『連邦生徒会を裏切り、惑星ごとキヴォトスを完全消滅させるRTA、続きいくよぉ~(ISHR先生)』   作:プリテンダー

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③ Y.GOLO.NETのオフ会でキヴォトスまで来て散々な目に遭う奴原

 糞ソウシャがリンを宥めるのを諦め、リセットと呼称している時間遡行能力も発動させず、新規参入企業との会合に託けて逃げ出してから数時間。

 出て来た時に感じていた激しい苛立ちは、すっかり収まっていた。

 外部からキヴォトスに参入するような奴らだから碌でもない輩しかいないと解ってはいたのだが、対面した企業の代表者がどいつもこいつも想像を超えた屑の変態ばかりで、率直に言えばドン引きして怒りが持続しなかったのだ。

 社長以下経営陣一同が、私の足を一回舐めさせてくれたら言う事を何でも聞くと言い出し秘書をドン引きさせていた会社もあって、ついまだマシだなと思ってしまって選択肢に出た「わかった」を許可してしまった事すらあった程。

 ソウシャは「自分から入っていくのか(困惑)」などと言いながら、そちらではなく物々しい回答の方を選択していたが。

 そして此度の企業では。

 

 

「手足は欠損させても構わんぞ!! せっかくこのワシの妾になる誉れをくれてやろうというのに、その資格を自分から捨ておって!! 図体と態度ばかりでかい生意気な小娘なぞ、依存性たっぷりの薬物で腹の奥から脳まで漬け込んでワシの奴隷にしてくれるわあっ!!」

 

「チェラッコラー! ザッケンナコラー!」

 

「てめェ! クソ連邦生徒会長!」

 

「カモがネギしょってやってきたぜぇグヘヘヘへへ…」

 

 

 

『ガキであるほもちゃんをナメていた(意味深)キモデブのシャッチョサンが伸ばしてきた手を捻り上げて未成年との淫行を咎めた所、見事ブチギレて別室に控えさせていた武装私兵及び心神喪失しているヘルメット団員に攻撃を命じてきました。さぁ、戦いだ!(MSMN)』

 

 

 

 これで4社連続の戦闘行為。こうも下衆な大人ばかりに当たると、いずれ私達もなるとはいえ大人という存在を信じられなくなりそうだ……などと言うと、真っ当な大人の皆さんに失礼か。

 肥満体と薄い頭髪を揺らす還暦が近そうな外部人の男が私に嵌めるつもりであろう首輪を振り回しながら喚くと、いかにも高価そうな装備を纏った大人共と、薬物を使われて正気を失いヘイローに砂嵐を走らせている生徒達が銃口を向けてくる。

 大人共の前に立ち肉の盾となっている彼女らはヘルメット団員らしいのだが、ヘルメットは被らず、虚ろな眼を宙に彷徨わせて涎を垂らし、譫言を漏らしている。彼女達の下半身が裸であるという事は……まあ、そういう事なのだろう。

 だがこの娘らはともかく、よく私みたいなのにまで欲情出来るものだ。蓼食う虫も好き好きとはこの事だな。

 

 

 

「ふぇへへへへへへぇ……♡ おくしゅり……きもちいいおくしゅりほしいのぉぉぉ……♡ もっとあちゃまふわふわさせてぇぇ……♡」

 

「かいちょーのうでいっぽんでくすりいっぽん、かいちょーのあしいっぽんでくすりいっぽん……かいちょーのくびで……くすりくすりくすりくすりくすりぃぃぃぃぃ」

 

「いひひひひひ♪ このおくすりすごいよぉ♪ あたまのなかでずぅっときれいなおうたとせかいのそとがわのかみさまのこえがきこえててぇ♪ むこぉのせかいからにげたかいちょーなぁんかぜぇんぜんこわくならないんだよぉぉぉぉ♪」

 

「会長死んでよぉ!? 無駄にデカい会長まで奴隷になったら! あたしがご主人様に貰える薬が少なくなっちゃうじゃんかぁ!? 死ね! 会長! 死ねえええええええ!」

 

