大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第34話 怪獣使い対超獣使い

ヒッポリト星人を倒したカズマの前に姿を現したヤプールは彼を忌々しげに睨みつけていた。

「我々の超獣を次々と退けるとは…やはりレイオニクスは恐ろしい存在、全て抹殺せねばならんな」

「超獣を…ヒッポリトが超獣を使っていたのはまさか!?」

「その通り。私がバキシムやドラゴリーを貸し与えていたのだ…まぁ使い物にならなくなったからああしたのだがね」

「なんて酷い事を…仲間だったんじゃないのか!?」

「仲間?笑わせるな、奴は替えが利く駒の一つに過ぎん」

ヤプールは吐き捨てるように言うと改めてカズマに憎悪の目を向ける。

「さて地球のレイオニクスよ、ここで引導を渡してくれる。行けぇベロクロン!レイオニクスに我ら異次元人の力を見せつけてやるのだ!」

[ミサイル超獣接近中!ミサイル超獣接近中!]

ヤプールが姿を消すと同時に空に亀裂が走りガラスのように割れて一匹の超獣…全身に赤い突起を生やし金色の角と爪を備えた“ミサイル超獣ベロクロン”がその姿を見せる。

「ガァオオオオオオオオゥッ!!!」

ベロクロンは大きく吠えると口からミサイルを1発カズマに撃ち込んでいく。

カズマはそれを回避するとバトルナイザーを取り出すが、その隙を突いたベロクロンはもう1発口内に装填されていたミサイルを撃ち込む。

「うわあああああっ!!!」

ミサイルが足元で炸裂しその衝撃で吹き飛ばされたカズマは勢いよく地面に叩きつけられ、地上に降り立ったベロクロンはカズマの元へ足を進め始める。

「対アステロイド砲起動!あの超獣の足を止めるんだ!」

「了解!対アステロイド砲、照準良し…発射!」

キョウスケの指示によって放たれた対アステロイド砲はベロクロンの膝を直撃、攻撃を受けたベロクロンは一瞬足を止めてしまう。

それに怒ったベロクロンは全身の突起からミサイルを乱射しライオネルの周囲を爆撃し始めた。

「ぐっ…やめろぉぉっ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

その光景を見たカズマはバトルナイザーを握りゴモラを召喚する。

召喚されたゴモラはそのまま空中からの体当たりをベロクロンに繰り出し、ライオネルを爆撃しているベロクロンを吹っ飛ばす。

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「ガァオオオオオオオオゥッ!!!」

ゴモラとベロクロンは互いに咆哮を上げると、取っ組み合いを行い始める。

だが先のハンザギラン戦で体力を消耗しているゴモラはベロクロンに押されるとそのまま投げ飛ばされてしまう。

追撃をかけるようにベロクロンはゴモラを蹴り上げると口から火炎を吐き、ゴモラを焼き払おうとする。

「ゴモラ!なんて火力なんだ!」

周囲を火で囲まれ身動きが取れないゴモラに対してベロクロンは指先から小型のミサイルを連射して痛めつけていき、ゴモラはその場に膝を付いてしまう。

ベロクロンは膝を地面に付けたゴモラを見ると、再び口内に装填されている2発のミサイルをゴモラに叩き込もうとするが…

「潜って回避だ!」

カズマの咄嗟に出した指示によって地中に潜り込んだゴモラは何とかミサイルを回避する。

しかしベロクロンは全身の突起物から乱射するミサイルでゴモラが地上に上がらせないように立ち回っていく。

「これじゃ地上に出ることが出来ない…だけど…!」

勢いづいたベロクロンはさらにミサイルを撃ちまくり周辺にあるものを次々と破壊していくが、地響きと共に足元が割れベロクロンは発生した地割れに足を取られてしまう。

そのままベロクロンの足首を掴んで持ち上げたゴモラは投げ飛ばして地面に叩きつける。

続けてベロクロンの顔を掴むと殴り飛ばし、さらに尻尾を大きく振って身体に叩きつけ攻撃を重ねていく。

負けじと指先から小型ミサイルを連射して反撃するベロクロンであったが、ゴモラはこれを超振動波でかき消しながらベロクロンにもダメージを与える。

「いいぞゴモラ!」

