大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第20話 友好珍獣との出会い

ジャングルからやや離れた荒涼とした岩場に一人の宇宙人が怪獣の背に乗って休んでいた。

「どいつもこいつも弱くてつまんねぇなぁ!そう思うだろ相棒!」

「ゲゲゲェェウゥゥゥッ!!!」

バトルナイザーを手にしている宇宙人…“火炎怪人キュラソ星人”は自身を背中に乗せている“戦車怪獣恐竜戦車”に話しかけ、恐竜戦車も主人に応えるように大きく吠える。

「あぁ〜っ!俺達を楽しませてくれる奴はいないのねぇ…」

キュラソ星人はぼやきながら空を見上げると数体のサタンビートルが飛び去っていくのが見えた。

「おん?ありゃこの辺りにいるサタンビートルじゃねぇか?なんてったってこんな所を…何かあるってことかぁ?」

キュラソ星人は恐竜戦車の背中を叩いて指示を出す。

「相棒ちょっくら行ってみようぜ!」

「ゲゲゲェェウゥゥゥッ!!!」

キュラソ星人を乗せた恐竜戦車はサタンビートルが生息していたジャングルに向かってキャタピラを走らせ始めた。

 

 

 

「何かいるモコ…」

一方サタンビートルの毒でダウンしてしまったカズマを介抱しようとするリコとツヨシ、モコの近くの茂みが揺れ三人は身構える。

「キュウウウウン…?」

そして茂みから現れたのは全身に赤い棘を持つ小さな怪獣であった。

「この子も怪獣…?」

「こいつは“友好珍獣ピグモン”だよ。こんな所で会えるなんてな」

「ピグモン…ああっカズマ君に教えてもらったことある怪獣だわ。人間の味方してくれる優しい怪獣だって」

「キュウキュウウウン」

ピグモンは弱っているカズマを見ると、リコ達を見ながら飛び跳ねるように移動し始めた。

「もしかして付いて来いって感じ?」

「行ってみようよ。カズマ君を助けてくれるっぽいし」

リコとツヨシはカズマを両肩から抱えるとピグモンに付いて歩き出し始めた。

しばらく歩くと湖があるやや開けた場所に出てきた。

「こんな所に湖があったなんてな」

「ここの水を飲ませればいいのかしら?」

リコ達が湖に近づいたその時、リコのペンダントが光を放ち始める。

「キュウキュウウウン?」

「これをこうすれば…」

リコはペンダントを外して掲げると一筋の光が湖を覆っていく。

「綺麗モコ…」

「今のうちに水をカズマ君に飲ませて!」

「分かった!」

ツヨシはカズマをリコに預けると湖に駆け出し水を掬ってくるとそれをカズマに飲ませる。

「ううん…?」

「カズマ君!」

「大丈夫モコか?」

するとカズマの顔色が良くなり、カズマも目を覚ます。

「ああっ…俺確かサタンビートルと戦って…」

「あいつらの毒吸っちまったんだよ。でもピグモンとリコのおかげで助かったって所」

「ピグモン…?」

カズマが見上げるとピグモンが手を振りながら立っていた。

「ありがとうなピグモン。あとリコもありがとう」

「ううんカズマ君が無事なら良かった」

「それとさ…俺が気を失う前に俺が変だって言ってただろ?自分でも分かってたんだ…」

「カズマ君…この星に来てからだよね?様子がおかしくなったのって」

「…この星に来て怪獣やらレイオニクスやらと戦って、自分の中の戦いたいっていう気持ちが抑えきれなくなって来てるんだ…」

カズマはバトルナイザーを取り出し強く握りしめる。

「変なこと言ってごめん。俺が皆を守らないといけないのに…」

「変なことじゃない…そうだったんだね」

「確かに俺達はカズマみたいな力は無いから戦いってなったら役立てないけど、それ以外なら役立てるからな」

「そうモコ。だから一人で背負うなんてことしないでいいモコよ」

「…ありがとう皆…」

カズマがリコ達に礼を言ったその時バトルナイザーが警告音を発する。

[戦車怪獣接近!戦車怪獣接近!]

