運使い対無貌の仮面……VSメシア教会   作:十八

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派出所のある漫画喫茶のチェーン名がとうとう決まりませんでしたorz
チェーン純正の漫画喫茶ではなく、ガイア企業連合による肝いり上位店舗だから、いっそガイアーズにしちゃうか?
ガストやパーミヤンみたいな、別名店舗にして


第3話-1 故郷と学校と

 

 国道四号――新四号バイパス開通後も、何故か国道指定が解かれていない長く細い旧街道を、体格のいい少年が駆る一台の自転車が走っていた。

 少し煙った青鈍色の、見慣れぬY型の車体(フレーム)

 全体に空力を意識した翼状のそれは、良く見る二つの三角形(ダイヤモンドフレーム)から、シート下の柱(シートチューブ)そこから後輪(シート)に繋がる柱(ステー)を外した形で、前延ばしする金具(ハンドルステム)の先に、両端が曲がり前斜め上に延びる牛の角に似た(ブルホーン)ハンドルが取り付けられている。

 そしてハンドル下フレーム(ヘッドステム)に、黒馬とアルファベットが浮き彫られた盾形のバッチが見えた。

 そんな見慣れぬ形(ざんしんなスタイル)が、制服の裾を派手にはためかせながら、原付(バイク)並みの速度で走っていくのだから、人目を引かない筈もない。

 なんだアレ?、え? 自転車?

 道々耳を掠めるそんな言葉に、自然、足に力がこもりそうになり、殊更に強く意識してペダルを軽く廻しながら、少年ははぁと息を吐きだした。

 

 ――自分が姿を隠す(リベラマ使う)よ。もっと気持ち良く走ろう?

 

 気遣わしげな震えを寄越すフレームに、ハンドルから片手を離しポンポンと。

 

 ――ありがとう、でもいいよ

 

 自分も自転車に、そう身振りで返した。

 そしてフッと、息を細く鋭く吸い込み、彼、中村翔意はその道の先へ視線を向ける。

 人の枠を半歩踏み出た彼が本気で力を込めてしまえば、この自転車(シキガミ)の速さは生半なオートバイ等より早く鋭い加速を見せる。

 そんなものを公道で披露するわけにも、身を隠して変な都市伝説を残すわけにもいかず、少年は羞恥に蓋を、流れに少し遅れる程度の速度、広くはない道の端を走り抜けた。

 そうして走る事暫し、姿を現した大型店舗(めざすばしょ)にほっとして大きな息を吐きだす。

 

 ――もう終わり?

 

 そう尋ねる自転車に、また今度なと小さく呟いた。

 速度を落として目の前の建物、全国チェーンの漫画(ネット)喫茶の駐車場へと。

 そのまま建物の裏に廻って自転車を降りる。

 そうして引いて歩いた先、従業員通用口脇の小さな物置の扉を開いた。

 相棒を眠らせ、固定具に乗せ鎖で固定。扉を閉じると鍵を取り出し掛ける。

 そうして、ぽんと扉を叩くと、その傍らの通用口の脇、取り付けられたリーダーに取り出したカードを通した。

 Pi!と、小さな電子音、開いた鍵に扉を開いて、無人の廊下(バックヤード)にその歩を進める。

 翔意が足を踏み入れたこの店は、ゲームセンターやレンタルスペース等を併設する全国チェーンの大型漫画(ネット)喫茶?だ。

 “掲示板”で繋がるガイア連合だが、ネットが前世ほど発達していない今、特に若年層には、それを発見できない、出来たとしても頻繁には利用出来ない層が存在する。

 そう言った者達へのフォローと、連合に属する様々な層の人間が自然に足を踏み入れられる場所として、会社を経営する転生者、所謂社長ニキの一人が、自分が展開する漫画喫茶チェーンの利用を持ちかけ、新しく整備された店舗の一つがここだった。

 今後、開設する可能性がある支部施設の機能テストに、終末案件に関わる地域の基地を兼ねたこの大型派出所は、正式支部開設後も、支部を作る程ではないがフォローが必要とされた地域などに出店の予定があるらしい。

 

『なぜ栃木の片田舎にこんな施設がとは思いましたが』

 

 連合関連各社との提携により、ネットショップやリモート会議可能なレンタルオフィス、音楽/映像配信サービス等、各社連携による新機軸のテストベットとしても使われるこの上位店舗が、多少交通の便が良い程度しか利点の無い宇都宮郊外に創られるとなった時は、結構な耳目を集めた。

 確か対外的には、郊外型商業集積のテストの一つと説明されていた筈だ。

 地価の高い都市部ではなく、土地のある郊外に大規模な商業施設群を構築し、そこに集客や住民誘致を行う商業モデル。それが……。

 