「遘?#縺ッ繧「繝ュ繝翫→繝励Λ繝翫r謗「縺励※縺?∪縺 蜈育函縲√い繝ュ繝翫→繝励Λ繝翫r縺ゥ縺薙↓髫?縺励◆縺ョ縺ァ縺吶° 騾?£蛻?l繧九→諤昴▲縺ヲ縺?k繧薙〒縺吶°縲√?頑ウ「邏九?九?邨カ蟇セ縺ォ雋エ螂ウ驕斐r隕九▽縺代∪縺吶h 繧「繝ュ繝翫b繝励Λ繝翫b隲ヲ繧√↑縺輔>縲∬イエ螂ウ驕斐?荳也阜繧偵⊇繧阪⊂縺咎%蜈キ縺ァ縺」

 

 

 

『ペドフィリア社長の言とガスマスクに高濃度笑気ガス入りスモークグレネードという兵隊の装備から察するに、奴らの武器に装填されているのは深夜に潰した奴隷商人も使っていた対キヴォトス人用麻酔弾。雰囲気こそチンピラじみていますが、戦力で言えばアリウススクワッドと正面からやり合って五分五分の勝率になりそうですね。雑魚を雑魚と侮ってはいけない(戒め)』

『コンシューマー版にはアプリ版のクラウドコントロール、弱体状態とはまた別のバッドステータスの概念が実装されており、麻酔弾や笑気ガスによる昏倒、今目の前の生徒達が罹っている対神秘存在用高依存性違法薬物による発狂、VXガスなどによる猛毒、液化窒素ボンベによる凍結、テーザーガンによる感電などがあります。そして重複して罹ります』

『これが実に油断ならず、雑魚戦でダメージは受けないからとヒナから目を離した瞬間笑気ガスを撒き散らされて彼女を昏倒させられ、気付いた時には連れ去られ、約半年後にキヴォトス外から送られてきたお腹を膨らませて首輪で繋がれた手足と両目のないヒナの先生ごめんなさいさようならBDメッセージでアコ共々精神を破壊されたプレイヤー兄貴も多いでしょう。なおこの時マコトを連れていると、流石にこんな有様になって欲しいとは思っていなかったと激しく動揺するマコトが見られます』

『他にも先生プレイ中にミカを発狂状態にされて敵と間違えられてシッテムの箱を取り上げられ殴り殺され、状態異常が解けた後グチャグチャになった先生の亡骸に縋り付いて泣き叫ばせてしまったり、猛毒と発狂を食らったヒヨリがお迎えが来たと錯乱して止める間もなくアリウススクワッドの前で自害してしまったりと容易く状況を覆されてしまいがちです。アトラスゲーかな?』

『とはいえ、《恐怖》化での臓器消失や身体組成変異で状態異常攻撃が効かないほもちゃんの前ではTDN案山子ですな。さっさと殺そうぜ! 日が開けちまうよ! 情け容赦などフヨウラ! 演算補助ほらいくどー』

 

 

 

 奴の頓珍漢な掛け声と共に、視界の中に赤いラインや矢印が無数に描かれる。敵の銃弾の通り道だ。身体を操るのは私ではないが。

 僅かな隙間を通り抜け、生徒の列の中央に飛び込む私の体。左右の相手を肘打ちで飛ばし、その横にいた生徒らを巻き込んで一斉に転倒させる。

 顔の真横を麻酔弾が掠めてゆく。壁に弾かれた跳弾が背後から飛んできたのを、半歩ずれて避ける。そのまま前進し、動揺する大人の腕に黒い方の仕込傘を突き刺し、そのまま撃つ。

 炸裂する血肉とビルに反響する絶叫。怯んだ別の大人に向け、《恐怖》を籠められた仕込傘が振り抜かれ両前腕を切断する。その勢いのまま横回転し、また別の大人の顔面に回し蹴りを叩き込む。

 空間を埋め尽くさんばかりであった赤いラインは最早皆無に等しい。無論護衛である残りの大人らは戦意の喪失には至らず、各々の独特な叫びを上げて襲ってくるが、既に戦闘の体を成してすらいない一方的な殲滅。

