大怪獣バトル 〜運命に導かれし者たち〜   作:ウルトラジャンボ

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第5話 四次元からの贈り物

「カズマ君付き合わせてごめんね」

「いいよ全然気にしてないから」

カズマとリコはいつものショッピングモールに来ていた。

理由はカズマの大怪獣バトル…ではなくリコの買い物の付き添いである。

なんでもリコの家族はリコの祖母の身の回りの世話で忙しく手が回らないため、リコに買い物を頼んでいるのだがその量が多く困ったリコがカズマを呼んだところ来てくれたということである。

「もうなにもこんなに買うことないわよ。心配症なのよ母さんも父さんも。カズマ君にまで迷惑かけちゃってるし」

「迷惑なんて思ってないよ。いつもは俺がリコん家でお世話になってる訳だし」

カズマは苦笑いしながらそう答えた。

 

 

 

その後2人はバスに乗ってフジキヶ丘まで戻ってくると、リコの家まで歩いていった。

「ありがとうね。こんなにいっぱい持たせちゃって」

家に着くとリコはカズマにお礼を言った。

「全然大丈夫だから。あとこれリコが食品売り場に行ってた時に買ったんだけど…」

そう言うとカズマは手にしている袋から小さな箱を取り出すとそれをリコに手渡した。

「なにこれ?」

「まぁまぁ開けてみて」

リコが箱を開けるとそこにはガラス玉が一つついたペンダントがあった。

「これ高いやつじゃないよね…?」

「ガラス玉だから安いやつだよ。これも色々お世話になってるお礼。お守りって思ってよ」

「う〜ん…まぁそういうことなら貰っとくよ」

リコはそれを首にかけてみた。

「…似合う…?」

「すごく似合ってるよ。あんまり飾りが多いのもアレだったからシンプルなやつにしたけど正解だったかも」

「なんか色々ありがとうね。このお礼もどこかでしないと」

「本当に気にしないでよ。じゃあ俺は帰るから」

「うん。じゃあまたね」

カズマは自分の家まで走り出し、リコはそれを見届けると荷物を持って家の中へと入っていった。

 

 

 

〜カズマの家〜

「ただいま〜って言ってもモコしかいないんだっけ」

カズマは家に帰るなりすぐにリビングに向かった。

そしてリビングのドアを開けるとモコが顔目がけて飛びかかってきた。

「痛って!いきなり顔面にアタックすんなよ!」

「いや〜ごめんモコ」

モコはそう一言謝ると自分のスペースに戻っていった。

「言うことそれだけかよ…」

カズマも袋を机に置くと、ソファーに座り込んでスマホを触り始めた。

「カズマ〜今日は彼女とデートだったモコか?」

「デートじゃぁねぇって。リコが手伝って欲しいって頼んできたからしょうがなーく手伝ってやったの」

「またまた〜正直に言いなさいよ〜このモコさん黙っておいてあげるモコ」

「だから違うって…そんなこと言うならせっかく買ってきたこの限定のクリームパン食べちゃおうかな〜」

モコがからかってくるのでカズマは袋からクリームパンの袋を取り出すとそれを開けて口の中に入れようとした。

それを見たモコは慌ててカズマの肩に飛び乗ると頬を擦り寄ってきた。

「いや〜女性が困ってたら助けに行くカズマ超かっこいい!男の中の男モコ!」

「…調子良い奴。元からお前のために買ってきたんだから心配しなくても食べねぇよ」

そう言うとカズマはモコにクリームパンを差し出した。

モコは大きく口を開けると一口でそれを食べてしまう。

「お味のほどは如何で?」

「ん〜普通って感じだモコ」

「普通って…それいつもコンビニで買ってるやつより高いんですけど」

「僕は食べらればなんでもいいモコ」

「そうですかい。俺もなんか食べようかな…」

カズマが立ち上がった瞬間、スマホが鳴り出した。

画面を見るとツヨシとあったので、何事かと思いながらカズマは電話に出た。

「もしもし…」

「カズマ!?俺さ今駅前にいるんだけどちょっと来てくんね?」

「なんでだよ…何があったんだよ?」

「あの時のブルトンが起こした歪みがあるんだよ!」

「マジか…!?…いやいやそれでも俺が行く理由無いだろ」

「ちょっと一緒に見ようぜ!な?良いだろ?」

「はぁ〜…分かったよ。そこにいろよ」

カズマは電話を切るとバトルナイザーを手にして外に出る準備を始めた。

「また怪獣モコ?」

「分かんないけど多分怪獣だと思う」

準備を終えたカズマは上着のポケットにモコを入れると、外に出ていった。

 