『まさか、ガイアの派出所の言い訳だったとは』

 

 そう考えながら扉の一つに歩み寄り、ノックを一つ、そのリーダーにカードを通す。

 

「おはようございます、鳴無(おとなし)さん」

 

「お帰りなさい、翔意くん」

 

 そう返すカチューシャの童顔(じむのことりさん)に軽く手を上げて、ベルトを通して背にした学生鞄を、自分の席に降ろした。

 

「何か報告事項はありますか?」

 

「いつものチェック以外は、今のところこっちにはなにもきてません」

 

「じゃあ、そっちが終わってなにもなかったら、いつも通り依頼に廻ります」

 

「はい、こちらも店の事務を続けるので、バックアップが必要なら連絡をください」

 

 即応部隊の彼らは、各種シキガミや自動装置類と、人の手を介した情報との乖離のチェック、それから定期的に行われているリモート会議以外は日常業務を持っていない。

 その為、通常時は店や派出所の事務管理の手伝い、退魔依頼の消化等を行っていた。

 手早く日常業務を済ませ、傍らのロッカー室に入る。

 学生服と革靴から、動きやすい仕事着に着替えると、翔意は事務所奥の扉から、派出所のラウンジへと足を踏み入れた。

 連合外への依頼外注等を考慮に入れ設計されたこの部屋は、情報表示用ディスプレイ等の充実や、有事に備え比較的楽に構成を組み替えられるよう創られている事等を除き、設備も今はごく普通の休憩室と言った形をしている。

 いや、普通と言うには些か以上に広いし、仕事が過酷で高給取りな分、従業員休憩室と言うには大分豪華な設えだが、絶対ないかと言えばそうでもない、そんな塩梅だ。

 

「おはようございます、冨和さん」

 

 だが使う者にとって設備が良いのは悪い事ではなく、寧ろそんなことより問題なのは、この広い部屋を主に利用するのが、主に一人と一匹に限定されているこの現状だろう。

 今このラウンジにいるのはただの一人。

 柔和な顔立ちの青年が、タヌキの様な生物(なまもの)と戯れているのみだ。

 

「おう、翔意くんも学校ご苦労さん」

 

 そう片手を上げた青年は、冨和頼三。栃木派出所で活動を行っているただ一人の武闘派覚醒者。

 彼はそう答えると、遊んでいた狸――山海経に記された凶を避ける霊獣“讙”(カン)を模したシキガミだ――を抱えあげ、少年を向いて立ち上がる。

 

「冨和さんは、今日も講義なかったんですか?」

 

「大学は平常営業だけどな、今はこっちが忙しいんで後期の受講は最低限にしてる。

 単位の貯金切崩してんのが不安だが、まぁそこら辺は友達付き合い含め何とかするよ」

 

 そんな彼の問いかけに、青年は抱えた讙をあやしつつ、そう苦笑する。

 学業優先で、死者や破壊の予兆に反応できなかったなんて言うのは、正直御免こうむりたい――そんな小心者の言葉に、翔意はその口元を苦笑に歪めた。

 

「応援でも外注でも、早く人が来てくれるとと助かるんですけどね」

 

「……全くだ。

 地元組織が真っ新な上、人員も俺らだけだってのに、依頼は他県の三倍増しの東京並みとか、早く何とかしてほしいぜ」

 

 勿論、栃木県の悪魔発生率がこんな極端に大きくなっている事には理由がある。

 ……と言うか、その理由が明白で、且つ目の前の男一人で、なんとか廻せてしまえていることが、こんな大仰な施設を整えながらも、人員補充が遅々としている理由なのだが。

 

「今日は何か緊急のはありますか」

 

「いや、大体いつものだな。

 比較的急ぎの案件だと、例の中学に、また(・・)トイレの花子さんが出た」

 

 これほどまでに発生する怪異の数が多いのは、主に東京結界の飽和によるものだ。

 そもそも結界と言うものは、中外を峻別し、不都合なモノの出入りを防いだり、中を特定属性に染めたりといった細工だが、その性質上、中に溜まるものも外に出し辛くなる。

 そして東京は、世界有数の人口密集地。欲望に絶望、怒り、憎しみ、本来留めたくない種類の情動を帯びたエネルギーが、結界内に日々せっせと排出され続けていた。

 そして勿論、それは設計者の想定の内で、東京結界にはそう言ったモノを浄化排出する機構が当然備わっている。

 その一つが日光霊山であり、人を乗せ東京と日光を往復する、JR/東武の日光線だ。

 下り往路で霊山に東京の気を、上り復路で霊山から浄化された気をそれぞれ運び、そのサイクルで負の気の濃縮を避け、霊的環境悪化を防ぐ仕組みとなっている。

 本来であれば、だが……。

 

