大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第36話 憤怒の剛力王

ヤプールによってカズマが飛ばされた謎の惑星…そこにある火山の中で一体の怪獣が腕を振り上げて吠えている。

「ギィガァオオオオオオォォォンンッ!!!…ゴアアアアアッ!!!」

その姿はあのレッドキングに酷似しており、咆哮に呼応するように火山内部のマグマも吹き上がろうとしていた。

 

 

 

「強いエネルギーを衝突させるか…どうしたらいいかなぁ?」

カズマは腕を組みながら上空に浮かぶ次元の歪みを見据えていると、地響きが起こり始める。

「うおっと…まただ…ただの地震じゃないだろなこれは」

近くにあった岩に寄りかかりながらカズマは遠くの火山を眺めるとバトルナイザーが反応を示す。

[強力なエネルギー反応あり!強力なエネルギー反応あり!警戒せよ!]

「強力なエネルギー反応か…よし!メルバ、俺をあそこの火山近くまで連れて行ってくれ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

召喚されたメルバはカズマを乗せると火山まで飛んで向かうのであった。

 

火山地帯まで飛行していたメルバはカズマの命令を聞いてやや離れた場所で彼を降ろすとバトルナイザーに戻されていく。

そしてカズマが見上げると噴火こそしていないが、頂上からは黒煙が空高く昇っているのが見えていた。

だがその瞬間再び地響きが起こり今度は火山の中から一体の怪獣が飛び出してきたのである。

「ゴアアアアアッ…!!!ギィガァオオオオオオォォォンンッ!!!」

「レッドキング!?でも何か違うような?」

火山から飛び出してきたレッドキングらしき怪獣はその巨大な豪腕を地面に叩きつけて地響きを起こす。

同時にその地面からマグマやガスが噴き出し辺りは一瞬にして地獄のような環境へ変わってしまう。

「ゲホッゲホッ!このままじゃこっちがやられる!」

バトルナイザーを取り出すカズマだったが、レッドキングらしき怪獣の咆哮に呼応するかのように上空の歪みが揺らいでいるのが目に入った。

「歪みが!?そうかバトルナイザーが言ってる強力なエネルギー反応ってあいつか!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「行け!ゴモラ!」

カズマによって召喚されたゴモラは大きく吠えながらレッドキングらしき怪獣に突進していくが、レッドキングらしき怪獣はなんと片腕でゴモラを弾き飛ばしてしまう。

「片腕だけでゴモラを!?やっぱりただのレッドキングじゃない…ファイヤーゴルザみたいに火山のマグマエネルギーで進化したのか?」

レッドキングらしき…否レッドキングが進化した“EXレッドキング”は弾き飛ばしたゴモラに駆け寄ると右の拳を振り下ろして攻撃を仕掛けてくるが、ゴモラはそれを寸前の所でかわす。

だがゴモラがいた所は深く陥没しておりその威力の高さを物語っていた。

続けてEXレッドキングは右ストレートを繰り出して攻撃しゴモラは繰り出された拳を両手で受け止めるが、そこから連続して放たれた左腕の一撃を喰らい再び吹っ飛ばされてしまう。

さらにEXレッドキングは近くの岩石を鷲掴みにすると、それに自身のマグマエネルギーを注ぎ込み溶岩に変えゴモラに向かって投げつける。

立ち上がったゴモラは投げつけられた溶岩を尻尾で弾き飛ばすと、飛び蹴りを繰り出してEXレッドキングを蹴り飛ばし尻尾を掴んで動きを抑えるが、EXレッドキングの力は強く逆に振り回された挙句投げ飛ばされてしまう。

