運使い対無貌の仮面……VSメシア教会   作:十八

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徐々に作業が遅延している為、次回は遅れるかもしれません。


第2話-3 尼僧と転生者と

 複写を繋げ(コピペし)た様な代わり映えの無い悪夢を、大柄な二人と四つの紙人形(シキガミ)とが速足で通り抜けて行く。

 薄靄の中、延々連なる似た地形、歪んだ巨樹、ぶら下がる首縄の列。

 心を擦り減らす事に特化した、この小世界はただひたすらに単調で、急ぎ足で行き過ぎる彼らに判る違いと言えば、彼ら自身とその獲物、それがもたらした変化くらいだ。

 そしてそれは、確実に減り続けている。

 

悪魔の気配(エンカウント)も“果実”も、目に見えて減っています」

 

「ああ、向うさんのレベルでも上がったか、それとも、なにかコツでも掴んだか?

 どちらにせよ、近づいているのは確かだろうよ」

 

 彼の背を追う義腕(しょうねん)の言葉に、疵顔(せいねん)は振り向きもせず、しかし眉を顰めてそう返す。

 今迄は、少なからず感じられた悪魔の気配に、時折釣り下がっていた“首縄に掛けられた敗者(きみょうなかじつ)”。

 単調な風景は、進むほどにアクセントを減らし、代わり映えの無いその景色は、二人から前進の実感を奪っていく。

 

「せっかく先輩が同行してくれているのに、また負債(マイナス)が増えそうです」

 

 そして幾ら影響を振り払えると言え、陰鬱な風景の中、干渉で激しく揺れる心を抱えて、周囲の気配を探りながら移動するのは、決して楽な話ではない。

 変化が減る程口数を増す、後輩の自嘲混じりの呟きに、霊視ニキは顔の険を緩めて、その口元を苦笑に歪めた。

 

転生者(おれたち)の元にトラブルが来るのは、もう宿命みたいなもんだからな」

 

 実際、今回の彼の異界行の、収支は赤字に(アカく)なる可能性が高い。

 定期掃除が必要な、実入りの悪い不人気異界だ。

 本来ならポップを独り占めして、ノルマに応じた報酬(こずかい)も出るが、そもそも掃除すべき天使(ゴミ)が殆ど見当らない。

 レンタル代のアシはともかく、ずっとこの調子なら、時間効率はマイナスだろう。

 

「ま、縮込まって生きてりゃ相応に減るらしいが、そうできねぇから、お前さんもここにいるんだろ?」

 

 ならその内、邪悪なメシアンだの、醜悪なメシアンだの、劣悪なメシアンだの、下劣なメシアンだの、卑劣なメシアンだの、愚劣なメシアンだの、痴愚なメシアンだの、、無恥なメシアンだの、既成事実や子種狙いの地方勢力だのが、ダース単位でやってくるだろうさと、霊視は妙に実感のこもった苦い顔、夢の無い現実を告げる。

 

「まぁ、僕の所はエアポケットらしいんで、土着地方勢力はないそうですけどね。

 別に、お互い納得できるなら見合い婚でも構いませんし」

 

「……転生者に言う台詞じゃねぇが、義腕は若いわりに枯れてるよな。

 俺らン中じゃ割と珍しい部類だ」

 

 一度死を経験した為か、転生者の中には、割と精神のタガが外れてる者が多い。

 いや、翔意のそれが外れていないと言う訳ではないが、そう言った欲求を表に出さないタイプの外れ方は、比較的少ないタイプだ。

 

「や、僕にも人並みの物欲や性欲はありますよ。

 因みに、今一番欲しいのは自転車ですね。覚醒者でもブン廻せる頑丈なロード」

 

「ああ、高校生だものな。外の目や維持費を考えると、スポーツサイクルが無難か。

 そういや昔の同級生にも、お高い自転車が欲しいってバイトしてたのがいたよ。

 ……案外探せば、ウチにもいるかもしれんな、シキガミ自転車部とか」

 

 今世の今は、サイクリングブームが終わって十年もたっていない時期。

 自然災害による帰宅難民、アニメのヒットの影響等から、スポーツサイクルを日常使いする者が増えた前世の令和程ではないにせよ、旅行用自転車(ランドナー)や、BMXなどに憧れる者達は珍しくはない。

 そして彼らが所属するのは、タガが外れた転生者が、ちょっとした学校の生徒程もいるこのガイア連合だ。

 魔法自転車部だの、シキガミ自転車同好会だのが存在しても、なにも不思議はなかった。

 

