大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜 作:ウルトラジャンボ
後書きにはその話に登場した怪獣のこととか書いた方がいいですかね?ご意見のほうお待ちしております
〜フジキヶ丘中学校〜
「おはよう〜」
「おう、おはよう〜」
登校してきたカズマはバッグを置くなりツヨシの所へ向かった。
「ツヨシ、おはよう〜」
「おはよう…お前その手大丈夫なのかよ…」
「こうして学校に来れてる訳だし、大丈夫だろ」
「そういうもんなのかな…?けど流石にその手じゃ大怪獣バトル出来ねぇな」
「そこはなかなか痛いけど、まぁそれどころじゃないからね今」
「そうだよな。それにこれ見てみろよ、怪獣が現れたのって新東京だけじゃないみたいだぜ」
ツヨシはスマホを取り出すと、カズマに画面を見せる。
「こいつは“ペスター”だろ、こっちのやつは“デッパラス”でこっちは“パゴス”…」
「この間こっちに現れた奴ら含めいずれもZAPが対処したみたいだけどな。お前の親父さんって確かZAPだったよな?怪獣たちと戦ったってことなのかな?」
「多分そうだと思う。連絡無いけど」
「マジかよ。忙しいのは分かるけど、連絡の一つや二つぐらいは欲しいよな〜」
「ほんとそれな」
「話変わるけどさ、この間現れたゴモラ!凄かったよな〜ゴルザを寄せ付け無かったしよ。でもあいつなんだったんだろうな?ゴルザ追っ払ったら光みたいのになってどっか行っちまったし」
「…多分ゴモラは味方だと思う。ゴルザに襲われた時助けてくれたし」
「へぇ〜…お前ゴルザに襲われたの!?んぐ」
大声を出してしまったツヨシの口を慌てて塞ぐカズマ。周りの生徒たちは何事かと思い彼らのほうを見るも、いつものじゃれ合いと思ってまた各々で喋りはじめる。
「んぐんぐ…ぷはぁいきなり何すんだよ!」
「お前がいきなり大声出すからだろ!」
「そりゃ出るわ!さっきのこと俺初めて聞いたからな!」
「あぁそれに関してはごめん。あんま余計な心配かけさせたく無かったからさ。」
「ったくリコが知ったらなんて言うのかね…そいやリコ来てないみたいだけど。珍しいことに」
「リコ今日休みだってよ。なんでもリコのばあちゃん家も怪獣の被害に遭って、ばあちゃん迎えに行かなくちゃならないってことで」
「ふ〜ん…なるほどね。…なんでそんな事知ってんだよ」
「朝起きたら、メール来てたからだよ」
「いやなんでメール来んだよ。しかもお前だけにさ」
「俺に聞くなよ…いや別にそういう仲じゃねぇからな!」
「なんも言ってねぇよ!」
その時チャイムが鳴り担任である桐山先生が入ってきて生徒達は皆、自分の席につきはじめていった。その後授業が始まったがカズマは上の空で授業を聞いていた。
〜数時間後〜
「朝言ったように明日から休校だからな。間違っても学校に来るんじゃないぞ〜」
桐山先生はそう言いながら生徒達を見送る。怪獣災害による被害が大きいのと万が一の時を考え、フジキヶ丘中学校はしばらくの間休校することになったのだ。カズマもバッグを背負い教室から出ようとすると桐山先生に呼び止められた。
「カズマ、ちょっといいか?」
「あ…はい」
「今日のお前、心ここに在らずって感じがしたぞ。何か心配事でもあるのか?」
「いえ…別にそういう訳では無いんですけど…すみません」
「いやいや、特になにも無いならそれでいいんだけどな。けど何かあったら先生でも誰でもいいから相談することだぞ」
「分かりました」
「あとそれから今日配ったプリント類、リコの所へ持っていってくれないか?家も近いみたいだし…」
「えぇ大丈夫ですけど」