 瞬きの後、芋虫めいて蠢くばかりの生徒達と死に体の私兵共が転がる部屋に立つのは私と社長だけであった。

 

 

 

「そんなっ……そんっ……ひいいいい! 嫌アアアアア!」

 

 

 

 社長が悲鳴を上げ、倒れ込んで失禁する……これも4社連続。身体が自由に動かせたら、溜息の一つでも吐いていただろう。

 呻き声の合唱と血肉の海を踏み越えて奴の目の前に立つと、躊躇の無い土下座を見せつけられる。

 

 

 

「こ、殺さないでくれ! 許してくれ、なんでも、なんでもするから!」

 

 

 

『ん? 今なんでもするって言ったよね?』

『じゃけんちょっとお話(意味深)しましょうね~。良い世、来いよ! とばかりにキヴォトス改善の為の無理難題を押し付けて浪費を促し、溜め込んだ糞(汚いお金)をドバーッと出させて差し上げましょう』

 

 

 

 床に擦り付けられた禿頭を血塗れのブーツで踏み付ける。莫大な恐怖心と、強烈な絶望が、奴の体の震えと共に伝わってくる。

 力が漲り、心臓であった器官の鼓動と共に全身に歓喜が充足され、意思に因らず口角が吊り上がっていくのが……ひたすらに気持ち悪い。

 この世の異物である事実を存分に思い知り、我が身の悍ましさを味わう不快な一時。

 

 

 

『バイオ・マンボウ発言暴露直後のラオモト・カンとか若返ったドゴジマ・ゼイモンとか傍観者から当事者にされたシバとか、そういった連中が半神的存在の暴威を剥き出しにしながらモータルと交渉しようとしたらどうなるか、言うまでもありませんね』

『そう、交渉になりません。死を間近にしたモータルの側が必死にイモータルのご機嫌取りに徹する、対等な要素などない一方的な搾取になります』

『しかし時たま金を惜しんで「やべえよやべえよ…おい、財布しまっとけ(難聴)」と反抗的な態度を見せる事があるので、そんな場合はほもちゃんの《恐怖》の権能をエンジン全開! して反省を促してあげましょう(MHD・NVY・ERN)』

 

 

 

 味わっていた不快感が伝わったか、命乞いを始めた直後よりも従順になった社長は、まるでキヴォトスの機械人形達が私の前に引き出された時の如く「全て仰せのままに」「誠に申し訳ございません」の言葉を繰り返すだけになった。ロボット共は失禁はしないが。

 これでD.U.に新たに参入した企業は全て、都合良く動かせる道具に成り果てた訳だ。

 こうしていると、やはり私は会長のような人徳に基づく統治とは無縁だとつくづく思う。操り人形にされているからという事とは無関係に……自由意思で行動出来たとしても、きっとこうして手早く支配するだろうから。

 無論会長も万能の神ではないので、多少反発されて強引な手段を採らざるを得ない時もあったが……それでも相手の意向を端から踏み躙ったりはせず、妥協点を探していた。ただこちらの意見を無理矢理押し通すだけの私とは、比べる事すら烏滸がましい。

 あれが先生に届くのは、いつになるだろう。ソウシャがキヴォトスの至る所に仕掛けたものが暴かれ、私が断罪して貰える日はいつだろう。

 キヴォトスが、先生の導きでご帰還なさった会長の治世の下、安寧の日々を取り戻すのはいつになるだろう。

 ああ、地獄からそれを眺めるのが待ち遠しい。

 

 

 

『……』

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

『キメセク被害児童らはキヴォトス調教センターもとい矯正局送りになりました。虜囚扱いにはならず、薬物依存症回復の為に療養する事になります』

『それでは次に、アリウス新校舎に向かい、なんかまたカタコンベ跡地から出て来たらしいベアおばの赤ちゃんを牢獄に閉じ込める為に迎えに行きましょう』

『新体制となってからアリウスに入学した生徒らは物見遊山気分で旧校舎の方に肝試しに行くらしく、そこで奥に隠れていたらしいベアおばベイビーを見つけてくるらしいです。そんなもの見つけなくていいから(良心)』

