大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第3章 新たなる戦いと第二覚醒編
第27話 悪夢の囁き


「ん…俺は一体…?」

カズマが目を開けるとそこはビルは崩れ落ち炎が燃え上がって、黒雲が空を覆い尽くした街の光景であった。

しばらくその街を歩いていたカズマは足元に転がっているものを見つけて驚く。

それはフジキヶ丘の表記がされている看板だったからだ。

「な、なんで…?一体どうなって…!?」

看板を見て青ざめるカズマだったがすぐにある場所に向かって走り出した。

向かう道中には黒焦げになっていたり、骨と肉が崩れ原形を留めていなかったりと夥しい数の人の死体があり、カズマはその光景に吐き気を催しながらひたすら走り続けた。

そうしてたどり着いた場所はカズマ自身の家だった。

その自宅も案の定、炎に包まれ燃え上がっていたがカズマは庭先に誰かが倒れているのを見つけ駆け寄る。

「母さん!!!」

母であるハルカの元に駆け寄り抱き起こすカズマだったが、ハルカは既に事切れておりカズマの呼び掛けに応えることは無かった。

「誰が…こんな事を…!」

涙を流し悔しがるカズマ。

するとその時、離れた場所で低く悍ましい怪獣の咆哮が響き渡り、その咆哮を聞いたカズマは再び駆け出し始めた。

やがて向かった先でカズマが見たものは、赤く染まったゴモラが超振動波を放ち周囲の街を次々に破壊している光景だった。

「ゴモラ!?何してるんだよ!やめろ!」

カズマは急いでバトルナイザーを取り出そうとするも、いつもポケットに入れているはずのバトルナイザーが無いことに気づく。

バトルナイザーが無いことに焦るカズマだったが、暴れ回るゴモラの足元で倒れている人達を見つけさらに驚く。

そこに倒れていたのはツヨシとキョウスケとモコ、そして…リコだった。

カズマは横たわるリコの元へ向かいゆっくりと抱き起こすが、目を見開いたまま彼女は息絶えているのであった。

「ああっ…なんでだよ…!」

するとリコの死体を抱きしめて涙を流すカズマの前にフードを被った一人の男が現れる。

「何を泣く必要があるんだ?邪魔な奴は消してやったというのに…」

「邪魔な奴だと…!?お前がこんな事をしたのか!」

カズマはその男に掴み掛かるが、男はケラケラと笑うだけである。

「その怒りに満ちた目…気分いいだろう?怒りに任せて全てを壊そうじゃないか?俺とお前は一緒なんだから」

「お前みたいな奴と一緒にするな!」

そう叫ぶカズマを見た男はカズマを振り解くと、被っていたフードを取りその素顔をカズマに見せる。

男の素顔を見たカズマは驚きのあまり絶句する。

何故ならその男の顔はカズマのものだったからだ…。

 

「カズマ君…!しっかりして!」

「カズマ!目を覚ませよ!」

その頃、リコとツヨシは魘されているカズマを起こそうと必死に呼びかけていた。

「ちくしょう…なんで起きないんだよ…」

「あれから3日経つのに…」

「怪我は回復してるからあとはカズマ自身の問題だと思うモコ…」

「…お前なんか喋るの久しぶりじゃね?」

「バトルナイザーが無かったモコからね…今はそれはどうでもいいモコ!」

「何か原因が他にあるのかな…」

リコ達が途方に暮れていると扉が開きキョウスケが入ってきた。

「カズマは?」

「駄目です…全く目覚めなくって…」

「そうか。駄目か…」

「ところで宇宙船はどうなってるんですか?地球に帰れるのかどうか…」

「その事だが、この星に来る前に怪獣との戦闘があってな…それのダメージに先のブラックキングの攻撃もあってすぐには飛び立てない状況なんだ。地球に帰れるのは少し先になる」

キョウスケは魘されているカズマの元に寄るとその手を優しく握った。

「何がお前を苦しめているんだ?カズマ」

その様子を見守るリコ達だったが、キョウスケのリサーチシーバーが鳴りソウマの声が聞こえる。

「隊長、今大丈夫ですか?」

「ソウマか。どうした?」

「実は周辺調査をしてたらこのような音波がライオネルに照射されてまして…」

「音波だと?」

リサーチシーバーに映る解析画面を見ながら話を続けるキョウスケ。

「調べてみたところ人間の煽桃体を刺激する作用があるみたいなんです」

「煽桃体?」

「言ってしまえば人が悪夢を見る際に活発になる箇所です」

「悪夢を…もしかするとカズマはその音波に!」

「おそらくですがその可能性が高いですね」

「ソウマ、その音波を遮断もしくは打ち消すことは出来ないか?」

「未知の周波数ですからどうかは分かりませんがやってみます」

ソウマとの通信を終えたタイミングでリコが声をかける。

「あのカズマ君、目覚めることが出来るんですか?」

「…ソウマ隊員が今調べている所だ。今は祈るしかない…」

キョウスケがそう言うと同時に突如として医務室一帯が光に包まれキョウスケ達は目を覆う。

「なんだこの光!?」

「この光…あの時と同じ…?」

 

