大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第26話 届く想い

「起きるんだ…君の力を借りたい…!」

「ううん…えっ?ここどこ!?」

謎の声に起きるよう促され目覚めたリコは辺りを見渡して驚く。

そこは一面真っ白の何も無い場所だったからだ。

「リコ…でいいのかな…?」

「はい…ってうわぁ!?」

声のする方へ振り返ったリコは再び驚く。

そこには光に包まれた一人の宇宙人がいたのである。

その姿を見たリコはカズマが話していた事を思い浮かべ恐る恐る声をかける。

「もしかして…ウルトラマンですか?」

「いや違う。俺はウルトラマンではなくレイオニクス…黒澤カズマと同じ怪獣使いなんだ」

レイオニクスと聞いた瞬間リコは身構える。

「君に危害を加えるつもりは無い…カズマを助けたいのだろう?」

宇宙人は身構えるリコに優しく問いかけるとリコは静かに頷いた。

すると宇宙人は手を差し出しリコのペンダントに光を送り込む。

「あとは君達の想いが彼を…レイブラッドの邪気から救い出せる…頼んだぞ…!」

「あっ…待って…!」

宇宙人は眩い光を放ちながら姿を消し、放つ光に目を瞑ったリコが目を開けるとそこはライオネルで与えられた自室であった。

「今のは夢…?」

そう思いながらリコはペンダントを見るとペンダントは光り輝いていた。

それを見たリコは先程の出来事が夢じゃない事を確信し、ブリッジに向かっていくのであった。

 

「あれ?リコちゃんどうしたの?」

ブリッジに行くとそこにはソウマがモニターを確認しているところであった。

「ソウマさん、あのカズマ君のお父さんは?」

「隊長なら仮眠をとってる所だよ。どうかしたの?」

「実はその…これを調べて欲しくて…」

リコは首にかけているペンダントをソウマに見せる。

「このペンダントを?急にどうして?」

「さっき私の部屋で…」

そこでリコは先程の出来事をソウマに話すことにした。

「なるほどそんなことが…分かった調べてみるよ」

ソウマが言ったその時、扉が開きキョウスケが入って来た。

「交代だぞソウマ」

「はい。ああっ僕はこれを調べて来ますので分析室に行きますね」

ペンダントを見せながらソウマは分析室に向かっていった。

「あれはリコちゃんのペンダントだったな。あれがどうかしたのかい?」

リコはソウマに話した事をキョウスケにも話した。

「なるほど…あのペンダントがカズマを救うか…一体どういう事だ?」

「実はカズマ君…今レイオニクスの力に呑み込まれているんです。この星に飛ばされてから様子が変だったんですけど…」

「力に呑み込まれた?」

「はい…宇宙人はあのペンダントに光を送った後、“君達の想いが彼を救う”って言って…」

「うむ…今はその宇宙人を信じるしか無さそうだな」

そう言うとキョウスケは席に座ってモニターの確認に入った。

(カズマ君…待ってて!)

クリーンインフィニティ発電所を目指して飛ぶライオネルの中でリコは心の中でそう呟く。

 