「接近戦はこっちが不利だ!超振動波で迎え撃つんだ!」

カズマの指示を聞いてゴモラは角から超振動波を撃ち出すのだが、EXレッドキングは超振動波を身体で受け止め耐えきってしまった。

「超振動波もダメなのかよ!?」

超振動波すら通じずたじろぐゴモラだったが、その隙を突いてEXレッドキングはゴモラの腹部にマグマエネルギーを纏ったパンチを繰り出す。

直撃を受けたゴモラは呻きながら倒れ込み気を失ってしまう。

「ゴモラ!?戻れ!」

気を失っているゴモラにトドメを刺そうとEXレッドキングは拳を振り下ろすのだが、カズマはギリギリのところでゴモラをバトルナイザーに戻す。

それを見たEXレッドキングはカズマに目をつけると彼に襲いかかって来た。

カズマは身構えるがその瞬間、何処からともなく少年のような声が聞こえて来た。

「危ないから身体を伏せて!」

「えっ!?伏せる!?」

取り敢えずその声に従いカズマが身を伏せると同時にEXレッドキングの足元が爆発したのであった。

「今の内だよ!逃げて!」

EXレッドキングが怯んだ隙を突いてカズマはその場から離れると近くの岩陰に隠れる。

突然の爆発に怯んだEXレッドキングはすぐさま体勢を立て直すとカズマを探し近くを歩き回るのだが、見失ったと分かるや大きな咆哮を上げその場から離れていった。

「助かったのか…?しかしさっきの声は?」

「僕のことかい?」

背後から声を掛けられたカズマが振り返ると、そこにはフードを目深に被った人物がいた。

「君、地球人?この星にどうやって来たの?」

「そうだけど君は一体何者なんだ?」

「あぁごめんごめん。まずは自己紹介からだよね」

そう言ってフードを外した人物は金色の髪に紫色の瞳をした地球人の少年のような姿をしていた。

「僕の名前は“エンディ”って言うんだ。よろしく!」

「俺は黒澤カズマだ。この星にずっといるのか?」

「うん…お父さんとこの星の生態系調査にやって来たんだけど、怪獣に襲われちゃって…宇宙船は壊されるしお父さんは殺されるしで災難だった…」

エンディは俯きながら哀しげに呟いた。

「…ごめん…嫌な事、思い出させたみたいで…」

「えっ?ああっ…君が気にする事じゃないよ。それより君の事を教えてよ。なんであの怪獣…進化したレッドキングと戦ってたんだい?」

エンディに聞かれたカズマはその理由を話すと、エンディは静かに頷いた。

「なるほどね…確かにあれ程までに進化したレッドキングなら次元に歪みを作る事が出来るかもしれないね」

「だけど滅茶苦茶強くてな…どうすればいいのか…」

「お父さんの研究資料に何かヒントとかあるかも。僕も手伝うよ!」

「えぇっ!?だけど…」

「戦いは頭も使うんだ。その代わりって言っちゃなんだけど僕をこの星から連れてってよ!」

エンディの突然の提案に面食らったカズマだったが助けてくれるのならとそれを了承する。

「じゃあ宇宙船に案内するよ!付いてきて!」

 

 

 

エンディに連れられてやって来たカズマが目にしたのはボロボロになって大破した宇宙船だった。

「こんな所でずっと一人でいたのかい?」

「うん…この星には凶暴な怪獣が多くて探索するのも一苦労なんだ…」

宇宙船に入った二人は、早速エンディの父が遺したという研究資料を片っ端から探していき遂にEXレッドキングに関する資料を見つける。

「宇宙語で書かれてる…」

「えーっと…“あのレッドキングはこの星の火山から湧き出るマグマのエネルギーを取り込み進化した個体だと推測する。熱を加える程その凶暴性は増していく一方だが熱とは正反対の性質を持つエネルギーを与えるとどうなるのだろうか?”だって」

「熱とは正反対の性質を持つエネルギー…水や冷気のことなのかな…?」

「だけどこんな岩場だらけの荒れた星に水なんて…」

「けど怪獣がいる以上必ず水はあるよ。水は生物が生きていくのに必要不可欠だから。問題は何処にあるかだけど…」

悩むカズマだったがエンディが声を掛ける。

「これ見て!お父さんの研究資料にこの星の水源について書かれてるよ!」

エンディが見つけたもう一つの資料によるとかつて“宇宙斬鉄怪獣ディノゾール”が降り立ったらしく、ディノゾールは水素を求めて宇宙を渡る習性があるためこの荒涼とした惑星にも水源があるのではないかと推測するものだった。

「ディノゾールが目撃されたのは…この辺りなのかな?」

「とにかくそこまで行ってみようか。道案内頼んでもいいかい?」

「任せて!」

宇宙船の外に出た2人はメルバの背中に乗り水源地目掛けて飛び立っていくのであった。

 

 

 

「寒っ!?待ってここなんで寒いんだよ!」

何とか水源地たる湖に辿り着いた2人であったが、そこは異常な寒波に覆われ湖の水は凍りついていたのである。

「あそこ!怪獣が死んでるよ!」

「なんだって?…あれは“凍結怪獣ガンダー”だ!あいつの冷凍液が漏れ出てるからここら辺一帯がこんなに寒いのか…」

湖近くには無惨にも腹部を食いちぎられたガンダーの死体があった。

カズマとエンディはそこからやや離れた場所に降り立ちEXレッドキングを誘い出す準備を始めた。

「どうやって誘い出すつもりなの?」

「レッドキングは闘争本能が高い怪獣だからちょっとのことでも来てくれるって」

バトルナイザーを取り出したカズマは中にいるゴモラの様子を確認する。

「ゴモラ大丈夫か?」

カズマの問いかけにゴモラは力強く頷いて応える。

「今度こそ勝つぞ!ゴモラ!」

[バトルナイザー、モンスロード!]

