夕立「むむむ...」
喫茶店のショーケースの前に立って悩ましげな表情をする少女が一人。
時雨「あれって、夕立?どうしたんだろう?」
委員会の影響で帰りが遅くなった時雨が偶然道を通りかかった際に夕立を見かける。このまま素通りするわけにもいかずに事情を聞いてみることにした。
夕立「むむむ...」
未だに悩み続ける夕立。彼女の視線はショーケース内の二つの商品を行ったり来たりしている。
時雨「やぁ夕立、こんな時間にどうしたんだい?」
夕立「っぽい!?あ...時雨」
夕立は突然かけられた声に驚くが、自分の身内の声だと認識して普通の態度になる。
夕立「この二つのどっちにしようか迷ってたっぽい...」
彼女はショーケースのある一部を指差す。
時雨がその部分に視線をやると、そこにはハンバーグとオムライスがあった。
深刻そうな雰囲気を出していた割に、そうでもない悩みだと知った時雨は空を見上げた。
空は夕焼けの影響で神秘的な眺めになっており、遠くでカラスの鳴き声が響いていた。
(もうすぐ夕飯時なのに間食でがっつり食べてどうするのさ...)
義妹の行動に少し呆れる時雨だが、自分もちょうどお腹が空いており、いつもより食べれる気がしたのである案を出した。
時雨「だったら半分ずつにすればいいんじゃないかな?」
夕立「半分ずつ?」
時雨「二人で別のものを頼んで半分ずつに分けるんだ。そうすれば1食分の量で二種類味わえるでしょ?僕も今はすごくお腹が空いてるんだ。だから協力するよ」
時雨は微笑みを浮かべて提案する。その姿は正に大天使である。
ちなみにお店の値段設定は500円で均一化しており、ここら一帯でも目を惹く安さだった。
時雨と夕立は先日の大規模作戦であるイ級掃討任務でたんまりと報酬を貰っていたので懐はとても余裕があった。
夕立「名案っぽい!早速実行するっぽーい!」
時雨の提案を聞いて表情を一転させて笑顔を輝かせる夕立は時雨の手を引いて喫茶店に入店する。
あれから数分後、時雨達のテーブルにはショーケースにあった料理より一回り大きいものが鎮座していた。
夕立・時雨「...」
想像していたものより遥かに大きく、両名とも顔が若干青くなっている。
料理から漂う匂いからして間違いなく美味しいのは分かるのだが、これを食べてしまえば間違いなく寮での夕飯が入らなくなり、寮母に叱られる事は明確だった。
しかし、もう頼んでしまって実物が目の前にある以上二人に残された選択肢は一つだった。
時雨「よし、食べようか」
夕立「ぽ...ぽい!」
まず二人で目の前にある料理を半分に切り分ける。それで発生する湯気から香る美味しそうな匂いが二人の食欲を刺激して、腹の虫が輪唱を開始しそうだった。
無事に切り分けることが出来たため、食べ始める。
時雨・夕立「いただきます」
スプーン又はフォークでそれぞれ口に運ぶ。
料理から舌に伝わる爆発するような旨味の連鎖反応に二人は目を輝かせる。二人の犬耳のようなアホ毛も心なしかピコピコ動いているように見える。
夕立「これは無限に食べられるっぽい〜♪」
時雨「言い過ぎ...じゃないかもね」
しかし掻き込むような食べ方はせずにあまり食器の音を立たせずにあくまでも上品に食べ進めた。
彼女達はその後、ペロリと完食して満悦な表情で店から出るのであった。
そして満腹なので案の定寮母にお叱りを受けることになったのは言うまでもない。
私も艦娘達がニッコニコで過ごすアニメが見たかったです...。あと夕立のアレは少々デカ過ぎな気がします。