「確かに、案外受付のチラシに、自転車部の部員募集なんかが混じってるかもしれませんね」

 

 そう言えば、予定が立て込んだせいで持ち帰ったチラシにもまだ目を通していない。

 苦笑、少年は腕を組んで天を仰いだ。

 そうして、軽口を叩きながら歩く事、十数分……。

 

「ホントは掲示板が早いんでしょうが、実家には自由に仕えるネット端末が無くて。

 地元の派出所で……」

 

 ……端末を借りられたらいいのだが、そう言いかけた少年が、ふと言葉を切った。

 歩を緩める義腕の眉根が、怪訝に歪む。

 

「見つけたか?」

 

「はい、多分。ですが……」

 

 二人が歩む先、巨大な力があった。

 翔意が初めて感じるソレは、個ではなく同じ方を向き縒り合された衆の力。それが、別の大きな“個”と向き合っていた。それだけなら想定に近い状況、だが問題は……

 

「……天使以外が率いた天使の群れが、上位の天使と相対している、感じで」

 

 感じ取れた大きな一個は明らかに天使(・・)で、正対する衆もまた、天使の群れと感じられた事だ。

 衆を統括する、何らかの存在を除けば。

 

「はぁ?」

 

 そしてそんな彼の言葉に、霊視は思わずその足を止めた。当惑の面持で振り返る。

 それ自体は、別におかしな話でもなかった。

 洗脳、魅了…、狂わせ従わせる類の力は、女神転生シリーズでは珍しいものではなく、ルールに落し込む過程で切り落とされた要素(フレーバー)、技術体系である魔術の持つ拡張性等、現実のそれらは、ゲームのそれを超える可能性の幅を持っている。

 加えて、この異界の特殊な環境だ。

 操られた天使の群れが、上位の天使と対立する、それ自体はおかしな話ではない。

 

「操ってる奴は、堕天使か?」

 

「いえ、違う…と思います。それから多分、人間でもありません」

 

 それほど多くの悪魔に触れたわけでもない翔意だが、何らかの力の方向性?を持つ彼らと、そう言った型が無いか少ない人間とでは明らかに感触が異なる事には気付いていた。

 

「勿論、暴走した変身能力者に遭った事は無いので、その辺りは判りませんが」

 

 尤も、アバタールチューナーにおける喰人たちの有様を思えば、それが、少年には悪魔と認知された能力者であっても奇妙ではないようにも思えるが。

 

「……妙だな。

 暴走中にしては理性的、天使のあの怯えようとも結びつかん。

 とは言えあのショタおじが、侵入者に気付かんとも思えんが」

 

 そう言って、霊視は綺麗に撫で付けられた頭をガリガリと掻いた。

 

「少し迂回して、森側から、様子がうかがえる場所を探そう。

 ……先導、頼めるか?」

 

 そう言って道の外に目を向けると、口をへの字に厳つい疵顔を更に顰めてみせる。

 立ち込める汚霧と、踏むと汚れを吐きだし不快な声を上げる苔とに覆い尽された森。

 木の根の上は露わだが、そこを辿ると今度は、垂れ下がる首縄が絞め殺そうと絡みつく。

 

『まったく、厄介な異界(ばしょ)だぜ』

 

 幸い、苔を踏み拉けばその跡は暫く残るが、場所によってはそれも、高速で再生したり、見ていない内に動いたりする事があるようだ。

 そんな場所で道を外れて進むなら、なんらかの感知能力持ちに頼らざるを得ない。

 

「微力を尽くしますよ」

 

 そう言って頷く後輩に、霊視は頷きを返して先導して歩き出すその背を追った。

 本来、守り導くべき後輩に頼らざるを得ない現状に、重い息を吐きだす。

 所詮自分は見えるだけ、その目にしても、人よりは見えても遮られれば届かない程度の代物でしかない。なにか潰しの利く能力の一つもあれば、違ったのだろうか?