「流石にあそこは、夜になる(せいとがかえる)まで手は出せないですよね。

 ……他の残りも、同じか遠いんですか?」

 

「県南の左右に振れてるし、陽が高い内にはやり辛い場所も結構ある感じだな。

 この分だと、今日は花子さんと後一件できるかどうかって感じになると思う」

 

 近年の霊的変動が、その流れを覆した。

 想定を超えた力に霊山の浄化機能は飽和し、根願寺は霊山が汚染され、最悪反転してしまうよりはと、流入させる気の量を絞る方針を取ったのだ。

 結果、今の栃木では、路線脆弱部から淀みが漏出する事態が断続的に発生している。

 そして、対策されてない路線外でのそれは、しばしば破壊的な結果を齎した。

 

「あー、じゃあどっちか僕が処理しますね。どっちが良いですか?」

 

「なら中学を頼む。市内のそっちのが場所が近いし、俺がやるにはトイレは狭い。

 幾ら覚醒者ったって、自転車で県南横断させんのはちょっと、な。

 それにあそこの花子さん、妙に可愛らしいせいで罪悪感がな……」

 

 勿論、高度経済成長期の東京結界拡張計画では、そういった可能性も論議され、結果問題ないとされれていたのだが、原状がそうなっていない背景に二つの計算違いがあった。

 戦後メシアンの暴虐が想定以上で、県内霊能家系の大半が、ひっそり廃業していたのが一つ。

 霊的基盤が荒れて脆弱性が増し、想定以上に悪いものが産まれ易い環境になっていた。

 そしてそれに拍車をかけたのが、

 

「アニメの花子さんが流行りましたしね。アレもガイア系列でしたっけ?」

 

「らしいな。おかげで俺達ゃ大迷惑だが」

 

 マスメディアの発展だ。

 テレビと言う強大な発信力が、映像と言う形で、存在しない者達の印象を集束させた結果、僅かにだが以前より、妖怪や都市伝説の類が顕現し易くなっているらしい。

 しかも、ゲゲゲな偉大な漫画家の作品やら地獄先生やらが好評を博した事で、普通ならマイナーだったモノまで映像化、その存在の周知が進んでいると言うオマケ付きだ。

 そして、その僅かが環境閾値の変動となり、今の巨大な結果を表している。

 

「もしCOMPか管が出回ってれば、JC萌え花子さんが勧誘できるって、いやでも人が来たんでしょうけど」

 

「別の意味で忙しくなりそうだな、それは。

 それに、ただでさえ大変な校長先生の胃に穴が空きそうだ。

 ……結局隠して、身内で廻す事になりそうな気がするよ」

 

 なお、花子さんの死因には諸説あるが、その中には変質者にトイレに連れ込まれ……なんてのもある。もし、JC美少女目当てにガイアの転生者が大挙して訪れたりしたら、あの中学の生真面目な校長先生の胃に、穴が空くのは想像に難くなかった。

 

「下手したら、怪異“変質者のおぢさん”とか爆誕しそうですよね、あそこの環境だと」

 

 オマケに、まかり間違ってJC美少女風味花子さん相手に血迷うアレがでたら、噂悪魔として追加で変なのが湧いて出てきそうな気配もある。

 

「社作って、花子さんを埴山比売命(トイレのかみさま)として祀るのが一番丸いと思うんだが、肝心の悪魔使いがいないし、世話は校長がしてくれるとしても、公立中学で勝手やるのも流石にな。

 どっかに、野生のクシロカヘシ使いとか転がってないかね?」

 

「なんですか?それ……」

 

「ああ、伝奇小説に出てきた術なんだが、『荒ぶる破壊の神も驚きの白さに!』みたいな、神を習合したり、一側面を拡大強調したりして祀る技だよ」

 

「あったらガチで便利ですね、それ。縛って祠建てるだけで地域も安泰じゃないですか。

 ……もっとも僕らには、その前提となる悪魔使いすらいないんですが」

 

 そして、男二人顔を突き合わせ、はぁとため息。

 連合の目的に関わる為、この派出所はバックアップ面で優遇され、金払いだって悪くは無い。連合の霊的治療に、スポンサー企業関連施設の利用割などもあって、福利厚生だって見た目よりはずっと良かった。だが……。

 

「せめて、未覚醒でいいから事務の増援がくれば、小鳥ちゃんをこっちに巻きこめるんだがな」

 