ベロクロンに突進攻撃を仕掛けるゴモラだったが、全身の突起物からのミサイル攻撃でゴモラの接近を阻んだベロクロンは角からの光線で追い討ちをかけていく。

そして突起物や口内のミサイルを上空に斉射するとそれを雨のように降らせて一斉にゴモラを爆撃していく。

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「ゴモラーーー!!!」

煙を上げながら苦痛に満ちた声を出すゴモラを見たベロクロンは嘲笑うかのように吠えると、トドメの一撃を繰り出そうと口内にミサイルを装填する。

そしてミサイルが撃ち出されたその時、何処からともなく放たれた青白い熱線がミサイルを撃ち落としたのだ。

「ギシャウオオオオオオォォォン!!!」

「生きていたかと思えばあんな奴に手こずっているとはな…」

「ルドー…どうしてここに?」

雄叫びを上げる怪獣…ネオメガスの掌に乗りながら現れたルドーはそこから飛び降りるとバトルナイザーを構えネオメガスに命令する。

「ネオメガス!ベロクロンを始末しろ!…今のお前よりはあの超獣のほうが歯応えがありそうだからな」

「なんだよそれ…!」

命令を受けたネオメガスはベロクロン目掛けて前進を始め、対するベロクロンはミサイル攻撃でネオメガスの接近を阻もうとするが、それをものともせずにネオメガスはベロクロンに掴み掛かる。

すぐさまネオメガスを振り解いたベロクロンだったが、すかさず腹部に蹴りを叩き込みベロクロンを怯ませたネオメガスは熱線を放つ。

しかしベロクロンも口からの火炎で熱線を相殺すると角からの光線でネオメガスを仰け反らせミサイルを撃ち込んでいく。

だが複数のミサイルを撃ち込まれたにも関わらず応えた様子を見せないネオメガスは尻尾をベロクロンに叩きつけると、肩からの突進でベロクロンを吹き飛ばす。

トドメの熱線を放とうとするネオメガスであったが突如として地面が揺れ、地中から一匹の怪獣が姿を見せる。

「アァァオオォォン!!!」

「“満月超獣ルナチクス”…超獣が2匹とはやり応えがある!」

まるでウサギのように飛び跳ねながらネオメガスに近づいたルナチクスはネオメガスの尻尾を掴み取るとその動きを抑え、ベロクロンがその隙に火炎で攻撃し大きく怯ませた瞬間に尻尾を掴んでいたルナチクスはその巨体を投げ飛ばす。

そうして地面に投げ飛ばしたネオメガス目掛けてルナチクスは勢いよく飛び込むも、ネオメガスが咄嗟に回避したことで地面に飛び込んでしまい逆に立ち上がったネオメガスに頭を掴まれ振り回されてしまう。

援護に入ろうとするベロクロンであったが、そこにゴモラが突進攻撃を喰らわせ妨害する。

「ほぉっ…まだくたばってなかったとはな…」

「ちょっと休憩してただけだ!行くぞ、ゴモラ!」

ベロクロンに掴み掛かっていたゴモラはベロクロンを殴り飛ばすと前転からの尻尾叩きつけを浴びせ、さらにそこから飛び蹴りを喰らわせ大きく吹っ飛ばす。

吹っ飛ばされたベロクロンはミサイルを放とうと手を突き出すが、ゴモラはジャンプしてベロクロンを押し倒すとそのまま連続パンチを浴びせていく。

しかしベロクロンは口から泡状の毒液を吐き出しゴモラを押し除け立ち上がると、ゴモラの腕を掴んで噛みつきを喰らわせる。

噛みつかれた箇所から煙が上がり焼け付くような痛みに襲われたゴモラはベロクロンの頭部に頭突きを浴びせ、そこからアッパーを顎に炸裂させベロクロンを引き剥がすが腕を抑えて苦しむ。

「どうしたんだゴモラ!?」

「…ベロクロンは強酸性の唾液を分泌出来るんだ。それにやられたんだろうよ」

ルドーは溜息を吐きながら呟くと瞬間移動でライオネル内部に侵入する。

「きゃぁっ!?」

「な、なんだよいきなり!?」

「騒ぐな。地球人の女、お前のそのペンダントの力でゴモラを治せるか?」

「出来ると思うけど…なんで急に?」

「…あいつは俺の手で始末するって決めたんだ。こんな所であんな奴に横取りされたくないんでね」

それだけ言いルドーはリコの手を取ってカズマの元まで瞬間移動する。

「ネオメガス!時間を稼いでやれ」

その命令を聞いたネオメガスはルナチクスの尻尾を掴んで持ち上げるとベロクロン目掛けて投げ飛ばし、ベロクロンは投げ飛ばされたルナチクスに押し潰される形になってしまう。