「言っただろ?俺とお前は一緒だと…」

黒い服を着たカズマはカズマの元に近づきその頬を優しく撫でるが、カズマはその手を払う。

「つれない奴…でも思い出してみろよ。あの時の戦いの快感を…楽しかっただろ?」

「そんなこと…!」

「無いって言いたいのか?だったらこの俺の存在はどう説明するんだ?」

そう言いながら黒い服を着たカズマはカズマの後ろに回り込みそのまま彼に抱きつくと、耳元で囁き始める。

「なぁいい加減正直になれよ」

「違う…俺は戦いを楽しんでなんか…!」

カズマは必死に否定するが、黒い服を着たカズマは手から赤黒い波動をカズマに向けて放つ。

「ああっ…ぐうぅぅっ…」

「レイブラッドの血を継ぐことは悪い事じゃない。レイブラッドの後継者になれば宇宙はお前の思うがまま…寂しい思いをしなくて済む」

「寂しい…思い?」

「思い返してみろ。小さい頃からお前は周りから距離を置かれていたじゃないか?」

黒服のカズマに言われるがままカズマは自身の幼少期を思い返していた…他の子達とは違い、怪獣が好きってだけでいじめられ近所の人達はどういう訳かこちらを見てひそひそと話してるのを何度と見てきた。

「確かに…周りから距離を置かれていたけど…だけど…」

「お前のことを受け入れる奴なんてどこにもいない。信じられるのは自分自身しかいない、そうだろ?」

「信じられるのは…自分自身…君は…?」

「俺はお前だ…さぁ身を委ねて楽になるんだ」

そう囁くと同時に黒服のカズマはカズマを優しく抱きしめ、カズマはそのまま彼に身を委ねてしまうのであった。

自分の腕の中にいるカズマを見た黒服のカズマは目を赤く光らせながら不気味に笑い、側にいた赤いゴモラもその姿を変えてまるで啜り泣くかのような鳴き声をあげた。

「…フッフッフッフ…」

 