「……それは無理でしょうね。

 あっちの方も、組織の急激な拡張に忙しくしてますよ。

 それこそ、俺みたいな高校生でも方々手伝いに駆り出されたくらいで」

 

「だよなぁ。

 となると、外注ガイドラインが纏まるのを待つしかないのか」

 

 ……圧倒的に時間が足りない。

 類が友を呼んだのか? 根が真面目なのか小心なのか、こう言った事に手を抜けない二人が集まってしまった事が、結果的に事態を悪化させていた。

 なんとか仕事を廻せいたところに翔意が参入し、処理能力は確実に向上している。

 それで一息吐けてしまった事が、対応の優先順位を下げていた。

 

「纏まった所で今度は、東京結界に関わる仕事を振れるような、“信用できる野良覚醒者”を、探し集めて教育する仕事が入りますよ」

 

 問題は、それが他の支局では考えられない強行軍に支えられていると言うだけで。

 尤もガイアは、そもそもが超越した一人の奮闘により屋台骨が支えられている組織だから、それぞれの場所で、同じようにする事を求められているのかもしれない。

 再び顔を見合わせ、溜息を一つ。

 

「いっそ、校長センセをウチに勧誘できねーかな。

 レベリングすれば、今からでも行けるだろ」

 

「いやぁ、流石にそれは。

 けどあの人なら事務もできるでしょうし、来てくれたら万々歳ですよね。

 ……今は兎も角、定年後の第二の人生として勧誘するのはアリなんじゃ?」

 

 不穏な話に、槍玉に上がった彼が悪寒に身を震わせたかは定かではない。

 

「一応、勧誘を考えているとだけ報告上げておこう。テストケースとして。

 受理されてレベリング出来れば、最悪でも花子さんを緊急案件から外せる」

 

「でしたら、僕の方から鳴無さんに報告と申請を頼んでおきますよ」

 

 冗句かと思えば、具体的な内容を帯び始めたその会話に、ふと男の腕の中の、讙がむずがる様に身をくねらせた。

 

「カンっ!」

 

 そう一声吠えた愛犬?を飼い主が見下ろすと、彼はついと時計を鼻で指す。

 釣られ視線を延ばした先に、二人あっと、声を漏らした。

 翔意が着た事で判る通りに、すでに時間は放課後だ。

 まだ日は高いが、県南を回るならそろそろ出ないと遅くなる。

 

「……じゃあ、俺はそろそろ出るから、先生には翔意くんからよろしくな。

 今日は多分戻らないから、連絡があったら携帯かメールで頼む」

 

「了解しました。勧誘の件があるので、僕もそろそろ出る事にしますよ。

 終わったら、一旦ここに戻るので、連絡があったらお願いします」

 

「ああ、後は頼んだ」

 

 そうして青年は、口ぶりだけは凛々しく大股で部屋を出ていった。

 ――その手では、良い子良い子と腕の中の相棒を撫で繰り回しながら。

 

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★【我ら】ガイア連合自転車部【その3】

 

 

0 名前:名無しの自転車部員

 このスレは、主に、覚醒者、終末後の自転車運用について考えるスレです。

 公道では、ルールとマナーを守って走行しましょう。

 

 ○雑談は基本的にOKですが、異界探索のパーティ募集などは専用スレでお願いします。

 ○覚醒者の体力も、自転車も凶器になり得ます。

  馬も自転車も、軽車両である事を念頭に走行しましょう

 ○交通ルールで不明瞭な点は、原付に順ずるものと考えると判り易いと思います。

 ○逆走、横列走行は駄目、絶対!

 

 

0379 名前:名無しの自転車部員

 そういや、テンプレの馬と自転車って、なんで馬なんだ?

 

0380 名前:名無しの自転車部員

 異界探索してる覚醒者なら、その位の力は普通に出せるから、らしい。

 二足歩行で馬並みかそれ以上の力を発揮できる覚醒者が、その物理力を走行に最適化する自転車を駆ったらどうなるか?判るな?

 

 

0381 名前:名無しの自転車部員

 ミンチよりヒデェ(自転車が……)

 これは冗談だけど、自転車が覚醒者の力に負ける事案も多いんだろうね。

 

 

0393 名前:名無しの自転車部員

 そこで、自転車部部長ニキの出番よ!

 世界に打って出て、大舞台で記録を残した後、戻ってきた日本でもフレームビルダーとしても名を上げたレジェンドが、受注生産で専用自転車を組んでくれます。

 シキガミパワーアシスト自転車もアリ……。

 

 

0385 名前:部長

 ……よせやい。

 選手成績は兎も角、ビルダーとしての俺は、ただのカンニングのイカサマ野郎だぜ。

 まぁ、選手の方も、三十年後のトレンドを元に、餓鬼の頃から練習続けた結果だから、カンニングって言われりゃあ否定はできんしな。

 

 

0386 名前:名無しの自転車部員

 部長チーッス!