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

バトルナイザーから召喚されたゴモラは大きく吠える事でEXレッドキングを誘い出そうとする。

するとその咆哮に呼応するかの如く地面を突き破ってEXレッドキングが姿を現した。

「ギィガァオオオオオオォォォンンッ!!!」

「来たな…ゴモラ!迎え撃て!」

カズマの指示を受けたゴモラは凍りついている湖に飛び込んでその冷水をEXレッドキングに浴びせる。

「ゴアアアアアッ…!?!?」

「もしかして効いてる感じ!?」

「ガンダーの冷凍液のおかげでここの水がより低温になってるせいなのもあるけどこれなら行ける!」

冷水を浴びた箇所から煙を上げて苦しみ悶えるEXレッドキングの頭部に尻尾を振り下ろして先制攻撃を決めたゴモラは、そのまま頭を掴んでヘッドロックを決める。

しかしEXレッドキングはゴモラを振り解き、その豪腕を勢いよく振り回して攻撃を仕掛けていく。

腕を交差させてその攻撃を防ぐゴモラであったが弱体化してもなお一撃が重いのか、一発で弾き飛ばされてしまう。

だがゴモラは凍りついている湖面に角を突き立てそこに超振動波を撃ち込み、巻き上げられた氷塊をEXレッドキングにぶつけていく。

それを見たEXレッドキングは全身から高熱を発して自身に飛んでくる氷塊を溶かすと、そのまま体当たりを繰り出しゴモラを押し飛ばす。

「あいつこの辺りの環境を変えようとしている!」

「させるか!一気に畳み掛ける!」

すぐさま体勢を立て直したゴモラはブレイブバーストを発動させ、EXレッドキングに駆け出していくと突進攻撃で押し倒してその身体に跨る。

ゴモラはそのまま頭を掴んで湖面に何度も叩きつけたり殴りつけたりして攻撃するが、EXレッドキングはゴモラの左右から腕をぶつけて怯ませ殴り飛ばす。

湖面に転がり込んだゴモラを見たEXレッドキングは、ゴモラを殴り潰そうと拳を執拗に叩きつけて襲って来るが、ゴモラはそれを転がりながら躱していく。

そうやってゴモラが転がって躱していた果てにEXレッドキングはガンダーの死体を殴りつけてしまう。

するとその衝撃で冷凍液を溜めていた臓器が潰れ、大量に冷凍液が溢れ出しEXレッドキングはそれを一気に浴びてしまった。

「ギィガァオオオオオオォォォンンッ…!!!」

大量の冷凍液を浴びたEXレッドキングの身体は瞬く間に凍りつきその動きを鈍らせてしまう。

それを見たゴモラは起き上がり、角を突き立ててEXレッドキングを突き飛ばしさらに尻尾での一撃を喰らわせると腕に噛み付きを繰り出した。

噛み付かれた箇所から溶岩のような血を流しEXレッドキングは苦しむ。

それでもゴモラを引き離そうともう片方の腕でゴモラを殴りつけようとするが、ゴモラはそれを難なく受け止める。

そしてEXレッドキングの腹部を蹴り飛ばし後方へ下がらせると、尻尾を連続して振り回しその身体を打ち据え勢いよく湖から叩き出す。

「ゴアアアアアッ!!!」

自らが圧倒されている事を理解したEXレッドキングは目を赤く輝かせながら怒りの咆哮を上げると、両腕を地面に叩きつけて溶岩を走らせゴモラに喰らわせる。

地面を走る溶岩の爆発に巻き込まれたゴモラは倒れ込み、EXレッドキングは岩石を溶岩に変え掴み上げ投げつけようとする。

だがゴモラは倒れ込んだまま超振動波を放ち、EXレッドキングが掴んでいた溶岩を粉々に砕く。

「奴が怯んだ!超振動波を体内に喰らわせてやるんだ!」

手にした溶岩を砕かれ怯んだEXレッドキングの隙を突いて、立ち上がったゴモラは懐に潜り込んで角を突き刺し超振動波を放つ。

「グガァァァッ……!!!」

超振動波を流し込まれたEXレッドキングは身体を赤熱化させながら苦しみ、やがて吹き飛んでいった。

それと同時に空に浮かぶ次元の歪みにもその衝撃が伝わったのか、大きく歪み始めた。

「次元が歪み始めた…あと少しってところか?エンディ、必ず一緒にこの惑星から出ような」

「…ああっうん!頼りにさせて貰うよ!」

エンディは笑顔で応え、カズマもそれに対して力強く頷いて応えるのであった。




・EXレッドキング
レッドキングがマグマエネルギーを取り込んで進化を遂げた姿。原種のレッドキングと比較すると腕が異常に発達しており鈍器のようになっておりそこから繰り出される「爆炎パンチ」の他、体内に流れるマグマエネルギーを利用して作り出した溶岩を投擲する攻撃や両腕を叩きつけて地面から走らせた炎を相手にぶつける「フレイムロード」で敵を攻撃する。火山から飛び出すとゴモラと対峙しその強力無比なパワーで一時撤退に追い込むが、エンディの妨害によりカズマを取り逃がしてしまう。その後、弱点を突くためにカズマとゴモラによって湖に誘い出され再戦。やはりパワーで圧倒するが弱点である冷水を浴びせられ弱体化、最終的には超振動波を受け粉々に吹き飛んだ。

・凍結怪獣ガンダー
ミニ宇宙人ポール星人が操る宇宙怪獣。カズマが漂着した謎の惑星にて腹部を何者かに食いちぎられ冷凍液を漏らしながら湖近くで絶命していた。
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