『え? こんな時こそSRTに仕事を割り振ってやって時間を短縮するべきじゃないかって?』

『大丈夫です、ちゃんと計算通り完璧〜(YUK)に進行しているのでごあんしんだ。リンちゃんからの信頼度も……まあ、あの、当てはあります。わかったか。わかりましたね。ありがとうございます』

『別に私はアロナ(仮)前会長失踪直後の、病んでほもちゃんのお腹をテクストと記号でコーティングされた刃物でぶっ刺し、キヴォトス春のリセット祭の引き金を引いたリンちゃんと朝のリンちゃんの姿をダブらせてビビり、サンクトゥムタワーへの帰還を遅らせようと考えたりはしていません。これだけははっきりと伝えておきたかった』

 

 

 

 嫌な事を思い出させるなよ……《恐怖》化してから痛みなんか感じない筈なのに、光の無い目をしたリンに刃物で刺された時は、何故か滅茶苦茶痛くて全身に力が入らなくなったんだからな。リセットで緊急回避しなかったらリンに抱き締められながら死んでたぞ。《色彩》招来の仕掛け云々がなければ、あのまま死んでいても悪くなかったとは思っているが……いや、離れないでとか一緒に逝くとかなんとか言っていたから、リンまで死んでいた事になるのか。なら駄目だ。

 結局あの時は散々リセットを繰り返し……最後の辺りはとばっちりでカヤまで殺されかけていて……結局何をして止めたんだったか? 何かリンと約束をして、結果落ち着いてくれたんだが。

 そんな事を考え、社員らの恐怖に満ちた視線を浴びつつ社屋から一歩踏み出した瞬間、いきなり近くの飲食店が爆発し、瓦礫が撒き散らされた。

 キヴォトス広しと言えども、表立ってこういった行動をする奴は多くない。私を含めて。飲食店相手ならば、まずあいつらしかいないだろう。

 逃げながらも明確に私を避ける人々。遮る者無くスムーズに爆発現場に近付くと、予想通り、つい数ヶ月前までキヴォトス全域で飲食店相手にテロ行為を繰り返し恐れられていた部活が顔を出す。

 

 

 

「このような食への冒涜など言語道断!! 万死に値しますわ!!」

 

 

 

 最近は実店舗の破壊ではなく、グルメ情報サイトに掲載されているお気に召さなかった店の記事を炎上させる事に勤しんでいたという、美食研究会の面々だ。

 研究会会長である黒舘は私の存在に気付かないまま、瓦礫の中で倒れている外部人のウェイターの尻を蹴り飛ばし、激情を吐き散らす。鰐渕は以前通り泰然自若と評するのが相応しい様子に見えて、しかし視線運びや挙動に余計な警戒が混ざっているのが判る。獅子堂は、瓦礫の中で飲食物を……漁っていないのか。珍しい。

 お、警戒の為に見回していた赤司と目が合ったな。見る間に表情が歪み、キヴォトス外のムンクとかいう画家の一作を想起させる顔になっていくぞ。鰐渕、獅子堂も次いでこちらを向き、整った顔を珍奇な芸術じみたものにしてゆく。

 そんなに私に怯えるなら、テロ行為などしなければ良かろうに。

 

 

 

『なにやってんだあいつら…(困惑)ほもちゃんに制圧されて恐怖を与えられ大人しくなっていた美食研究会が、数ヶ月ぶりに復活したようです』

『テロリストの典型だな。過激派も良い所だ。高級食材運搬車の襲撃は勿論、あらゆる飲食店の爆破に絡んでいるサイコ集団です。去年キヴォトス外部のサディア帝国で起きたカフェ爆破事件、あれもヤツらだし、農業コンビナートの食材運搬用列車ハイジャックも……まあとにかく大物です』

『温泉開発部のトップ達もそうですが、キヴォトス有数のテロリスト集団である彼女らはたまにほもちゃんに与えられた恐怖心を克己し、再びテロ行為に奔ります。D.U.に来てまでそんな事しなくていいから(良心)』

 

 

 美食は現状、私の肩書にしっかりと代行を付けて呼んでくれる数少ない者達だ。こだわり……いや、籠めた願いを読み取り、彼女らが各々の食の探求道に注ぐ情熱と重ね合わせ、尊重してくれている。