「これは一体?」

一方光に包まれたリコ達は辺り一面真っ白な空間に佇んでいた。

「やっぱり…ここ私が宇宙人と話してカズマ君のこと頼まれた場所と同じ感じがします」

「すると我々をここに連れて来たのはその宇宙人ということか?」

「そうだ…君達にしか彼は救えない」

三人が振り向くとそこには青白い光に包まれた宇宙人がいたのであった。

「すまないがもう一度君達の力を借りたい」

「…息子を助けるためにリコちゃんを通して力を貸してくれたことは感謝する。だが君は何者なんだ?」

「俺は彼と同じレイオニクス…レイブラッドの血を継ぐ怪獣使いだ」

すると宇宙人を包んでいた光は徐々に消えやがてその全体像をリコ達に見せる。

「ウルトラマン…っぽいけど何か違う?」

「ああーっ!もしかしてあなたは伝説のレイオニクスの“レイモン”モコ!?」

「ああっ、俺の名はレイモン…地球のレイオニクスだ」

「レイ…そういえばかつてスペースペンドラゴンのクルーに怪獣を操る力を持つ青年がいるという話を聞いたことがある。君がその怪獣使いなのか?」

「そうだ。いや今はそんなことを話している暇ではない。カズマにレイブラッドの魔の手が迫っているんだ」

「カズマ君に!?」

「レイブラッドは悪夢を見せる怪獣を利用し彼を手中に収めようとしている」

「どうすればカズマを助けられるんだ!?」

「今から俺の力で君達を彼の精神…夢の中に入ってもらう」

「夢の中!?そんな所に行けるのかよ!?」

「…今は君を信じてみるしか無さそうだな。頼む私達をカズマの夢の中に」

キョウスケがそう言うとレイモンは静かに頷きその目を光らせる。

目を瞑るリコ達だったが次に目を開けるとそこは炎に包まれ黒煙が立ち昇る街に立っていた。

「ここがカズマの夢の中…だというのか?」

「なんて夢見てんだよあいつ…」

キョウスケ達はカズマが見ているであろう悪夢の世界に戸惑っていると、彼らの足元から黒い触手が突如として襲いかかってきた。

「なんだモコ!?」

「ここから離れるぞ!あれに捕まったらカズマを探せなくなる!」

「はい!」

その場から急いで離れるキョウスケ達だったが、触手は彼らを追いかけ回すがそこへ姿を現したレイモンが迫ってくる触手を弾き飛ばす。

「レイモンさん!」

「急ぐんだ!こいつは俺が食い止めておく!」

襲いくる触手の足止めをレイモンが買い、キョウスケ達はカズマを探すべく駆け出していった。

「カズマ君ーーー!」

「何処にいるんだーーー!」

「いるなら返事しろよ!」

声を上げてカズマを探すキョウスケ達だったが、モコがあるものを見つける。

「あれを見るモコ!」

キョウスケ達が目にしたものは紫色の巨大な繭であった。

その繭を見た瞬間、リコの持つペンダントが光り始める。

「あの中にカズマ君がいる…!」

そう確信したリコは繭に向かって走り始めキョウスケとツヨシ、モコもリコの後を追うように向かっていった…そしてその様子を見つめている赤い一つ目が浮かんでいることに彼らは気づく事は無かった。

「グゥエエエエエェェェエン…!」

 

