大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第28話 バロッサ星人の限りなきチャレンジ魂

「似合ってる…かな?」

カズマは与えられた部屋でZAPの隊服に身を包んだ自身の姿を鏡で見ていた。

以前まで着ていた自分の服はあちこち破れてしまったのでキョウスケからZAPの隊服を貸し与えられたからである。

「あの服、割と気に入ってたんだけどなぁ…新しく買うかぁ」

「カズマ君?今大丈夫?」

頭を掻きながらぼやいているとリコがやって来たのでカズマは大丈夫と返事をして部屋に入れる。

「あっ着替えたの?似合ってるわよ!」

「そ、そうかな?」

リコにそう言われカズマは頬を赤く染めながらベッドに腰を下ろし、リコもカズマの隣に腰を下ろす。

「具合悪い所とか無い?」

「ん?大丈夫だよ。この星に来て落ち着かない感じだったけど今はそんなこと無いし」

「そう…良かった…」

リコは安堵するように息を吐くとカズマの方を向く。

「カズマ君は…これからも戦っていくの?」

「…あぁ…レイブラッドの野望を阻止しないと宇宙そのものが危ないからな」

カズマはバトルナイザーを手にするとそれを強く握りしめる。

するとその手をリコが優しく包み込むように握る。

「リコ?」

「私はカズマ君にこれ以上戦って欲しくない…傷ついたカズマ君をもう見たくないの」

涙ながらに訴えるリコを見てカズマは言葉を詰まらせてしまうが、リコは顔を上げカズマの目を見ながら続けて言う。

「でもカズマ君が一人で苦しむのも見たくない。だから私も一緒に戦う」

「リコ!?何言って…」

「カズマ君みたいな力は無いけどでも支えることは出来るから」

「…リコ…ありがとう…」

リコの想いを聞いたカズマは微笑みながら礼を言うとリコを凝視する。

「カズマ君?どうしたの?」

「えっ?あぁっ!いや何でもない!」

慌ててリコの手を離したカズマはリコから目を逸らす。

(リコってこんなに可愛かったっけ…とか何考えてんだよ俺!)

「…カズマ君?」

「はい!何でしょう!?」

「通信機鳴ってるよ…本当に大丈夫?」

そう言うリコにカズマは苦笑いしながらリサーチシーバーのボタンを押す。

「カズマか?今後のことで話がある。ブリッジに来てくれるか?」

「分かったよ父さん」

「すまないな。…隊服似合ってるぞ」

「父さん?」

「いやお前が小さい頃、ZAPの見学ツアーに参加した時にお試しで隊服を着たことがあったなっと…まさかまた隊服を着た息子を見れる日が来るとは」

「いつの話だよ!?あぁもうブリッジに集合ね!」

今にも湯気が出そうなぐらい顔を真っ赤にさせながら通信を終えたカズマはリコの方を向く。

「ブリッジに集合だって。行こう」

「うん。フフッ…顔真っ赤にしちゃって可愛いんだから」

「可愛いとか言わないで!」

リコに揶揄われ目を見開きながら叫ぶカズマは部屋を後にして、リコもカズマを追いかけるように部屋を離れるのであった。

 

二人がブリッジに到着するとキョウスケはこの先のことについて説明を始めた。

「今後のことについてだが、当初はライオネルの修復作業が終了後すぐに地球に戻る予定だった」

「だった?」

「何か起きたんですか?」

「あぁっ。これを見て欲しい」

キョウスケはソウマに指示してモニターに一つの画像を映し出させる。

「見てもらってる通りこの惑星ファーリーを覆うように障壁が張り巡らされてるんだ」

「障壁!?まさか…」

「間違いなくレイブラッドの仕業だろうな…俺をこの惑星から逃がさないつもりだ」

「カズマ君…障壁を破る方法はあるんですか?」

「残念だけどライオネルの武装じゃ破れないんだ」

「じゃあ俺達ずっとここに閉じ込められたままってことですか!?」

焦るツヨシを宥めるようにソウマは続ける。

「大丈夫。この障壁はかつて観測された時空波で構成されている。そしてこの障壁が張り巡らされると同時にここ…イシュリア島近海で微弱だけど時空波のエネルギーが観測されたんだ」