 ショタおじから直々に自転車の注文入ったって聞きましたけど、どうなりました?

 

 

0383 名前:名無しの自転車部員

 ……ガタっ

 ついにショタおじも自転車部員に!?

 

 

0387 名前:部長

 いや、今度立ち上がる即応部隊の隊長さん(予定)がレア特技持ちの高校生らしくてな。

 その子の自転車の制作依頼だよ。

 

 

0389 名前:名無しの転生者

 ああ、学生さんだと足に困るよなぁ……。

 まぁ結局下道だから、県を跨ぐとあんまり変わらないと言うか、長距離なら電車で輪行した方がマシだけど。

 

 

0391 名前:部長

 ふっふっふ、そう思うだろ?思うよなぁ?

 

 

0392 名前:名無しの転生者

 部長ニキが!部長ニキがまた、自転車業界に新風を巻き起こしてるでござるぞ!

 

0394 名前:部長

 ……そう言うのはやめーや。

 実はな、リフトマと飛行型シキガミの応用で、飛行型自転車の実用に成功した。

 リベラマで姿を消し、空路を突っ走れるぜ!

 

 

0395 名前:名無しの転生者

 まさかのE…T…、だ…と……。

 ワイも牢名主になる時が来たのか!?

 

 

0396 名前:名無しの転生者

 え?マジ?自転車で空飛ぶの?え?

 ゲームのリフトマって月齢一周だっけ?持続時間どうなの

 

 

0397 名前:名無しの転生者

 マジか……。

 人にもよるが、シキガミサポート付きリカンベントなら、新幹線より早いぞ、それ。

 

 

0399 名前:部長

 当然、ゴリッゴリのエアロフレームを奢ったぜ!

 リカンベントは、コアの悪魔の形状との親和性が今一つなんで不採用だが。

 隊長さんの特技で、ジャンプに加・減速、衝撃吸収と色々できるから、想像以上に早いし、アクロバットな動きを普通にするよ。割とあの異能はマジで羨ましい。

 後、これを元にウルトラライトプレーンや重飛行船作れないかって話になってるんで、正式部員各位にはそのうち応援を頼む事もあるかもしれん。覚えておいてくれ。

 >>0396

  能力にもよるが一時間くらいは普通に持つよ。

 

 

0401 名前:名無しの転生者

 ガイア連合自転車部がついに空に羽搏く日が……来るなんて思った事もなかったよ!

 まぁ、連絡事項はわかったっす。家北海道やけど。

 

 

0402 名前:名無しの転生者

 連絡了解。家沖縄だけど。

 

 

0403 名前:名無しの転生者

 連絡了解。家名古屋だけど

 ……ところで、重飛行船って何?

 

 

0405 名前:名無しの転生者

 連絡了解。ウチ支部済みだけど。

 >>0403

  飛行船と飛行機のアイノコ。

  浮力と揚力を併用し、VTOL性能を持つ低燃費な大型貨物機を作るプランよ。

  ……素直に考えると、空飛ぶ貨物自転車を作るのか。胸熱にならないな、ちっとも

 

 

 

 

0572 名前:名無しの転生者

 はじめまして、先日自転車部の車両を支給されたものです。

 できればこちらに感想をとのお話でしたので、書きこませていただきます。

 

○車体名:WILDHUNT

 車両としての性能面は大変素晴らしく、言う事はありません。

 市内での移動には十分以上の走行性能で、むしろペダルが軽すぎるため、必要以上の速度を出し新しい都市伝説を作ってしまう心配が勝ります。

 また、山岳地帯や異界内等、通常移動が困難な地形でも、エストマやリフトマの応用で簡単に進んでいける為、異界踏破中の足としては満点に近いのではないでしょうか?

 主に長距離移動で用いられる飛行については、主体?がシキガミに移るのか、自分がパワーアシストに廻るような感触で、多少走行性能は落ちるようですが、地形や道を無視して直進できる利便性は、それを補ってあまりあるものがあります。

 一般的な車両を超え、ヘリと比較すべきその移動能力は、既に述べた移動困難地形の踏破能力と併せ、様々な状況に貢献するだろう事、疑いようもありません。

 運搬能力については、まぁ自転車ですから仕方ないとしまして、この車両に大きな問題があるとするなら、それは車体が余りにも独特で、その高すぎる走行性能も含めて大きく耳目を集めてしまうと言う事だと思われます。

 こう言ってはなんですが、今現在のガイア連合は、怪しい仕事を人目を忍んで遂行する言わば影の組織(書いていて赤面ものですが)です。

 その仕事中の移動に利用する社用車が、疑われでもしたら瞬く間に特定されてしまうようなデザインでは差し障りがあるのではと愚考します。

 一応、術で身を隠す事も可能ではありますが、地上で身を隠すことを考えると、周囲に認識され辛くなるリベラマは、私のように周囲を把握できる能力がなければ走行中の運用が難しく、一般の覚醒者では飛行移動時以外には使えないのではないでしょうか?