するとキャタピラ音と共に木々が薙ぎ倒され、恐竜戦車が姿を現した。

「ゲゲゲェェウゥゥゥッ!!!」

「今度は何だ!?」

「あいつは恐竜戦車!」

「俺の相棒を知ってるとは見る目がある地球人じゃないか?」

恐竜戦車の背中に乗っていたキュラソ星人はカズマ達の前に降り立つ。

「お前、俺と同じレイオニクスだろ?」

「だったらどうするんだ」

「俺と付き合えよ!弱っちぃ奴ばっかで退屈してたんだ!」

「ゲゲゲェェウゥゥゥッ!!!」

キュラソ星人はバトルナイザーを突き出し、恐竜戦車も大きく吠える。

「待って!どうしてカズマ君なの?他にもたくさんレイオニクスってのはいるんでしょう?」

「関係ねぇお前は引っ込んでろ!」

キュラソ星人は口から火炎をリコに向かって放つが、カズマがリコを突き飛ばしたことで狙いを外してしまう。

「いきなり突き飛ばしてごめん。大丈夫か?」

「大丈夫。ありがとうカズマ君」

「キュウキュウウウン…!」

すると礼を言うリコの側にピグモンが寄って茂みの方を見ながら動き回る。

「ピグモン…リコ達のこと頼めるか?」

ピグモンの意図を察したカズマがそう問いかけると、ピグモンは小さく鳴いて頷いた。

しかしリコは心配そうにカズマに話しかける。

「でもカズマ君…戦ったらカズマ君が…!」

「リコに手出そうとしたあんな下衆許しておけないから…一発殴らないと気が済まない…」

拳を握って震えるカズマを見たリコは、カズマがどれだけ怒りに満ちているのかを察した。

「分かった…でもねカズマ君、自分に負けないで…!」

「ああっ!ありがとうリコ」

リコがピグモンに連れられて離れるのを見届けたカズマはキュラソ星人を睨む。

「うるせぇ奴がいなくなってようやくバトルに集中できるな!」

「てめぇ…!」

カズマは握っているバトルナイザーを掲げる。

「行け、ゴモラ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

召喚されたゴモラは恐竜戦車を睨みつけながら咆哮を上げる。

 

「少しは楽しませてくれよ!恐竜戦車、やれい!」

キュラソ星人の命令を聞いた恐竜戦車はエンジンを蒸かしながら勢いよくゴモラに突っ込む。

突っ込んでくる恐竜戦車をゴモラは抑えつけるが、恐竜戦車の凄まじい馬力の前に後方へ押し出されていく。

「オラオラどうした!?」

そのまま岩山に叩きつけようとする恐竜戦車だったが、負けじとゴモラも足に力を入れて踏ん張ると恐竜戦車の首を絞めながら頭部を殴りつけ始める。

攻撃を受けた恐竜戦車は戦車部分を軸に回転してゴモラを振り解こうとするが、逆に大角を使った頭突きを頭部に受けてしまう。

だがゴモラを引き離せた恐竜戦車は目からレーザー光線を発射してゴモラを狙い撃つ。

恐竜戦車の狙いは正確で放たれたレーザー光線はゴモラの胸元で爆発を起こし、その衝撃でゴモラは倒れてしまう。

立ち上がろうとするゴモラだが受けたダメージが大きくなかなか立ち上がれず、その隙を見た恐竜戦車は猛スピードでゴモラ目掛け戦車を走らせ倒れているゴモラの背中をキャタピラで轢いていく。

