東京喰種:別re(注釈:別にre君と深くかかわるような内容でもなくかといって無関係とはいかない話の略)   作:三流二式

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初投稿です


第一話

 突然だけど、皆は入り込んでみたいゲームや漫画とかはあるかな? 

 

 

 そういう人は、例えばドラクエとかファイナルファンタジーとかに入り込んで、原作知識生かして早い段階で凄い魔法を習得したりして皆をあっと言わせたり、事前に事件の発端の黒幕をぶっ飛ばして物語をそもそもスタートさせないとか。

 

 

 そういうことをしてみたいとか考えたことは、一度くらいはあるのだろうか? 

 

 

 俺はもちろんあるぜ! 

 モンハンの世界に入り込んでスリンガー溜め3ムロフシ叩き込みまくって周囲にハンマーのすばらしさを説いたり、坂でのハンマーの強さを教えてぇ! とか安易に妄想してはウへヘへと一人にやついていたりしていた。

 

 

 勿論それはしょせんゲームに沿った世界そのままであることが前提の妄想な訳だから、じゃあその世界にマジで飛ばされたら、俺はきっとライトボウガンを担いで遠くから通常速射を顔面にぺちぺち当てるマンになっている事だろう。そもそも俺は人にものを教えられるような人間じゃないし。

 

 

 前置きが長くなってしまったが、結局俺が何を言いたいのかというと。

 

 

 転生したのだ。しかも、だ。

 

 

 よりによって『東京喰種』の世界に転生してしまいました。

 

 

 更にもう一つ報告がありましてですね。

 

 

 私の種族は喰種で──────―す!!! 

 

 

 イエイイエイ! 

 

 

 喰種最高喰種最高! 

 

 

 

 お前も喰種最高と言いなさい*1

 

 

 

 

 うふふ。

 

 

 

 あはは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パパ──────────────(ガチギレ)!!! 

 

 

 うぅ……丸手ェ*2……あたし許さないからぁ……!!! 

 

 

 あたし許さないからねぇ*3……!!! 

 

 

 はあ、とため息が、無意識の内に口から洩れた。

 

 

 意識していなかったためかやたら大きな音が出てしまい、周囲にいた子たちの視線を集めてしまった。

 

 

 

 しまったと思って口元を覆ったが時すでに遅し。

 

 

 落ち込んだ俺を気遣って近寄ってきた同じ境遇の孤児の男の子の頭を撫でて心配いらない事を伝え、よちよち歩きで友達の輪へと戻っていくその子を見届けると再びため息を一つ零し、この世界の事を思う。

 

 

 俺の生まれ落ちた世界のもととなった作品、東京喰種。

 

 

 この物語のあらすじを大まかに言うと、人社会に紛れ込んだ人と同じ容姿をした人を喰う事でしか生き延びられない悲しい生命体喰種。そのうちの一人『神代リゼ』に食べられそうになった人間である『金木研』。リゼの手によって瀕死の重傷を負うが事故によりリゼが鉄骨の下敷きに。金木は辛くも生き延びたが、事故による手術の際に喰種であるリゼの臓器を移植されたことで、金木は半喰種となってしまう。半喰種となった事でそれまでの生活を捨てざるを得なくなった彼の苦悩と苦痛に満ちた運命を中心とした物語だ。

 

 

 喰種とは前述したとおり、人社会に紛れていながら人を喰う事でしか生き延びられない生命体だ。

 

 

 この世界の中心にいる知的生命体は人間であり、それ故に喰種の負う精神的なストレスは相当な物で、誰しもが大なり小なり心の中に闇を抱えている。極端な例を挙げると主人公である金木君を筆頭に笛口ヒナミちゃん。敵対関係者からはエト、アヤト君、reからの登場人物である瓜江くん、ナッツクラッカーさん、その他もろもろ。

 

 

 ……ざっと上げるだけで出るわ出るわ。

 

 

 その上そういう生き物が紛れているストレスや喰種に知人や肉親を殺された人も大勢いるから、喰種じゃなくても心に闇を抱えている人がそれはもう沢山いる。

 

 

 とりわけCCG(喰種対策局、通称鳩)は喰種への怒りや憎悪に突き動かされてはいる人が多いから、必然的に心に闇を持つ人が集まってくる、一種の蟲毒めいたことになっているのよねー。

 

 

 ……他人事のように言っているが、正直この世界に転生したのなら人間も非人間もあまり関係が無い気がする。

 

 

 だって人間になったらなったで喰種に食べられる恐怖があるし、かといって喰種になったら人間にも何なら一部の喰種からも狙われるようになってしまう。更に喰種にはアオギリの木というエトしゃん(と有馬さん)が作った組織があり、そっから勧誘されるというデメリットがある。

 

 

 どっちにしろ糞である。碌でも無さすぎるのである。

 

 

 人も喰種も、どいつもこいつも闇抱えすぎ闇の種がありすぎ。何なら意図的に闇を作り出すような連中がいるから始末に負えない。*4

 

 

 詰まるところまともに生きていくにはよほど運が無いと、喰種か人間に狙われることになるという事だ! 

 

 

 そうだよ! つまり両陣営とも実質敵だよ! 

 

 

 ふざけるなー! ふざけるな―! ばかやろ―! 

 

 

 何で同族すらも敵なんだよおかしいだろ! せめて種族間くらい仲良くしろや! どうして話し合わねえんだよ! お前らのその口は飾りか! 手を取り合えあえや! 最終巻見てみろ! 腹割って話し合えばすぐに人工食糧作り出せたじゃねえか! おかしいだろ! 

 

 

 

 

 

この世界は間違ってる!!! 