 

 

〜フジキヶ丘駅前〜

「カズマ〜こっちこっち!」

「人だかりあるから呼ばなくても分かるって…!」

カズマはツヨシの隣に立つと空を見上げた。

そこにはツヨシの言う通り歪みが2つ出来ていた。

「怪獣とか出んのかな…?」

「多分出るんじゃねぇの…?ツヨシ怪獣が出たら真っ先に逃げるぞ」

「分かってるよ。命あっての物種って言うからな」

そんな感じのことを言い合っていると、周りの人達がざわつき始めた。

すると2つの歪みから怪獣が現れたのだ。

一体は巨大な目を持った“奇獣ガンQ”、もう一体は金色の身体に鎌状の腕を持った“宇宙戦闘獣コッヴ”である。

「キキキキキキキキッ!!!」

「ガァアァァアァアアン!!!」

ガンQは目から光弾を放ち、コッヴは両腕の鎌でビルを叩き崩して街を破壊し始めた。

2体が暴れ始めたことで駅の近くにいた人達は一斉に駅の中へ駆け込んでいった。

もちろんその中にはツヨシもいた。

「痛ってぇ…皆考えることは一緒なんだな…カズマ大丈夫か?ってあれ?カズマどこいったんだよ!?」

駅の中に避難したツヨシはカズマが一緒にいないことに慌ててたが、そこへ…

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

「ゴモラ!あの怪獣達を倒しに来てくれたのか!?」

ツヨシはゴモラの出現に声を上げて喜んだ。

世間ではどう言われようと、ツヨシはゴモラを自分達に味方してくれる怪獣だと信じているのだ。

ゴモラは2体の怪獣を見据えると、雄叫びを上げて立ち向かっていった。

 

 

 

「ゴモラ!駅の人達を守るぞ!」

カズマは駅から少し離れた場所へ行き、バトルナイザーからゴモラを召喚しガンQとコッヴとの戦闘を始めた。

「2体同時か…出来ればあいつらが戦いあってくれれば良かったんだけど、そうも言ってられないしな…」

ゴモラの存在に気づいた2体は同時に光弾を放って攻撃するが、ゴモラは怯むことなく2体に突進攻撃を浴びせる。

ガンQは吹っ飛ばされ倒れ込んでしまうが、コッヴは後退しただけになったためすぐにコッヴとの取っ組み合いになった。

だがコッヴの力は強くゴモラを簡単に投げ飛ばし、ゴモラ目がけて腕の鎌を振り下ろして攻撃して来る。

ゴモラは振り下ろされた鎌を転がって回避し立ち上がるとジャンプしつつ空中で一回転して、尻尾をコッヴの頭に叩きつけて反撃する。

ゴモラはコッヴに更に攻撃をかけようとしたが、背後から飛んできた光弾を喰らってしまう。

振り返ると立ち上がったガンQが光弾を連射し、ゴモラを攻撃してきていた。

ガンQはその勢いでゴモラに接近戦をしかけ触手のような腕でゴモラに殴りかかってきたが、ゴモラはそれを受け止めるとガンQを地面に向かって投げつける。

そして起き上がったガンQにジャンプからの蹴りを浴びせ、後ろにいたコッヴ諸共吹っ飛ばす。

「2体同時とか初めてだけど案外どうにかなるもんなのか…?」

ゴモラの持つ鋭い野生の勘に助けられてるところもあるが、初めての2体同時戦闘でも渡り合えていることに勢いづくカズマ。

「よし、ゴモラ!超振動波で2体まとめて倒すんだ!」

カズマの指示を受けゴモラは鼻先の角にエネルギーを集め始めたがその瞬間、空間が歪みそこからブルトンが姿を現したのだ。

「キシャッ!?」

「ブルトン!?なんであいつが…?」

困惑するカズマ達をよそにブルトンは突起からアンテナ状の器官を伸ばしそこから青白いエネルギーをガンQとコッヴに照射したのだ。

「キキャ!?」

「ンガァアァン!?」

突然エネルギーを照射され2体は驚くもその身体はそれぞれ赤紫と青の光に包まれ、その光景を見届けたブルトンは再び空間を歪ませ姿を消してしまう。

「ブルトンのやつ、あいつらに何をしたんだ…?」

「キシャァァァア…!」

[怪獣のエネルギー反応、増大中!警戒せよ!]