それから数十分後、起きてきたツヨシ含めた四人とモコはブリッジに集合していた。

「分析の結果、このペンダントには確かに純度の高いエネルギーが込められています」

「そのエネルギーを使えばカズマをレイブラッドという奴の支配から救い出せる、ということだったな?」

問いかけられたリコは静かに頷く。

「問題はどうやってそのエネルギーをカズマに使うかですよ。近くにはあの荒れ狂ったゴモラがいる訳だし」

「キュウウウウン…」

ツヨシの一言にその場にいる全員が考え込んだその時、警報が鳴り響きソウマがモニターを見る。

「近くに生命反応!モニターに出します!」

ソウマがパネルを操作して反応があった場所をモニターに映し出すと、そこに映った荒涼とした岩場の地面を割って一体の怪獣が姿を現した。

「あいつは“用心棒怪獣ブラックキング”だ!」

黒い身体に金色の角を持つブラックキングは、ライオネルを見ると口にエネルギーを溜め始める。

「まずい!」

慌ててキョウスケが操縦席に座るもブラックキングは熱線を放ちライオネルを攻撃、キョウスケは回避しようとするが船体下部に熱線が掠ってしまう。

「不時着するぞ!全員衝撃に備えろ!」

リコとツヨシは近くにあった柱やコンソールパネルにしがみつきソウマは踏ん張るように座る。

そしてライオネルは滑るようにして不時着してしまうのであった。

「ゼエェェェェェェッ!!!」

ライオネルを撃墜したブラックキングは大きく吠えると、ライオネルに向かって前進し始めた。

キョウスケ達はライオネルから外に出てトライガンナーでブラックキングに攻撃するが、強固な皮膚に覆われた身体にダメージを与えることが出来ずにいた。

「地球人如きに俺が手塩にかけて育てたブラックキングを倒せる訳がない!」

すると何処からともなく声が響き渡ると同時に一人の宇宙人が姿を現した。

「宇宙人…!」

「お前は“暗殺宇宙人ナックル星人”だな!」

「ほぉ俺の事を知っているとは…いや知ってて当然か、地球で俺の同胞が暴れてたからな」

ナックル星人は笑いながらバトルナイザーを突き出す。

それと同時にキョウスケとソウマもトライガンナーをナックル星人に向ける。

「そんなことはどうでもいい。さぁモンスロードして俺と戦え!」

「私達はレイオニクスじゃない!友達を探しているの!」

「ああっ、赤いゴモラを連れた地球人知らないか!?」

「キュウウウウン!」

リコとツヨシはナックル星人に問いかけると、意外にもナックル星人はその問いに答えてくれた。

「赤いゴモラだと?ああっ最近噂になってるやつだな。出会ったが最期、怪獣諸共レイオニクスを殺す凶暴かつ残虐なレイオニクスがいると」

するとナックル星人は冷徹な笑みを浮かべてリコ達を見下ろす。

「しかし噂のレイオニクスがまさか地球人だったとはなぁ…しかも友達?ハッハッハッハッ!こりゃいい、貴様らを殺せばやって来るかもしれんな!ブラックキング!」

ナックル星人は側で待機していたブラックキングに指示を出し、ブラックキングは唸り声を上げながらリコ達に迫っていく。

その時だった、突如岩石が飛んできてブラックキングに命中する。

「ゼエェェェェェェッ!!!」

ブラックキングは岩石が飛んできた方向を見るとそこにはゴモラがいたのだ。

 

「キシャアァァァァァアアァッ!!!!!」

「ゴモラ!」

そして雄叫びを上げるゴモラの側にはカズマがいた…服は所々裂け、あちこちから血が滲み出ている痛々しい姿となって。

「カズマ…お前…」

痛々しい姿となった息子を見て苦々しい表情を浮かべるキョウスケをよそに、カズマはナックル星人を睨みつける。

「お前が噂のレイオニクスか…不意打ちとはなかなかやるじゃないか?」

「うぁあああああああっ!!!!!」

「その様子だと話す気は無いらしいな…いいさ、お前を倒して力をつけさせて貰う。行くぞブラックキング!」

「…ふううぅっ!がぁああああああああっ!!!!!」

夕日が差し込む中、互いに駆け出していった二体は頭突きを喰らわせるが、ブラックキングの強力なパワーにゴモラは怯んでしまう。

そのまま腕を振りかぶって攻撃しようとするブラックキングだったが躱され逆に担ぎ上げられて投げ飛ばされると、ゴモラの体重を乗せた押し潰し攻撃を受けてしまう。

続けてゴモラはブラックキングの角を掴んで立ち上がらせると、その顔をひたすら殴りつけていく。

しかしブラックキングも負けじとゴモラを振り払い、強烈なパンチをゴモラの腹部に浴びせ膝を突いたところを蹴り飛ばして追い討ちをかける。

さらにゴモラの大角を掴んだブラックキングは金色の角をゴモラの頭目掛けて勢いよく振り下ろし、ゴモラを地面に叩きつけると背後に回り込み尻尾を掴み取ると振り回して岩壁に叩きつけてしまう。