「カズマ君!待ってて!」

「リコ!?なんでここに?」

驚くカズマをよそにリコはペンダントを取り出しゴモラにペンダントの光を浴びせる。

するとゴモラの腕にあった傷は塞がり、立ち上がると大きな雄叫びを上げる。

「ゴモラの傷が塞がった…ありがとう、リコ!」

ルナチクスと共にネオメガスと戦っていたベロクロンはゴモラに気付くと、ネオメガスの相手をルナチクスに任せ自身はゴモラの方へ向かっていく。

向かってくるベロクロンに対してゴモラは角を突き出しての突進を繰り出すが、ベロクロンはそれを受け止めると張り手をゴモラに喰らわせ怯ませるもののすぐさま今度は大角を使ったゴモラの頭突きを受けダメージを受ける。

すかさずゴモラはベロクロンの腹部に蹴りを浴びせその身体を投げ飛ばして尻尾を連続で振り回して打ち据えていく。

何度もゴモラの尻尾攻撃を受けるベロクロンだったがその尻尾を掴み取ることに成功しゴモラの動きを抑えると泡状の毒液を吐き出す。

毒液に苦しむゴモラは近くに転がってる手頃な岩石を掴み取るとそれをベロクロンの口目掛けて投げ込む。

投げつけられた岩石は見事ベロクロンの口に嵌り、ベロクロンは岩石を取り出そうと掴んでいた尻尾を手放してしまう。

ベロクロンが尻尾を手放した事で自由となったゴモラはその頭を殴りつけ角を掴み、力任せに引っこ抜きベロクロンに投げつけて攻撃する。

投げつけられた角はベロクロンの胸部に直撃、爆発が起きベロクロンがもがき苦しんでいる所にゴモラは更に飛び蹴りを喰らわせると尻尾をベロクロンの身体に叩きつけていく。

そこから前転からの尻尾浴びせ蹴りをベロクロンの頭部に叩き込み弾き飛ばしたゴモラは雄叫びを上げる。

「ガァオオオオオゥッ!!!」

しかし口に詰められた岩石を吐き出したベロクロンは怒りの咆哮を出すと全身の突起物や口内にあるランチャーからミサイルを一斉発射しゴモラを攻撃する。

「ミサイルを全て撃ち落とすんだ!」

指示を聞いたゴモラは超振動波を放ち射出されたミサイルを片っ端から破壊していき両者の間に大爆発が生じる。

爆風に怯んでしまうベロクロンであったが、その爆風からゴモラが突っ込んで来たのだ。

そのままゴモラはベロクロンに角を突き刺し超振動波を流し込み始める。

「ガァオオオオオゥッ!!!???」

体内にあるミサイルが次々に誘爆しベロクロンは全身を赤熱化させ火花を散らせながら苦しみ悶える。

ゴモラはそんなベロクロンの身体をかち上げ地表に叩きつけ、その衝撃でミサイルが全て誘爆したベロクロンは跡形も無く吹き飛んでしまうのであった。

「よっし!やったぞゴモラ!」

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「向こうは片付いたようだな…それじゃあこっちもやるとするか」

ゴモラがベロクロンを倒すのを見届けたルドーはルナチクスの頭を殴りつけるネオメガスに視線を送り、それに気づいたネオメガスはルドーの意思を汲み取るとルナチクスを投げ飛ばす。

投げ飛ばされたルナチクスは起き上がると接近してくるネオメガスに口から大量の水蒸気を吐き出しその視界を遮ろうとするが、生体兵器として産み出されたネオメガスの高い視力の前には意味がなくすぐさま尻尾攻撃を受けてしまう。

再びルナチクスの頭を掴み取るネオメガスだったが、ルナチクスは両目を点滅させるとそれをミサイルのように飛ばしネオメガスを爆撃する。

不意を突かれたネオメガスは後退りしルナチクスは連続して両目を飛ばして攻撃していくものの、横からゴモラが超振動波を放ちルナチクスを攻撃しネオメガスへの攻撃を止めさせる。