 理由としては浅いし知己の仲という訳でもないが、好ましく思っている。それに私だって明らかにキヴォトスに害を齎すものだけとはいえ建造物破壊くらいはしているんだ。出来れば穏当に済ませてやりたい所だが。

 

 

 

「ふふ、ふひふふふふ! これはやはり、わたくし達美食研究会の存在を、美食探求道が求めているという事! 食の冒涜という許されざる罪を背負った業人共を、根刮ぎ断罪してほしいという哀願! 連邦生徒会を恐れている場合ではありませんわ! 美食研究会は! この大火を狼煙として! 今ここにっ! 復活をせんげ」

 

 

 

 流石にそういう訳にはいかないか。久々のテロ行為で昂ぶっているのか、明らかに様子もおかしいし。

 おい、せめてゲヘナ自治区でやれ。

 

 

 

「ん……アイエエエエエエエ!? 連邦生徒会長代行!? 連邦生徒会長代行ナンデデスノ!? コワイ!!」

 

「ひいいいい! 嫌アアアアア! やばいですよハルナさん瞬殺されてしまいます!!」

 

「うぁぁぁ! れ…連邦生徒会長代行が公道を練り歩いてるよおっ!」

 

「あ~もうほんとにまったくやんなっちゃうよ! だから通報するだけにしようって言ったのにぃっ!」

 

 

 

 逃げた人々と変わりない阿鼻叫喚の様相で、美食の面々が喚き立てる。まるで反社会的勢力に襲われている被害者のような振る舞いだ。

 流れ込んでくる恐怖と絶望も……いや、恐怖を克服したというのは間違いではなさそうだ。数ヶ月前に4人纏めて襤褸雑巾にしてやった時、精神干渉で刻み込んでやったものの働きが鈍くなっていると判る。

 

 

 

「こ、これは試練です! 過去に打ち勝てという試練だとわたくしは受け取りました!」

 

 

 

 《恐怖》干渉の影響はまだある筈だが、決意と覚悟を瞳に漲らせて歯を食い縛る黒舘。だが無理をしていると一目で判るな、瞳が揺れ続けて私から逸れているし、明らかに及び腰だぞ。

 

 

「美食道への邁進は……アイエッ!?」

 

「ハルナさん!? まずいですよ……ひいっ!!!」

 

 

 

『目を泳がせながらも勇ましく口上を述べるハルナと、他のメンバーを囮に逃げるタイミングを伺うアカリの顔面にアイアンクローを繰り出します!』

『二人は悲鳴を上げて悶絶しますが(テロリストへの慈悲は)ないです。もう許せるぞオイ! もう許さねえからなぁ(豹変)とばかりに悶絶少女調教師として制裁を加えていきましょう』

 

 

 

「ンアーッ! ンアーッ! アバババババーッ!」

 

「がああああ! チクショウ痛みがハンパないですよ!」

 

 

 

 喧しいクソ野郎に薄気味悪い謎の称号を勝手に付け加えられつつ、指で二人の頭を持ち上げぎりぎりと締め付けていく。私の意思ではないが。

 当然二人は暴れるが、この程度の加重ではびくともしない。二人のばたつく足が私を蹴り飛ばすが、手を離す程の衝撃でもない。数ヶ月前の光景の焼き直しだ。

 二人の上げる悲鳴が濁り断末魔じみてきた頃、握り潰しを食らう順番を待っていた赤司がまるで冤罪被害者の慟哭の如く、一生懸命に訴えかけてきた。

 

 

 

「待って代行! 代行! 理由! せめて爆破理由聞いて!」

 

 

 

 さっきも通報と言っていたな。だが、飲食店爆破にどんな正当な理由があるんだ赤司。いつも平気でやっている事に、今更御託を並べても意味は無いぞ。

 ……なに? 外部人の成人男性の……なんだって? 私の聞き間違いか? もう一回言え……排泄物? ウェルカムドリンクと称して……小便を提供してきた?