それでもよろめきながら立ち上がったゴモラは飛び蹴りを放ってブラックキングを吹っ飛ばすと身体の上に跨り頭を掴んで何度も地面に叩きつけていく。

だが乗り掛かったゴモラを払い飛ばしたブラックキングは起き上がると口から熱線を放ちゴモラの右肩を狙い撃つ。

避けようとしたゴモラだったが、熱線は右肩を掠めそこから血が吹き出してしまう。

「あぐうぅっ!!!!!」

同時にカズマも右肩を抑えて苦しむが構わずゴモラに攻撃を続けさせ、ゴモラは尻尾の一撃でブラックキングを吹っ飛ばしていく。

「うおぉぉぉっ!!??」

ナックル星人もまたブラックキングと同じように吹っ飛ばされ腹を抑えて苦しみ出す。

「フハハハハハッ!真のレイオニクスバトルを挑んでくるとは骨のある奴だ。受けてやろうじゃないか!」

立ち上がったナックル星人は腕を鳴らすと目を赤く光らせる。

それと同時にブラックキングの全身から炎のようなオーラが広がり、ブレイブバーストを発現させる。

「ゼエェェェェェェッ!!!」

ブラックキングは一吠えすると素早くゴモラの懐に飛び込みタックルで仰け反らせると、容赦無い連続攻撃で一気に攻め立てていく。

その度にカズマは悶え苦しみ膝を突いてしまう。

「何でゴモラのダメージが隊長の息子さんに!?」

「リコちゃんこれは一体…?」

「あれは…真のレイオニクスバトルです…怪獣とリンクして戦って負けた方が死ぬ…」

話を聞いたキョウスケは驚くが、苦しむカズマの姿を見ると一目散にライオネルへ駆け出した。

「隊長!?何するんです?」

「息子が苦しんでいるのを黙って見過ごせるか!」

一言だけ言うとキョウスケはライオネルに乗り込んでいった。

それを見たソウマはこの場にいるよりはライオネルの方が安全だと判断し、リコ達を連れて自分もライオネルに戻っていった。

一方、ブラックキングはゴモラへ馬乗りになるとその顔目掛け連続して拳を振り下ろして攻撃を続けていた。

「どうした!貴様の力はそんなものじゃないんだろ!?」

カズマを挑発するナックル星人をよそにブラックキングは拳を上げゴモラにトドメを刺そうとするが、ライオネルが放ったワイバーンミサイルの斉射を受け吹っ飛ばされる。

その隙にゴモラは立ち上がり体勢を整えると角から超振動波をブラックキングに撃ち込む。

しかしブラックキングはその超振動波を腕を交差させて防ぐと熱線を放ち、ゴモラを苦しめていく。

繰り出される熱線を連続で受けたゴモラは膝を突いて倒れてしまう。

「余計な邪魔が入ったがこれで終わりだ!」

ナックル星人の指示を受けたブラックキングはゴモラにトドメを刺そうと近寄って来る。

「キュウウウウン!!!」

「カズマ!」

ツヨシとモコが声を上げる中、キョウスケはカズマの異変に気付く。

カズマの身体から赤黒いオーラが浮かび上がっていたのである。

そしてゴモラの身体からも赤黒いオーラが立ち上がり全身を包み込んで一気に爆ぜると赤く変化したゴモラが姿を現した。

「ギシャアアアアアァァァァッ!!!!!」

「赤いゴモラ…ようやく本気になったか。ブラックキング!」

ブラックキングはゴモラに角を向けて駆け出していくが、ゴモラはそれを容易く受け止めると顔に張り手を繰り出し一発で跳ね飛ばすと角と頭を掴みそのまま勢いをつけて地面に叩きつける。

ゴモラは地面をもがくブラックキングの首を掴むとそのまま自身の身体を軸に振り回して投げ飛ばす。

投げ飛ばされたブラックキングはふらつきながら立ち上がり熱線で反撃を行うものの、それを意に介さずゴモラは角を突き出して突進攻撃を繰り出しブラックキングを後退させると、全身にパンチやキックを叩き込み先程とは逆にブラックキングを追い込んでいく。

ブラックキングのダメージがフィードバックして苦しむナックル星人を尻目に、ブラックキングの角を掴んだゴモラは肘打ちで掴んだ角を叩き折ってしまう。

「ゼエェェェェェェッ!!??」

「うぎゃああああっ!!??」

角を叩き折られ頭を抱えて悶え苦しむブラックキングとナックル星人だが、その隙を突くかのように前転からの尻尾浴びせ蹴りでブラックキングを大きく仰け反らせるゴモラ。

さらに勢いよく尻尾を叩きつけてブラックキングを倒すとそのまま尻尾を振り下ろして攻撃を重ねていく。

「フッフッフフッフ……ハアッハッハッハッハッ!!!!!」

悲痛な声を上げるブラックキングを見てカズマは狂気の笑い声を上げ、ゴモラもまたブラックキングを足蹴にしつつドラミングしながら雄叫びを上げる。

そしてブラックキングの頭から足を離すとそのまま蹴り飛ばしてしまう。

そんな悪鬼のようなゴモラを前にナックル星人は手を合わせ命乞いを始めた。

「ま、待ってくれぇ!命だけはこの通りだ!」

だがカズマはそんな命乞いを無視しゴモラに攻撃を続けさせる。

ゴモラは大きく吠えるとよろめくブラックキングを角で突き飛ばすと、ジャンプしてからの両足蹴りで勢いよく蹴り飛ばして攻撃し倒れ込んだブラックキングの頭を掴んでその口を強引にこじ開けると角から超振動波を口内に撃ち込む。