「うわぁ…なんて所だよ…!」

繭の中に入ったツヨシは紫色の触手が脈動している悍ましい光景に驚き、リコとキョウスケは絶句し戦慄していた。

「リコのペンダントがあるからまだ心強いけど、早くカズマを見つけないとマズいモコよ…」

「その必要はない」

するとリコ達の前に黒服のカズマが姿を現し手から衝撃波を放ち攻撃を仕掛けてきた。

「きゃあっ!?」

「痛てて…いきなり何するんだよ!」

「ツヨシ君落ち着くんだ。あれはカズマではない…お前息子の姿をしてなんの真似だ?」

「ほぉっ流石は長いこと一緒にいただけはあるな。だがカズマはもう我の物よ」

黒服のカズマはニヤリと笑うと姿を消し、代わりにその場にカズマが現れる。

「カズマ君!」

リコはカズマの元に駆け寄るが次の瞬間、カズマは手を伸ばしリコの首を絞め上げる。

「カズマ!?何をしてるんだ!」

キョウスケは急いでリコの首を絞めるカズマは引き離し、その目を見て驚く。

カズマの目は暴走時のように赤く染まっていたが、まるで生気を宿しておらず人形のようであった。

「くっ…カズマに何をした!」

「我は何もしておらん。ただちょっとだけ真実を教えてやっただけだ」

するとカズマは憎しみを込めた目でキョウスケを睨みつけ叫んだ。

「聞いたよ…俺とあんたは本当の親子じゃないって!血の繋がりなんてない他人同士だって!」

「カズマ…それは…」

「何でその事言ってくれなかったんだよ!今まで俺のこと騙してきたのか!?」

そう喚き散らすカズマにキョウスケは黙り込んでしまう。

「拾うだけ拾って自分は仕事だなんだで、いつも母さんに押し付けて…!」

「…そうだな…お前の言う通りだ。ちゃんと接してやるべきだった…実は母さんから聞いてたんだ、お前がいじめられてるってこと…だから引っ越ししてフジキヶ丘に来たんだ」

キョウスケはゆっくりとカズマに近づくと彼を優しく抱きしめる。

「フジキヶ丘に来て友達も出来たからと安心していたのかもしれない…けどずっと苦しんでたんだろ?気づいてやれなくてすまない…」

「…謝って許される訳ないだろ…!」

しかしそう吐き捨てるカズマの声は震えていた。

それを見た黒服のカズマは手を上げ指示を出す。

「やれぇナイトファング!奴とカズマを引き離すのだ!」

すると赤い一つ目が空中に浮かぶように現れ、その目から紫色の音波を二人目掛けて撃ち込んだ。

「カズマ!」

だがキョウスケは自身の背を盾にすることで、放たれた音波からカズマを守る。

「何ぃ!?」

「ぐうぅぅうっ…!カズマには指一本たりとも触れさせんぞ…!」

「リコ今の内にそのペンダントをあいつに使うモコ!」

「うん!」

リコはペンダントを掲げそこから放たれる光を黒服のカズマに向け、その光を浴びた黒服のカズマは怯んでしまう。

「この光は…またしても邪魔するのかレイモン!」

黒服のカズマがもがく中、その光はカズマの中に宿っていく。

「ああっ…!ううっ…がぁぁぁっ!」

「カズマ!戻って来るんだ!お前はもう一人じゃない!」

「そうだ!俺は戦うことは出来ないけど辛い時、苦しい時、そして嬉しい時全部お前の側にいる!」

「カズマが一人で抱えることはないモコ!」

「だからこんな暗い所にいないで一緒に帰ろうカズマ君!」

皆がそれぞれ声をかけ、その度にカズマは呻き声を上げる…己に巣食うレイブラッドの悪しき呪縛から逃れるために。

「ぐぅああああっ…!み…んな…父さ…ん…!」

「ちぃっ!地球人が邪魔をするな!」

ペンダントから放たれる光の眩しさに苦しみながらも黒服のカズマは手から衝撃波を放ちリコ達を攻撃するが、その攻撃もペンダントから放たれた障壁に阻まれてしまう。

「カズマ!お前は私とハルカの息子だ!血の繋がりは無くとも…少なくとも私とハルカはお前を自慢の息子だと思っている!」

「…父さん…!」

キョウスケの言葉を聞きカズマは頭を上げその顔を見て涙を流す。

すると紫色の触手で覆われた繭にヒビが入りやがて崩壊し始めていき、浮かび上がる赤い一つ目は姿を消す。

「おのれぇ…あと少しだったものを…!」

そして黒服のカズマも呪詛の念を吐きながら塵となって消え、辺りは激しい光に包まれる。

 

「…長…!隊長…!」

「…ん?ソウマ…?どうしたんだ?」

「どうしたじゃありませんよ。呼びかけても応答が無かったので来てみたら皆揃って眠ってたんですから」

「そうか…彼らも眠っているだけだ安心してくれ」

ソウマに起こされたキョウスケがそう言うと、その場で眠っていたリコ達も目を覚ましていく。

「う〜ん…俺達戻ってきたのか?」

「そうみたいだモコ…カズマは?」

「俺なら起きてるよ」

ベッドから上半身だけ起こしてカズマがそう言うとリコが抱きついて来る。

「カズマ君!」

「リコ!?あの…嬉しいのは分かるけど…」

困惑しながらもカズマはリコの頭を優しく撫でる。

その様子を細目で見るツヨシにキョウスケは問いかける。

「二人はいつからああいう関係になったんだ?」

「あれでそういう関係じゃないって本人言ってましたよ…」

「そうか…そうなのか」

「父さん」

ツヨシの言葉に対して変な納得をしたキョウスケだったが、カズマに呼ばれ彼の顔を見る。

「その…さっきはごめん…あんなこと言って…」

「いやお前と接する機会を作らなかった俺が悪いんだ。謝ることなんかない」

キョウスケの言葉に安堵したかのように微笑むカズマだったが次の瞬間、彼のバトルナイザーが警告音を鳴らす。

[魔獣反応接近!魔獣反応接近!警戒せよ!]

「魔獣!?もしかしてカズマの夢にいた奴のことか!?」

「君達はここに居るんだ!」

キョウスケとソウマはすぐさまブリッジに移動しモニターで外の様子を確認すると、一匹の怪獣がライオネル目掛けて進撃している様子が映し出された。

「グゥエエエエエェェェエン…!!!」

「奴はカズマの夢の中にいた怪獣…あいつはナイトファングと言っていたな…」

カズマに悪夢を見せていた“悪夢魔獣ナイトファング”は、口を大きく開け隠されている赤い一つ目を出すとそこから音波をライオネルに照射する。

「測定された周波数と同じだ。ならばこれで…!」

ソウマがコンソールパネルを操作するとナイトファングは苦しみながら悲鳴を上げ始めた。

「一体どうしたんだ?」

「あの音波を解析した結果、同じ音波をぶつければ無力化出来ることが分かったんです。そこでライオネルにある音波発生器を調整して同じ周波数の音波を出せるようにしたんです」

「グゥエエエエエェェェエン!!!」

だが苦しむナイトファングは口から火球を放ちライオネルを攻撃するが空中から放たれた光線によって阻止される。

「ギィエエエエエエエンン!!!」

そして空から甲高い鳴き声と共にメルバがナイトファングの前に立ち塞がった。

「怪獣がもう一匹!?」

「あの怪獣は私達の仲間です!」

するとリコとツヨシがカズマを支えながらブリッジに入って来る。

「メルバ、この船を守るんだ!」

バトルナイザーを握るカズマが指示を出すとそれに応えるかの如くメルバは大きく吠えナイトファングに駆け出していった。

 

