ホムラの日とホムラの未来とホムラを振り返る過去 作:早起き三文
その、彼女の第一印象だけでも。
「こちら、今日転校してきた、新宮神楽くんだ」
男子の目を釘付けにするほどの、綺麗な子。
「新宮神楽です、よろしくお願いします」
――ヒュー、ヒュー!!――
――……きょ、巨乳ちゃん!?――
と、いう男子の声も。
――ちょっと、アンタ達!!――
――いきなり女の子の転校生に、ゲスい言葉、言うのは止めなさいよー!!――
と、怒る女子達の声も解るほどの、美麗な転校生。
「そうだなぁ、では……」
ただ、担任の隣にたたずむ、彼女の綺麗な顔には。
「……」
何も、表情というものが無いのが。
「……そういう、子なのかな?」
少し、僕には気になったが。
「小田切の隣が空いているな?」
――えっ!?――
よりによって、僕の隣の席。
「いいね、新宮くん?」
「は、はい……」
と、彼女はしとやかに、そう頷き、そして。
スゥ……
先の言葉遣い、その僕の近くに寄ってくる、静かな足運びも、しとやかとしか、言いようがない仕草で。
スゥ、サァ……
「……あの?」
そっと、その彼女は僕の隣に佇み、そして。
「……あの、ここに」
「……!?」
僕に向かって、表情が無いまま、鈴がなるような声を、掛けてくる。
「ここ、座っても大丈夫かしら?」
「えっ、ああ……」
と、そう彼女に言われても。
「う、うん……」
「……失礼するわね?」
当然、そこは彼女の席だ。
「……」
朝のホームルームの光りに輝く、綺麗な、流れる黒髪、どことなく気品のある立ち振舞い。
……コッ
その彼女が、席についてシャープペンを握り。
カ、サァ……
簡素な鞄から、ノートを出すだけでも。
フゥ、ア……
――……!?――
何か良い匂いが、僕の鼻を差すような気がする。
――これが、オンナの匂い?――
そして、教室中の男子生徒が、僕を羨ましそうに見詰めていて。
――よりによって、何で小田切の隣に……――
加えて、それと同じ位に強い視線、それらを女子達が彼女に向けて。
――何か、無愛想な子ねー……――
と、投げつけると共に、そのヒソヒソとした声に合わせて、はっきり言って、なんか。
ジィ、トゥ……
怖い視線で、この転校生の子を、見詰めている……
「……この現象は、社会史とも密接に」
だけど、始まった先生の授業が、全く僕の耳に入らなくなるほど。
カッ……
「……」
本当に、ノートにペンを走らせる姿すら。
カッ、リィ……
綺麗な子だ。
「……!?」
その時、僕と彼女の。
スゥア……
目が、合ったと同時に。
……サァ
太陽が、その明るい光が、窓から静かに。
サゥ、ア……!!
優しく、射し込む。