 重ねて言いますが、走行性能は十分以上だと感じています。

 後は、実際に運用する現場や環境などを留意していただければ、覚醒者用自転車をより広く普及できるのではないかと思います。

 

 

 

0581 名前:部長

>>0572

 丁寧な感想ありがとうございます。

 こちらから提供させていただいた車体に“仕事用自転車”と言う観点が抜けていた点については、汗顔の至り、謹んでお詫びさせていただきます。

 特にこの、“新たな都市伝説を創る心配”と言うのは、実地に外で怪異と相対されている覚醒者ならではの考え方ではないでしょうか?

 終末後への対応策を標榜し、無動力且つ低テクノロジーで維持可能な自転車を推していた我々が、如何に現場の肌感覚を知らず机上の空論を弄んでいたのか?

 作り手が競技者主体と言う関係もあり、なるほど今迄の覚醒者用自転車に足りなかったのはこの視点かと、一同目が覚める思いです。

 つきましては、今後も現場での問題点や改良点等、思い付く点がありましたらどんな小さい事でもこちらに書き込んでいただければ幸いに存じます。

 

 

 

 





志村~後ろ後ろ!(古)


・作中栃木県の現状
 大きな異界はそれほどだけど、県内に終点がある鉄道沿線の曰く付きの場所に、毎日毎日悪魔が複数ポップするよ! 皆スライムよりレベルが高く、怪異や怨霊系が多いよ!
 放置すると異界化する可能性あるから、初期対応が必要とされるよ!
 結界関連の仕掛けがあるので、概ね探知できるけど、対応できるのはガイアから派遣された自分達だけだよ!
 なお、冨和が派出所で讙とじゃれてたのは、最優先処理対象が県央の夜間しか作業できない場所で、他のが皆県南に固まってたから。
 下校時刻になったらまず中学の花子さんを処理し、急いで県南に向かい1~2件処理して早めに就寝、後は早朝処理して次の日は学校に顔を出す予定だった。
 翔意が処理に参加できる状態だったので、今日中に県南を処理して、朝は早起きしてそのまま学校に行ける算段が付きました(尚、どちらも車中泊)。



・WILDHUNT
 翔意に提供された自転車。宇宙兄弟で、ヒビトがアメリカで使ってた自転車を、全金属のオフロードよりにしたのを想像すると大体合ってる。
 車体は、業界の生きた伝説になっているガイア自転車部部長の手によるフルオーダー。
 名前通り、ワイルドハントのコアを使ったワイルドハントホース仕様で、リベラマで身を隠し、リフトマで空を駆ける移動特化型。
 エストマも使えるが、主に山野を移動する際、枝草を押し退けるのに使う。
 また、自転車単体で自立、走行が可能なので、馬のような騎馬戦闘も可能。
 レースに出ないからUCIの軛は関係ない。シキガミや乗り手の能力で、強度や重量、サスにグリップはなんとでもなるとなれば、そりゃあ誰だってエアロ作るよね?……と言う常識的な判断で創られた、悪魔素材のY型エアロシクロと言う訳のわからん仕様。
 靴の金具が邪魔なので、ペダルはビンディングではなく、普通の型にフック付けたもの、非チャリオタ転生者が下ハン積極的に使う?との判断で、ハンドルもブルホーン。
 Y型フレームは、ロードレースの大会運営委員会に禁じ手とされた空力フレームの一種で、近年、規格に縛られないトライアスロン方面で専用車として使われているもの。
 シクロは、ドロップハンドルのロードで太めのタイヤ履いて荒野を走る系フレーム、ブルホーンは、下側部分(ハン)が無いドロップハンドルと考えれば大体あってる。
 なお、覚醒者の蛮用を想定し、強度に余裕を持たせたので、シキガミの耐久を加味して尚、競技用としては重いフレームになっている。



・鳴無さんと翔意くん
 特に他意がある訳ではなく、通常の店舗スタッフに中村氏がいたので翔意くんと呼ばれている。
 鳴無さんはめずらしい名字なのでそのまま。対外的には、鳴無さんが上役で翔意くんはバイトなので、継承や役職を付けて呼ぶわけにもいかない為の処置である。
 なお、一般店舗スタッフ的には、ガイア関係者は店舗を経営する会社ではなく、提携の為に作られた別会社的サムシングからの出向扱いになっている。