「エネルギーが増大…?」

やがて2体を包んでいた光が消えると中からガンQとコッヴが現れた…のだがその外見に変化が現れていた。

ガンQの方は体色がより禍々しくなり、その身体には赤い血管が浮かび上がった“コードNo.02”と呼ばれる姿に。

コッヴは発光体の数が変化し、全体的に細身になった“超コッヴ”と呼ばれる姿に変化していたのだ。

「姿が変わった…エネルギーが増大ってこういうことか!」

カズマが驚きを隠しきれない中、超コッヴはゴモラに向かって突進をしかけて来た。

ゴモラは迎え撃つのだがあっさりと弾き飛ばされてしまう。

続けて超コッヴは両手の鎌を使ってゴモラを何度も切り裂いて攻撃していき、最後は鎌をゴモラに突き立て吹っ飛ばしてしまう。

吹っ飛ばされたゴモラはなんとか立ち上がるも上空から攻撃を受ける。

ゴモラが上空を見ると、そこには3つの目玉がついた球体が浮かんでいた。

「気持ち悪っ…ガンQの仕業か?」

カズマがガンQを見るとガンQは身体を奇妙に揺らしながら、球体に指示を出していた。

するとガンQは突然ゴモラの眼前にテレポートしゴモラの腹部に蹴りを入れ怯ませると、空中に浮かび上がり身体を回転させて触手状の腕でゴモラを殴りつけてきた。

たまらず後退するゴモラだが、ガンQは球体から光弾を放って攻撃しゴモラを攻め立てる。

超コッヴもそれに合わせて額から光弾を撃ちゴモラを攻撃する。

「カズマ!ゴモラがやられそうモコ!」

「ゴモラ!くっ…ここまでとは…」

光弾の嵐を受けてゴモラは膝をついてしまうがその隙を超コッヴとガンQは見逃さなかった。

ガンQは頭部の巨大な目から光弾を放ち、超コッヴも身体を発光させながらチャージした光弾を放ちゴモラを仕留めに来た。

それはゴモラに直撃し大爆発を起こした。

「ゴモラーーーっ!!!」

カズマは叫び、爆煙が晴れるとそこにゴモラの姿は無かった。

「ゴ、ゴモラが消えちゃったモコ…」

「そんな…嘘だろ」

呆然と立ち尽くすカズマだったが、手にしたバトルナイザーが反応する。

[ゴモラの生命反応健在!生命反応健在!]

「健在ってゴモラは無事なのか!?」

「カズマ、怪獣達を見るモコ!」

モコに言われカズマが怪獣達を見ると、2体とも何かを探しているかの如く周囲を見渡しているのだ。

そしてガンQが超コッヴから離れたその瞬間、地面が大きく揺れ始めた。

「キキキッ!?」

ガンQが慌てふためいているとガンQの身体が持ち上がり始め、その真下からゴモラがガンQの足を掴んで地中から現れたのだ。

ゴモラはガンQの足を掴んだまま豪快に振り回し投げ飛ばす。

地面に叩きつけられたガンQ目掛けてボディプレスを決めたゴモラはそのまま馬乗りの姿勢になると、ガンQを殴りつけ始めた。

その様子を見て超コッヴはガンQの加勢に向かいゴモラをガンQから引き離すとゴモラを抑え込もうとするがゴモラは肘打ちを決め超コッヴを振り解き、頭の角を活かした頭突きを繰り出し超コッヴを吹っ飛ばした。

ガンQはその隙を狙って球体を集めて光弾を発射してゴモラを背後から攻撃する。

だがその攻撃を察したゴモラは光弾を回避、光弾は超コッヴに直撃し爆発を起こした。

「キキキッ!?」

自分の攻撃で仲間を倒してしまい頭を抱えるガンQだったが、その頭目掛けてゴモラは走って身体を一回転させることで勢いがついた尻尾を振り下ろしガンQにダメージを与える。