「ということはつまり…」

「このイシュリア島近海で観測された時空波のエネルギーを調査すれば惑星脱出の糸口になるかもしれないという訳だ」

「じゃあ修理が終わったら調査開始ってことですね!」

「そうだ。それに当たって君達にもこの船で色々と手伝ってもらうかもしれん…大丈夫かな?」

「大丈夫です!私達に出来ることなら何でも言って下さい!」

キョウスケに尋ねられたリコはそう返事をして、ツヨシもそれに同意するように頷く。

その時だった、モニターの画面にノイズが走り一人の宇宙人の姿が映し出された。

「バ〜ロバロバロ!久しぶりバロ、地球のレイオニクス!」

「お前は…誰だ?」

「あだっ!貴様、この宇宙を股にかける大海賊バロッサ星人を忘れるとは!腹立たしいバロ!」

画面越しに怒るバロッサ星人を首を傾げながら見るカズマにモコが説明する。

「ほら!この星に来た時、カズマのバトルナイザーを狙って来てた奴モコ!」

「あぁ〜っ!そんなことあったな」

すっかり忘れてましたと言わんばかりの反応を見せたカズマにバロッサ星人はますます怒り出す。

「いい加減にするバロ!今日こそ貴様のバトルナイザーを頂きに来てやったバロ」

「また吹っ飛ばされるのがオチだろ?」

「黙らっしゃい!バロバロバロ…今日の俺様は違うバロよ…何故ならこちらには史上最強の切り札があるバロ!」

バロッサ星人はそう言い手元にあるレバーのスイッチを押す。

すると地面を割りその中から一体の怪獣が姿を現し、モニターからその姿を見た一同は驚愕する。

「あれってゴモラ!?」

「どういうことモコ!?」

「ソウマ、あの怪獣を解析してくれ」

「了解!…金属反応あり…あれはゴモラを模して造られた機械の怪獣です」

「さしずめメカゴモラってところか…」

カズマにそう名付けられた“ロボット怪獣メカゴモラ”は咆哮を上げてライオネルに向かい始める。

[キシャアァァァァァアアァ!!!]

「バロバロバロ…これでも喰らえ!」

メカゴモラの操縦席に座っているバロッサ星人がレバーを引くと、メカゴモラは指からミサイルを放ちライオネルの周囲を爆撃する。

「頼むぞゴモラ!」

その衝撃で揺れる船内でカズマはバトルナイザーを構え、ゴモラを召喚する。

[バトルナイザー、モンスロード!]

 

「キシャアァァァァァアアァ!!!」

召喚されたゴモラは自身を模したメカゴモラを見て闘志を燃やすように大きく吠える。

「本物の力、見せてやるぞ!」

「やはりゴモラで来たバロね…サロメ星から頂いたかいがあったバロ」

ゴモラの姿を捉えたメカゴモラは胸部のランプから破壊光線を放ち先制攻撃を仕掛けるが、ゴモラは腕を交差させて光線を防ぐ。

するとメカゴモラは指先や全身からミサイルを乱射してゴモラを爆撃しダメージを与える方法に切り替えていく。

ミサイルの直撃を受け全身から火花を散らせながら怯むゴモラを見たメカゴモラは、ゴモラに突進攻撃を繰り出し吹っ飛ばす。

「バロバロバロ!いい気分バロ!」

吹っ飛ばしたゴモラに近づいたメカゴモラはゴモラの大角を掴み立ち上がらせると、至近距離から光線を放ちゴモラを岩壁に叩きつける。

だがゴモラも負けじと立ち上がると角を突き出して突進攻撃を繰り出し、それを見たメカゴモラはミサイルで迎撃を試みるが、ゴモラは放たれるミサイルの攻撃を受けながら強引にメカゴモラに突進攻撃を放ち仰け反らせる。

そのまま接近戦に持ち込むとメカゴモラの頭部を殴りつけ、背中を抑え込むことで動きを封じようとするがそれを振り払ったメカゴモラと組み合いになる。

「このメカゴモラのパワーを舐めるなバロ!パワー全開!」

[キシャアァァァァァアアァッ!!!]