 

 

 

 

 

 何が間違ってるって。

 

 

 寝静まり、誰もが眠りこけている孤児院の中を()()()辿()()()しめやかに駆け抜ける。

 

 

 官能的で、唾棄すべき匂いの果て、孤児院の院長室の前へとたどり着くと、ドアノブに手を触れ、暴れ狂う心臓と呼吸をどうにか沈め、冷汗を払ってから、鍵のかかったドアを一息に()()()()()

 

 

 窓から差し込む月明かりが、闇の中、暗黒の中で蠢く罪人の姿を照らし出した。

 

 

「あぁ? なんだ? 何をしている?」

 

 

 何が間違ってるって。この孤児院の院長が人食いのキチガイだって事だ。

 

 

 そうだ。()()()()()()()。人間なのに、人間の子供を解体し、喰種の様に生でそのままむしゃむしゃ食べているのだ。

 

 

 やっぱこの世界おかしい人が多すぎるって。

 

 

 扉をこじ開けた俺に驚愕したのか、それとも今の俺の()を見て驚いたからかは分からないけど、ともかくつかんでいた腕を取り落として硬直する院長の懐に俺は飛び込んだ。

 

 

「────ひっ」

 

 

 悲鳴を上げようとした院長の顎に頭突きをかまし、ひっくり返って無防備に晒された足に、俺は躊躇なく齧り付いた。

 

 

「あびゃ……~~~~~~~~~!!?!!!↑↓↑↑↑☠☠☠☠☠☠」

 

 

 悲鳴を上げようとした院長の口に咄嗟にこいつが食っていた子供の腕をねじ込んで黙らせた。

 

 

「おい、食べ残しはするなよ」

 

 

 自分でも驚くほど無機質で冷たい声で、目の前で虫みたいに痙攣する(クズ)に吐き捨てる。

 

 

「そうだよ、それでいいんだ」

 

 

 目を見開いて助けを懇願するように口元をもごもご動かす院長の腹を蹴飛ばすと、俺は全く自然な動作で院長の右腕を()()()

 

 

「☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠!」

「そうだよ、それでいいんだ」

 

 

 目を見開いて助けを懇願するように口元をもごもご動かす院長の腹を蹴飛ばすと、俺は全く自然な動作で院長の左腕を()()()

 

 

「☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠!!」

「そうだよ、それでいいんだ」

 

 

 目を見開いて助けを懇願するように口元をもごもご動かす院長の腹を蹴飛ばすと、俺は全く自然な動作で院長の右足を()()()

 

 

「☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠!!!」

「そうだよ、それでいいんだ」

 

 

 目を見開いて助けを懇願するように口元をもごもご動かす院長の腹を蹴飛ばすと、俺は全く自然な動作で院長の左足を()()()

 

 

「(◉Θ◉)」

「……」

 

 

 気が付けば、俺の目の前に解体された院長がかすれた呻き声を上げながら死に体でころがっていた。ただでさえ血生臭かった院長室は更に真っ赤に染め上げられ、まるで出来の悪いスプラッタ映画のセットみたくなっていた。

 

 

「────??????????」

 

 

 俺は目をしばたいて四肢を失った院長を凝視した。

 

 

 え? なにこれ? 本当にこれを俺がやったの? 

 

 

 理解が追いつかなかった俺は、とりあえずぞうきんを用意し、飛び散った血液のふき取りを始めた。そして何とかふき終えると室内に備え付けられた電話に手を伸ばし、グルグルと覚束ない思考のまま110通報した。

 

 

「あ、もしもし警察の方ですか?」

 

 

 そして俺は到着した警察と鳩の皆さんに赫眼を見咎められ、あえなく逃亡する羽目になりましたとさ。ちゃんちゃん。

 

 

「なんてことがあったんだな~……」

「突然どした?」

 

 

 過去を思い返し、しみじみ呟いていたら一緒に下校していた高校の友達が訝し気な目を向けた。

 

 

「いやあ色々あったなって」

「あぁ……そういやお前孤児院住だっけ? そりゃ色々あっただろーよ」

「おいおいそう言うデリケートな事はだな」

 

 

 別の友達が横から口を出し、それに不快感を覚えた友達は顔を顰めた。

 

 

「あ、わ、ワリィ……」

「ううん、気にしないで。僕自身あまり気にしていない事だからさ。逆に君たちの方に悩みは無いかい? 聞いてあげてもいいぜ?」

 

 

 あの後俺は命かながら逃げ惑い、別の孤児院に親を喰種に殺されたと嘘をつき転がり込むことに成功したのだ。で、月日は流れ、今の俺はカウンセラー志望の高校生として青春をエンジョイしておりマッスル。

 

 

「お、もうカウンセラー気取り?」

「でも、何でカウンセラー? 鳩じゃないの?」

 

 

 友達がにやにやと笑いながらこちらに顔を向けた。もう一人の友達は俺の(脚色した)過去をある程度知っているからこその疑問を口にした。

 

 

 俺は彼らの好奇の視線を一身に浴びながら、気恥ずかしそうな顔を意識した表情を作り、それらしい言葉を吐いた。

 

 

「う~ん。過去に色々あったからこそ」

 

 

 東京喰種の登場人物に思いを馳せる。心に傷を負った結果歪んでしまった人たちを。

 

 

「色々あった人のことを理解できるからこそ、少しでもマシな精神状態になって(少しでもこちらに被害が少なくなって)欲しい。ただそれだけさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
V機関

*2
無関係

*3
逆恨み

*4
お前らの事だよ糞ピエロ! 




続くかどうかは知らない
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