崩れて崖の様になっている所を滑る様に下りる
ツタに覆われた赤煉瓦が目の前に悲しそうに建っている
「さて・・・何処から入ろうかな・・・まずは裏口から調べでみるか」
錆び付いたドアノブを回してみる
何故かすんなりと回った
しかし
「ダメだ・・・開かないな・・・」
少しは開くのだが何かに突っ掛かっている様だ
「別の入口は・・・っと」
無理に押し入って大きな音を立てるワケにも行かないのでおとなしく別の入口から入る事にした
辺りを見回してみると窓の一つがやけにくたびれている事に気がついた
窓枠が外れずり落ちかける様な感じになっている
あそこから入れるかもしれない
ずり落ちかけている窓を少し動かしてみる
窓枠が腐っていたのか簡単に開けることが出来た。
「よっ・・・ほっ・・・」
苔が生え柔らかくなった枠を掴み中に入る
ジメッとしたカビのような・・・古い車のエアコンみたいな香り空気が肺を満たす
目当ての物、それは此処の監視カメラだ。
昨日だかに俺が偵察していた天井裏、あそこに仕掛けて提督の執務室での行動パターンを観察し、最適なタイミングで証拠書類を持って外部に伝えに行く。
ミシミシと鳴る廊下を歩いていると見つけた、一基目の監視カメラ
まだ生きているかもしれないので取り敢えず視界範囲に入らないように移動・・・出来ていると信じたい
そんなこんなで制御室に着いた
扉を開けようとするが・・・
「固った・・・・」
扉が湿気て膨張し、開かなくなっていた 俺のパワーなら無理矢理開けることも出来るが・・・大きな音を出したくない・・・
なんでかって? 怖いじゃん すっごく・・・夜中に1人、何が居るかもわからない廃墟で物音立てたくないでしょ?
だからこうやって音を立てないように揺さぶって・・・
ギ・・・ギギギギュィィ・・
「うっ・・・・」
恐怖を掻き立てる音に首を竦めながら部屋の中を伺う
中は埃っぽくて・・・やなかんじ
モニターも埃を被って何処までがモニターで何処からが枠なのかもわからない
この感じだと電源が入っていない、だから監視カメラは動いてない
だがこの旧本館、何故か電気がまだ通っているのだ
なので・・・スイッチを入れて電気を通してみようと思う、
使えるカメラを見分けるために
俺は恐る恐るブレーカーを上げて、モニターのスイッチを入れた。
バチンという音を立ててモニターが光を発する
電源の入った音にビビって冷や汗かいた・・・
8割程のカメラが生きている様子・・・・
因みに俺が最初に見つけたカメラ君はご臨終でした。
お疲れ様
あと俺が最初に入ろうとした裏口のカメラ
ちょうどそこが生きているので取り外して手に入れるついでにどうして扉が開かないのか診てみよう。
俺はモニターの電源を落として裏口へ向かった。
しかし・・・臭いやこの空気は最悪だがこの建物、色々なマイナス要素があるが此処が朗らかで過ごしやすい場所だったことが伺える
柱に傷があるのだ ただの傷じゃない、身長を測り 計った日と艦娘の名前が書いてある
軍事施設には似合わない余りにもほっこりする物証だが・・・
ついついそれを眺めてしまう
知っている艦娘の名前を探してしまう
すると・・・●●年●●月●●日 サギリ 148.5cm
俺の妹の名前を見つけた
駆逐艦が毎日沈むような現在の鎮守府でまだ生きてくれているかはわからない
少なくともまだ姿を見てない・・・
見たことないが容姿はわかる
不思議だね
あと俺の姉朝霧、妹天霧もいるかもしれない・・・
そう思うと決意が漲った。
俺はその傷を指でなぞり、また歩き始めた
歩みを進めて裏口近くのカメラの真下に来ることが出来た。
コイツを取り外すには~・・・
脚立が必要だな
此処に来るまでに倉庫があったな・・・またあの音を聞かなければいけないのは嫌だが・・・仕方あるまい