大きく咆哮したメカゴモラはゴモラを押し出し始めるが、踏みとどまったゴモラはメカゴモラを突き飛ばすと尻尾を振り回してその身体にぶつけていく。

しかし尻尾をぶつけられたメカゴモラも自身の尻尾に電撃を纏わせそれをゴモラに当てて反撃、電撃を受けて身体が痺れてしまったゴモラの隙を突いて光線で左肩を撃ち抜いてしまう。

「あのメカゴモラ、相当な強さモコ…!」

「カズマ君…!」

これ程追い詰められてしまうとまた暴走するのではと危惧したリコはカズマを見るが、カズマはリコを見て静かに頷く。

「リコ、俺は大丈夫だから」

「カズマ君…良かった…」

「ゴモラ!超振動波だ!」

カズマの指示を受けたゴモラは角から超振動波を撃ち出しメカゴモラを攻撃するが…

「こっちも行くバロ!喰らえメガ超振動波!」

何とメカゴモラも鼻先の角にエネルギーを集中させ必殺のメガ超振動波を放ち攻撃、ゴモラの超振動波と鍔迫り合いになる。

そしてメガ超振動波はゴモラの超振動波を容易くかき消し、その直撃を受けたゴモラはライオネルの近くまで吹き飛ばされてしまう。

さらにメカゴモラはライオネル目掛けてメガ超振動波を撃ち出して攻撃するも、ゴモラは自らの身体を盾にしてライオネルを守ると地面に倒れ込んでしまう。

「キシャアァァァァァアアァッ…!!!」

苦しげに呻くゴモラを見たメカゴモラは接近してトドメを刺そうとするが、ライオネルはそれを止める為ワイバーンミサイルを放ちメカゴモラを攻撃するが強固な装甲の前に全く歯が立たない。

そのまま前進してゴモラの元に辿り着いたメカゴモラは、ゴモラの頭を掴み地面に何度もその頭を叩きつけさらに両手を発射してゴモラの身体を地面に擦り付けて傷を負わせていく。

やがて鎖で繋がれた両手を戻したメカゴモラは、メガ超振動波の発射態勢に入りエネルギーを集中させ始める。

「このままじゃゴモラが!」

「…ソウマ、ハイパーイオンブラスターは使えるか?」

「父さん…?」

「えっ!?撃つ事は出来ますけどオメガジェネレーターの修復は出来ていません!使えばジェネレーター自身が使い物にならなくなる可能性が!」

「言っただろ、この星にある基地から資材を回収して使えば良いと!ここで全滅する訳にはいかんだろ?」

キョウスケは銃型コントローラーを手にすると、メカゴモラに照準を合わせトリガーを引く。

船首からせり上がった砲台から放たれたエネルギー波はメカゴモラの背中に直撃する。

[キシャアァァァァァアアァッ!!!]

「地球人如きが邪魔するなバロ!」

ライオネルから破壊しようと考えたバロッサ星人の操縦命令に従ったメカゴモラはゴモラに背を向けてしまう。

「カズマ!今だ!」

「ゴモラ、メカゴモラの尻尾を引っこ抜くんだ!」

よろめきながらも立ち上がったゴモラはメカゴモラの尻尾を掴み取ると、力を入れて引き抜こうとする。

これに対して尻尾に電撃を纏わせて反撃するメカゴモラだったが、身体に流れる電撃に怯む事なくゴモラはメカゴモラの尻尾を引き抜いてしまう。

「何だと!?えぇいこいつを喰らえバロ!」

尻尾から火花を散らせながらもメガ超振動波で応戦するメカゴモラだったが、ゴモラは岩を蹴り飛ばしてメガ超振動波を防ぐと生じた爆炎に紛れメカゴモラとの距離を詰めると肩からの突進を喰らわせる。

メカゴモラも両手を回転させゴモラの身体を抉ろうとするが、両腕を掴んだゴモラは腹部に蹴りを入れ尻尾を頭部に打ちつける。

続けてメカゴモラの身体に連続して尻尾を打ちつけたゴモラは、飛び蹴りを繰り出し地面に押し倒す。

「バロバロ…!うぬぅ…負けてたまるか!」

[キシャアァァァァァアアァッ!!!]