「すまないがよろしく頼むよ。それじゃ元気でな」
「先生も無事でいてくださいね」
カズマはプリント類が入ったファイルを手に持つと、教室から出ていった。玄関にはツヨシが靴を履いて待っていた。
「何の話してたんだよ」
「大した話じゃねぇよ。俺これリコん家届けに行ってくるから」
「あいよ。んじゃ元気でな」
「ツヨシ巻き込まれんじゃねぇぞ〜」
互いに手を振りながらカズマとツヨシは別の道へ進んでいった。リコの家へ向かう道中、カズマは破壊されてしまった街並みを見渡していた。通行止めになっている所や瓦礫がそのままにされている所など被害の大きさを再認識するには充分なぐらいの様子にカズマは思い悩んだ。
(怪獣を戦わせる…か。自分の思い通りに怪獣を操れるのは凄かったけど、その分こうやって被害が出るってことだよな…)
「カズマ君じゃない?どうしたの?」
「…えっ?あっリコのお母さん…」
カズマが頭を上げるとそこにはリコの母親がいた。買い物バッグを持ってる様子から買い物帰りだったのだろう。
「大丈夫?なんか落ち込んでる感じだったみたいだけど…」
「な、なんでもないですよ。あのこれリコに届けて貰えませんか?今日配られたプリントとかなんですけど」
「あらそうなの?ありがとうね」
「それじゃ俺はここで」
プリント類の入ったファイルをリコの母に手渡すと、カズマは自分の家がある方向へ走っていった。途中でコンビニに寄って弁当やパンなど明日からの生活に必要なものを買って、家に帰ろうとするカズマだったが妙な声を耳にしその場に立ち止まる。
「うぅっ…お腹が空いたモコ…」
「ん?なんだ今の声…気のせいかな…?」
幻聴かと思いその場から立ち去ろうとしたが
「気のせいじゃないモコ!…あぁ余計お腹空いたモコ…」
「…はぁっ…どこにいるんだよ…」
カズマは声の主を探そうとするが、声だけではどこにいるのか分からない。そう思っていると突然バトルナイザーが反応しだした。
[小珍獣反応あり!小珍獣反応あり!]
バトルナイザーの反応する方へ向かうと、そこには毛玉のような猫のような珍妙な生物がいた。
「なんだコイツ?猫…じゃないよな…。腹空かしてたんだっけ?パンでいいのかな?」
カズマは持ってる袋からクリームパンを取り出した。その瞬間、猫のような生物は大きく口を開け吸い込むようにクリームパンを食べた。その愛らしい姿からは想像もつかない食べ方にカズマは一瞬言葉を失ってしまう。
「ふぅ〜助かったモコ〜ありがとうモコ!」
「…お前見た目に反して結構衝撃的な食べ方するんだな…っていうかお前何なんだよ」
「僕の名前は“モコ”。宇宙を旅してたらこの星に流れ着いちゃったんだモコ」
「へぇ〜…じゃあ俺も一応自己紹介しとくか。俺は黒澤カズマっていうんだ。っていうかお前そんななりして言葉とか喋れるんだな」
「喋ってる訳じゃないモコ。君が持ってるその機械のおかげモコ。それに恐らく怪獣の言葉を翻訳する機能がついてるんだと思うモコね」
「これ怪獣を操る以外にもそんなことが出来んのか。そういやさっきもモコの反応見つけてたし意外と多機能なのかな?」
バトルナイザーを手にしたカズマはモコがいる茂みの近くの岩に腰を下ろすと溜息を吐いた。
「…なんか悩んでるみたいモコね。良かったら話聞くモコよ」
「…さっきも言ったけど、これ…バトルナイザーって怪獣を操ることが出来るんだよ。この前突然ブルトンが現れてたくさんの怪獣を送り込んで来たんだ。俺もブルトンが送り込んで来たゴルザに襲われたんだけど、このバトルナイザーを拾ってゴモラを召喚して戦わせたんだ。なんとかゴルザは追い払ったけど街の様子とか見て自分がゴモラを戦わせたからこんなに酷く壊されたんじゃないか、多くの人が死んだんじゃないかって思うと…俺…」
