネルギーを光線として放ち倒れ込んだままのメルバに攻撃する。
「ギィエエエエエエエンン!!!」
メルバの周囲はあっという間に火の海になり、メルバは苦しむ。
「このままだとこっちがやられる…!」
「カズマ!関節部分を狙うのはどうだ!?」
「関節部分を…?」
「ツヨシ君の言う通りよ!頑強に作られていても駆動性を考えたら関節部分は柔らかく作らないといけないから!」
「なるほど!ありがとうな!」
二人のアドバイスを受けたカズマはゴモラ達に指示を出す。
「ゴモラ、メルバ!奴の関節部分を狙うんだ!」
その指示を聞いた二体は立ち上がり、さらにゴモラはブレイブバーストを発動させる。
それを見たマービンは測定装置を見て驚く。
「ゴモラの戦闘レベルが上がった!?何が起こったというのだ…!」
キングジョーはゴモラに光線を発射するが、ゴモラはそれに怯む事なく突進して突き飛ばすと背後に回ってキングジョーを抑え込む。
すかさずメルバが肩からの突進を喰らわせ、キングジョーの腕の関節部分を嘴で突き始める。
嘴攻撃を受けたキングジョーの腕からは火花が散り始める。
そんなキングジョーを投げ飛ばしたゴモラはその場で前転をして尻尾を頭部に叩きつけると、追い打ちに薙ぎ払うように尻尾を振り回してキングジョーを弾き飛ばす。
その衝撃を受け操縦席にも警報と共に火花が噴き始めていく。
「このままでは…やむを得ないか…!」
何とか起き上がったキングジョーは頭部がら光線を発射しようとするが、飛び上がったメルバの空中連続蹴りを受けてしまう。
「今だゴモラ!中から攻撃するんだ!」
蹴り終えたメルバが後方宙返りを決めて地上に降り立つと同時にゴモラはキングジョーの腹部に角を突き立てると超振動波を流し込む。
内部から破壊されていくキングジョーは全身から火花や電流を散らせていく。
やがてゴモラは超振動波のエネルギーを最大まで高めて、キングジョーの内部を爆破させその衝撃でキングジョーは後方に吹き飛ばされる。
[フォォォォッ…グワッシ…グワッシ…!]
それでもなお向かおうとするキングジョーだったが、遂に限界を迎え動きを止めると手足をピッタリと身体につけ仰向けに倒れ大爆発を起こし粉々に吹き飛んでしまった。
「やったモコ!」
「あのキングジョーを倒すなんて凄ぇよ!」
「みんなのアドバイスがあったからだよ。ゴモラもメルバもお疲れ様…」
カズマは改めて礼を言い、ゴモラとメルバをバトルナイザーに戻すのであった。
「ハァハァ…疲れた…!」
バトルナイザーをしまったカズマはその場にへたり込んでしまい、リコ達がカズマの元に駆け寄る。
「大丈夫カズマ君!?」
「ああっ何とかね…ハァハァ…!」
「キングジョーを破壊するなんて恐ろしいレイオニクスだ…!」
カズマ達が振り返るとそこにはマービンがいた。
「危なかったよ…脱出しておいて良かった…」
「…俺を殺すのか?」
「そうしたい所だが、生憎こっちの傷も酷いんだ。今日は見逃してやる…だがいずれこの惑星に我々ペダン星レイオニクス抹殺部隊の本隊がやって来る。その時がお前達レイオニクスの最期だ」
マービンはそう言い残し転送装置でその場から去っていった。
「行っちゃったモコ…」
「強がり言いやがって。キングジョー壊されたんだから本隊ってやつが来ても一緒なのによ」
ツヨシとモコがマービンがいたところを見る中、カズマは一人考え込む。
(あいつの言うことが本当だとしたら…俺の戦いが未来のペダン星を滅ぼす原因になるのなら…俺のやってることは間違いなのか?どうすれば良いんだ一体…)
そんなカズマの様子を見たリコは心配そうにカズマを見つめるのであった…。
・宇宙ロボットキングジョー
ペダン星人が開発したスーパーロボットで普段は四機の宇宙船となって活動している。宇宙船形態では各機から発射する破壊光線を武器にしており、並の怪獣であれば容易く撃破してしまう程の威力を持ち、収束させて放てばシルドロンのような頑強な装甲すら貫く威力になる。合体したロボット形態では破壊光線「デスト・レイ」に加え10万tクラスの船舶を軽々と振り回す怪力を武器にする他、防御面においてもペダニウム合金を纏った極めて頑強な装甲を持ち、ゴモラの超振動波を難なく防ぐほど。ただし内部からの攻撃には弱くまた関節部分の装甲は薄く作られているためそこが弱点となっている。レイオニクスハンターであるペダン星人マービンと共にレイオニクスを抹殺し母星の未来を変えるという目的のため次々とレイオニクスや怪獣達を抹殺し、次なる標的としてカズマを狙う。彼が操るゴモラとの戦いでは装甲と超パワーを活かし圧倒しメルバが加勢しても優位に立っていたが、関節部分の弱点を突かれ最後はブレイブバーストを発動させたゴモラの超振動波を内部に喰らい粉々に吹き飛ぶのだった。
・策略星人ペダン星人マービン
キングジョーを操り地球に攻撃を仕掛けてきた宇宙人の同族。レイオニクスバトルに巻き込まれて壊滅した未来のペダン星からやって来たレイオニクス抹殺部隊の一人で、その先遣隊としてレイオニクス抹殺を行ってきた。主な武器は光線銃「ペダンガン」や小型爆弾で、ペダンガンは一撃で標的を始末する威力を持つ。ミステラー星人やゴドラ星人、クカラッチ星人を倒しキングジョーを使いカズマを狙うがそのキングジョーを破壊されてしまう。だが傷を負いながらも本人は脱出しており、傷の回復のためその場を後にする。
・宇宙蜘蛛グモンガ
ベル星に生息するタカアシガニのような長い足と丸い身体を持つ蜘蛛の怪獣。鼻から青緑色の毒ガスを出し、これで獲物を弱らせてから捕食する生態を持っている。惑星ファーリーのジャングルに生息しており二体がカズマ達に襲いかかるが、一体目はカズマが持つ光線銃で、二体目はマービンのペダンガンによる一撃で倒された。