起き上がったメカゴモラはメガ超振動波のエネルギーを角に集めるとそれを突き刺すべく、猛然とゴモラに突っ込んでいった。

「迎え撃てゴモラ!」

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

ゴモラもまた角に超振動波のエネルギーを集中させ、突撃して来るメカゴモラ目掛けて走り出していく。

駆け出した二体のゴモラはその角をぶつけ溜め込んでいたエネルギーを一気に放出させる。

「負けるかぁ!!!」

互角の押し合いだったが、カズマの闘志に応えたゴモラがブレイブバーストを発動させ自身の力を底上げする事でメカゴモラを跳ね除け、頭部に強力な一撃を加える事に成功する。

超振動波の一撃を喰らった箇所から火花を散らせながらもメカゴモラは胸部ランプから光線を放とうとするが、ゴモラはメカゴモラの大角を掴むとそのまま頭を捩じ切ってしまう。

「そんな馬鹿な…メカゴモラが負けるなんて…」

驚きながらも操縦席から脱出しようとするバロッサ星人であったが、彼がノイズの走るモニターを見ると捩じ切ったメカゴモラの頭部を投げつけようとするゴモラの姿が目に入った。

「ヤバいバロ…」

バロッサ星人の考え通り、ゴモラはメカゴモラの頭部を残った身体に勢いよく投げつけるとそのまま超振動波を放ちトドメを刺す。

「そんな…宇宙を股にかける大海賊たるこの俺がこんなところで終わるバロか!?」

そしてバロッサ星人は断末魔の叫びを上げながら爆発・炎上するメカゴモラと運命を共にするのであった。

 

「やったモコ!」

「お疲れゴモラ…無茶させてごめんな」

バトルナイザーにゴモラを戻したカズマは、中にいるゴモラに声をかける。

その声を聞いたゴモラは首を横に振りながら小さく吠える。

ゴモラの様子を見たカズマは優しく微笑むとキョウスケの方に向く。

「父さん…ありがとう」

「親として当たり前のことをしただけだ」

「隊長…あの…いいですか?」

親子の間に割って入る事に申し訳なさを感じつつもソウマはキョウスケにある事を伝える。

「さっきの一撃でジェネレーターが完全にイカれてしまって…当面は航行不能です」

「…父さん…良かったの…?」

「…ソウマ、俺も手伝うから頑張るぞ」

キョウスケは爽やかな笑顔を見せながらソウマの肩を叩いてエンジンルームへ向かっていった。

「父さんが迷惑かけた…っていうか俺のせいでもありますよね。すみません」

「謝る事は無いよ!ジェネレーターぐらいすぐに直せるから!」

そう言いソウマもエンジンルームへ向かっていくのであった。

「…俺達はどうする…?」

「部屋に戻って邪魔にならないようにしとこう」

「カズマ君の言う通りだと思うわ」

そしてカズマ達もまたそれぞれに与えられた部屋に戻っていくのであった。




・宇宙海賊バロッサ星人
第15話でカズマに敗れたバロッサ星人。カズマの持つバトルナイザーを諦めきれずサロメ星からメカゴモラを調達…もとい強奪して限りなきチャレンジ魂と共に再び現れた。今回はメカゴモラの操縦に専念し高い操縦技術でゴモラを追い詰めるが、ZAPの援護に気を取られその隙を突いたゴモラの猛反撃の末、メカゴモラを破壊され爆発する機体の中で散っていった。

・ロボット怪獣メカゴモラ
にせウルトラセブンを建造し地球侵略を企んだ侵略星人サロメ星人がゴモラのデータを基に造り上げたロボット兵器。オリジナルのゴモラを上回る戦闘能力を有し、指先から放つ「メガフィンガーミサイル」や全身に内蔵された「メガボディーミサイル」、胸部ランプから放つ破壊光線「クラッシャーメガ」、鎖付きのロケットパンチ「ナックルチェーン」、尻尾に電撃を纏わせての一撃、そして角から放つ必殺の「メガ超振動波」等、全身のあらゆる所に兵器を搭載している。バロッサ星人によってサロメ星から強奪された当機体はそのままバロッサ星人の対ゴモラ用戦力として利用されゴモラと対峙、その手数の多さや強固な装甲で圧倒するがZAPの援護の隙を突いたゴモラに尻尾を引っこ抜かれてしまい、それでもメガ超振動波を至近距離で叩き込もうとするがブレイブバーストを発動させたゴモラに押し切られ、最後は頭を捩じ切られた挙句その頭部を残った身体に投げつけられそこに超振動波を受けて爆発・炎上して大破した。
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