 

 

 

『ファッ!?』

 

 

 

 ……以前、お前達が外部から取り寄せようとして問題となった童子蛋とやらもそういう……そんな程度ではない? 野菜スティックの汚物漬け? ハンバーグと称した糞便塊? 汚物とパスタを混ぜていた? クリーム・ブリュッ・レ? それを……集まった外部人達が食していたと?

 そんな戯言が……いや、美食研究会は食事に関してそんな誤魔化しはしないだろう、テロ行為を正当な行いだと思っているのだから。しかしそれは畢竟、排泄物を飲食物と看做す狂人がD.U.で営業許可証を得て店を建てられて、経営が成り立つ程の客が集まってくるという恐ろしい事になるのだが。

 

 

 

『えっ、それは…(困惑)透き通るような世界観の中に、リアル糞尿レストランが混入するとは……うせやろ? 外部人さん許して! 世界観壊れちゃ~↑う』

 

 

 

 なんだ、その悍ましい……レストランの一種と認める事すら抵抗感を覚える名称は。

 しかしそうか、瓦礫の山の中に、全裸の外部人が何人も倒れているから、爆発の影響で衣類が破けたのかと思っていたが……確かに外部人なら、爆風に巻き込まれた瞬間衣類ごとバラバラ死体になるからな。

 そしてそんな店だとしたら、獅子堂が飲食店を爆破して食材漁りをしない、いや出来ないのも納得か。

 

 

 

「ううん、少しでも食材を助けなきゃと思って探したんだよ代行。けど、全部駄目だったんだよ……殆ど、あの……アレで……」

 

 

 

 ……そうか。

 

 

 

「うう、思い出しただけでも気持ち悪くなる……うぐぇぇ。グルメヘルメット団の我修院と徳川って子に聞いて来たら、あんな悪夢の世界が広がっててさ。止めたんだけど、ハルナが完全にキレちゃって……」

 

 

 

 ああ……まあ……そうなる……だろうな。

 確認の為に二人を掴んだまま瓦礫の山に踏み入ると、火薬の匂いの中に明らかに不快感を催す異臭が混ざり……料理と呼ぶのも冒涜的な代物が、ぶちまけられていた。

 

 

 

『うわあ……これは本当に糞バーグですね、こっちはミートクソーススパゲッティだ……なんだこれは…たまげたなあ』

 

 

 

 やめろ。名称を言われるだけでも吐き気がする。

 ……解った。今回は、爆破はともかく、お前達に理があるか。流石に排泄物はな。

 陸八魔がちょくちょく披露している顔芸の如く白目を剥き、ビクビクと震えるだけになっていた黒舘と鰐渕が離され、力無くその場に崩れ落ちる。まあこいつらは大丈夫だろう。

 

 

 

 ………………それで?

 気付かれないとでも思っているのか、隠れてこそこそ逃げようとしている外部人共。

 そう指摘すると、瓦礫の影を這い進んでいた奴らが一斉に立ち上がり、一目散に逃走を図る。ウェイターらしき服装の者らは逃げずにこちらへ襲いかかってきているので、逃げているのは全員客という事になるか。

 倒れていた者達だけではなく、瓦礫に埋もれかけた地下への階段からも外部人の成人男性が湧き出し、逃げ去って……いや、おい、待て、おい、なんだお前ら、その全身にへばりついている、焦げ茶色の粘体は。

 それに気付いた赤司と獅子堂が微かな悲鳴を漏らすと、煤だらけになりながらも唯一無駄に高級なスーツを着用している年配の男がウェイター共の後ろに立ち、我々を睨みながら怒鳴り散らした。恐らくここのオーナーか。

 

 

 

「これだからテロリストは気に食わねえんだ! お客様のお楽しみの時間を台無しにしてくれやがって! 人の都合も考えないで身勝手な連中だよ!」

 

「なっ……ふっざけんなぁ!」

 

「食べ物を弄んであんなものにしちゃう身勝手な人達に、そんな事言う資格無い!」

 

 

 

 激昂した赤司と獅子堂が投げつけた瓦礫を同時に食らい、吹き飛ばされ昏倒するオーナーらしき男。外部人を銃で撃たないだけの理性はあったか。

 それを見た客共は、恐らくこれまでキヴォトス人との身体能力の差を実感していなかったのだろう、一層必死になって逃げてゆく。一部は、汚物の飛沫を飛ばしながら。

 