・ネット喫茶な派出所
 前世ほどネットインフラが普及してない時代で、掲示板が交流主体となるとこーいうの必要だよなーと言う事で、支部以前の大規模派出所の幾つかはネット喫茶と言う俺設定。
 支部設立の可能性に備えたテストケース兼対終末案件の橋頭保になる可能性がある地域への梃入れサムシングで、想像以上に不味い事態になってた栃木にも導入された。
 個室型なのと、端末と連合IDで情報管理できるので、野良覚醒者への仕事斡旋や情報提供・販売なんかにも結構便利な業態だと思う。
 大型派出所に、ガイア系企業の連携と、将来普及する先取り系施設のテストベッドも兼ねた、漫…画、喫…茶…?的施設で、レンタルオフィスで遠隔地とのネット会議や、電子書籍やガイア系映像コンテンツの定額視聴、店舗型ネットショップ等色々な機能がある。
 多分、正式支部発足後は、支部を設置する程ではないが、もうちょっと欲しい的な場所の派出所がこれに代わるとかなるのでは?
 なお、これが存在してしまった事で、支部発足時の施設設備建築が後回しにされてしまう負の連鎖が発生する予定(をい)。



・冨和頼三
 幼児期から記憶が戻っていた転生者。類が友に呼ばれたオカルトマニア。
 早い時期にここがメガテン世界だと気付き、縄跳び、石投げ、ヨーヨー、けん玉、ベーゴマ、幼稚園の体操クラブと、護身に応用できるものに縋って危険技術を磨いていた。
 前世で好きだった小説に登場する幻獣、(カン)に擬えた後衛シキガミを連れている。
 翔意らが赴任するまでは、激務に死んだ目をし乍ら大学にも律儀に通っていたが、後期になった途端楽になってにっこり。ただし、他県基準だと充分激務のままである。
 なお、同じ趣味の誼で翔意とは話が合うのだが、オカルト関係の仕事が激務なので、愚痴を言い合う時くらいしかそっちに触れる事はない。
 戦力としては、Lv20代(激務により、現在もじりじり上昇中)の投擲使い回避前衛射手と言うイロモノで、その特性上、狭い所は得意ではないらしい。
 なお、見た人間に特定キャラの印象を与える事はないが、詳しく検査されていない為、それが目に見える仮面を持たないからか、強い個性に抑えられているのかは不明。
 情報を炙り出す為もあって、例の仮面の一件は知る者が限られているので。



(カン)
 山海経に記述が残る同名の獣をモデルにしたシキガミ。
 本来は山猫っぽい姿だが、この獣はみるからにタヌキで、カンカンと吠える。
 西山経によれば、凶を避けるのに良く、黄疸の薬となる声真似の獣だとかで、この個体も、破魔にデ・クンダ、テトラジャなど、防御より補助系のカスタマイズ。
 地味に有能なシキガミだが、霊能よりむしろ、激務に死んだ目をしていた冨和さんの精神安定剤としての働きが大きく、栃木支局の隠れた屋台骨だったりする。
 因みにオスで、主人曰く、狸(違う)ったら雄だろ、とのこと。



・例の中学
 実在中学校がモデル。学校の敷地がかつて墓地だったなどと言う噂話はよくあるようだが、ここのモデルはガチで宇都宮城の刑場跡、或は、その至近(をい)――なので、目の前の坂は首切り坂(白目)だし、心霊スポットとして子供の噂にもなっていた。
 しかも、戊辰戦争の宇都宮城の戦いでも激戦地で、みんな大好き土方歳三が、銃撃で負傷後退した場所がこのあたりなのだとか……。
 最初に聞いた時、世の中こんな学校も実在するんだなぁと遠い目になった物である。
 加えて、東武宇都宮線沿線で終点の宇都宮駅からほど近いと言う話の設定的にも神立地……なのだが、数年前に老朽化により移転、今はまだ解体されずに放置状態の筈。
 と言うか、流石に実在中学なので、移転していなければ涙を呑んで出さなかった。



・トイレの花子さん
 超有名都市伝説。
 推定劇中年代に流行っていたのと、ガイアが先乗りでアニメ&萌化しそうだと思ったので、悪魔への認知の影響的なサムシングや転生者の影響で出すのに丁度いいかなと。
 同じくこの頃連載されていたらしい地獄先生ぬーべーに、はたもんばと言う記憶に残る刑場関連妖怪がいたらしく(私は読んだことない)そのモチーフキャラとどっちにしようか割と悩んだが、その場のノリで湧いて出てきた非転生覚醒者校長先生が死にそうな目に合いそうなので、先生が程よく罪悪感を抱きそうなJC風味萌え花子さん登場と相成った。