 心の隙に寄り添い、共に鳴る森の闇。その力を、パンと両頬を張って叩きだす。

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、今の内に少し気合いをな」

 

 不快な音、むわり湧き上がる臭気。時折、風もなく揺れ延びる首縄。

 無言、音を立てぬようゆるゆると。巧みな体重移動、苔を傷つけ過ぎぬよう歩き行く義腕の足跡を、足場に踏んで霊視が続いた。

 

『帰ったら、鬼神に体術を入れてくれた先輩に礼を言わないと……』

 

 何もない自分であれば、ダース単位で転んでいたかもしれない滑る苔床を、翔意はあたかもフィクションのNINJYAかのように行き過ぎる。

 何が起きているのか、天使の群れと上位天使は睨みあったまま動かない。

 誘っているのかとも思ったが、そう考えるには、彼らの影響力はこちらを向いていなかった。

 思いながらも無言、少年は森をぐるり廻って、先行者達の側へ。

 立ち込める靄の向う、微かに黒く、天使達の影が見えた。

 トントンと、叩く指に続き、肩にグローブの様な手が掛かって振り向く。

 代われと身振りとアイコンタクト、無言義腕は、先輩と位置を入れ替えた。

 そして霊視は、足場を延びる木の根に移し、首縄を捕え避けながら静かに前へ。

 徐々に開ける視界の向う、対峙する天使と群れの真ん中に立つ女の姿が見える。

 

『……尼僧?』

 

 翔意の口中、そんな言葉にならない呟きが漏れた。

 長く艶やかな黒髪に、白皙の美貌。化粧気のないその顔の、唇だけが滑るように赤い。

 そんな女が、墨染めの僧衣に袈裟を纏って、天使の群れの中、泰然と佇んでいた。

 

『いや、アレは、堕天使……なのか?』

 

 その周囲を固める群れの、力の感触は天使のまま、しかしその個々の外見は既に、元の天使とは大きくかけ離れたものになっている。

 デビルサマナー以降、メガテンに登場するの最下級天使は、目隠しと首輪を付けた肌も露わな女性(実際には両性具有らしい)の姿をしているが、目の前にいるそれらは、その外見が、男と女、二つの生に分化し、更に歪められていた。

 男性的な肉体に、羽根の抜け落ちた骨翼。鎖垂れさがる首輪と、股間に大きく天に逆立つ、牙の様なペニスケース(コテカ)を付けた、インクブスを思わせる男天使。

 四つん這い、狂気に吊り上がった唇の端から涎の泡を垂らし、辛うじて皮布で隠した豊かさな胸を、ぶらりぶら下げたディオニソス教徒(マイナス)を思わせる女天使。

 明らかに天使には見えない、しかし、目を瞑れば天使としか感じられない戯画像(カリカチュア)の群れを引き連れ、僧形の女は笑う。

 対し、ただ一柱でそれに向き合うもの。右に杖、左に剣を持ち、頭に日輪を象る銀兜を被った権天使(プリンシパリティ)は、普段は表情のないその顔を恐怖と嫌悪に歪め、ただ慄いているように見えた。

 

「選ぶ道はお決まりになりましたか?天使様」

 

 そんな一幕を、無言、驚きとともに眺める二人の前で、女の朱唇からそれだけ抜きだせば清楚に思える、涼やかな声が流れ出す。

 

「お仲間を裏切って、私たちをお招きになりますか?

 この子らと交友を深め、そのお友達になりますか?

 それとも……」

 

 彼女はそう言って、一旦その言葉を切った。

 

「その手の刃を、ご自身に振るわれますか?

 どうなさいますか?自死を禁じられた天使さま?」

 

「……魔女め(Witch)!」

 

「私の事でしたら、ソーサラー、或はソーサレスと呼んでいただきたいものですね」

 

 弱々しく吐き捨てられた悪罵に、彼女はコロコロと笑うと、僧衣の袂でその口元を隠した。

 そしてその瞬間、動いたその手が顔の前を横切るその一瞬を選んで、権天使は動き出す。

 目の前のその光景が、突然白く染まった。

 マハ・ブフ、敵群を氷結させる冷気の嵐が放たれ、その反動、天使は空に飛び出す。

 チリチリと、大気を漂う靄の実態を持った一部が凍り付き、ぬめる膿緑を帯びたダイアモンドダストが綺羅と落ち行く様が見えた。

 

「ガッ!」

 

 そして続く、僅かな打撃音。脱兎、自らの術に吹き散らかされるかの如くに飛び立ち、樹冠ギリギリを首縄を跳ね除けて飛ぶ天使が、突然その姿勢を崩した。

 打たれ堕ち行くそれをからめ捕らんと、木々から無数の触腕(くびなわ)が延びる。

 翼打ち折れ、武器も落として吊り下げられる天使。

 ほほえみのまま“果実”に歩み寄る僧形の嫋やかな手に、ブーメラン、哀れな天使を地に落とした武器が戻り収まった。

 羯磨――二個の三鈷杵を、十字に組み合わせた形の仏教宝具。

 原型であるインドの古武器同様、刃を研ぎ澄まされた戦闘用のそれが、天使が飛び立つや否や左袂から放たれ、先行する獲物の翼を撃ち折ったのだ。

 