そう言うカズマの顔は暗くバトルナイザーを持ってる手は震えていた。モコはそんなカズマの様子を見ると、カズマの肩に乗って話しかけてきた。
「でも君が戦ったからこうして君と出会うことが出来たモコ。それだけじゃないモコ、君のおかげで死なずに済んだ人もいるし街だって君が戦わなかったら今以上に酷い有様だったと思うモコね」
「…慰めのつもり…?」
「僕が思ったことを正直に言ってるだけモコ。それに理由も無しに戦いは起きないモコ。君は何か大切なものがあるから戦ったんじゃないモコ?」
「大切なもの…」
カズマの頭にはリコやツヨシといった友人達の顔やそんな友人達と過ごしてきた日常が思い浮かんできていた。
「…俺は友達そして当たり前の日常を守りたい…この力の本当の使い道なんて知らないけど、今は皆を守るために俺は戦う!ゴモラお前も力貸してくれるか?」
バトルナイザーの中のゴモラはカズマの問いに力強い雄叫びを上げて応えた。
「ありがとうなゴモラ。…先生の言う通り誰かに話してみるもんだな。モコもありがとうな、俺の話聞いてくれて」
「若者はそうやって悩んで成長していくものモコ。気にしないでいいモコよ」
「若者ってお前何歳だよ。まぁいいや、旅の途中なんだっけ?良かったら俺ん家来なよ。行くあてとか無いんだろ?」
「ええっ!?いいモコか?」
「いいっていいって。俺ん家今は俺一人だし、さっきのお礼もしたいし」
「じゃあそこまで言うなら…お言葉に甘えさせてもらうモコ」
「よ〜し!そうと決まれば日もだいぶ落ちてきた訳だしとっとと帰りますか!」
カズマが腰を上げたその時バトルナイザーが反応しだした。
[地底怪獣反応!地底怪獣反応!]
「地底怪獣!?ってうわっ地面が!?」
すると地面が揺れ、地中から1匹の怪獣が姿を現した。鋭い棘が無数に生えた身体にムチ状の両腕を持った怪獣である。
「ガァアアァアアン!!!」
「あの怪獣は…“地底怪獣グドン”か!」
グドンは両腕のムチを振るって街を破壊し始めた。ひとしきり街を破壊するとグドンは別の場所に向かって進撃し始めた。カズマはモコを肩に乗せたままグドンを追いかける。
「グドンのやつ、駅に向かってる!あいつ駅に逃げ込んだ人達を食べるつもりか!?」
「それかなりヤバいんじゃないモコ!?」
「そうだけど、そんなことはさせない!さっきも言っただろ!守るために俺はこの力を使う!」
カズマはグドンの近くまで行くとバトルナイザーを構えた。
「頼むぞ!ゴモラ!」
[バトルナイザー、モンスロード!]
バトルナイザーから光が放たれ、ゴモラが現れる。グドンはゴモラの気配を感じ取ったのかゴモラの方へ振り向く。グドンを見たゴモラはかかってこいと言わんばかりに挑発する。
「グォオオォオオォオン!!!」
相手が自分のことを格下に見ていると思ったグドンは怒り、ムチを地面に叩きつけた後ゴモラに向かって突進していった。ゴモラは突進してきたグドンの角を掴むとその勢いを利用しグドンを投げ飛ばす。投げ飛ばされたグドンは起き上がるもすかさずゴモラが放ったドロップキックを受け吹っ飛ばされる。
「いいぞゴモラ!そのままグドンを駅から引き離すんだ!」
「キシャアァアァアアァッ!!!」
カズマの指示を受けたゴモラは突進攻撃でさらにグドンと駅との距離を引き離そうとした。だがグドンも負けじと両腕のムチをまるで扇風機のように回転させ突風を巻き起こす。ゴモラは吹き飛ばされないように踏ん張るが、その隙をついてグドンはムチを伸ばしゴモラの右腕と首を締め付けそのまま投げ飛ばした。グドンは地面に倒れ込んだゴモラに追い討ちをかけるようにそのままムチをゴモラ目掛けて連続で叩きつけ始めた。