「キシャアァァァァァアアァッ!!??」

背中を走る激痛に耐えきれず悲鳴を上げるゴモラだったが、恐竜戦車はその背中に向かって尻尾を連続して振り下ろし追い討ちをかける。

その光景を見たキュラソ星人はがっかりしたかのように溜息をつく。

「お前も他の連中と変わんねぇ雑魚か…もういい、トドメを刺してやる!」

その指示に応えるように恐竜戦車はゴモラの方向に振り返ると再びその背中を轢こうと戦車を走らせ始める。

「頑張るんだ!ゴモラ!」

しかしカズマの声を受けて立ち上がったゴモラは超振動波を地面に撃ち込み、その衝撃波で恐竜戦車の足元を爆破する。

「そう来たか!面白いことしてくれるじゃないか!」

足元を爆破された恐竜戦車はよろめきながら後退すると戦車に備え付けられている主砲から砲撃を行って反撃に出る。

「ゴモラ!砲撃に怯まず恐竜戦車に突っ込んで行くんだ!」

ゴモラは繰り出される砲撃の嵐に怯むことなく一直線に突っ込んで行くが、恐竜戦車はレーザー光線を発射してゴモラに攻撃を仕掛ける。

その瞬間、ゴモラは被弾する直前に尻尾をバネにしてジャンプすると恐竜戦車に馬乗りになる。

「ここなら恐竜戦車の攻撃は届かないな!」

「恐竜戦車、振り落としてしまうんだ!」

恐竜戦車に乗り掛かったゴモラはその背中や頭部目掛けて拳を振り下ろしていくが、恐竜戦車もただではやられまいと暴れ回る。

ゴモラも振り落とされないようにするため恐竜戦車の首に腕を伸ばしそのまま絞めあげていく。

「ゲゲゲェェウゥゥゥッ!!!」

これに対して恐竜戦車は戦車ごと自身の身体を上げゴモラを背中から跳ね飛ばす。

「なかなか面白いことしてくれる!だがこれでフィニッシュだ!」

怒り狂う恐竜戦車はレーザー光線と砲撃を同時に繰り出してゴモラに攻撃を仕掛けていく。

やがてゴモラは爆炎に包まれて姿を消してしまった。

「粉々になって散ったか!」

「いいや俺のゴモラは負けてない!」

その時カズマの言葉に合わせるかのように恐竜戦車の足元が陥没し、キャタピラが陥没部分に嵌ってしまう。

「これで恐竜戦車は自由には動けまい!」

そして地中から姿を現したゴモラは勝ち誇ったかのように吠える。

「トドメだ!ゴモラ!」

「させるかぁ!」

抜け出そうともがいていた恐竜戦車だったがキュラソ星人の指示を受けて砲撃を繰り出し抵抗するが、ゴモラはそれをジャンプして回避するとそのまま空中で一回転して尻尾を恐竜戦車の頭に叩きつける。

叩きつけられた箇所から火花が散り悶絶する恐竜戦車だが、その隙を突いたゴモラの超振動波を受けて大爆発を引き起こす。

「ああっ相棒がぁ!」

恐竜戦車を倒され愕然とするキュラソ星人だったが、爆発の際の炎が自身の身体に燃え移ってしまう。

「ぎゃああああああっ!!??」

移った火は即座に全身に燃え広がってキュラソ星人は悲鳴を上げる。

「熱い!助けてくれぇ…!」

身体の内側から燃え上がる苦しみに耐えられず苦悶の声を上げつつ、湖に向かって歩き出していき始めた。

そんなキュラソ星人の姿を見たカズマは光線銃を取り出すと無言で引き金を引く。

「ひぃ!?」

キュラソ星人は断末魔の悲鳴を上げる暇もなく爆発してしまう。

「…ざまぁみやがれ…」

燃え上がるキュラソ星人の焼死体をよそにカズマはゴモラをバトルナイザーに戻すと、同じタイミングでピグモンがカズマの側に寄ってきた。

「キュウキュウウウン…」

「ピグモン?どうしたんだ?」

声を掛けるカズマだったがピグモンの様子を見て何かを察する。

「ここはお前の家…なのか?」

「キュウキュウウウン…」

「…悪いことしたな…そうだ俺達と一緒に来ないか?」

「キュウ…?」

カズマはピグモンに手を差し出し、初めは戸惑っていたピグモンだったがしばらくすると差し出された手を取るのだった。

「キュウキュウウウン」

「よろしくなピグモン」

カズマとピグモンはリコ達が待っている場所に向かい始めるのであった。

 

 

 

一方、ジャングルから離れた岩山地帯を歩く一人の男の元にキングジョーが降り立った。

[フォォォォッ…グワッシグワッシ!]