頼む(Please)頼む(Please)殺してくれ(kill me) !」

 

 明らかな怯えを纏ってガチガチと噛みあわされる、天使のその皓歯の間から、そんな懇願が漏れる。

 

「あら天使様、果実は食べられ……」

 

 そして、歩きながらそう語りかける女が、突如跳び退き、羯磨を手に身構えた。

 少年の傍ら、向うを伺っていた霊視が、颶風、白い砲弾の如くに根を蹴り飛び出したのだ。

 

「……腐れ天使共に、肩入れする気はさらさらねぇがよ。

 嬢ちゃんよ、そいつはチィとやりすぎってもんだぜ」

 

 女と天使、その狭間から少しずれた三角点。どちらをも殴りつけられる位置で、男はその足を止める。グローブのような分厚い手指が、顔の眼鏡を外し投げ捨てた。

 押取り刀、一瞬遅れ追いついた彼預かりの式神が、その斜め背後を固める。

 

「それと、この森は私有地だ。

 どこのどちらさんだかしらねぇが、せめて名乗ってほしいものだがな」

 

 その問いかけに、一瞬、意外と言うように目を丸くした女の口が、皮肉気に歪んだ。

 

「……転生者(・・・)。なるほど、仮面(・・)を完全に呑んだか。

 遠ざけるどころか、感知も出来ないとは厄介な話だ」

 

 そう、男性的な口調で呟く。

 

「……テメェ、俺達を知ってるのか?」

 

 そして、そんな彼女の言葉を聞いた、巨漢の体に戦意が溢れた。

 

「勿論知っていますとも、転生者達の互助組織、ガイア連合の霊視さま」

 

 それだけで、体が一回り大きくなったかに見える男に、しかし僧形の女は淑やかにそう笑いかける。

 

「それに説明するまでもなく、貴方の目には見えているのではありませんか?」

 

 青い光を宿す男の目を見返して、そう続けた。

 

「名乗る気はねぇ…って解釈で良いのかい?」

 

 その言葉に身構える男に、尼僧は肩をすくめて見せる。

 するとほぼ同時、止まっていた天使の群れが動いた。

 獣の如くに駆ける女天使が、女と男の間に割り込む。歯を剥きだしに、男を睨んだ。

 一拍遅れ、浮遊し地を滑る男天使が、尼僧の両脇を固め“牙”を前に付きだす。

 そして緊張、巨漢の筋骨が、一回り膨れ上がった。

 ミチミチと、内側から押し広げられたスーツが、悲鳴を上げる。

 だが女は素知らぬ顔で、するり、天使擬きの囲いを抜け出すと、そのままゆるゆると、気楽な散歩とでも言うように天使の果実に歩み寄った。

 

(P)お願いします(Please)やめて(stop)やめて下さい(Please stop)

 

 止めて止めてと繰り返す天使の顔に、手を伸ばしながらこう口を開く。

 

「信じてはもらえないでしょうが、現時点では私共にガイア連合との敵対意志はありません。

 ここにしても、単に富士山麓と言う立地が良かっただけで、別に、異界をどうこうしようと言うわけではありませんしね」

 

「つまり、お前さんたちはなんらかの組織、と言う事かい?」

 

 身構えたままそう返す霊視に、尼僧はくすり、笑みを浮かべてみせると、なにも応えず天使にその顔を寄せた。そうして口づける。

 

「……なっ」

 

 唖然、驚きを漏らす巨漢にかまわず、尼僧はそのまま相手口中を(ねぶ)ると、恐怖の表情、大きく目を見開いた権天使の、その眼球がぐるりと回転、白目を剥いた。

 吊り下げられたままのその全身が、瘧にでもかかったかの如くに震えだす。

 べちゃりと、汚らしい音がした。唇を離す女と天使の間に、ほんの一瞬唾液の橋がかかると、それは直ぐ、相手の唇から吐き出される粘液に途切れた。

 

ああ(Aa)あぁ(Ah)……」

 

 もしかするとそれは、天使としての彼の断末魔だったのかもしれない。

 天使が吐きだす粘液は留まる事を知らず、白目をむく彼の法衣を濡らし、蔽い、溶かした。今や裸の彼を蔽う粘液はやがて白濁し、繭に包まれた昆虫か、或は、魚や両生類の卵を包むゼリー状の卵嚢に包まれたかの姿に変わる。そしてドン、ドン、と、見えない中で何かが暴れているような音と共に、繭は内側から不規則に突き上げられるように蠢く。