超振動波を口内に流し込まれたブラックキングは悲鳴を上げながら粉々に吹き飛んでいった。

「ぐあああっ!?な、なんなんだお前は…!」

ブラックキングが倒された事で地面に倒れ込んだナックル星人もまた驚愕しつつ塵となって消えていくのであった。

「ギシャアアアアアァァァァッ!!!!!」

しかし暴れ足りないのかゴモラはライオネルの前方を薙ぎ払うかのように超振動波を発射する。

「うわああっ!!!」

その衝撃で船内にいた四人は床に倒れ込んでしまう。

「ううっ…カズマ君…」

床に叩きつけられたリコは顔を顰めるが、立ち上がるとペンダントを握って外へ向かっていった。

「リコ!?」

「待つんだリコちゃん!」

それを見たキョウスケもリコを追いかけてライオネルから降り外へ出るのだった。

 

「カズマ君!」

外に出たリコはカズマを見据えるとその名を叫ぶ。

その声を聞いたカズマはゆっくりと振り返り血走った目でリコを睨みつける。

「もうやめて!カズマ君はこんな事する人じゃない!」

カズマは自身を説得しようとするリコの眼前に降り立つとその首を絞めようと手を伸ばそうとしたその時、リコのペンダントが光りカズマを弾き飛ばした。

「ううっ…があぁぁっ!!!」

ペンダントから放たれた光に触れたカズマは全身から紫色のオーラを出しながら苦しみ始めるが、起き上がると再びリコに手を伸ばそうとする。

だが伸ばされたその手を駆けつけたキョウスケが掴みそのまま抑え込む。

「いい加減にするんだカズマ!」

キョウスケは腕の中で暴れるカズマに声をかけるが、カズマはキョウスケの腕に噛みついて振り解こうとする。

「ぐうっ!落ち着くんだ…カズマ!俺達と一緒に地球へ帰るんだ!」

しかしそれでもキョウスケはカズマをしっかり抑えつけるとリコに声をかけた。

「リコちゃん!今の内にそのペンダントを!」

「は、はいっ!」

キョウスケに指示されたリコはペンダントを掲げ祈りを込める。

すると一筋の青白い光がペンダントから放たれその光はカズマに直撃する。

「うぐぅ…!?…ぁあああああああぁぁっ!!!」

光を浴びたカズマはキョウスケから離れると頭を抱えながら紫色のオーラを放出した後、糸が切れた人形のように倒れてしまう。

それと同時に暴れ回っていたゴモラもカズマのバトルナイザーに戻っていった。

「カズマ君!しっかりして!」

リコは慌ててカズマに駆け寄るが、カズマを抱きかかえたキョウスケは安心させるように声をかける。

「大丈夫…気を失ってるだけだ…」

キョウスケはそのままカズマを抱きかかえながらライオネルに向かい、その言葉を聞いて安心したリコもまたキョウスケの後についていくのであった。




・用心棒怪獣ブラックキング
ナックル星人によって操られる黒い皮膚と金色の角が特徴の怪獣。角を活かした突進や怪力、口から放つ熱線「ヘルマグマ」を武器に敵を完膚なきまで叩きのめす残忍なナックル星人の用心棒で、今作ではレイオニクスのナックル星人のパートナー怪獣として登場した。多くの星々で主人と共にレイオニクスバトルに明け暮れていたためかブレイブバーストを発現出来る高い実力を持ち、惑星ファーリーでも連勝を納めてきた。ライオネルをヘルマグマで攻撃しナックル星人の指示でリコ達を殺そうとするも、そこに現れたカズマとゴモラとの戦いではブレイブバーストを発現させて真のレイオニクスバトルを挑みゴモラを追い詰めるが、レイオニックバーストとなったゴモラの力には敵わず角を折られてしまう。最期はこじ開けられた口内に超振動波を流し込まれ爆散した。ちなみにナックル星ではブラックキングが大量に飼育されており、その使い勝手の良さから様々な宇宙人に貸与されたり強奪されたりされている。

・暗殺宇宙人ナックル星人(RB)
目的の為なら手段を選ばない宇宙人で、その性格は卑劣にして残忍かつ冷酷。ブラックキングを操りリコ達をレイオニクスと思いバトルを挑もうとするが違うと分かると行き掛けの駄賃として殺そうとするがカズマとゴモラが現れたことで彼らに戦いを挑む。ブラックキングのブレイブバーストを発現させて優位に立つもレイオニックバーストになったゴモラの前に押され、命乞いをするも無視されブラックキングが倒されるとそのダメージがフィードバックして自身も消滅してしまった。
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