「このままじゃゴモラが危ないモコ!」
「分かってるよ!あのムチが厄介だな…なんとか隙を見つけないと…」
容赦なく振り下ろされるムチ攻撃の隙を伺うカズマ。だがグドンは攻撃の手を緩めることは無く立ち上がろうとするゴモラにダメージが蓄積されていく。そしてグドンはトドメと言わんばかりにムチを大きく振り上げるが、カズマはその隙を逃さなかった。
「今だゴモラ!」
ゴモラは転がってグドンのムチ攻撃を避けると立ち上がった。渾身のムチ攻撃を避けられたグドンは怒り狂い再びムチをゴモラ目掛けて伸ばした。しかしゴモラは伸ばされたムチを掴むと引っ張り出した。そしてグドンを持ち上げると自身を軸として回転し街から少し離れた場所にある工事用の空地に投げ飛ばした。ゴモラはグドン目掛けて再び突進攻撃をしかけていった。立ち上がったグドンは目から光線を放ってゴモラを攻撃するも、ゴモラは光線に怯むことなくグドンに突進攻撃をヒットさせると続けざまに尻尾による連続攻撃を浴びせグドンを吹き飛ばす。吹き飛ばされたグドンは起き上がろうとするが、そこにゴモラの全体重を乗せたボディプレス攻撃を喰らい口から血を噴き出す。グドンにのしかかったゴモラはその体勢のまま、グドンの首筋目掛けて噛みつきだした。当然グドンは抵抗するがゴモラは噛みつく力を緩めなかった。やがて首筋からは血が流れ始め最初こそ力強く抵抗していたグドンだったが徐々にその勢いも無くなっていき、遂にその目から光が失われてしまった。
「ゴモラが勝ったモコ!」
「よし!よくやったなゴモラ!」
ゴモラは勝利の雄叫びをあげると光に包まれバトルナイザーに収まっていく。
「お疲れ様。ゆっくり休んでくれよな」
バトルナイザーを見てカズマはそう言うと微笑んだ。
「さてと帰りますか。モコも来るんだろ?」
「そうだけど、買ってきてた弁当とかどうなってるモコ?」
「…ヤバっ!すっかり忘れてた!絶対もうダメになってるだろうし…家にあるやつなんかカップ麺ぐらいだしな〜」
カズマは買ってきてたコンビニ弁当やパンのことを思い返してガックリする。そんな様子をモコは笑いながら見ていた。
「まぁまぁ街を守るため、皆の代わりに犠牲になったと考えればいいモコよ」
「良くねぇよ!…この騒ぎだしコンビニなんてもう空いてないよな〜」
カズマは肩にモコを乗せたまま、家に向かって歩きだした。だが手にしているバトルナイザーが微かに紫色の光を放っていたことにカズマとモコは気づかなかった。これが意味するものとは一体…
・地底怪獣グドン
ジュラ紀に生息していた地底怪獣の一種。地底の奥底で眠っていたのだがブルトンによって呼び起こされ地上に出現する。起きたばかりで空腹なのもあったのか駅に避難した人達を狙うが、このことからグドンはツインテールだけでなく人間も捕食することがあると考えられる(あくまでこの小説オリジナルの設定)。人々を守るためカズマが召喚したゴモラとの戦いでは両腕のムチを活かしてゴモラを苦しめるも、そのムチを掴まれて投げ飛ばされてしまい更には尻尾攻撃を受けダウン、トドメにボディプレスからの噛みつき攻撃で息の根を止められる。なおこの時抵抗のために目から光線を放ってるが、少なくともこの宇宙に現れたグドンがこのような攻撃をした事例はなくブルトンによって能力を引き上げられたことによるものなのか、はたまたグドン自身に元から備わっていた能力なのかは不明である。
・油獣ペスター、海象怪獣デッパラス、地底怪獣パゴス
ブルトンによって呼び寄せられた怪獣たち。新東京以外の各地を襲撃していたが、ZAPの活躍で倒されている。