男はそれを無視して歩みを進めようとしたがキングジョーから降りた一人のペダン星人に銃を突きつけられる。

「貴様もレイオニクスだな?」

「…またレイオニクスハンターか…懲りない奴らだな」

そう言いながら男は懐から赤いバトルナイザーを取り出した。

[バトルナイザー、モンスロード!]

「ギシャウオオオオオオォォォン!!!」

「鉄屑に変えてやれネオメガス!」

黒い恐竜のような身体に全身に生えた鋭い棘や背鰭を備えた“新創獣ネオメガス”はキングジョーを見るやすぐさま近くの岩石を蹴り飛ばして先制攻撃を仕掛ける。

キングジョーは頭部から放つ光線で岩石を粉々に砕くが、駆け寄って来たネオメガスは強烈なパンチ攻撃を連続してキングジョーに打ち込んでいき仰け反らせると肩からの突進攻撃でキングジョーを押し倒して馬乗りになる。

「くっ…キングジョーが怪獣如きに押されるはずが…!」

「ペダンの奴らは科学力はあるのに学習能力は無いのか…?いやそれは俺達も同じことか…」

キングジョーに馬乗りになったネオメガスは引き続きパンチ攻撃を繰り出していき、キングジョーの頑強な装甲に亀裂を入れていく。

そしてネオメガスは右腕を掴んでキングジョーを起き上がらせると、力を入れてキングジョーの右腕をへし折ってしまう。

「あのペダニウム装甲を容易く!?」

驚くペダン星人をよそに、キングジョーの胴体目掛け尻尾を打ちつけたネオメガスは口から熱線を放ちキングジョーを粉砕してしまうのであった。

「ギシャウオオオオオオォォォン!!!」

「そんな馬鹿な…」

「はあっ…俺を殺したければもう少しまともな機体を持って来るんだな」

男はバトルナイザーにネオメガスを戻すとその場から立ち去ろうとするが、ペダン星人は男に発砲し始める。

「待て!レイオニクスは皆殺しだ!」

「問答無用かよ…!」

放たれる銃弾を避けながら男はその場から急いで去っていくのであった。




・友好珍獣ピグモン
小学2年生程の知能を持つ小型の怪獣。惑星ファーリーのジャングルを棲家にしておりサタンビートルの毒にやられたカズマを見つけると、その解毒に尽力した。その後の恐竜戦車との戦いで棲家が焼失してしまったためカズマに誘われ彼らと共に居ることとなった。

・火炎怪人キュラソ星人(RB)
宇宙でも相当治安が悪いことで有名なキュラソ星のレイオニクス。恐竜戦車をパートナーとしており「相棒」と呼ぶなどその信頼関係は確固たるものである。一方でレイオニクス特有の残虐かつ好戦的な面も強くてており、自身の快楽の為なら関係ない他者を傷つけるのも厭わない。連戦連勝を重ねてきたらしくカズマにも勝負を挑むが敗北、恐竜戦車爆発の際の炎を浴び全身が火だるまになったところをカズマが持つ光線銃で撃たれて爆死する。

・戦車怪獣恐竜戦車
侵略星人キル星人が造り出したサイボーグ怪獣で、今回はキュラソ星人に操られている。戦車の上に恐竜が乗ったインパクトある姿をしており、戦車のパワーを活かした突進攻撃の他、目から放つレーザー光線「ダイノソアビーム」や戦車部分についた「三連主砲」に恐竜の尻尾で打ち据える「タンクテール」といった豊富な武器を持ちこれらを駆使してゴモラと戦うも、最期はゴモラの奇策により機動力を奪われその隙を突いて放たれた超振動波を受けて爆発する。

・宇宙ロボットキングジョー
マービンが操るのとは別の機体がペダン星人の兵士と共にレイオニクスの男を攻撃するが、彼が召喚したネオメガスの前には歯が立たず容易く破壊されてしまう。

・新創獣ネオメガス
謎のレイオニクスが操る怪獣で、ある怪獣に様々な怪獣の遺伝子を組み込んで強化された怪獣兵器とも云える存在。並の怪獣を凌駕する怪力と口から放つ熱線を武器にキングジョーと交戦しその圧倒的パワーで軽く勝利をもぎ取るのであった。
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