・戦後高度経済成長期の結界拡張計画と、鉄路取り込み
 塞ぐだけだと内圧高まって中が淀んでくし、江戸、明治、戦前、戦後で人口や社会形態が全然違うんで、その辺りの循環機構や施設の整備・改善は必須よねって話。
 暦法や吉凶、地鎮がお仕事の陰陽寮が、役所だった理由にこれもあるだろうし。
 ※祈祷や妖怪退治は、本来神社やお寺の既得権益デス
 真4系列のアレは、クエストでちょろっと出てきた霊的国防兵器計画進めてた議員が新しく敷き直したもののようなので問題ないが、カオ転の結界は江戸時代から引き継いできたモノっぽいので、戦後オカルト業界の設定と割と衝突してる感じがある。
 きっと、やんごとなきお方の周辺あたりが頑張ったのだろう。



・日光線
 風水的には鉄路は川扱いらしい。
 つまり、日光線は東京と霊地を繋げ循環する川となる。
 加えて日本的には、水に流すと言う言葉もある様に、川は境界であり、属さない場所であり、穢れを海に、他界に流すものなわけで。
 大江戸八百八町は、東洋のベニスと謳われた水の都なわけだが、結界がもし実在したら、縦横無尽に繋がり海に繋がる水路が穢れ排出口だったんかなぁとか妄想してる。
 今は蓋され暗渠化した水路群を母体とした異界、地下東京とか面白そうよね。
 地下に封じられた川が、概念的に黄泉、根之堅洲国に繋がる川となりーとか。
 きっと、怪異ミカドロイドとか這い上がってくる。



・校長
 例の中学校の校長のこと、二人の口ぶりからすると、人格者のようだが……。
 花子さんと対処する転生者を目の当たりにし、一発覚醒したレアもの現地人。



・ガイア連合自転車部
 覚醒者向け自転車と、終末後の交通手段としての自転車の可能性を追求する連合内サークル。
 主に自転車競技者の集まりで、初期は一般目線が足りず高価な玩具を捻り回す趣味集団と言う印象だったが、シキガミコアの原型種族と魔法の噛み合わせによる機能拡張理論を打ち上げて以降は、技術集団として一定の評価を受けるようになる。
 終末後は、比較的低価格、低ハードルで購入可能且つ維持容易な移動手段として、海外の一部に熱烈な愛好者を産むも、覚醒者のレベル問題や根本的な輸送量の低さなどから、主流になることはついになく、整備性を追求した安価な終末対応車両は、むしろ既存の機械と組み合わせ用いる改造キットとして好評を博する事となる。
 既存部品との組み合わせを前提とした共通規格のパーツ群には、終末前機械との高い互換性と微弱な抗終末作用を持ち、限定的ながら停止した機械の再利用が可能だったのだ。



・生松部長
 遅くに自転車と巡り合った男が、転生して自転車選手の道を邁進した結果。
 つるっぱげの小兵のおっさんだが、若くして本場のレースに参戦し選手として名を上げ、日本凱旋後は自転車会社に自分を売り込み、先進的な空力フレームを制作した。
 ただし、ビルダーとしての彼は前世知識によるカンニングが大きく、もてはやされると不機嫌になりがち。商売として笑顔を振りまくくらいはするが。
 前世での制限環境下での自転車進化に不満があり、いち早く空力フレームを開発、協会管轄外のレースに持ち込む事で、規制を緩和させようと言う目論見だった。
 巧くは行かなかったが、おかげでこの世界では、多少は規制が緩くなっている。
 覚醒後は、ドワーフのシキガミを助手に、覚醒者用自転車と、大破壊後の比較的低技術で維持できる車両としての自転車の研究に注力している。
 特に意味はないが、鬼頭莫宏先生の漫画、のりりんの登場人物、老松氏の仮面を宿す人物。主題が主題なので、登場人物は大体仮面が設定されている。


・E.T.
 1982年公開、1988日本語版ビデオ発売、1991年テレビ発放送なので、劇中登場人物視点では、まだ記憶に新しい部類の作品。なお、E.T.をカゴに乗せて空を飛んだ主人公エリオットの自転車(MTB)は、地味に日本製だったりする。
 牢名主は、訳者に知識が無かった為か、D&D(TRPG)ダンジョンマスター(ゲームマスター)が、何故か牢名主と直訳されていたと言うエピソードから。

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