さらにガンQを担ぎ上げ地面に投げつけ頭を持ったゴモラはそのままバックドロップを決め、ガンQを追い込んでいく。

ガンQはよろめきながらもなんとか立ち上がると上空に浮かんでいる球体を呼び寄せ攻撃を仕掛けようとしたが…

「ゴモラ撃ち落とすんだ!」

カズマの指示を受けたゴモラが放つ超振動波により全て破壊されてしまう。

その爆発に乗じてガンQはゴモラの背後に回り込むと尻尾を掴み振り回そうとする。

しかしゴモラは持ち前のパワーで尻尾を掴んだガンQを逆に振り回して投げ飛ばしてしまう。

「よし…ゴモラ、トドメだ!」

ゴモラは鼻先の角に超振動波を集中させるとガンQに突っ込んでいき角をガンQの身体に突き刺し、その突き刺した角から超振動波を流し込む。

ガンQの身体からは火花が散りやがてガンQは動かなくなる。

ゴモラはその身体を上空にかち上げると、ガンQの身体は粉々に吹き飛んだ。

「よっしゃ!」

「やったモコね!」

「キシャアァァァァァアアァッ!!!」

カズマは手を上げて喜び、ゴモラは雄叫びをあげるとバトルナイザーの中に戻っていった。

「お疲れ様。ゆっくり休んでくれ」

「カズマ、早く戻った方がいいモコ」

「あっ…そういやツヨシのこと忘れてたわ…」

そうぼやきながらカズマは駅の方へ向かっていった。

 

 

 

「カズマのやつ、本当にどこ行ったんだよ〜」

2体の怪獣が倒され安全が確認されたことで駅に避難していた人達が各々の帰路につき始めた頃、ツヨシは駅内や駅の近くを駆け回ってカズマを探していた。

「もしかして逃げ遅れて…俺が誘ったせいで…」

ツヨシは自分が誘ったせいでと後悔し始めたその時だった。

「俺死んでねぇから安心しろよ」

「うぉっ!?ってカズマ!無事だったんだな!」

カズマはツヨシの肩に顎を置いてツヨシの耳元でささやき、ツヨシはカズマに抱きついて来た。

「うっとうしい!抱きつくなって!」

「だって俺が誘ったせいで巻き込まれたんじゃって思うとよ〜!そうなったらリコになんて言えばいいのかって」

「なんでリコの名前が出るんだよ!あぁっもう離れろ!」

カズマは抱きついて来たツヨシを引き剥がすと腕を組んでそっぽを向いた。

「ごめんごめん。でもこの前の時といいよく無事でいられたよな」

「…ゴモラがまた助けてくれたんだよ」

「そうなのか…カズマ俺あのゴモラは俺達を助けてくれるいい怪獣だと思うんだ。街を守ってくれるしカズマのこと助けてくれるしさ。周りがなんと言おうと俺はゴモラのこと信じるよ」

「…ありがとうな…」

「なんか言った?」

「なんでも…早く帰った方がいいと思うぞ。お前の両親心配してるんじゃないのか?」

「あぁっ!そうだ電話とかしないと。じゃあなカズマ!」

ツヨシはそう言うと足早に駅から離れていった。

「なんか嬉しそうにしてるけど、どうしたんだモコ?」

「ツヨシがああ言ってくれて戦ってきた意味あったんだって。ただそれだけ」

カズマはモコにそう言い自宅への道を歩き出した。




・宇宙戦闘獣コッヴ
ブルトンが発生させた空間の歪みから現れた怪獣。両腕の鎌と額から放つ光弾が主な武器である。元々コッヴはそこまで凶暴な怪獣ではなく環境の違いから暴れているだけで今回もそれが原因で暴れていた。市街地に現れるとガンQと共に破壊活動を始めるがそれを阻止するために現れたゴモラとの戦闘に突入。最初こそ押されていたがブルトンによって四次元エネルギーを与えられ、“超コッヴ”に進化しゴモラを攻撃する。が最終的にはガンQの光弾を喰らって爆死してしまった。

・奇獣ガンQ
コッヴと同じく空間の歪みから現れた怪獣。不条理の塊とも言われ目から放つ光弾や身体の球体を飛ばして攻撃する等、他の怪獣には無い能力を持っている。ゴモラとの戦いの中ブルトンによって“コードNo.02”と呼ばれる形態に進化しゴモラを苦しめるが、最後は超振動波を受けて爆散した。
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