 それを制止はしなかった。身構えた霊視も、物陰でチャンスを伺う義腕も。

 目の前の異様に気圧された面は、確かにあった。

 数を勝る敵、こちらを知る得体のしれぬ女を前に、迂闊に動けない事もある。

 だがそれ以上に、感じている何かがあった。

 

『仮面を完全に呑んだか』

 

 霊視に向けた彼女の言葉。

 全く意味の分からないそれに、しかし、真実があると、彼らのどこかが感じている

 ……見届けなければならない。目の前で行われている何かを。

 そして、警戒しながらも見届ける姿勢の二人の前で、天使達が動いた。

 女天使を掴んだ男天使が、地の上を滑るようにして後退る。

 

「……逃げる気か?」

 

 そう訪ねつつ、何時でも跳びかれる姿勢をつくる霊視を前に、尼僧がええと頷いた。

 

「この異界に、ガイアと本格的に敵対してまで執着する価値はありませんから。

 この子は少し残念ですが、まぁ、遊んだ私の自業自得です。土産に置いて行きますよ」

 

「なに!?」

 

 その言葉に不吉を感じた巨漢が動き出すその直前に、二人が動いた。

 まずは女が、右手に構えた羯磨を構える。その投撃を警戒、勢いを緩め片手を防御に動かす男に、口元を微かに吊り上げた。

 そして、振り下ろす。傍らに吊り下げられた巨大な蛹に。その表面を切り開いた。

 開いた口から粘液が溢れだし、その隙から生白い指先が覗く。

 そして、戦いが始まった。

 

 





・自転車
 1970年代から80年代にかけて自転車ブームがあり、休日のサイクリングや、旅行用自転車(ランドナー)での小旅行を楽しむ人が結構な数居たようだ。
 翔意は、チタンのロードかランドナーが欲しいなぁと、割と真面目に思ってる。
 モトクロスではないのは、ホッピングをダンパー代わりに使える為。

・僧形の女
 原作アリのキャラ、中ボス(をい)。この話を十五禁にした理由の半分は、コイツがキスで毒薬飲ませてチンピラを洗脳したシーンを思い出したからだったりする。

・天使エンジェル/デビルサマナー以降の女神転生シリーズ
 デビサマ以降メガテンのスタンダードになったエロい服装の天使。ゲームの画質向上に伴い布地が増えたが、初代とソウルハッカーズではボトムレスだった。両性具有との事なので、多分太腿で挟んでいると思われる(ナニを?)。
 一応、目隠しには元ネタがあるようで、キリスト教教会に時折見られる、ユダヤ教教会を擬人化した女性像(通称シナゴーグ)がデザインソースとのこと。
 シナゴーグは、「ユダヤ教会如きに真理が見つけられるもんか、べーっ!」的な像だが、ごちゃついてともすれば下品なキリスト教会の擬人化より、矢折れ視界を閉ざされても毅然と立つこちらの方が、気品があるように感じられるのが割と面白い。
 え?鎖首輪ハーネス乳バンドボトムレスの元ネタ?
 デビサマ、ソウルハッカーズには割とMや人体破壊的デザインのオリジナル悪魔多いし、当時の金子センセの趣味じゃね?

・男天使/モチーフはあるが一応オリジナル
 尼僧の燃える口付け(毒液)を受け天使でいられなくなった天使(違)。
 僧形の女が、正式名称未定(かつては立川流と混同されていた)の所謂“彼の教え教団”関係なので、インキュバスモチーフに変異している。
 元はエンジェルなので、完全な男ではないが、男性要素が強く表に出ている。
 主な攻撃手段は、股間のバイコーンの角で行うヌードフェンシング。
 流石に粘液+1は使わない。

・女天使/モチーフはあるが一応オリジナル
 尼僧燃える口付け(毒液)を受け天使ではいられなくなった天使(違)。
 僧形(中略)マイナスモチーフの姿に変異している。元はエ(ry
 ほぼほぼマイナスで、狂乱し、咬みつき、引き裂き、食い千切り、逆○する。

・羯磨
 金剛杵二つを十字に組み合わせたような形の法具。元はインドの投擲武器である。
 デビサマに大量の武器防具特技が輸入された某オカルトアクション小説シリーズでも武器として使われてた記憶があるので、投具にあるかなと思って探したけどなかった。
 同じ投擲武器由来法具の法輪はあったのだが。
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