「今の内にやるんだ!」

「ちっ…余計な真似をしやがって…トドメを刺してやれ!」

文句を垂れながらも不敵な笑みを浮かべたルドーはトドメの指示をネオメガスに出し、それに応えたネオメガスは胸部の発光体を輝かせながらエネルギーを収束させ始める。

ネオメガスがエネルギーを収束させていることに気づいたルナチクスは口から火炎弾を放ち妨害しようとするが、同時にネオメガスは口から熱線を放ち火炎弾を掻き消した上でルナチクスに直撃させる。

悲鳴を上げながらも熱線の照射に耐えてネオメガスに迫ろうとするルナチクスだったが、力及ばず熱線が身体を貫通しそのまま爆散するのであった。

「ギシャウオオオオオオォォォン!!!」

「超獣とはいえネオメガスの敵じゃないな…さてと…」

ルドーはカズマとゴモラを睨みネオメガスもまた牙を鳴らして威嚇しそれを見たゴモラは戦闘態勢を取り始める。

だがルドーはバトルナイザーを取り出すとネオメガスを戻してしまう。

「…どういうつもりだよ…?」

「…あれからかなりレイオニクスとして成長したじゃないか。今の貴様は倒し甲斐がある…だからこそ貴様との戦いは万全の状態でやらせてもらう」

それだけ言い残しルドーは紫色の光と共にその場から姿を消すのであった。

「なんなんだアイツ…」

「カズマ君!」

「リコ!無事か!?」

岩場の陰に隠れていたリコに声を掛けられたカズマはすぐさま彼女の側に駆け寄る。

「私は大丈夫よ。カズマ君は?あの怪獣のミサイルとか受けてたけど…」

「俺も大丈夫だよ。早く船に戻ろう。リコの作ってくれた飯食ってる途中だったし」

リコの手を取ってライオネルに戻ろうとしたカズマだったが、再び空が歪みヤプールが現れる。

「うぬうぅぅっ…!こうも容易く超獣を倒してしまうとは!」

「ヤプール!」

「だが貴様はどの道くたばるのだ!ヌハハハハハハハハッ!!!」

ヤプールが叫ぶや否やゴモラの背後の空間が割れ、ゴモラを吸い込み始めたのだ。

「ゴモラ戻れ!ってしまった…!」

慌ててゴモラを戻したカズマだったが今度はカズマの身体が浮き割れ目に吸い込まれてしまう。

「わあああああぁぁぁぁっ!!!」

「カズマ君ーーー!!!」

「その先で朽ち果てろ!地球のレイオニクス!」

割れ目はカズマを吸い込むとすぐに塞がってしまい、その場にはヤプールの笑い声が響くのであった…




・異次元人ヤプール
異次元に生息している知的生命体で怪獣を超える生物兵器「超獣」を使ってレイオニクス抹殺を目論んでいる。実はかつてレイブラッド星人によって滅ぼされる寸前まで追いやられておりその為同じ境遇にあったヒッポリト星人と手を組んでカズマを執拗に狙うが、度重なる失態を犯したヒッポリト星人を捨て駒として送り込んだ後ベロクロンとルナチクスを率いてカズマを攻撃、しかしルドーの横やりによって2体を倒されてしまうものの次なる手を打っていたヤプールは異次元空間を開きカズマをそこに送り込んでしまう。

・ミサイル超獣ベロクロン
珊瑚と宇宙怪獣を合成されて生み出された超獣の一体。全身の突起物や口内に備えられているランチャー、指先から放つミサイルや口から放つ1億℃の火炎と泡状の毒液「ベロクロ液」、角から放つ光線に強酸性の唾液など多彩な武器を内蔵しており、その火力の高さからヤプールに絶対の信頼を置かれている。カズマを抹殺する為ヤプールによって送り込まれゴモラと対峙、その圧倒的な火力をもってスーパーヒッポリト星人と戦って体力を消耗したゴモラを追い詰めるがルドーとリコの援護でゴモラは回復、それでも一歩も引かずに戦うが最期は超振動波を喰らい体内のミサイルが全て誘爆し大爆発と共に果てる。

・満月超獣ルナチクス
遥か昔に月に存在していた文明を滅ぼしたといわれる超獣。白い体毛に長い耳とウサギのような姿をしており実際にウサギのように飛び跳ねて移動するなど軽い身のこなしが特徴。武器は口から吐く400℃の水蒸気とミサイルのように撃ち出される目玉。ベロクロンの援護に入るべく地底から出現しネオメガスと戦うがゴモラの超振動波で動きを止められた隙を突かれネオメガスの熱線を受けて爆散する。
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