大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第25話 息子の真実

「信号が発信されたのは、このハルケーン補給基地からです」

「バイオセンサー起動、くまなく探し回るんだ」

「了解!」

ゲランダを退けファーリーに辿り着いたキョウスケ達はライオネルにあるバイオセンサーを使い、救難信号発信者を探し始める。

「どうだ見つかったか?」

「う〜ん…なかなか反応が…ありました!」

「地上をモニターで映せるか!」

「やってみます!」

ソウマがパネルを操作し地上の様子をモニターに映すと、そこにはリコとツヨシが手を振っている様子が出た。

「えっ?子供!?…と毛玉みたいな生物が…」

「着陸するぞ」

ライオネルはリコ達の近くに着陸しキョウスケとソウマはリコ達の元へ駆けつける。

「ZAPの人だ!良かった〜!」

「大丈夫かい?でもどうしてここにこんな子供達が…?」

「君はリコちゃんにツヨシ君!?」

息子の友人がこの場にいる事実にキョウスケは驚きの声を上げる。

「もしかしてカズマ君のお父さんですか?」

「あぁそうだ。久しぶりだな」

リコやツヨシとその家族とは面識のあるキョウスケは優しく微笑むとリコ達の目を見て問いかけ始めた。

「何故こんなところにいるんだ?」

「実は私達、ブルトンって怪獣の力でここに…」

「ブルトン?確か地球に怪獣を呼び寄せていた怪獣のことだよね?」

「あ…はい」

「なるほど…奴の持つ次元を繋ぐ力なら地球から遠く離れたこの惑星に飛ばすことも容易いことだろう」

「隊長、早くこの子達を連れて帰りましょう。怪獣達がやって来る前に」

「そうだな。この船に乗るんだ。我々は君達を保護しに来たんだ」

キョウスケはリコ達にライオネルに乗るように促すがリコが声を上げる。

「待ってください!カズマ君も…カズマ君もこの星にいるんです!」

「なんだって!?カズマもこの星に…!?しかし何処にいるんだ?」

「バイオセンサーには君達の反応しか無かったけど…」

疑問に思うソウマの顔を見た二人は顔を見合わせる。

カズマが怪獣使い…レイオニクスであることを言うか迷っているのだ。

「どうしたの?そのカズマって子は何処に?」

そしてソウマに問いかけられた事でリコは意を決して言う。

「あの…!実はカズマ君の事で話があるんです…」

「カズマの事で?」

「今から言うことは全部本当の事なんですけど…聞いて貰えますか?」

真剣な眼差しで見つめるリコを見たキョウスケはゆっくりと頷いた。

「実はカズマ君…怪獣使い…レイブラッド星人っていう宇宙人の血を継ぐレイオニクスなんです」

「俺達もその事を知ったのは最近ですけど…ブルトンが現れたあの日から、カズマはゴモラ達と共に俺達を守ってくれてたんです」

「ゴモラを…?まさか怪獣を操る人間なんているわけが」

「そうか…カズマがゴモラを…」

納得する様子を見せるキョウスケにソウマは突っ込む。

「隊長信じちゃうんですか!?」

「そうだという確証が俺にはあるからな」

「確証?」

「ああっ…あれは俺が惑星アヴァル支部勤務だった時だ…」

 

 

 