 

 

『アッ、これはまずいですよ! こんな変態共が連邦生徒会のお膝元で好き勝手した挙げ句、一人でも無事に逃げおおせたなんて醜聞が広がっては、《恐怖》値の低下は免れません!』

『汚れ好きの客共にしても、これが全てとは限りませんし、もしかしたらキヴォトスのどこかに第二第三の糞尿レストランがあるかもしれません! 全員生かしてとっ捕まえて拷問し、情報をドバーッとさせてあげましょう!』

 

 

 

 忌まわしく穢らわしい予想図を喚き散らすソウシャ、それは業腹ではあるが否定出来ない。そもそも私がこんな店がここにある事に気付けていなかった以上、他所の自治区にもこんな屑共が潜伏している可能性は十分ある。

 だが逃げている人数が多い。所詮邪魔をしてくるのは外部人で大した障害にはならないが、少々面倒だ。

 獅子堂。赤司。建造物爆破含めたこの場の事は一切不問にしてやるから、あれらを捕まえるのを手伝え。

 

 

 

「アッハイ」

 

「ヨロコンデー」

 

 

 

 ……地下から出てきた奴らの一部は、考えるだに悍ましい焦げ茶色いなにかを身体にへばりつかせている。

 そいつらは私が捕縛した方が良いだろう。

 

 

 

 そうして全員を捕らえた所で、丁度ヴァルキューレの者達が到着した。

 アリウスを待たせてしまっているので、結局後は公安に任せる。勿論、今回は美食研究会は私の仕事を手伝ってくれた善意の第三者と明言しておくのも忘れずに。

 通報内容及び今までの実績だけに、公安は腑に落ちないと表情ではっきり語っていたが、汚物に塗れた外部人共を連行するのに手間取り、気にする余裕も失ったようであった。

 

 

 

「流行らせコラ…流行らせコラ! 変態警察官お前離せコラ……俺はじゅんぺいだぞ!」

 

「なんだそれは!」

 

「コラドケコラ!」

 

「入りなさ……え、今まで散々抵抗してたのに、大人しく自分から護送車に入っていくのか……」

 

 

 

 オーナーらしき外部人、自称ジュンペイとやらを含めたウェイター全員と悪趣味な客共は外部人用の留置施設にぶち込まれる事になる。拷問かどうかはともかく、相応の尋問は受けるだろう。

 キヴォトス人ではなく外部人が主犯という事でわざわざ尾刃まで駆り出されていたが、久々の出動の内容が普通の犯罪者ではなく狂った変態の逮捕という事で、酷く戸惑っていたのが印象的だった。

 

 

 

『……』

 

 

 

『《恐怖》で対策してるのに、ヤバい外部人がこんなに……演算は間違ってない、筈だ……スケジュールもまだどうにでも出来る、けど……アロナを保護してる半身も問題無く稼働してるのに、どうして……』




文字化け部分

「遘?#縺ッ繧「繝ュ繝翫→繝励Λ繝翫r謗「縺励※縺?∪縺 蜈育函縲√い繝ュ繝翫→繝励Λ繝翫r縺ゥ縺薙↓髫?縺励◆縺ョ縺ァ縺吶° 騾?£蛻?l繧九→諤昴▲縺ヲ縺?k繧薙〒縺吶°縲√?頑ウ「邏九?九?邨カ蟇セ縺ォ雋エ螂ウ驕斐r隕九▽縺代∪縺吶h 繧「繝ュ繝翫b繝励Λ繝翫b隲ヲ繧√↑縺輔>縲∬イエ螂ウ驕斐?荳也阜繧偵⊇繧阪⊂縺咎%蜈キ縺ァ縺」

私達はアロナとプラナを探しています 先生、アロナとプラナをどこに隠したのですか 逃げ切れると思っているんですか、《波紋》は絶対に貴女達を見つけますよ アロナもプラナも諦めなさい、貴女達は世界をほろぼす道具です
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