駆け出して来るメルバを見たナイトファングは接近を妨害しようと火球を連射して攻撃するが、メルバは機敏な動きでそれを回避するとドロップキックを繰り出しナイトファングを地面に押し倒す。

そのままナイトファングに跨ったメルバは爪を突き立てて攻撃を仕掛けるが、ナイトファングも目から音波を放ちメルバを吹き飛ばし体勢を整えると腕の触手をメルバの両腕に巻き付け動きを封じるとそのまま力比べに持ち込む二体であったが、ナイトファングのパワーは凄まじくメルバを投げ飛ばしてしまう。

立ち上がろうとするメルバだが、その周囲に火球を撃ち込むことでナイトファングは立ち上がらせる隙を与えずに立ち回っていく。

「ソウマ!ワイバーンミサイル発射準備!ナイトファングに撃ち込むんだ!」

「隊長?…了解です!」

怪獣を援護する事に疑問を抱いたソウマだったが、キョウスケの目を見て察するとすぐさま攻撃準備に取り掛かる。

一方ナイトファングはメルバを踏み躙って苦しめるものの発射されたワイバーンミサイルの直撃を受け怯み、隙を突いたメルバの突進攻撃を受けてしまう。

たまらずナイトファングは翼を広げて飛び上がるがメルバもまた翼を広げてナイトファングを追うように飛び上がると空中戦を行う。

空中を飛び回るナイトファングを追跡するメルバは目から光線を放ち攻撃するが、ナイトファングに通じている様子はなく逆に火球を浴びせられてしまうものの、メルバは火球を躱しつつナイトファングとの距離を縮める。

しかしそれを見たナイトファングは目から放つ音波を浴びせてメルバの平衡感覚を失わせて地上に墜落させてしまう。

墜落したメルバを追って降り立ったナイトファングは、その場でぐったりとしているメルバを見て嘲笑うように鳴き声を上げメルバに近づき腕を振り上げる。

その一瞬の隙を突いたメルバは勢いよく起き上がり両手の鋭い爪をナイトファングの目に突き立てていく。

「グゥエエエエエェェェエン!!??」

目に爪を突き立てられたナイトファングは血を流しながらもメルバを引き剥がす。

「メルバ!一気に畳み掛けるんだ!」

「ギィエエエエエエエンン!!!」

悶え苦しむナイトファングの元に駆け寄ったメルバは頭を抑えて爪を何度も叩きつけその頭を蹴り飛ばすと、尻尾を振り回してナイトファングを弾き飛ばし地面に叩きつけるとジャンプしてその背中を踏みつけていく。

何度も踏みつけた後、その背中から降りたメルバは起き上がるナイトファングを睨みつけるが、ナイトファングは火球を放ちメルバを攻撃する。

それを飛び上がって躱したメルバはそのまま空中から連続蹴りを繰り出してナイトファングを突き飛ばし目から最大出力の光線を発射、光線の直撃を受けたナイトファングは悲鳴を上げながら大爆発して散るのであった。

「…隊長の息子さん、凄いですね…」

「あぁ…あんなに小さかった子がこんなに大きくなってたとはな…子供の成長が早いというのは本当だった訳だ」

キョウスケは何処か感心した様子でリコとツヨシに揉みくちゃにされるカズマを見て優しく微笑むのだった。




・悪夢魔獣ナイトファング
悪魔のような姿をした魔獣と呼ばれる怪獣。口に隠された一つ目から放つ邪悪な催眠音波「ナイトメアウェイブ」で悪夢を見せてその悪夢を糧にする悍ましい生態をしており、さらにその悪夢を自在に操る事も出来る。また口から放つ「ファングヴォルボール」や腕から生えた触手を活かした殴打や拘束で向かって来る相手を迎撃する。意識を失ったカズマに悪夢を見せレイブラッドがその肉体を手中に収める計略のサポートを行うが、レイモンの力で夢の中に入り込んだリコ達によって妨害され計略は失敗、ライオネルの前に姿を見せるがカズマが召喚したメルバとの戦いに突入。ファングヴォルボールやナイトメアウェイブを駆使して戦うもエネルギー不足なのか次第に押され始め、遂には目を潰されてしまい最期はフルパワーのメルバニックレイを受けて爆死するのであった。
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