私が
はい、なんとかなりました
はい
「という訳で」
「どういう訳なのさ」
「扶桑さん、山城さんにアトランタ、なんとかして旧本館に行く方法知らない?」
旧本館・・・此処に何かあるかも知れないと思った俺は三人に問うていた
「旧本館かぁ・・・アタシが来た頃は既に使われてなかったなぁ」
「あそこは・・・普段の道以外で向かう方法・・・そんなのあったかしら」
「う~む・・・・」
旧本館時代を知る扶桑さん山城さんは腕を組んで考え出した
・・・・・・・ん~・・・・腕を組んだ時に・・・2人のお山が良い感じに
たゆんって・・・
何考えてんだ俺は
山・・・・かぁ
「この鎮守府って裏山とかないの?」
「裏山・・・そう言えば駆逐艦の子達が裏山の獣道を通って旧本館へ向かっていたわね」
「あるの?」
「この鎮守府は敷地内に小さな山があるのよ」
「え、それって大丈夫なの?山の中じゃあ視界も悪いし侵入者とか入って来たり・・・」
「そうならない様にちゃんと山の中にも数々の生体センサーが埋め込まれていて侵入者は直ぐに検知されるのよ・・・・もっとも人里離れたこの鎮守府は侵入された事も鎮守府周辺で人を見たこともないんだけどね」
「今はどうなってるの?」
「今は山の付近に艦娘用センサーが取り付けられているね」
「あの提督になってから私達此処の所属艦娘は全員首筋に発信機を埋め込まれているんだ」
「まだ書類上此処の所属ではない貴方ならば突破出来るハズ」
「経費削減とか言って山の中の生体センサーは鎮守府の外側の面にしか配置されてないわね」
「何故・・・扶桑さん達が知ってるの?」
「それは・・・私達があの提督の元常任秘書艦艇だったから・・・ね」
なるほど・・・・・しかし・・・
「いくらなんでもあからさま過ぎる気がするんだよなぁ」
「そうね・・・」
「それに俺が建造されたこともホントはバレてたりしない?」
「その点は大丈夫だと思うよ」
「どうして?アトランタ」
「工廠にもセンサーがあってね・・・新しい艦娘を直ぐに察知するのか完成する頃にちょうど報 告にこいって呼び出されるんだよ」
「でも此処一年ぐらいそのタイミングがズレにズレまくってるんだ」
「多分私達を殴ったせいで飛び散った血液や色々でセンサーが故障してるのかもね」
「夕霧・・・・私達には貴方しかいないの・・・ホントは私達が行かなければならないのはわかってる・・・でもダメなの・・・」
「この鎮守府に来て発信機を埋め込まれてしまったら・・・もう」
「お願いだよ夕霧・・・アンタだけが頼りなんだ」
俺・・・・結構ちょろいんだなぁ・・・
現在0300
ザクザクとした音が心地好い
周りには俺よりも背の高い植物達が群生している
風が吹くとサワサワ ザワザワと俺の身体を撫でていく
草の匂いが鼻に届く
風と植物達の音がリズムの様だ
月がこの山を照らす
とても落ち着く
此処は裏山
艦息になって身体を得て初めて登ったこの小さな山は
鎮守府での出来事をまるでなかったかの様な錯覚にさせる
だが俺がこの山に入ったのは忘れる為じゃない
あのあと山城さんは提督の秘書艦として執務室に向かった
常任秘書艦を外されても秘書艦として定期的に仕事をしている様だ
結構短めのスパンで
山城さんにとっては悪夢そのものだろう
その悪夢をなんとかする為にこの山に入ったのだ
悠長にしてられない
かといって焦ってもいけない
この山のリズムに合わせて、誰にもバレないように
深く、前進
月がこの山を見ている
前進を続けよう