15年前、惑星アヴァルの支部勤務だったキョウスケは五人の調査隊と共にアヴァルの砂漠地帯にやって来ていた。

その理由は砂漠地帯に突如として検知されたエネルギー反応の調査だった。

「キョウスケさん、エネルギー反応が観測されたのはこの一帯からです」

調査隊の一人がリサーチシーバーを片手にキョウスケに告げると、キョウスケは指示を出した。

「ここからは二手に分かれよう。何かあったらすぐに連絡を入れるように」

「「「「「了解」」」」」

調査隊は指示通りに分かれるとエネルギー反応の探索を再開した。

「反応はありませんね…それにしても突然検知されたそのエネルギーはなんなんでしょうかね?」

「ああっ、隕石みたいに落下したものじゃないみたいだしな。キョウスケさんはどう考えてます?」

「俺としては怪獣やそれに類するもののエネルギー反応だと考えている」

「怪獣ですか?」

「それは無いと思いますね。このアヴァルの開拓する際の調査で存在が確認されてない上、再調査でも同じ結果だったんですよ」

「だが再調査の理由になった惑星ボリスの一件は次元を繋ぐ力を持ったブルトンの仕業だと聞いている。もしかしたら同じようなことがアヴァルでも起きるかもしれん」

キョウスケがそう言うと同時に調査隊の一人が持つリサーチシーバーが反応を示した。

「観測されたエネルギー反応です!」

キョウスケ達はリサーチシーバーが反応を示す場所へ向かっていく。

数分後、キョウスケ達はエネルギー反応が検知された場所へと辿り着いた。

「ここからエネルギーの反応が出ています」

「…静かに…何か聞こえないか?」

キョウスケは何か聞こえるといい耳を澄ませ、他の二人も同じように耳を澄ませる。

「……えぇぇん……えぇぇん……」

「まさか赤ん坊?」

「こんな砂漠地帯に!?」

調査隊の二人が驚く中、キョウスケは周りを見渡すと砂漠地帯の中では目立つ程光り輝く結晶を発見する。

「あの結晶からエネルギー反応が出てます!」

三人が結晶に駆け寄ると結晶は淡い光を放ちながら消えていき、その場にはなんと一人の赤ん坊がいたのである。

「本当に赤ん坊だ…!」

「とりあえず保護しよう。別れたメンバーと合流して基地に戻った後、この子をどうするか考えよう」

赤ん坊を抱えたキョウスケがそう言うと大地が揺れ始めた。

「なんだ!?」

「地底から生命反応接近中!」

すると地面が割れ、砂煙と共に一体の怪獣が姿を現した。

「ギィエエエエンンンッ!!!」

「この星にも怪獣が!?」

「あいつは超獣です!“さぼてん超獣サボテンダー”です!」

全身にトゲを生やしたさぼてんのような姿をしたサボテンダーは一目散にキョウスケ達に襲いかかり、調査隊の二人がトライガンナーで攻撃するもダメージを受けた様子を見せていない。

「基地に応援要請を入れるんだ!」

キョウスケは指示を出すが、サボテンダーは舌を伸ばしてキョウスケに襲いかかる。

しかしキョウスケはトライガンナーを取り出し伸ばされた舌を狙い撃ちする事でサボテンダーを怯ませるが、この攻撃に怒ったサボテンダーは拳を振り上げてキョウスケを叩き潰そうとする。

そこへ一筋のレーザーがサボテンダーの頭に直撃し、サボテンダーは倒れ込んでしまう。

「シャムロック!」

応援要請を受け駆けつけたシャムロックはミサイルを発射、それらはサボテンダーの眼前で爆発して煙幕になり視界を塞がれたサボテンダーは右往左往し始め、その隙にキョウスケ達は岩の陰に隠れる。

「キョウスケさん大丈夫ですか!?」

「ああっ助かったよ。だが俺達は今、身元不明の赤ん坊を保護している。攻撃は慎重に頼むぞ」

「赤ん坊ですか…?了解です!」

報告を受けたクルーは困惑しながらも了承し、シャムロックはサボテンダーを遠ざけるため威嚇射撃を行う。

繰り出される攻撃に反応したサボテンダーは腹部に生えているトゲをミサイルのように射出して反撃するが、シャムロックはそれを回避してレーザーを撃ち込む。

レーザーを撃ち込まれたサボテンダーはその場で蹲るが、次の瞬間には身体をボールのように丸め大ジャンプしてシャムロックに襲いかかってきた。

その意表を突いた攻撃に反応出来なかったシャムロックは直撃を受け不時着してしまう。

「ああっシャムロックが!」

シャムロックを撃墜したサボテンダーは岩陰に隠れたキョウスケ達を見つけると、鳴き声を上げて彼らの所へ向かい始めた。

トライガンナーを手に攻撃するキョウスケ達だが、サボテンダーはものともせずに歩みを続ける。

「目を狙うんだ!」

キョウスケはサボテンダーの目を狙うように発砲し、二人もそれに続くようにトライガンナーを撃ち出す。

三人が放った銃弾はサボテンダーの左目に直撃、サボテンダーは左目を潰されてしまう。

「ギィエエエエンンンッ!!!」

左目を潰されたサボテンダーだったが怯むことなく口から霧を噴射し、キョウスケ達が隠れている岩を溶かし舌を伸ばそうとしたが背中に突然生じた爆発によって倒れ込んでしまう。

