ホムラの日とホムラの未来とホムラを振り返る過去 作:早起き三文
代替わりしたらしい、その隠れ家に潜む「救世主」を率いる新しいリーダー、彼の写真を見たとき、さすがに。
「あの、隠れ家のリーダーは」
この、獅子王と言えども、その表情に変化が現れた。
「擬態、あるいは姿のコピーをする、能力者なのかもしれませんね?」
「……ああ」
「王、の御姿を」
「……かもな」
確かに、よく似ている。
――全く、本当に――
獅子王に、そして。
――俺と、そして――
彼が、昔愛した、女性に。
「……」
彼女は、あのとき。
――出来ちゃった婚、だけどね?――
――ええっ!?――
と言う言葉、それは正確ではなかったのかもしれない。
――……確か、俺が彼女を殺す、数ヵ月前あたり――
確かに、任務の為に一年近く、彼女とは「遠距離恋愛」だった事があった。
「……」
もしも、彼女の言葉に、偽りが含まれていたら。
――この、三、四十歳がらみとらしき、このリーダーの男は――
獅子王の子、その可能性は充分にある。
――……まてよ?――
いや、経過した月日から、すでに。
――これも、この可能性も――
孫、それが産まれていても。
――全くありえない想像、ではないな?――
そう、不思議ではない。
――……彼女の、俺の子孫――
そして、その能力者、救世主達の隠れ家を「浄化」する戦い。
――それは、俺の――
支持率集めの為、それだけの戦い。
「……しかし」
冷酷無比、その心を持つ事には慣れきった、獅子王であるが。
――俺に、自分の子を殺す事が、出来るのか?――
と、彼が内心で葛藤を拡げている、その時。
「この隠れ家、本当に」
「……ん?」
「討伐する、必要があるのです、ん」
彼の、獅子王の第一の腹心、その男の、その細い目が微かに。
「スか?」
光る。
「……フン!!」
この腹心、昔からの。
――そう、本当に――
大昔、怪異との聖戦の時からの付き合いである彼が、こういう物言いをするときは。
「……お前は、反対か?」
「……いえ」
「はっきり言わんか」
「……ただ、わたくしは」
明確な意思を、この彼が常日頃の「イエスマン」の仮面を捨てて、自分の意見を。
「王、貴方に覚悟がおありかと……」
昔の戦友の時、その「対等」の関係だった時に。
「……私はな、君?」
「ハッ……」
「支配者なのだよ」
「……はい」
戻る、覚悟を決めた時と、相場は決まっている。
「……命令する」
だが、獅子王は、今までで、片手で数えるほどしか無かったその彼の、思い切った「諫言」を。
「ガス抜きを、始める」
「……」
退けた。
「……まあ、君の意見も解るのだが」
だが今の、最後に獅子王の口から出た「蛇足」の言葉が。
「な?」
「……了解致しました、王」
「……」
迷い、を表している事など。
――コヤツには、お見通しだろう、な――
その事は、少し苛立たしい。