起き上がったサボテンダーが振り返ると墜落したシャムロックがミサイルを発射して攻撃していたのである。

続けてシャムロックはレーザー砲も放ち、サボテンダーの足元を爆破し転倒させる。

「いいぞシャムロック!」

「けど奴の硬い身体にはミサイルやレーザーも通じません。このままでは…」

「外がダメなら中からしか無いだろ」

キョウスケはリサーチシーバーでシャムロックに連絡を入れる。

「こちらキョウスケ、奴を倒すには内側からの攻撃しかないかと思います」

「内側から…出来るかどうかは分かりませんがやってみます」

「出来るかどうかじゃない。君達はZAPのクルーだ。必ずやってくれ」

「了解です!」

指示を受けたシャムロックのクルーはサボテンダーの口内に狙いを定める。

そして立ち上がったサボテンダーが大きく鳴き声を上げた瞬間、一発のミサイルがサボテンダーの口内に撃ち込まれた。

ミサイルを飲み込んだサボテンダーは動きを止め首を傾げるがその次の瞬間には身体から炎が吹き上がり大爆発を引き起こしたのであった。

「ううっ…ふぇぇえぇえん…!」

「ああっさっきの爆発で驚いちゃったのかな?」

「おおっよしよし…シャムロックに向かって別れたメンバーとも合流しよう」

泣き出した赤ん坊をあやしながらキョウスケ達はシャムロックに向かっていくのであった。

 

 

 

「まさかその赤ちゃんが…」

「カズマだ」

「隊長と息子さんには血の繋がりが無いってことですか?」

キョウスケが語った事実にリコとツヨシは驚きを隠せなかった。

「その事はカズマには…?」

「伝えてない。だが血の繋がりが無くともカズマは私とハルカの一人息子だ。必ず地球に連れて帰る…必ずだ」

「ですがこのファーリーにいると思われる息子さんを探すとなると大変ですよ?アテもなく探すわけにはいかないですし」

「そうだな…何か手掛かりになるものがあれば…」

頭を悩ませるキョウスケを見たリコは声をかける。

「あの…カズマ君はゴモラと一緒にいるんですけど…何とかなりませんか…?」

「…そういえば、オキ室長が考案した怪獣探索システムがライオネルにはあったよな?」

「はい。特定の怪獣の生体反応をキャッチして居場所を特定するシステムですよね?」

「それを使えばゴモラひいてはカズマの居場所が分かるかもしれない」

「上手くいくでしょうか?」

「やるしか無いんだ…こうしている間にもカズマが待っているかもしれないんだ」

「隊長…分かりました、やってみます。君達も船に乗って僕達の側にいるんだ」

ソウマに促されたリコとツヨシがライオネルに向かったその時、怪獣の鳴き声が聞こえてきた。

「隊長、多数の生体反応が…!」

「足止めを喰う訳には行かん。急いでここから離れよう」

リコ達がライオネルに乗り込んだのを確認したキョウスケとソウマは続いて自分達もライオネルに乗り込み、ハルケーン補給基地を後にする。

「これがZAPの宇宙船…凄ぇな」

ツヨシが感心するのをよそに、キョウスケとソウマは怪獣探索システムを起動していた。

「ゴモラの生体データは…ありました。早速照合してみます」

ソウマはパネルを操作してデータ照合を開始する。

するとすぐさま反応が現れた。

「このエリアは…惑星開発用の発電施設のクリーンインフィニティ発電所です」

「よし、これよりライオネルはクリーンインフィニティ発電所に向かいカズマの救出を行う!」

「了解です!」

二人がそれぞれの持ち場につきライオネルを操作する中、リコはペンダントを握りしめて祈っていた。

(カズマ君…無事でいて…お願い)




・さぼてん超獣サボテンダー
かつて異次元人ヤプールが作り出した超獣の一体で、サボテンとハリネズミの合成体。全身のトゲをミサイルのように撃ち出したり長い舌を伸ばして攻撃したりする他、口から溶解性のある霧を噴射することが出来る。最大の武器は身体を丸めて突撃する「サボテンボール」である。惑星アヴァルで検知されたエネルギーを調査しそこで赤ん坊のカズマを拾ったキョウスケ率いるZAPの調査隊の前に出現、カズマを抱えているキョウスケを狙うが応援要請を受けて駆けつけたシャムロックに妨害されてしまう。それでもサボテンボールによる一撃でシャムロックを不時着させるも最期は放たれたミサイルを飲み込んでしまい体内から吹き飛んでしまった。しかし何故超獣たるサボテンダーがアヴァルに生息していたのかは不明である…。
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